うつ病になったら仕事はどうすれば良い?両立のやり方を紹介

目次

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うつ病と仕事について

うつ病は見た目では分かりにくい病気です。
気分が落ち込んでいるときや体調が不調のときは仕事にも影響します。
うつ病になっても仕事は続けられるのでしょうか?

本記事ではうつ病と仕事について以下の点を中心にご紹介します。

  • うつ病になったら仕事はどうすればよいのか
  • うつ病でも仕事は続けられるか
  • 仕事を辞めた場合の支援制度について

うつ病と仕事について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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うつ病とは

近年うつ病はめずらしくなく、誰にでも起こりうる病気という認識になりました。
うつ病について以下の2つをご紹介します。

  • うつ病の仕組み
  • うつ病の主な原因

うつ病の仕組み

うつ病発症の仕組みはよくわかっていませんが気分や感情がうまく制御できない状態です。
気分や感情を制御する脳のエネルギーが欠乏して働きに影響を与えていると考えられます。

脳の神経細胞同士でやり取りされる神経伝達物質があります。
(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン)
神経伝達物質の量のバランスの乱れや欠乏が気分や感情の不調の原因と考えられています。

出典:厚生労働省「うつ病|心の病気を知る|」

うつ病の主な原因

うつ病を引き起こす主な原因として、環境の変化によるストレスがあります。
以下のような環境変化がストレスになり、うつ病発症の原因になると考えられています。

  • 学校や職場内でのいじめやパワハラ
  • 受験や仕事での失敗
  • 失恋や離婚
  • 家族や友人との死別
  • 結婚、妊娠、出産
  • 昇進、栄転、進学、就職、家の新築などの喜ばしいはずの環境変化

うつ病のままでも仕事はできる?

うつ病を発症したら仕事を続けることは難しいのでしょうか。

うつ病になっても、重症度にもよりますが、仕事を続ける方は珍しくありません。
うつ病には症状の波があるので、見た目では分かりにくいことがあります。
ストレスの原因を周囲の方に理解してもらえれば仕事の継続も可能です。

環境を変える調整には以下のようなことがあります。

  • 職場環境の改善
  • 人間関係の調整
  • 業務内容の調整

会社の産業医や上司などに相談しましょう。

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うつ病で仕事ができない場合は?

うつ病で仕事ができない場合には、以下の2つの対応があります。

  • 休職申請をする
  • 仕事を辞める

それぞれの対応について内容をご紹介します。

休職申請をする

もし、うつ病と診断されたら、まずは休職という選択肢があります。
うつは誰でもかかる可能性のある病気です。
うつ病と診断されても、焦らず治療に専念すると決め職場復帰を目指すことも大切です。

休職をする場合は、医師の診断書が必要になります。
勤務先の産業医やかかりつけの医師と相談するとよいでしょう。
また、勤務先の会社の休職制度の有無や内容も把握しておく必要があります。

会社の上司や人事部、産業保健スタッフ(産業医など)などから確認しましょう。

仕事を辞める

今の職場環境でうつを発症した場合、休職後に復職したとしても再発の可能性があります。
退職して治療に専念したうえで、次の良い働く環境を見つけることも大切です。
うつ病の方の就職活動の手段として

  • ハローワークの専門援助窓口の利用
  • 障害のある方を対象とした人材紹介会社の利用
  • 就労支援サービスの利用

の3つがあります。

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うつ病と仕事を両立するには

うつ病の治療に取り組む以下の方法についてまとめます.

  • 規則正しい生活を送る
  • 周囲に相談する
  • 無理をしないこと
  • 物事をプラスに考える
  • 薬を服用する

それぞれの内容についてご紹介します。

規則正しい生活を送る

病気の予防法で大事なことは、規則正しい生活を送ることです。
規則正しい生活は「十分な睡眠」「適度な運動」「バランスの良い食事」からなります。
十分な睡眠をとることでストレスを軽減、解消する効果があります。

適度な運動には以下の効果があります。

  • セロトニンの分泌が活性化する
  • 睡眠の質が改善する
  • ストレスホルモンを低下させる
  • 脳の神経を成長させる物質(BDNF)が分泌される

最近、バランスの良い食事とうつ病改善の効果との関係も注目されています。
また、散歩やウォーキングなど屋外で日光を浴びることも気分をリラックスさせます。

周囲に相談する

うつ病で大切なことはひとりで抱え込まず周囲に相談することです。
自身がストレスに感じていることを、友人や家族、会社に知ってもらうことが大切です。
周囲にうつ病への理解や職場環境の改善(部署替えなど)に協力してもらうことです。

職場の同僚など、周囲の理解と協力があれば仕事継続の安心につながります。

無理をしないこと

心身共に無理をしないことが大切です。
体調が悪い時は無理せず休む、完璧を求めないなど考え方を変えることが大事です。
会社での残業は控える、通勤は余裕を持つなど、無理をしないように心がけましょう。

