特定施設入居者生活介護の人員基準とは?設備基準や運営基準も解説!

特定施設入居者生活介護の紹介パンフレットには、施設の人員基準が記載されています。
人員基準には3つの基準が設けられています。

特定施設入居者生活介護の人員基準は、どのようなものなのでしょうか?

本記事では特定施設入居者生活介護について、以下の点を中心にご紹介します。

  • 特定施設入居者生活介護とは
  • 特定施設指定のための3つの基準
  • 人員基準と、その従業者要件

特定施設入居者生活介護の人員基準について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。

ぜひ最後までお読みください。

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特定施設入居者生活介護とは

厚生労働省は特定施設入居者生活介護について、下記のように定義しています。

「特定の施設に入居している要介護者を対象として行われる、日常生活上の世話・機能訓練・療養上の世話のことであり、介護保険の対象となる。」

また下記の4種の(高齢者向け)施設を特定施設と規定しています。

  • 介護付き有料老人ホーム(介護保険指定対象の施設)
  • 軽費老人ホーム(ケアハウス)
  • 養護老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅

以上の施設で受ける介護サービスのことを「特定施設入居者生活介護」と言います。

特定施設入居者生活介護には「一般型」と「外部サービス利用型」の2種類あります。
「一般型」は特定施設内で看護・介護職員によるサービスを提供する形式を指します。
「外部サービス利用型」は、特定施設側が外部事業者に委託してサービスを提供する形式を指します。

今回は「一般型」の特定施設入居者生活介護について説明します。

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特定施設入居者生活介護の人員基準

特定施設入居者生活介護を行う施設として指定を受けるためには、厚生労働省が定めた3つの基準を満たす必要があります。

まずは「人員基準」について説明します。

人員基準とは「入居者1人に対し、看護介護職員・生活相談員・機能訓練指導員・計画作成担当者・管理者を、どのくらい配置しなければならないのか」を定めたものです。

職種 配置基準
管理者 1人[兼務可]
生活相談員 要介護者等:生活相談員=100:1
看護・介護職員 ①要支援者:看護・介護職員=10:1

②要介護者:看護・介護職員=3:1

※ただし看護職員は要介護者等が30人までは1人、30人を超える場合は50人ごとに1人
※ 夜間帯の職員は1人以上

機能訓練指導員 1人以上[兼務可]
計画作成担当者 介護支援専門員1人以上[兼務可]
※ただし、要介護者等:計画作成担当者=100:1を標準とする

出典:厚生労働省「特定施設入居者生活介護」

例えば、生活相談員の項目の「100:1」は「要介護者(施設入居者)100人に対して、生活相談員1人以上を配置する」ということです。

管理者・機能訓練指導員・計画作成担当者は兼務可能となっていますが、「業務に支障が出ない範囲」と規定されています。

特別養護老人ホームについても詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

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生活相談員とは?

人員基準内の「生活相談員」について、もう少し詳しく解説します。

生活相談員は介護施設や介護事業所に勤務の相談員で、ソーシャルワーカーとも呼ばれています。

  • 入所調整・手続き
  • 入居者・ご家族に対する相談業務
  • 他職種・地域・各種機関との連携業務

上記が生活相談員の主な業務です。

高齢者が施設入所となった時の窓口としての役割を持ち、入居後の生活や介護についての相談にも対応しています。
また施設利用者が施設内で快適に過ごせるための支援も行います。

また、入居者のご家族の心配事などを解消できるように、他の職種と情報共有して支援していきます。

よく似た仕事として「支援相談員」があります。
業務内容には大きな違いはないのですが、支援相談員の主な仕事場は介護老人保健施設です。

介護老人保健施設は「生活自立・在宅復帰」を目的としている点で、特定施設とは異なる施設になります。

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特定施設入居者生活介護の設備基準・運営基準

人員基準の他にも「設備基準」「運営基準」があります。
それぞれ、どのような基準か説明します。

設備基準

施設内の全体の環境についてはもちろんですが、日常生活動作に関わる設備にも基準があります。

設備 基準
介護居室 原則個室
プライバシーの保護に配慮
介護を行える適当な広さ
地下には設けない
一時介護室 介護を行うために適当な広さ
浴室 身体の不自由な者が入浴するのに適したもの
トイレ 居室のある階ごとに設置
非常用設備を備えること
食堂・機能訓練室 機能を十分に発揮し得る適当な広さ
施設全体 利用者が車椅子で円滑に移動することが可能な空間と構造

