あまり知られていませんが、レシチンは人体の健康維持に重要な成分です。
レシチンとは、いったいどのような成分なのでしょうか。
また、どのような健康効果を期待できるのでしょうか。
本記事では、レシチンについて、以下の点を中心にご紹介します。
- レシチンとは
- レシチンの主な健康効果
- レシチンの摂取方法
レシチンについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
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レシチンとは

そもそもレシチンとはなんなのでしょうか。
まずは基本的な情報をみていきましょう。
レシチンはリン脂質の一種
レシチンはリン脂質の一種です。
リン脂質とは、細胞膜を構成する成分です。
レシチンを大きくグループ分けすると、広義のレシチンと狭義のレシチンの2グループがあります。
広義のレシチン
リン脂質全般をレシチンと捉えています。
純粋なリン脂質だけでなく、スフィンゴミエリンやフォスファチジルコリンとの混合物も含まれます。
日本においては、単純に「レシチン」というときは、広義のレシチンを指すことが一般的です。
狭義のレシチン
アメリカでの主流の考え方です。
レシチンの中でも、特定の一種のみをレシチンと捉えます。
具体的には、レシチン=ファスファチジルコリンと定義しています。
レシチンの化学的な性質
レシチンの化学的性質は以下の通りです。
- 乳化作用
- 酸化防止作用
- タンパク質との相互作用
- でんぷんとの相互作用
- 生理作用
- 保水作用
レシチンの体内におけるはたらき
体内におけるレシチンの主な働きは以下の通りです。
- 生体膜・細胞膜の主要成分
- 情報伝達物質(アセチルコリン)の材料
- 脂質の吸収を助ける
- 脂肪肝の改善
- 神経細胞の主成分
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レシチンの主な種類と特徴

レシチンは、大きく分けると大豆レシチンと卵黄レシチンの2種類があります。
それぞれの特徴をみていきましょう。
大豆レシチン
大豆レシチンは、血液中の滞在時間が長いのが特徴です。
そのぶん血管に作用する時間が長いため、動脈硬化や高血圧の改善効果を期待できます。
大豆レシチンは悪玉コレステロールを抑制することから、ダイエットのサポートにも役立ちます。
卵黄レシチン
卵黄レシチンは大豆レシチンと比べると、フォスファチジルコリンの含有量が高いのが特徴です。
フォスファチジルコリンは脳の神経系を正常に保つリン脂質です。
つまり卵黄レシチンは、脳機能のサポートに役立ちます。
なお、卵黄レシチンは、世界で初めて発見されたレシチンでもあります。
レシチンの健康への効果

