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『大規模有料老人ホーム』×『きめ細かい日本式認知症ケア』で上場を目指す!~MCSの海外介護~

『大規模有料老人ホーム』×『きめ細かい日本式認知症ケア』で上場を目指す!~MCSの海外介護~

中国事業部

部長
田草川 孝洋

2022.10.04

2014年より中国を中心に展開しているMCSの海外事業。コロナ禍など厳しい状況下で海外事業を推進する中国事業部 田草川部長に話を聞きました。


MCS中国事業の歴史

MCSの海外事業は中国からスタートしています。中国は、急速な経済成長に加え、高齢化が進んでいます。2014年当時の中国の*高齢化率は9.12%でしたが、国連推計によると2035年には高齢化率が21%となり日本と同じ*超高齢社会に突入します(日本は2007年に超高齢社会となった)。日本の14倍の人口がいる中国の介護事情や混乱はかなり厳しい状況になると当時から認識し、MCSがこれまで培ってきた認知症ケアで少しでも貢献できないかと2014年に中国事業をスタートしました。上海の北側に位置する南通市で護理院の運営を開始してから早8年が経過し、現在は南通・天津・広州・成都・北京・蘇州で6都市 7施設 963床を運営しています。

*高齢化率 …総人口における65歳以上の割合のこと
*超高齢社会…65歳以上の割合が人口の21%を超えた社会


現在中国でのパートナー企業は、FORTUNEグローバル500に選出されるような有力国営企業や上場企業、病院とさまざまです。中国の高齢化が進むなか、高齢化問題が顕著に表れ始めており、これまでも多くの企業からコンサルティングや合弁会社設立の依頼が来ていました。前述の各施設での質の高い介護が高く評価されたことで国営企業をはじめ、中国の名だたる企業からのお声掛けがますます多くなってきています。この勢いを止めることなく、2年以内に3000床を超える施設運営を目指しています。当社の強みである認知症ケアと中国で主流の大型有料老人ホームは大きくオペレーションは違いますが、外部から新たな人材も迎えながら認知症に強い大型有料老人ホームという日本での展開とは一味違った介護施設を中国の地で確立させていきます。



コロナ禍の厳しい状況下での奮闘

2021年11月に中国に渡った私の立場は、中国国内各施設の運営を統括する主席運営官いわゆるCOO(最高執行責任者)です。名前は立派ですが、やっていることは各事業所にジャパンクオリティの介護サービスを根付かせること、要するに人材育成です。また、そこから波及するさまざまなビジネスチャンスを見逃さず新たな事業企画を提案しています。しかし今はコロナ禍。特に中国は『ゼロコロナ』政策であり、*滞在8か月のうち5か月超は隔離又は*封院の状況でほぼ隔離ホテルと施設の往復です。思うようにリサーチが進まないため、新たな事業計画の立案などに課題を感じています。中国での生活を楽しむ余裕もありませんね。(笑)

*2021年12月から7月現在までの期間。日本に一時帰国ののち、現在も中国に滞在中。
*封院とは、介護施設の近隣にコロナ陽性者が発生した際に民政局の指示により介護施設への出入りを完全に禁止されることです。スタッフもご利用者も施設敷地外に出ることは許されない厳しい政策です。この政策によりコロナを最小限に抑えることができ市民の安全が守られています。

2022年2月から四川省成都市に常駐し、新規開設の有料老人ホーム(338床)と認知症専門施設(174床)の準備をしています。その中で気付いたことは中国の介護には理念やビジョンがなく、ただただタスクを追及するというスタイルだということです。これにはエピソードがあります。それは、中国の合弁相手の幹部が集まりぜひ目指すべき介護の話をしてくれと言われ、私がいつものように目指す介護理念の話を始めて2.3分経った時、その席にいた幹部に「曖昧な話はいらないから手法を教えてくれ!!」と話を遮られたんです。これで瞬時に理解できました。中国の皆さんは介護を作業としか見ていないということを。



 ここから3か月余りスタッフと交流しながら理念やビジョンといった話を繰り返ししてきましたが、文化の違いからなかなか理解してもらうのは難しい状況です。しかし、理念・ビジョンはチーム一丸となって目指すべき姿として我々が最も大切にしている部分ですので、根気よく伝えています。

このような状況の中でも、光も見えてきています。日本での介護経験者が入社してくれたことです。理念に共感し、大切さを理解して当社に転職してくれたとのことでした。さらには、認知症専門フロアで顕著にご利用者の認知症の症状が改善されたことで、ご家族に他社との違いが認識され高い評価を受け始めています。そして、理念やビジョンの重要性が中国のパートナー企業の経営幹部にも少しずつ理解され始めています。今後も中国の文化を尊重しつつ、中国スタッフと意見交換をしながら日本の介護の特徴を伝え続けていきます。時間はかかりますが、ご利用者には生きがいを、スタッフにはやり甲斐を、全ての関係者に誇りを提供できるように今後も中国事業の発展に努めてまいります。

介護職を目指す若者が集う大学で、9月から毎週2時間授業を受け持つことも決定しています。日本の介護をリスペクトしてくれていることは充分実感していますので、期待に応えられるように今後も勉強を欠かさず中国スタッフと共に中国の介護発展に貢献していきます。


MCSの目指す中国事業。大規模有料老人ホームでも
認知症に強い!がキーワード

 MCSの中国事業の目指すべき方向性は、介護事業・介護周辺事業において中国優良企業と手を組んで上場させることです。当面の目標は2年以内に3000床を達成させること。中国に進出していた日本の大手介護会社がほぼ撤退した今、中国で当社が生き残るためには、今までにない新しい『中国版MCSケアメソッド』の確立だと認識しています。日本同様に、当社が得意とする認知症の方の症状改善に向けたケアを行っていきます。また、中国はIT大国ですので、当社の認知症ケアと中国のITを融合させたスマート養老施設の早期実現を目指します。そのためにも大手ロボット開発会社と業務提携し、共に介護施設運営を行うことも決定しています。中国政府の養老政策に貢献するためにも国営企業との関係も引き続き強固なものにしていき、中国の状況にあった大規模な有料老人ホームでも認知症ケアに強い介護施設運営を作り上げます。また、一人でも多くの認知症で困っている方の力になれるように、展開エリアの拡大を目指しています。

MCSの海外戦略は中国だけで終わるものではありません。まず中国で海外事業の土台をつくり、次は東南アジアでの横展開を意識しています。グローバル意識を強く持つ若手人材にとって魅力ある海外事業に発展させていきますので、今後のMCSの海外介護に注目してください。


MCS海外駐在員の役割。
「私たちと共に夢を実現しませんか?」

企業としては上記のとおり大きな話が多いですが、私たち駐在員の仕事は優秀な人材の育成!ただそれだけだと認識しています。今後もコツコツと『中国版MCSケアメソッド』の担い手となる介護人材の育成に力を注いでいきます。

私たちのビジョンに共感してくれる人材を募集しています。今まで培った介護の知識、ノウハウを海外で展開したい方、私たちと共に夢を実現しませんか? 興味がある方は、直接下記の連絡先までお気軽にご連絡ください。

連絡先 メディカル・ケア・サービス株式会社 中国事業部

部長  田草川 孝洋(たくさがわ たかひろ)
メール  t.takusagawa@mcsg.co.jp

※中国のオンライン環境の関係で返信が遅れることがございます。予めご了承ください。

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