人見知りだったからこそ、優しくなれた。
S.K


後悔のない道を選びたくて。

中学生のときに祖父母が亡くなったのですが、生前にちゃんと接することができなくて、ものすごく後悔したんです。介護という仕事があることを知ったのは、ちょうどその頃。人とのふれあいが必須となるこの仕事に、純粋に「関わってみたい」という気持ちが芽生えて、福祉系の大学へ進学することを決めました。

大学でさまざまな講義を受ける中で、最初に興味を持ったのは、福祉用具の分野でした。実際に就職説明会にも参加したのですが、その会社が、たまたまグループ会社の「ケアスター」だったんです。そちらに就職しようかとも思ったのですが、まずは現場で福祉用具を使ってみないと分からないこともあるなと感じて。大学の実習を通じてグループホームにも興味を持っていたので、最終的に同じグループ会社のメディカル・ケア・サービスで働く道を選びました。

自分の得意が仕事に活きる。

現在はケアスタッフとして、食事・入浴・お手洗いの介助や見守り、それにレクリエーションの実施などを担当しています。レクリエーションでは、近くの公園に散歩に出かけたり、カードゲームや工作をしたりしていますね。
メディカル・ケア・サービスが面白いと感じるのは、レクリエーションの内容や施設の行事を、自分たちで企画できるところです。私の場合、小学生の頃から書道をやっていた経験を活かして、お正月にはご利用者といっしょに書き初めをしました。やっぱりご利用者が楽しんでくれたり、「ありがとう」と感謝されたりすると、とても嬉しいですし、モチベーションも上がりますね。

ご利用者の「今」に、しっかり耳を傾ける。

仕事をするうえで心がけているのは、「傾聴」することです。ご利用者が不安に思っていることや困っていることに対して、しっかりと耳を傾ける。そして、その人が安心できるまで、やさしく何度も声かけをする。この姿勢は、私に最初に仕事を教えてくれた先輩の姿を見て学びました。
また、ご利用者の気分を汲み取りながら接することも大切なことだと感じています。入社したての頃は、「このご利用者には『今』これをやらなきゃ」とスケジュールを優先して仕事に取り組んでいましたが、ときにはご利用者の気分が乗らないこともあります。そんなときは、少し時間を置いてから接してみる、というように柔軟にコミュニケーションできるようになりましたね。

人見知りだったからこそ、人にやさしく。

実は、小さい頃からかなりの人見知りで。でも介護の仕事をするためには克服しなきゃと思って、学生時代はカフェで接客のアルバイトをしていました。たくさんの方とコミュニケーションする中で、初めての人とでもムリなく話せるようになったと思っています(笑)。
そのときの経験は、今の仕事にとても役立っていますね。たとえば新しくご入居された方の場合、お互い「初めまして」になるので、どうしても緊張してしまいます。それに相手は、グループホームに入居することに対して不安を抱いているはず。だからこそ、なるべくやさしく、そして一方的にならないように話しかけることを大切にしています。

もっと、ご利用者のサポートができるように。

昔から家でじっとしていられない性格なので、オフのときは、ライブに行ったり、旅行に出かけたりすることが多いですね。最近は書道教室に通えていないので、また再開したいなと思っています。
仕事の面では、今後、機会があれば福祉用具の仕事にも携わってみたいですね。学生時代は「ただ便利なものだ」という認識でしかなかったんですが、実際に現場で働いてみると、今まで一人ではできなかったことができるようになる、その機能性が本当にすごいなと実感しました。もともと興味があった分野なので、そちらの方面からも、ご利用者のサポートができたら嬉しいですね。もちろんケアスタッフとしても、まだまだ成長していきたいと思っています。もっといろいろな資格を取って、ますます活躍できるようになっていきたいですね。