介護の必要性の程度は、要介護認定と要支援認定で判定されます。
自立歩行が困難な要介護3でも、実はまだ一人暮らしできる可能性があります。
本記事では「要介護3で一人暮らしは出来るのか」について解説していきます。
- 要介護3で一人暮らしをしたいと思っている
- ご家族に要介護3の高齢者の方がいる
- 要介護3向けの介護サービスを知りたい
要介護3の方と、同居したときの介護時間についても紹介しています。
ぜひ最後までお読みいただき、参考にしてください。

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要介護3とは?

厚生労働省では「要介護」について、次のような状態であると定義しています。
「寝たきりや認知症等で、常時介護を必要とする状態」となっています。
介護度は、身体機能と認知機能に合わせた状態を示しています。
要支援1・2、要介護1〜5に設定されています。
要介護3は「日常生活が一人では困難・家事と身の回りの世話」など全面的なサポートが必要な状態のことです。
身体の機能以外にも、認知症による理解力の低下もみられます。
また認知症の影響によって、自宅の外へ徘徊してしまうケースも少なくありません。
要介護3の段階では、介護士・家族などのサポートなしでは生活できません。
一人暮らしをしていくのは困難なので、施設入居も検討したほうがいいといえるでしょう。
心身の状態
要介護3の状態では、日常生活を送るのは一人では困難です。
家事と身の回りの世話など、全面的なサポートが必要です。
心身の状態も良好ではありません。
要介護度3段階目である要介護3は、心身の衰えが顕著なのです。
身体の方も、歩行や立ち上がることが難しくなります。
要介護3の具体的な心身の状態は、
- 立ち上がりや、片足立ちなどの複雑な動作が困難である
- 歩行や立位保持が1人でできない場合がある
- 排泄、入浴などに介護を必要とする
- 着替えや掃除など身の回りのことができない
- 認知症による徘徊行動が見られる
など、生活全般においての介護サポートが必要な状態になります
また、思考能力や理解力も低下していきます。
認知機能によっては、24時間介護を必要とする段階でもあります。
認知症のレベルが重度な場合は、常時見守りが必要です。
なおかつ、日常生活面の安否確認が常時可能な環境作りをしていきましょう。
認定基準
要介護認定では介護度を判定する指標として「要介護認定等基準時間」があります。
要介護認定の1つの判断基準です。
認定条件である「要介護認定等基準時間」とはなんでしょう。
「要介護認定等基準時間」は要介護者の介護をするための介護時間を表しています。
要介護3は「70分以上90分未満」とされています。
これに相当する状態と診断された場合も、要介護3が認定されるようになっています。
要介護3の給付金限度額
介護保険では、要介護の段階に合わせた1ヶ月ごとに給付の金額が決められています。
この給付金の名称を「区分支給限度額」と呼びます。
具体的な要介護3の区分支給限度額は、1ヶ月につき27万480円です。
また1ヶ月の介護費用が限度額内であれば、1〜3割の自己負担でサービスを受けられます。
ただ区分支給額の限度額は、地域・状況により異なることもあります。
詳しい内容は、ケアマネージャーなどに相談してみましょう。
要介護3について詳しく知りたい方はこちらの記事も合わせてお読みください。

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要介護3で一人暮らしは出来る?

それでは、要介護3で一人暮らしは可能なのかについて説明していきます。
一人暮らしができる可能性が高い、小規模多機能型居宅介護と高齢者住宅について解説します。
介護サービスを利用しながらであれば可能
要介護3は、日常生活のほとんどで介助を必要とする状態です。
基本的には、一人暮らしは難しい状態といえます。
そんな時は「小規模多機能型居宅介護」などの介護サービスを利用する方法もあります。
介護サービスの利用ができれば、一人暮らしができる可能性があります。
「小規模多機能型居宅介護」とは、小規模の居住系サービスのことです。
中重度の要介護になっていても在宅生活を実現できるように介護サポートを受けられます。
主にデイサービスと訪問介護、ショートステイなどの介護サービスが提供されています。
要介護3認定でも、小規模多機能型居宅介護の介護サービスを受ける選択もあります。
小規模多機能型居宅介護サービスを受けることで、一人暮らしが可能になります。
特養かサービス付き高齢者住宅が現実的
要介護3で一人暮らしを検討しているなら、特養とサービス付き高齢者住宅が現実的です。
特養とは、「特別養護老人ホーム」と呼ばれている施設のことです。
社会福祉法人や、地方自治体が運営しています。
対象者は、65歳以上で要介護3~5の認定を受けており
- 常に介護が必要な状態
- 寝たきりの状態
- 認知症により思考・理解力が低下している
などの緊急性が高い方を対象にしており、一人暮らしができない状態です。
特養は、公的な施設のため低料金で利用可能です。
個室以外に相部屋になることもあるため、注意が必要です。
もう1つ、入居者の手厚い介護が不要の「サービス付き高齢者住宅」があります。
「サ高住」とも呼ばれて、特養とは対照的な介護不要の高齢者向けの施設です。
もしくは、要介護度の低い高齢者向けになります。
サ高住は「介護職員による見守りサービス・生活相談サービス」を受けられます。
食事、入浴、排泄など生活のサポートを受けながら、自由に暮らすことが可能です。
生活の見守り体制が万全で、サポートを受けられれば、一人暮らしも可能です。
該当する高齢者の家族がいる方は、利用を検討してみてください。
要介護3で受けられるサービス