物事をプラスに考える

うつ病になると何事もネガティブな考え方にとらわれがちです。
考え方を、ネガティブ思考を減らしてポジティブ思考を増やすことに変えましょう。
例えば、一日のよかったことを毎日振り返ったり、自分の強味を客観的に再認識するなどです。

すべてをネガティブに考えるパターンをポジティブに考えるパターンへ変える試みです。

薬を服用する

医師からの指示がない限り処方薬の服用を怠らないようにしましょう。
また、眠れない場合の睡眠導入剤などの必要な薬の服用も忘れないことも大切です。

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うつ病になりやすい人

うつ病になりやすい方の気質(性格)があります。

  • 生真面目
  • 完璧主義
  • 自分に厳しい
  • 凝り性
  • 気を遣う

上記のような気質などがストレスを受けやすいと考えられています。

うつ病の段階症状

うつ病は検査で判定ができないので症状の程度で判断します。

  1. 1.憂うつ、気分の落ち込みがある
  2. 2.興味や喜びの喪失
  3. 3.食欲の異常
  4. 4.睡眠の異常
  5. 5.そわそわする、または体が重い
  6. 6.疲れやすい
  7. 7.自分を責める
  8. 8.思考力・集中力の低下
  9. 9.死にたいと思う

診断の基準となる症状は以下の通りです。
病状程度の目安を【初期症状】【中等度の症状】【重度の症状】に分けてご紹介します。

初期症状 中等度症状 重度症状
診断基準となる症状のうち、1、2のどちらかの症状を含む 診断基準となる症状のうち、1、2のどちらかの症状を含む 診断基準となる症状のうち、1、2のどちらかの症状を含む
診断基準3~9と合わせて5つ以上の症状が1日中、2週間以上続く 診断基準3~9と合わせて6~7つの症状が当てはまる場合 診断基準3~9と合わせて8つ以上の症状が当てはまる場合
仕事や家庭に問題が生じている
仕事などの生産性は落ちているが休まず続けられる

他にも、うつ病で仕事中に見られる症状があります。

  • コミュニケーションの低下(同僚との会話が減る、会議での発言がない、など)
  • 遅刻、早退、欠勤が増える(特に事前連絡、報告がない場合注意)
  • 落ち着きがなく離席が多くなる
  • 整理整頓ができなくなる(デスクやロッカーなどで)
  • 仕事中や会議での居眠り
  • イライラし同僚や上司に過度に反抗的になる

というような症状を示します。

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会社で受けられるストレス対策制度

企業は「心の健康づくり計画」を策定する必要があります。
厚生労働省の「労働者の心の健康保持促進のための指針」に基づくものです。
「心の健康づくり計画」の策定は以下の4つのケアからなります。

  • セルフケア
  • ラインによるケア
  • 事業場内産業保健スタッフ等によるケア
  • 事業場外資源によるケア

会社で実施されている具体的なストレス対策は以下のようなものがあります。

  • 産業医面談
  • ストレスチェック制度
  • メンタルヘルス研修

それぞれの内容についてご紹介します。

産業医面談

産業医のケアは4つのケアのうちの事業場内産業保健スタッフ等によるケアにあたります。
産業医は、労働者の心身の状態を観察し指導や助言します。
産業医は以下のような労働者に対して面談をします。

  • 健康診断で要チェックとなった労働者
  • 長時間労働者
  • メンタルヘルス不調の労働者
  • 休職前や復帰後の労働者
  • ストレスチェックの結果で必要とする労働者

産業医の面談は労働者の心身の健康維持に大切な役割を果たします。
一方、企業にとっても人材の確保、生産性の向上などメリットがあります。
従って、企業には労働者が安心して産業医面談が行える環境を整える必要があります。

ストレスチェック制度

ストレスチェックは4つのケアのうちのセルフケアにあたります。
労働安全衛生法に基づき、事業者はストレスチェックの実施が義務付けられています。
ストレスチェック実施の目的は以下のようなものです。

  • 労働者にストレスへの気づきを促す
  • ストレスの原因となる職場環境の改善
  • 労働者のメンタルヘルス不調の未然防止

ストレスチェックの結果、面接指導が必要とされた労働者は医師による面接指導します。
ただし、面接指導は労働者からの申し出により行われるものとします。

メンタルヘルス研修

メンタルヘルス研修は4つのケアが適切に実施される為に必要なものの一つです。
労働者、管理監督者、事業所内産業保健スタッフ等に対し、職務教育研修が必要です。
メンタルヘルス研修には以下のようなものがあります。

  • セルフケア研修(労働者個人向けの研修)
  • ライン研修(管理者向け研修)
  • ハラスメント研修(職場のパワーハラスメント対策の研修)