レシチンは身体に様々な健康効果をもたらします。
代表的な効果をみていきましょう。
記憶力の向上
レシチンにはコリンという成分が含まれます。
コリンは、記憶力の向上に役立つ成分です。
コリンは、脳内神経伝達物質のアセチルコリンの原料となります。
アセチルコリンは、脳の記憶機能をサポートします。
もしアセチルコリンが減少すると、記憶力が低下しやすくなります。
記憶力を向上・維持するには、アセチルコリンの量を十分に保つことが大切です。
そこで役に立つのがレシチンです。
具体的にはレシチンに含まれるコリンを補給することで、アセチルコリンが盛んに作られます。
結果、脳の記憶機能が正常に保たれるため、記憶力の向上が期待できるというわけです。
認知症の予防・ADHD症状の改善
認知症は、記憶力・認知機能が著しく低下した状態です。
ADHDは注意欠如・多動症のことです。
具体的には注意力・集中力の著しい欠如や、ひとときもじっと落ちついていられない状態を指します。
認知症・ADHDの原因の一つとして、脳内の神経伝達物質の不活性化が挙げられます。
神経伝達物質が不活性化すると、脳からの指令が細胞・神経に届きにくくなります。
結果、記憶力・思考力・集中力などに重大な支障をきたします。
レシチンは、神経伝達物質の一種であるアセチルコリンの原料となります。
神経伝達物質が合成されると、脳機能は正常に保たれやすくなります。
結果、認知症やADHDの様々な症状の改善が期待できます。
なお、レシチンはミエリン鞘の主成分でもあります。
ミエリン鞘とは脳の神経繊維を覆う成分です。
ミエリン鞘が傷つくと脳の神経繊維が傷つくため、認知症のリスクが高まります。
一方、レシチンはミエリン鞘の主成分として、ダメージ部位を修復する作用があります。
脳の神経繊維の保護につながるため、認知症のリスクは下がります。
つまりレシチンは、神経伝達物質の合成・ミエリン鞘の修復という2つの面から認知症などの予防に役立ちます。
動脈硬化の予防
動脈硬化の原因の一つが、コレステロールです。
コレステロールは脂質の一種で、血管にへばりつくことで動脈硬化を引き起こします。
レシチンは血管にへばりついたコレステロールを溶かす作用があります。
本来、脂質のコレステロールは、水分である血液には溶けません。
しかしレシチンには乳化作用があります。
乳化作用とは、水と油を混ぜ合わせる作用です。
レシチンは油(コレステロール)と水(血液)を混ぜ合わせることで、血管に付着したコレステロールを押し流します。
なお、コレステロールには善玉と悪玉の二種類があります。
血管にへばりつくのは悪玉コレステロールです。
一方、善玉コレステロールは、余分なコレステロールを体外に排出する作用があります。
レシチンには悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす効果もあります。
つまり血管を傷つけるコレステロールを減らすため、動脈硬化のリスクが低くなります。
肝機能を高める
レシチンに含まれるコリンは、肝臓の脂質代謝をサポートする作用があります。
脂質代謝とは、脂質をエネルギーに変換する仕組みのことです。
また、レシチンには肝臓の細胞を増やす作用もあります。
結果として、肝臓の働きの活性化が期待できます。
なお、レシチンには脂肪肝・肝硬変の改善効果も期待できます。
理由は、肝臓の脂質代謝が活性化されることで、体内の脂質の燃焼が効率的になるためです。
簡単にいえば、体内の脂質が次々とエネルギーに変換されやすくなります。
脂肪が肝臓に蓄積するヒマがなくなるため、脂肪肝・肝硬変を予防できるというわけです。
肥満の予防・ダイエット
レシチンは肥満予防・ダイエットにも効果があります。
理由は、肝臓の脂質代謝をサポートするためです。
脂質代謝が盛んになると、脂質が効率的に燃焼されます。
つまり身体に脂肪がつきにくくなるため、ダイエットにつながるというわけです。
また、レシチンは血中の悪玉コレステロールを減らす効果もあります。
悪玉コレステロールは肥満の原因の一つです。
美肌効果
レシチンには肌を健康に保つ作用があります。
理由は、血中の悪玉コレステロールを減らすためです。
悪玉コレステロールが血管にへばりつくと、全身の血流が悪化します。
特に末端の血管の血流は非常に悪くなります。
すると全身の細胞に酸素・栄養が届きにくくなるため、肌の健康が損なわれます。
一方、レシチンは悪玉コレステロールを血液に溶かす作用があります。
血流が改善されるため、末端の細胞にまで栄養が届きやすくなります。
さらにレシチンには脂溶性ビタミンの吸収を助ける作用もあります。
脂溶性ビタミンは、肌の健康を保つのに役立ちます。
つまりレシチンを摂取することで、美肌に必要な栄養が全身の細胞の隅々にまで届きやすくなるわけです。
結果として、健康的な肌を維持しやすくなります。
不眠症の改善
最近の研究では、レチシンの摂取が不眠症の症状の改善に寄与する可能性が示されています。特に、レチシンは睡眠の深さと持続時間を向上させる効果があるとされています。一部の研究では、レチシンを摂取した被験者はより深い睡眠サイクルを経験し、覚醒の頻度が減少したと報告されています。
さらに、不眠症患者の中には、レチシンを摂取したことで睡眠の質が向上したという成功事例も報告されています。これらの報告によれば、レチシンの摂取によって眠りの質感やリフレッシュ感が向上し、不眠症の症状が軽減される可能性があるとされています。
ただし、これらの研究結果は初期段階のものであり、個人差や他の要因との相互作用なども考慮する必要があります。レチシンが不眠症にどの程度の効果をもたらすかは個別のケースによって異なる可能性があります。したがって、医師や専門家と相談することが重要です。
出典:J-STAGE「脂質摂取による睡眠への影響」

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レシチンを含む食品

レシチンが豊富な食品は以下の通りです。
- 卵黄
- 大豆
- 大豆製品(豆腐・味噌・納豆)
- うなぎ
- レバー
- うに
- ぎんなん
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レシチンの摂取方法・摂取のコツ

