ストレスと自律神経の関係。自律神経失調症ってどんな病気?

自律神経が乱れると、精神面・肉体面の両方に不調があらわれやすくなります。
自律神経を乱す原因の1つが、ストレスです。

それでは、なぜストレスが自律神経の乱れにつながるのでしょうか。

本記事では、ストレスと自律神経について、以下の点を中心にご紹介します。

  • ストレスが自律神経を乱す理由
  • 自律神経失調症の種類
  • 自律神経失調症の症状とは

ストレスと自律神経について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。

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自律神経とは

自律神経とは、全身の器官やホルモン分泌を調節する神経系です。
交感神経と副交感神経が働いています。

交感神経は活動性を生み出す神経系です。
脈拍や血圧などを高めることで、心身を興奮状態にします。

対して、副交感神経には身体を休める作用があります。
脈拍や血圧を下げることで、心身をリラックスモードに切り替えます。

自律神経は、交感神経と副交感神経が互いに入れ替わりながらバランスを保っています。
自律神経のバランスが崩れると、心身にはさまざまな不調があらわれやすくなります。

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自律神経とストレスの関係性

自律神経は繊細なため、些細なことでもバランスを崩すことがあります。
代表的な原因がストレスです。

ストレスを感じると、副腎皮質から「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。
同時に、副腎皮質の中ではアドレナリンというホルモンが分泌されます。

コルチゾールやアドレナリンは、身体を興奮させる作用があります。
具体的には、血糖値や血圧を上昇させたり、呼吸を早めたりすることで、脳の覚醒を促します。

なぜ身体を興奮させるのかというと、ストレスと戦うためです。
一時的に身体を強化することで、ストレスに負けない態勢を整えているわけです。

つまりコルチゾールやアドレナリンは、ストレスを乗り越えるために必要なホルモンです。
とはいえ、過剰に分泌すると身体に弊害があらわれます。

弊害として代表的なのが、自律神経の乱れです。
コルチゾールやアドレナリンは身体を興奮させることで、交感神経を刺激します。

つまり、ストレスが多い方ほどコルチゾールなどの分泌が増えるため、交感神経が活性化しやすい状態となります。

交感神経が過度に活性化しすぎると、副交感神経の働きが抑制されます。
結果、交感神経と副交感神経の交代がうまくいかなくなるため、自律神経のバランスが乱れてしまうのです。

たとえば、夜間は本来、副交感神経が優位になる時間帯です。
しかし、自律神経のバランスが崩れると、夜間でも交感神経の優位状態が続きます。

睡眠中も緊張状態が解けないため、心身が十分な睡眠や休息をとれなくなってしまいます。
不眠症やうつ病、生活習慣病につながるケースも多くみられます。

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自律神経失調症とは〈4タイプ〉

自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、心身にはさまざまな不調があらわれます。
自律神経失調症と呼ばれる状態です。

自律神経失調症は、発症原因によって4タイプに分類できます。
それぞれの内容をみていきましょう。

出典:厚生労働省「自律神経失調症 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

本態性型自律神経失調症

生まれつき自律神経のバランスが乱れやすいタイプです。
簡単にいえば、元来持っている体質に原因があります。

そのため、自律神経の乱れとストレスに関連性はほとんどありません。
本態性型自律神経失調症の方には、しばしば以下のような特徴がみられます。

  • 低血圧
  • 虚弱体質
  • 体力がない

神経症型自律神経失調症

心理的な要因が原因となるタイプです。
自分の体調や感情の変化に敏感な方に多くみられます。

いわゆる感受性の強い方が該当します。
自身の不調に敏感なため、些細な精神的ストレスでも自律神経のバランスが乱れやすいのが特徴です。

簡単にいえば、その場その場の自分の精神状態に影響を受けやすいタイプです。
以下のような方が該当します。

  • 神経過敏
  • クヨクヨしやすい

心身症型自律神経失調症

日常生活のストレスを原因とするタイプです。
自律神経失調症のなかで最も数が多いタイプでもあります。

日常のなかでストレスを抑え込む場面が多い方にみられるタイプです。
より具体的には、以下のような方が該当します。

  • 生真面目
  • 几帳面
  • 責任感が強い
  • 努力家

症状は精神・肉体面の両方にあらわれます。
なお、症状のあらわれ方や程度は個人差があります。

抗うつ型自律神経失調症

慢性的なストレスの積み重ねが原因です。
心身症型自律神経失調症の進行形にあたるタイプです。

心身症型自律神経失調症の症状に加え、うつ病に似た症状があらわれるのが特徴です。
具体的には、以下のような症状がみられます。

  • やる気が出ない
  • 気分が晴れない
  • 不眠
  • 頭痛
  • 食欲不振など

心身症型自律神経失調症と同じく、生真面目・努力家の方が該当するタイプです。

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自律神経失調症の症状は?〈自己チェック〉

自律神経失調症では、基本的に身体に器質的な異常はありません。
そのため、不調があらわれても原因を特定できないこともしばしばです。

自律神経失調症では、以下のようにさまざまな症状がみられます。

【肉体的な症状】

めまい 頭痛 耳鳴り 肩こり
眼精疲労 のどが詰まる ほてり 冷え
発汗 動悸 息切れ 下痢
便秘 倦怠感 疲れがとれない 食欲不振

【精神的な症状】

イライラ 不安 焦燥 不眠
憂うつ 集中力の低下 意欲の低下 情緒不安定

もし、身体に異常がないにもかかわらず上記の症状が複数当てはまる場合は、自律神経失調症の可能性があります。

ただし、自律神経失調症の症状は個人差が大きく、症状の強弱も一概にはいえません。
複数の症状があらわれることもあれば、1つの症状しか出ない場合もあります。

さらに、上記の症状以外の不調があり、かつ病気やけがなどの身体的異常が無い場合にも、やはり自律神経失調症の可能性があります。

気になる症状が続く場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

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自律神経失調症は何科を受診すべき?