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うつ病で仕事ができない場合の支援制度

うつ病で退職した場合の経済的な支援制度には以下のようなものがあります。

  • 自立支援医療制度
  • 障害者手帳
  • 障害年金
  • 生活保護
  • 傷病手当金

それぞれの内容についてご紹介します。

自立支援医療制度

自立支援医療制度は医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。
うつ病などの心身の障害の除去・軽減するための通院医療について適用されます
自立支援医療制度による自己負担額の軽減の概要は

【通常の3割負担が1割負担に軽減される】
【所得区分ごとに1ヵ月当たりの支払い上限額の定めあり】

上記の通りです。

障害者手帳

うつ病の方は精神障害者保健福祉手帳の対象になります。

  • 公共料金の等の割引(NHK受信料の減免など)
  • 税金の免除(所得税・住民税・相続税の控除など)
  • その他、公共料金等の割引など

精神障害者保健福祉手帳を持っていると上記のようなサービスが受けられます。

障害年金

うつ病は障害年金対象の病気です。
障害年金は、うつ病になって生活や仕事が制限されるようになった場合に請求できます。
障害年金は現役世代の方も含めて請求が可能です。

生活保護

うつ病になり

  • 資産がない
  • 親族からの支援を受けられない
  • 他の公的制度の利用ができない

というような状態になったときは生活保護の支給を受けられます。

傷病手当金

傷病手当金はうつ病で会社を休んだ時に条件が合えば受けられます。

  • 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
  • 仕事に就けないこと
  • 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
  • 休業した期間について給与の支払いがないこと

傷病手当金は4つの条件すべて満たしたときに受けることができます。

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うつ病の主な治療方法

うつ病の主な治療方法として、医薬品による治療(薬物療法)と精神療法があります。
【薬物療法】
主として行われる治療法です。

治療薬に抗うつ薬を使う治療で、服用してもすぐに効果はあらわれません。
お薬を継続して服用する必要があります。
主治医の指示に従って焦らずに服用を継続することが必要です。

【精神療法】
精神療法は、専門家との対話を通して治療を進めます。
精神療法には支持的精神療法や認知行動療法、対人関係療法などがあります。

出典:厚生労働省「うつ病|心の病気を知る|」

仕事復帰を目指す注意点

うつ病の治療で、仕事復帰を目指す際の注意点は「仕事復帰を焦らない」ということです。
うつ病の治療は時間がかかります。
しかし、適切な治療を継続することで社会復帰することが可能です。

症状が回復したと考えて職場復帰しても、すぐに再発することになりがちです。
主治医とよく相談し、焦らずにしっかり休みながら復職に向けた準備をしましょう。

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うつ病に対する家族のケア

うつ病の方に対する家族の方の主な接し方を以下にまとめます。
【家族の気づき】
心身や行動の面で不調のサインを家族が見逃さないことが対応の重要なカギになります。

【相談につなげる】
まずは本人の話を聴き、そのうえで会社の産業医や相談窓口へ相談するよう促してみる。

【療養を支える】
うつ病で一番大事なことは休息することです。
安心して休息できる環境を作ることが症状の改善につながります。

様子に変化が見られないときは、病院への受診を勧めます。

【心の病気を理解する】
原因探しをしない、励まさない、無理に何かをしない、退職などの大きな決断は先延ばしにするなどです。

【自殺のサインに気づく】
いつもと違う言動がないか、自殺予防のサインに当てはまる場合は専門家の受診をします。

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うつ病と躁うつ病の違い

うつ病と躁うつ病は同じようで実は違います。
症状など似ている部分もありますが、両者は全く違う病気で治療薬も異なります。
うつ病は単極性うつ病といい、以下のようなうつの症状だけが出ます。

  • 気分が落ち込む
  • やる気がなくなる
  • 眠れなくなる

一方躁うつ病は、双極性障害といい、うつ状態と躁状態を繰り返す病気です。
多くの躁うつ病の方はうつ状態の時に受診します。
その後、躁状態が発症するまで双極性障害と分からない場合があります。

また、うつ病は治療薬に抗うつ薬、躁うつ病は気分安定薬と抗精神薬が使用されます。

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メンタルヘルス対策の実施状況について

厚生労働省からメンタルヘルス対策の実施状況が報告されています。
ストレスチェック制度の実施状況については以下の通りです。

  • 事業場規模別の実施事業場割合(平均) :84.9%
  • 産業別の実施事業場割合(平均) :84.9%

いずれも、平均で8割以上の導入状況になっています。
一方、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は61.4%になっています。
メンタルヘルス対策は約6割しか実施がされていないことになります。

出典:厚生労働省【ストレスチェック制度の実施状況
出典:厚生労働省【令和2年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況 目 次

うつ病と仕事まとめ

ここまでうつ病と仕事についてお伝えしてきました。
うつ病と仕事の要点を以下にまとめます。

  • うつ病で仕事ができない場合の選択肢は休職か退職
  • うつ病と仕事の両立はストレスの軽減と治療法を上手に活用することで可能
  • うつ病で退職した場合は公的な経済的支援制度が利用できる

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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