必須アミノ酸とは、人体が体内で作ることができない9種類のアミノ酸のことをいいます。
必須アミノ酸が不足するとどのような症状がみられるのでしょうか?
必須アミノ酸は、どのような食品に含まれているのでしょうか?
この記事では、必須アミノ酸の不足による影響について、以下の点を中心にご紹介します。
- 必須アミノ酸とは
- アミノ酸が不足するとみられる症状とは
- アミノ酸を豊富に含む良質なタンパク質とは
ぜひ、最後までご覧いただき、アミノ酸不足にならない健康づくりの参考にしてください。
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必須アミノ酸とは

必須アミノ酸とは何なのでしょうか?
アミノ酸とタンパク質の関係や必須アミノ酸について詳しくみてみましょう。
アミノ酸はタンパク質を構成する
アミノ酸とは、タンパク質を構成している有機化合物になります。
アミノ酸は、20種類あります。
アミノ酸は、ひとつでも欠けるとタンパク質を合成することができなくなります。
人体の60%は水で構成されており、残り約40%のおよそ半分をアミノ酸が占めています。
アミノ酸は、人体を構成するために必須の栄養素になります。
必須アミノ酸は食事からしか摂れない
20種類のアミノ酸のうち、
- 人や動物が体内で作ることができない9種類を必須アミノ酸
- 体内で糖質や脂質から作り出すことができる11種類を非必須アミノ酸
と呼んでいます。
必須アミノ酸は、体内で合成することができない栄養素です。
そのため、タンパク質として食事から摂取しなければなりません。

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アミノ酸が不足するとどうなる?症状は?

アミノ酸が不足するとどのような症状がみられるのでしょうか?
アミノ酸が不足した場合にみられる症状について詳しくみてみましょう。
筋力が低下する
アミノ酸は、タンパク質の合成に関与しています。
そのため、アミノ酸が不足することでタンパク質が作られなくなってしまいます。
筋肉を作る材料となるタンパク質が不足することで筋肉が作られなくなってしまいます。
つまり、アミノ酸が不足するとタンパク質も不足するため、筋力が低下してしまいます。
睡眠の質が悪くなる・疲れやすくなる
アミノ酸の1つグリシンは、不眠を改善する効果があるといわれています。
グリシンには血管を拡張させ、体温の上昇を促し、体内の熱を放出させる作用があります。
体が眠りに入ろうとするときに、自然に体の中心温度を下げてくれます。
そのため、グリシンは自然な睡眠を導く効果があるといわれています。
また、グリシンは睡眠の質を高める働きもあるといわれています。
アミノ酸の1つであるグリシンが不足することで睡眠の質が悪くなる場合があります。
また、睡眠が十分にとれないことにより、疲れが蓄積されやすくなってしまいます。
アミノ酸は睡眠のみではなく、疲労回復にも重要な役割を担っています。
免疫力が低下する
風邪や細菌性の疾患から予防している抗体は、免疫細胞から作られています。
免疫細胞はタンパク質、つまりアミノ酸から作られています。
そのため、アミノ酸が不足すると免疫細胞が作られなくなってしまいます。
免疫細胞が作られなくなると抗体が減少してしまうため、免疫力の低下につながります。
基礎代謝が悪くなり太りやすくなる
体内のさまざまな臓器は筋肉でできています。
アミノ酸が不足するとタンパク質が合成されなくなるため、筋肉量の低下へつながります。
筋肉量が低下すると基礎代謝量が低下し、太りやすく痩せにくい体質になってしまいます。
また、摂取した脂肪が消費されないため、内臓に脂肪が溜まってしまうメタボリックシンドロームを引き起こしてしまう可能性も高くなります。
皮膚トラブルや薄毛につながる
皮膚組織の大部分を占める真皮の材料となっているのは、コラーゲンです。
コラーゲンもタンパク質から構成されています。
そのため、アミノ酸が不足するとタンパク質が合成されなくなり、コラーゲンも不足してしまいます。
コラーゲンが不足すると、皮膚のシワやたるみの原因につながる場合があります。
また、髪の毛の大部分はケラチンといわれるタンパク質で構成されています。
ケラチンは20種類あるアミノ酸のうち、一部が結合して作られる成分になります。
アミノ酸が不足するとケラチンが作られなくなり、枝毛や切れ毛、薄毛を招く場合があります。
集中力が低下する
脳内のドーパミンやセロトニンは、アミノ酸から作られています。
ドーパミンは、やる気を出してくれる神経伝達物質になります。
セロトニンは、気持ちをリラックスさせる神経伝達物質になります。
アミノ酸が不足すると、ドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質が脳内で作られなくなってしまいます。
そのため、集中力や思考力が低下してしまう場合があります。

アミノ酸欠乏症による病気

アミノ酸が不足すると、タンパク質が合成できなくなるため、体内ではタンパク質不足になってしまいます。
アミノ酸不足により引き起こされる可能性がある病気についてみてみましょう。
| 病名 | 特徴 |
| フレイル | 健康な体を維持する機能が低下し、心身が虚弱・脆弱した状態になる |
| サルコペニア | 筋肉量の減少や筋力の低下により、体全体の機能が低下する状態になる |
| ロコモティブシンドローム | 筋肉や骨など運動器の障害により、日常生活に支障をきたす状態になる |
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アミノ酸を豊富に含む良質なタンパク質は?