診療科は、症状別に選ぶのがおすすめです。
具体的には、1番つらいと感じる症状に合わせるとよいでしょう。

例を以下に挙げます。

下痢・便秘・腹痛・嘔吐・食欲不振 消化器内科
息苦しさ・呼吸困難 呼吸器内科
動悸・息切れ・胸痛 循環器科内科
肩こり・頭痛 整形外科
めまい・耳鳴り・立ちくらみ 耳鼻咽喉科
生理不順・婦人科系の不調 婦人科
精神的な症状全般(イライラ・不安・不眠・憂うつ) 心療内科・精神科

診療科を選べないときは、まずかかりつけ医や最寄りの内科に相談するのも1つの方法です。

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自律神経失調症の診断

自律神経失調症には明確な診断基準がありません。
症状が人によって異なるためです。

自律神経失調症の診察は、まず肉体的・精神的に別の病気が考えられないかを調べます。
その後、検査などで病気やケガが見つからない場合、自律神経失調症と診断されることが一般的です。

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自律神経失調症の治療

自律神経失調症は多くの場合、ストレスが原因です。
よって治療の際は、まず根本原因であるストレスにアプローチすることが一般的です。

たとえば以下のような方法が用いられます。

カウンセリング カウンセラーと対話しながらストレスの解決を目指す
認知行動療法 自身の思考の歪みを正して、ストレスを感じにくい思考回路を鍛える
リラクゼーション療法 アロマテラピー・音楽療法・読書など
生活習慣の見直し バランスのよい食事・適度な運動・睡眠によってストレスに強い身体を作る

不安症状などが強い場合は、薬物療法が用いられることもあります。
代表的な医薬品は、抗うつ薬・抗不安薬・睡眠導入薬などです。

いずれも不安や緊張を和らげて心身をリラックスさせる作用があります。

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自律神経を整えるおすすめの漢方薬

サプリメント

自律神経失調症には、漢方薬が効く場合もあります。
代表的な漢方薬は以下の通りです。

加味逍遙散(かみしょうようさん) 抑肝散(よくかんさん) 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
成分 柴胡・芍薬・当帰・茯苓・蒼朮・山梔子・牡丹皮・甘草・生姜・薄荷 当帰・釣藤鈎・川芎・蒼朮・茯苓・柴胡・甘草 半夏・茯苓・厚朴・蘇葉・生姜
効果 身体の熱を冷ます、全身の血行を促進する 神経の高ぶりを鎮める、筋肉のつっぱりをゆるめる 神経を鎮める、のどや肺の調子を整える
向いている方 体力はあまりない、イライラしやすい、便秘になりやすい、更年期障害 体力は普通、イライラしやすい、怒りっぽい、更年期障害、貧血気味 虚弱体質、冷え性、のどが詰まったような感覚、胃の不調
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自律神経の乱れを防ぐための工夫

自律神経の乱れはセルフでも予防できます。
代表的な方法を2つご紹介します。

ストレスをためない

自律神経失調症の原因は多くの場合、ストレスです。
そのため、自律神経のバランスを保つにはストレスをためないことが大切です。

たとえば、以下のような方法があります。

  • 趣味や好きなことに打ち込む(旅行・買い物・読書・スポーツ)
  • 不安や悩みは信頼できる相手に相談する
  • 十分な休息をとる
  • ストレスの原因から離れる(休職・配置転換)

規則正しい生活をする

自律神経を整えるには、規則正しい生活を送ることも重要です。
具体的なポイントは以下の通りです。

  • 栄養バランスのよい食事
  • 適度な運動
  • 十分な睡眠

あわせて、生活リズムを整えることを意識しましょう。
体内時計が整うことで、自律神経のバランスも正常に維持しやすくなります。

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10人に1人が自律神経失調症

自律神経系の疾患に悩んでいる方は少なくありません。

実際に、令和元年度の厚生労働省の調査では、全体の約10%が自律神経失調症を経験しているという結果が出ました。
つまり、日本人の約10人に1人が自律神経失調症ということになります。

その他の自律神経系の疾患としては、不眠・起立性低血圧・過敏性腸症候群などがみられます。
いずれも、自律神経の乱れやストレスによって起こりやすい症状です。

また、同調査における「日常生活での悩みやストレスの有無」について、全体の約72%が「ある」と回答しています。
この結果により、多くの方がさまざまな悩みやストレスを抱えていることがわかります。

心身の健康を保つためにも、自律神経のバランスを保つことが大切です。
ストレスをためない、あるいはストレス発散し、自律神経を整えるようにしましょう。

出典:厚生労働省【令和元年度 健康実態調査結果の報告】

ストレスと自律神経の関係性まとめ

ここまでストレスと自律神経についてお伝えしてきました。
ストレスと自律神経の要点を以下にまとめます。

  • ストレスが自律神経を乱すのは、交感神経を刺激して副交感神経を抑制するため
  • 自律神経失調症は原因によって4タイプがある
  • 自律神経失調症の症状は、めまい・頭痛・動悸などの肉体的症状と、うつ・不眠などの精神的症状がある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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