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ケアの品質向上を牽引。その人の当たり前の生活を実現する「自立支援ケア」。

ケアの品質向上を牽引。その人の当たり前の生活を実現する「自立支援ケア」。

認知症戦略室 

室長

杉本 浩司

2021.08.05

 MCSが注力している自立支援ケア。年内には都市型経費老人ホームを除く全事業所への導入を予定しています。その自立支援ケアを推進する認知症戦略室 室長の杉本さんにお話を聞きました。


当たり前の生活を実現する自立支援ケア

 自立支援ケアは簡単に言うと、ご利用者が望む当たり前の生活を実現すること。認知症の症状や脳の覚醒状態が良くないと、ご自分の思いをうまく表出できないことが多くあります。専門職であり、パートナーの僕たちが関わることで、ご利用者がどのように生きたいのか、ご自分の思いを表出できるようにします。

寝たきりだった方が翌日歩けるように

 自立支援ケアは、「水分」「栄養」「運動」「薬」に着目します。体内の水分は、1%失うだけでも「イライラ」「うとうと」「ぼーっとする」「落ち着かない」などの意識障害が見られます。特にご高齢の方は僕たちと比べると、体の水分量は10%も少ないんです。だから少量でも水分を失うと、その影響は大きいんですよ。

 ですが、ご高齢の方の1日の平均水分摂取量はわずか700ml程度です。なので、その状態を改善するためにその人にとって適切な水分摂取の増量から行います。

 嘘みたいな話ですが、寝たきりだった人が適切な水分摂取をしただけで、翌日普通に廊下を歩いていたり、状態が良くなったりすることがあります。なぜかというと脱水を起こしていたからです。心身機能の低下や持病などが悪化して動けなくなってしまったと思い込んでいたら、実は脱水だったということが多いんです。同じようにご高齢の方は多くの方がタンパク質不足を原因とする低栄養だったり、「ふくらはぎ」を使う運動量が足りないことで下半身が浮腫んでいる方も多くいます。

 適切な水分摂取と栄養状態の改善、「ふくらはぎ」の運動による下半身の浮腫みをとることで身体的・精神的な状態が改善されます。もう一つの効果として表れるのが減薬です。MCSでは、約5割のご利用者の下剤や向精神薬、眠剤が減りました。
 服薬の併用は認知症の症状の進行リスクもあります。水分・栄養・運動の適正化を図ることで、服薬によるリスクの低減にもつながっています。

認知症の方全員を良くしたい

 大学院で自立支援ケアの理論を学んで、15年ほど前から実践してきました。水分と運動を中心としたケアを行うと7割の方に何らかの症状の改善が見られます。でも、僕はせっかくやるなら残りの3割の方も良くしたい。そのために、具体的に何が必要か、ご利用者の血液データを詳しく調べました。すると、低栄養や貧血など、介護が必要なご高齢の方のほとんどが飢餓状態に近い数値だったんです。
 もちろん入り口として水分摂取は大切ですが、栄養も重要だと改めて気づきました。

 管理栄養士とも相談しながら、色々な食材を試しましたが、最近ではプロテインを飲んでいただくようにしています。
 そもそもご高齢の方は、食べるための体力が減少しているので、通常の食材と違ってそのまま摂ることができて、吸収の良いプロテインを飲んでいただくことでご飯を摂取しやすい体力をつけるためです。
 個人差はありますが、プロテインを飲み始めて3週間後には変化が見られます。足の浮腫みの原因のタンパク質の不足も改善されるので、浮腫みも減り、運動も行いやすくなります。

「継続」がご利用者にとって何よりのケア 

 自立支援ケアで重要なのは、「継続」。僕が導入前に必ず実施するのが教育です。それは、「なぜ」の「根拠」を学ぶことが大切だからです。さらに役職者にはリーダーシップとマネジメントについても学んでもらいます。ここが継続できるかできないかの要になるからです。
 続けられないことで一番負担があるのはご利用者。状態が変化してしまい、また同じ思いをさせてしまうことを阻止しなければならない。そこを強調しています。


日本の介護が、日本を変える

 介護は標準化がされていなくて、施設によってピンキリなのが現状です。MCSが所属する学研グループが運営する運営居室数は現在業界4位なので、全事業所の標準化が図れれば、ほかの企業もケアの質を見直して何か始めるかもしれない。
 それが全体に広がればいいですよね。そこが僕の狙いです。そのためにも、その方の当たり前の生活を実現する自立支援ケアに力を入れています。


 そして、日本の介護を変えて日本を変える。日本式の介護は世界一ですから、各国の文化に合わせた介護を輸出して、世界に広げていきます。

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