良質なタンパク質かどうかは、どのように判断すると良いのでしょうか?
アミノ酸スコアとアミノ酸スコアが高い食品について詳しくみてみましょう。
アミノ酸スコアをチェックしよう
アミノ酸スコアは、タンパク質の栄養価を示す指標になります。
タンパク質を構成しているアミノ酸には、必須アミノ酸と非必須アミノ酸があります。
アミノ酸スコアは、食品に含まれている必須アミノ酸の量をあらわしています。
一日に必要な必須アミノ酸の量がすべて含まれている場合、アミノ酸スコアは最大の100になります。
アミノ酸スコアが高い食品は?
アミノ酸スコアが高い食品について見てみましょう。
【動物性タンパク質】
| 食品名 | アミノ酸スコア | 食品名 | アミノ酸スコア |
| 鶏卵 | 100 | あじ | 100 |
| 牛肉(脂なし) | 100 | まぐろ | 100 |
| 豚肉(脂なし) | 100 | いわし | 100 |
| 鶏肉(皮なし) | 100 | 牛乳 | 100 |
| さけ | 100 | ヨーグルト | 100 |
【植物性タンパク質】
| 食品名 | アミノ酸スコア | 食品名 | アミノ酸スコア |
| 大豆 | 100 | 精白米 | 61 |
| さつまいも | 83 | ピーナッツ | 58 |
| じゃがいも | 73 | りんご | 56 |
| きゅうり | 66 | キャベツ | 53 |
| 玄米 | 64 | 小麦 | 44 |
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動物性タンパク質 vs. 植物性タンパク質

アミノ酸から作られているタンパク質は、大きく2種類に分けられます。
動物性タンパク質と植物性タンパク質の違いやそれぞれの特徴について詳しくみてみましょう。
動物性タンパク質はアミノ酸スコアが高い
動物性タンパク質は、肉・魚・卵・乳製品など動物性の食品に含まれています。
動物性タンパク質のアミノ酸スコアは、ほとんどが100です。
動物性タンパク質には、必須アミノ酸がバランス良く含まれています。
また、動物性タンパク質の中でも肉類よりも魚類のタンパク質の方が優れています。
魚類のタンパク質が優れている理由には、脂肪酸の種類にあります。
肉類には飽和脂肪酸が多く含まれているのに対し、魚類には不飽和脂肪酸が多く含まれています。
魚類に含まれている不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールを減少させる働きがあります。
一方、肉類に含まれている飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールを増加させる働きがあります。
これらのことから、脂の質からみても肉類よりも魚類のタンパク質を摂取する方が好ましいといえます。
植物性タンパク質なら大豆がおすすめ
植物性タンパク質は、大豆製品・米・小麦・野菜類などの植物性の食品に含まれています。
植物性タンパク質のアミノ酸スコアは、
- 大豆のアミノ酸スコアは100
- 小麦粉のアミノ酸スコアは44
- 精白米のアミノ酸スコアは61
- 玄米のアミノ酸スコアは64
となっており、動物性タンパク質と比較するとやや低めです。
植物性タンパク質には、動物性タンパク質ほど必須アミノ酸が含まれていません。
植物性タンパク質を含む食品には、食物繊維やビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれています。
タンパク質を摂取することを考えると、主食はパンよりもご飯が適しているといえます。
また、大豆製品を積極的に摂取すると良いでしょう。

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現代人はアミノ酸摂取量が減っている

現代人の栄養摂取状況について、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」を見てみましょう。
現代の日本人は、年々タンパク質の摂取量が減少していることが明らかになっています。
タンパク質には、アミノ酸が含まれています。
そのため、タンパク質の摂取量減少は、アミノ酸の摂取量減少へとつながります。
20種類のアミノ酸のうち、11種類の非必須アミノ酸は体内で作り出すことができます。
しかし、9種類の必須アミノ酸は、体内で合成することができません。
そのため、タンパク質として食事から摂取しなければなりません。
アミノ酸不足は、体にさまざまな悪影響を引き起こします。
アミノ酸不足にならないようにバランスの取れた食生活を意識することが重要です。
出典:厚生労働省「国民健康・栄養調査」

必須アミノ酸の不足による影響まとめ

ここまで、必須アミノ酸についてやアミノ酸が不足するとみられる症状、アミノ酸を豊富に含む良質なタンパク質などを中心にお伝えしてきました。
- 必須アミノ酸とは、人体が体内で作ることができない9種類のアミノ酸のことをいう
- アミノ酸が不足すると、筋力低下・睡眠の質の低下・免疫力の低下・基礎代謝の低下・皮膚トラブル・集中力低下などの症状がみられる
- アミノ酸を豊富に含む良質なタンパク質には、肉・魚・乳製品・大豆製品などがある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


