認知症周辺症状とは?具体的な症状と原因を説明します!

認知症では、「中核症状」と中核症状によって引き起こされる「周辺症状」があります。
周辺症状と呼ばれる症状がどのようなものか知っていますか?

今回は、中核症状と周辺症状の違いをご紹介した上で、周辺症状の治療方法や治療薬についてご紹介します。

  • 認知症周辺症状の具体的な症状
  • 中核症状と周辺症状の違い
  • 認知症周辺症状の治療方法や治療薬
  • 認知症周辺症状を軽減する方法

この記事をご覧いただき、認知症周辺症状をより深く知るための参考にしてください。
ぜひ最後までお読みください。

目次

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認知症周辺症状とは

認知症,周辺症状

記憶障害や見当識障害、実行機能障害など、脳の神経細胞の障害によって引き起こされる症状を中核症状と言います。

これに対して周辺症状は、中核障害が起こることで二次的に生じる症状のことを言います。
周辺症状は、認知症の方本人の性格、または置かれている環境や周囲の対応と深い関係があります。

したがって、認知症の方が必ずしも周辺症状を引き起こすわけではありません
置かれている環境や周囲の対応によっては発症しない、または軽減することがあります。

ここからは、認知症の中核症状と周辺症状の具体的な症状をご説明していきます。

中核症状と周辺症状を知ることは、認知症についての理解をより深めるきっかけになるでしょう。

中核症状

中核症状は、脳が障害を受けることにより引き起こされる直接的な症状です。
中核症状の具体的な症状には以下のものが挙げられます。

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記憶障害

認知症の中核症状の1つである記憶障害は、些細な物忘れから始まります。
財布をどこに置いたかを忘れたり、人との約束を忘れるなど、認知症の方でなくても起こりうる程度のものです。

しかし認知症が進行することで、些細な物忘れだったのが実際に自分が体験したこと自体を忘れるようになります。
たとえば、初期の段階では夕食のメニューを忘れても、自分が夕食を食べたことは覚えています。

認知症が進行すると、夕食のメニューどころか食べたこと自体を忘れてしまいます。
そのため、認知症の方本人には忘れた自覚がありません

また、記憶障害では短期記憶が失われ、長期記憶は保たれやすいです。
しかし、進行することで長期記憶にまで障害が広がっていきます。

見当識障害

見当識障害とは、「時間」「場所」「人」などを正確に認識できなくなる症状です。
「時間」「場所」「人」を認識する機能である見当識に障害が及ぶことで発症します。

初期段階では、時間の見当識障害が起こります。
日付や時間が分からなくなったり、季節感が失われます。

時間の見当識障害が進行すると、場所の見当識障害が起こります。
自分が今どこにいるのかが分からなくなり、外出してから自宅に帰ることが困難になります。
また、自宅を自宅だと認識できず、家から出て行こうとします。

さらに症状が進行することで、人に対して見当識障害が起こります。
家族などの身近な存在の人でも正確に認識できず、関係性を間違えるようになります。

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実行機能障害

実行機能障害とは、物事の計画を立て効率よくこなすことができなくなる症状です。
今までは普通にできていたことでも、効率よく行うことが困難になります。

そのため、途中で放棄するようになることもあります。

認知症の初期段階から、料理の手順や電化製品の使い方が分からなくなるといった症状が見られます。
さらに進行することで、日常生活の単純作業までもが効率よくできなくなります。

理解力や判断力の低下

理解力や判断力が低下すると物事を適切に判断したり、素早く理解することができなくなります。
したがって、人の話についていけなくなったり、物事の良し悪しが分からなくなってしまいます。

また、信号や踏切を渡るタイミングも正確に判断できなくなることがあるため、事故のリスクが高まります。

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失行

体が正常に動くにも関わらず、目的を持った行動の取り方が分からなくなることを失行と言います。
失行を発症すると、今まで普通にできていたことができなくなります。

例えば、箸の使い方が分からず、箸を上手に使ってご飯を食べることができないといった症状が現れます。
また、鍵ではないものを鍵穴に入れてドアを開けようとする、トイレや着替えができないなども起こります。