要介護認定を受けることで、さまざまなサービスを受けることができます。
ここからは、「要介護3で利用できるサービスの利用回数、レンタルできる福祉用具」について解説していきます。
利用できるサービスの利用回数
区分支給限度額の範囲におさまるように、サービス利用回数が決められております。
ただ、限度額を超える場合は、全額自己負担になるため注意が必要です。
要介護3の方の、区分支給限度額内の介護サービスの例は下記の表のとおりです。
| サービス名 | 利用回数 |
| デイサービス | 週2~3回程度 |
| 訪問介護 | 週5~7回程度 |
| 訪問看護 | 週1~2回程度 |
レンタルできる福祉用具
要介護3の段階では、福祉用具をレンタルすることが可能です。
以下を参考に、必要な福祉用具をご検討ください。
- 歩行補助杖
- 手すり
- 歩行器
- スロープ(工事が不要なもの)
- 車いす
- 車いす付属品
- 介護ベッド
- 床ずれ防止用具
- 体位変換器
- 特殊寝台付属品
- 自動排泄処理装置(尿のみ吸引するもの)
- 認知症老人徘徊感知機器
- 移動用リフト(工事しないもの・つり具部分を除く)
このように多種多様な福祉用具をレンタルできます。
本人の心身の状態や生活環境を分析し、適切な福祉用具を選択していきましょう。
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要介護3で利用できる施設

要介護認定を受けることで、福祉用具のレンタル以外にも受けられるサービスがあります。自宅での一人暮らしに限界が来た場合、介護施設入居での介護サービスを受けられます。
要介護3で利用できる施設は以下の通りです。
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 介護老人保健施設(老健)
- 特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホーム等)
- 介護療養型医療施設
- 介護医療院
施設ごとに、受けられるサービス内容もさまざまです。
要介護の状況に合わせたケアプランの作成後サービスを受けることになります。
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要介護3の人と同居する場合の介護時間

要介護3の人と同居する場合、同居人の介護時間は終日に及ぶケースが増えます。
一人暮らしは条件的に無理で、家族が一緒に住むことになった場合です。
同居時の主な介護時間を要介護度別に分析します。
要支援1〜2までは「必要なときに手をかける程度」が増えていきます。
要介護3以上では「ほとんど終日」という事が多くなっていきます。
そのうえ、同居人は介護からの精神的疲労と肉体疲労が、日々蓄積していきます。
精神と肉体的疲労が原因として発症する「介護うつ」になる恐れも出てきます。
自分では、気付かないうちに進行していく「介護うつ」には注意が必要です。
介護時間が長期化する程、ストレスやうつになる可能性も高まります。
最悪の場合は、同居人が体を壊すこともあるのです。
同居人のためにも、介護サービスを検討することをおすすめします。
出典:厚生労働省【要介護者等のいる世帯の状況】
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要介護3の一人暮らしのまとめ

今回は、「要介護3で一人暮らしは、出来るのか」についてご紹介しました。
要介護3で一人暮らしは、出来るのか?についての要点を以下にまとめます。
- 小規模多機能型居宅介護などの介護サービスを利用すれば可能
- 家族、同居人は終日介護の状況になるため、介護うつに注意が必要
- 訪問介護・看護、福祉用具のレンタルなどがある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