出典:厚生労働省「特定施設入居者生活介護」

施設全体としては、廊下の段差をなくす・手すりを配置するなどバリアフリー環境を整えることが定められています。

運営基準

運営基準は非常に項目や内容が多いため、以下のようにまとめました。

項目 内容
手続きの説明
契約の締結
事前に利用者とその家族に、勤務体制や利用料等について説明を行い、同意を得ること
サービス計画・提供 利用者に合った特定施設サービス計画を作成すること
具体的なサービス内容を記録すること
介護 入浴が困難な利用者について、1週間に2回以上、入浴介助を行うこと
利用者に対し、食事・離床・その他 日常生活上の世話を適切に行うこと
相談及び援助 相談に適切に応じ、利用者の社会生活に必要な支援を行う
運営規定 事業の運営についての重要事項に関する規程を定めること(運営方針、緊急時の対応 等)
勤務体制の確保 適切なサービスを提供できるよう、従業員の勤務体制について定めておくこと
非常災害対策 非常災害に関する具体的な対策を立てること
定期的に訓練を行うこと

出典:厚生労働省「特定施設入居者生活介護」

上記の人員基準・設備基準・運営基準の3つを満たしていれば、特定施設(入居者の生活介護を行う施設)の指定を受けることができます。

軽費老人ホームについても詳しく解説していますので、こちらもあわせて参考にしてください。

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特定施設入居者生活介護の対象者

要介護1〜5の認定を受けている高齢者の方が「特定施設入居者生活介護」の対象となります。
要支援1〜2認定の方で特定施設に入所している場合は「介護予防特定施設入居者生活介護」のサービス利用が可能です。

介護保険の対象者区分についても詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

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特定施設入居者生活介護の従業者の資格要件

先ほど「人員基準を満たすためには一定数以上、各業務担当を配置しなければならない」と説明しました。
ここでは、どういった資格を持つ人が人員基準に該当するのか「特定施設入居者生活介護の従業者資格要件」について、まとめました。

管理者

特に資格要件はありません。

生活相談員

原則として、「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事任用資格」のいずれかの資格が必要です。

ただし、自治体(都道府県)によっては、これらと同等以上の能力があると認められる者(例:介護福祉士、介護支援専門員、一定の実務経験者など)も要件として認めている場合があります。

看護職員

看護師・准看護師が該当します。
健康管理・バイタルチェック・病気や怪我の処置等を行います。

介護職員

人員基準としての資格要件はありませんが、介護サービスの質を担保するため、介護福祉士や介護職員初任者研修修了者などの有資格者が多く配置されています。
食事・排せつ・入浴など、日常生活に関わる動作全般の介助・支援を行います。

機能訓練指導員

以下のいずれかの資格を有している必要があります。

  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴聴士
  • 看護師
  • 柔道整復師
  • あん摩マッサージ指圧師
  • はり師
  • きゅう師

トレーニング・レクリエーション・マッサージ等を通じて、身体機能の維持・回復に努めます。

計画作成担当者

介護支援専門員(ケアマネージャー)が該当します。
利用者が円滑に介護サービスを受けられるように、ケアプランを作成・遂行します。

特定施設入居者生活介護の人員基準まとめ

ここまで特定施設入居者生活介護に関し、人員基準や従業者資格要件などについて、ご紹介しました。

本記事のポイントをおさらいすると、以下の通りです。

  • 特定施設入居者生活介護とは、指定を受けた施設で受けられる介護サービス
  • 特定施設の人員基準は、利用者数に対する看護介護職員等の配置割合を定めたもの
  • 人員基準である生活相談員、看護職員、機能訓練指導員、計画作成担当者にはそれぞれ定められた資格要件が必要

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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