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周辺症状(BPSD)

周辺症状(BPSD)は、「行動・心理症状」とも言われています。
中核症状を引き起こすことにより、認知症の方に強い不安や混乱をもたらします。
そのような精神状態に、認知症の方本人の性格や置かれている環境などの様々な要因が影響することで起こるのが周辺症状です。

周辺症状の具体的な症状には以下のものが挙げられます。

徘徊

中核症状の1つである見当識障害が進行することにより、外出時に道に迷うことや自宅に帰ってこれないといった状態に陥ります。

その結果、徘徊へと繋がります。

  • 自宅にいても「ここは自分の家じゃない」と主張し出ていこうとする
  • 過去に住んでいた家に帰ろうとする
  • すでに亡くなっている親族や友人に会いに行こうとする

などの行動が見られます。

周囲の人からすると理解し難いことですが、認知症の方には本人なりの目的や理由があります。
したがって、外出を止めることは非常に困難です。

また、外出を止めることで怒りやストレスを感じてしまうこともあるので、理由をしっかり聞いて外出から別のことへ意識が逸れるようにしましょう。

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暴力や暴言

前頭葉の神経細胞がダメージを受けることで機能が低下し、感情をコントロールすることが困難になります。
その結果、周囲の人に対して暴言を吐いたり、暴力を振るうなどの行為に発展します。

認知症になり、できないことが増えていくことへのもどかしさや不安を感じることも原因の1つです。
また、自分の体の不調や不快感を上手く伝えることができないことも認知症の方にとって強いストレスになります。

暴言や暴力行為が現われたときに周囲の人が感情的になると、余計に悪化する可能性もあります。

無為・無関心

周囲のことだけにとどまらず、自分自身の身の回りのことに対しても意欲や関心がなくなることがあります。
今までは自分から積極的に行っていたことでも、「〇〇したい」という気持ちが低下してしまいます。

そのため家に閉じこもることが増え、人との交流を避けるようになります。

妄想

妄想の中でも特に多いのが、物盗られ妄想です。
自分で財布や通帳などを置いた場所を忘れてしまい、結果的に「盗まれた」と周囲の人に疑いの目を向けるようになります。

その他にも自分がいじめられたと感じる「被害妄想」や、配偶者が浮気をしていると疑う「嫉妬妄想」などがあります。

ご家族などの身近で大切な存在の人だからこそ、関係が壊れ維持できなくなるという不安や恐怖から引き起こされることが多いです。

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幻覚

幻覚は、認知症の中でも「レビー小体型認知症」によく見られる周辺症状の1つです。

  • すでに亡くなっている人などの実際に存在しない人が見える
  • 対象となるものが全く別のものに見える
  • 本来の色とは違う色に見える

などの幻覚症状が現れます。

周囲の人には見えていないものなので、突然言われると困惑することが多いです。
しかし、認知症の方を否定せず話を合わせることが重要です。

異食

異食とは、食べ物ではないものを食べようとすることを言います。

認知症が進行することで、食べ物とそうでないものを正確に判断することができなくなることによって起こります。
そして、何でも口に入れてしまうようになり、身体に悪影響を及ぼす危険性も高まります。

口に入れてしまう可能性があるものを、認知症の方から遠ざけることが異食対策になります。

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認知症周辺症状の治療方法

認知症周辺症状の治療方法には、薬物療法と非薬物療法の2種類があります。

薬物療法では、興奮状態などの「過活動症状」と意欲低下などの「低活動症状」の2つに対する治療法があります。
2つの症状のどちらかによって使用する薬は違います。

興奮などの過活動症状では、抗精神病薬や抗てんかん薬を使用します。
対して意欲低下などの低活動症状では、セロトニン再取り込み阻害薬やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬を使用します。