レシチンを効率的に摂取する方法をご紹介します。
ぜひご参考ください。
大豆や卵黄から摂取する
レシチンは大豆・卵黄に含まれる成分です。
レシチンを十分に補給するには、まず大豆や卵黄を食べる回数を増やす必要があります。
なお、レシチンは大豆製品や卵黄の加工品からも摂取できます。
たとえば豆腐・味噌・納豆の他、マヨネーズが代表的です。
ビタミンEと一緒に
レシチンはビタミンEと一緒に摂ると、効率的に吸収できます。
レシチンは酸化しやすいという性質を持っています。
一方、ビタミンEは体内の活性酸素を取り除く作用が高い栄養素です。
活性酸素は酸化の原因物質です。
つまりレシチンとビタミンEを一緒に摂取すると、レシチンの酸化が阻止できます。
ビタミンEが豊富な食品には以下があります。
- 卵
- 大豆
- かぼちゃ
- アーモンド
サプリメントを利用する
レシチンの食品含有量は高くありません。
そのため、十分なレシチンを補給するには、一つの食品をたくさん食べる必要があります。
たとえば大豆ならば、1日どんぶり2杯程度食べなければなりません。
食品からのレシチンの摂取が難しい場合は、サプリメントを飲むのも1つの方法です。
サプリメントは栄養素が凝縮されているため、効率的にレシチンを摂取できます。
レシチンのサプリメントには以下があります。
- 大豆レシチン(小林製薬)
- レシチン(DHC)
- ホスファチジルセリン PS サプリメント(One Life Supplements)
生活習慣が乱れている方や、生活習慣病が気になる方におすすめのサプリメントです。
いずれも大豆レシチンを採用しています。
大豆レシチンは血管を正常に保つ効果が高い成分です。
そのため、動脈硬化・肥満などの予防を期待できます。
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レシチンを摂取する際の注意点

レシチンは食品由来の成分であるため、副作用のリスクはほとんどありません。
しかし、大量に摂りすぎると下痢・腹痛などを引き起こすことがあります。
そのため、レシチンの摂りすぎには気をつけましょう。
なお、常時服用薬がある方は、念のため医師に飲み合わせを相談してください。
レシチンが不足しやすいのはどんな人?

レシチンが不足しやすいのは、以下のような方です。
- 加工食品をよく食べる方
- ストレスが多い方
加工食品に含まれるレシチンは、過熱・殺菌の過程で破壊されます。
また、ストレスは体内のレシチンを消耗すると指摘されています。
そのため、加工食品をよく食べる方や、ストレスが多い方は、体内のレシチンが不足しやすい傾向があります。

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レシチンはこんな人におすすめ!

レシチン摂取がおすすめなのは、以下のような方です。
- 記憶力・集中力を高めたい方
- 認知症を予防したい方
- 動脈硬化・生活習慣病を予防したい方
- 美肌・ダイエット効果を得たい方
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添加物としてのレシチン

レシチンは乳化作用があることから、添加物としても使用されています。
具体的には、油と水を混合させる作用が利用されます。
代表的なのはマヨネーズです。
レシチンは、油分・調味料などを均一に混合させることで、マヨネーズの分離を防いでいます。
なお、油分と調味料が分離したものとしては、ドレッシングが代表的です。
添加物としてよく利用されるのは、大豆レシチン・卵黄レシチンです。
稀に、ひまわりレシチンが利用されることもあります。
レシチンは食品由来の成分であるため、副作用・健康被害の可能性は低いです。
食品安全委員会は、成人のリン脂質摂取は1日につき1~4gのリン脂質と推計しています。
リン脂質の主成分はレシチンです。
つまり成人は、1日1~4g程度のレシチンを摂取していると考えられます。
出典:食品安全委員会「添加物評価書 ひまわりレシチン」
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レシチンまとめ

ここまで、レシチンについてお伝えしてきました。
レシチンの要点を以下にまとめます。
- レシチンとは大豆・卵黄に含まれるリン脂質で、細胞膜の主要成分
- レシチンの主な健康効果は、記憶力向上・認知症予防・動脈硬化予防・ダイエットや美肌効果
- レシチンを効率的に摂取するには、大豆・卵黄をビタミンEと一緒に摂るとよい
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