非薬物療法は、薬を使用せず「回想療法」や「音楽療法」などのリハビリを行います。

回想療法では昔の思い出話をしたり、聞いたりすることで心の安定を取り戻し、脳を活性化させることができます。
音楽療法では、認知症の方が好きな歌を歌ったり、楽器を演奏することで心身がリラックスし、ストレスの緩和に繋がります。
また、楽器の演奏や歌に合わせてダンスをするなど身体を動かすことで、身体能力の改善が期待できます。

ここからは、認知症周辺症状の治療薬をご紹介します。

認知症周辺症状の治療薬は、以下の2つです。

抗認知症薬

抗認知症薬は中核症状の進行を抑えることができ、比較的軽度な状態を保つことが期待されます。
ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンなどが挙げられます。

認知症の種類によって使用する薬は違いますが、抗認知症薬は特にアルツハイマー型認知症に有効です。

抗精神病薬

抗精神病薬には、従来型である定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬があります。

抗精神病薬は暴言や暴行、興奮状態などの過活動症状に使用される薬です。

脳内のドーパミン神経の活動を抑えることにより、症状を緩和・改善できます。
興奮などの症状を抑えるだけではなく、改善や予防にも効果が期待できる薬です。

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認知症周辺症状を軽減するには?

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認知症周辺症状は、認知症の方本人が置かれている環境や周囲の対応などの要因が絡み合い起こります。
認知症の方に対して周囲の方がしっかりケアをすれば、認知症周辺症状の軽減や改善ができます。

認知症周辺症状軽減のために、認知症の方としっかり向き合うことが大切です。
たとえ理解できない行動をしたとしても、まずは「なぜその行動をするのか」を考えることが大切です。

大声で叱ったり行動を否定すると余計にストレスを与えてしまい、興奮状態に陥る可能性があります。
また、「嫌な人」という認識を持たれる可能性もあり、そうすると今後一緒に生活しにくくなってしまいます。

したがって、認知症の方を叱ったり否定せず、優しく冷静に接することが重要です。
そうすることで、認知症の方との信頼関係を築くことができ、周辺症状の軽減にも繋がります。

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認知症の初期症状を見逃さないようにしよう

認知症,周辺症状

認知症には以下のような初期症状があります。

  • 物忘れ
  • 判断力の衰え
  • 集中力の低下
  • 精神的な異常

それぞれの症状に気づく出来事についてご紹介します。

物忘れ

物忘れの症状は以下のような出来事がきっかけで気づくことが多いです。

同じ話を繰り返す

約束を忘れる

ゴミの回収日など決まり事を守れなくなる

同じことを何度も言ったりしたりする

財布や通帳などを盗まれたと家族を疑う

料理の味付けがおかしくなる

判断力の衰え

判断力の衰えは以下のような出来事がきっかけで気づくことが多いです。

  • 買い物の支払いでおつりの計算ができず、常にお札で支払う
  • 会話速度についていけず会話が成り立たない
  • 信号が赤になりそうなときに渡ろうとするなど危ないことの判断ができない

集中力の低下

集中力の低下は以下のような出来事がきっかけで気づくことが多いです。

  • 読書好きだったのに本を読まなくなる
  • テレビドラマの展開についていけず、観なくなる
  • 趣味の手芸や工作、料理などの家事を途中で投げ出してしまう

精神的な異常

精神的な異常は以下のような出来事がきっかけで気づくことが多いです。

  • 趣味や楽しみだったテレビ番組に興味を示さなくなった
  • 人付き合いが億劫になり、何事もやる気が起こらない
  • 些細なことでも怒りっぽくなる
  • 1人になると怖がったり寂しがったりする

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認知症周辺症状まとめ

認知症,周辺症状

今回は、認知症周辺症状についてご紹介してきました。
認知症周辺症状についての要点を以下にまとめます。

  • 認知症周辺症状は、認知症の方が置かれている環境や周囲の対応に深く関わりがある
  • 認知症周辺症状には、「徘徊」「妄想」「幻覚」などの症状がある
  • 認知症周辺症状の治療薬には、「抗認知症薬」と「抗精神病薬」がある
  • 認知症周辺症状を軽減するためには、周囲の方のケアが大切

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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