免疫グロブリンの種類と基準値|安全性・副作用について

免疫グロブリンとは、抗体としての機能を持ったタンパク質のことをいいます。
免疫グロブリンには、どのような種類があり、どのような働きがあるのでしょうか?

この記事では、免疫グロブリンについて解説しながら、免疫グロブリンの種類と働きや免疫グロブリン製剤の副作用などについてご紹介します。

  • 免疫グロブリンとは
  • 免疫グロブリンの種類とは
  • 免疫グロブリンの副作用とは

ぜひ、最後までご覧いただき、免疫グロブリンについての参考にしてください。

目次

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免疫グロブリンとは

免疫グロブリンは、immunoglobulin(イムノグロブリン)とも呼ばれ、Igと略されます。
免疫グロブリンは、抗体としての機能を持ったタンパク質のことをいいます。
免疫グロブリンは、体内に異物が侵入した際に除去する働きをします。

免疫グロブリン製剤の効果と作り方について詳しく見てみましょう。

免疫グロブリン製剤とは

免疫グロブリン製剤とは、血液中の免疫グロブリンを薬にしたものです。
免疫グロブリン製剤は、さまざまな感染症や免疫に関連した疾患の治療薬として用いられています。

免疫グロブリン製剤は、日本国内の健康な方が献血した血液から製造されています。
免疫グロブリン製剤は、血液中に含まれている抗体の免疫グロブリンGというタンパク質を高純度に精製、濃縮して製造されています。

出典:厚生労働省【血漿分画製剤の製造方法

免疫グロブリン製剤の効果

免疫グロブリンは、血液や体液中に存在し、病原体から体を守る重要な働きを担っています。

免疫グロブリン製剤には、さまざまな抗体が含まれています。
免疫グロブリン製剤に含まれている抗体は、体内に侵入した病原体やウイルスと結合し、病原体が細胞内に侵入するのを防ぐ効果があります。

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免疫グロブリンの種類と働き

免疫グロブリンには、IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5つの種類があります。
免疫グロブリンの各種類では、さまざまな働きがあります。
免疫グロブリンの各種類の働きについて詳しく見てみましょう。

IgG

免疫グロブリンのIgGは、5種類の中で血液中に最も多く含まれている抗体になります。
免疫グロブリンのIgGは、免疫グロブリン全体の約80%を占めています。
免疫グロブリンのIgGは、

  • 体内に侵入した病原体やウイルスと結合し、病原体が細胞内に侵入するのを防ぐ
  • 白血球の働きをサポートする
  • 母体から胎盤を通して胎児に移行し、出生後数ヶ月間、新生児の身体を守る

などの働きを担っています。

IgA

免疫グロブリンのIgAは、粘膜の表面や初乳に存在している抗体になります。
免疫グロブリンのIgAは、

  • 粘膜から体内に病原体やウイルスが侵入するのを防ぐ
  • 新生児の消化管を病原体やウイルスから守る

などの働きを担っています。

IgM

免疫グロブリンのIgMは、病原体やウイルスに感染した際、最初に作られる抗体になります。
免疫グロブリンのIgMを調べることで、どのような感染症に感染しているかが明らかになります。
免疫グロブリンのIgMは、

  • 病原体やウイルスを破壊する
  • 白血球が破壊した病原体やウイルスを食べることをサポートする

などの働きを担っています。

IgD

免疫グロブリンのIgDは、量が少なく役割が明らかになっていない抗体になります。
免疫グロブリンのIgDは、リンパ球の成長や分裂に関与していると考えられています。

IgE

免疫グロブリンのIgEは、5種類の中で最も量が少ない抗体になります。
免疫グロブリンのIgEは、アレルギー反応が関係した疾患にかかると増加します。
免疫グロブリンのIgEは、

  • 体内に侵入したアレルゲンに反応して身体を守る
  • 体内に寄生虫が侵入にすると反応して身体を守る

などの働きを担っています。

免疫グロブリンの基準値

免疫グロブリンは、5種類それぞれに基準値があります。
免疫グロブリンが異常値(高値・低値)を示した場合は、さまざまな疾患が考えられます。
免疫グロブリンのそれぞれの基準値と異常値の場合に考えられる疾患について詳しく見てみましょう。

IgGの基準値

免疫グロブリンIgGの基準値は、870〜1,700mg/dlです。

高値

免疫グロブリンIgGが高値の場合は、

  • IgG型骨髄腫
  • H鎖病(γ鎖病)
  • クリオグロブリン血症
  • バイオグロブリン血症
  • 本態性M蛋白血症

などが考えられます。

低値

免疫グロブリンIgGが低値の場合は、

  • IgG欠乏症・欠損症
  • IgG型以外の骨髄腫
  • 原発性マクログロブリン
  • 原発性免疫不全症
  • 無γグロブリン血症

などが考えられます。

IgAの基準値

免疫グロブリンIgAの基準値は、110〜410mg/dlです。

高値

免疫グロブリンIgAが高値の場合は、

  • IgA型骨髄腫
  • H鎖病(α鎖病)
  • クリオグロブリン血症
  • バイオグロブリン血症
  • 本態性M蛋白血症(IgA型)

などが考えられます。

低値

免疫グロブリンIgAが低値の場合は、

  • IgA欠乏症・欠損症
  • IgA型以外の骨髄腫
  • 原発性免疫不全症
  • 蛋白漏出性胃腸症
  • ネフローゼ症候群
  • 無γグロブリン血症

などが考えられます。

IgMの基準値

免疫グロブリンIgMの基準値は、35〜220mg/dlです。

高値

免疫グロブリンIgMが高値の場合は、

  • H鎖病(μ鎖病)
  • 原発性マクログロブリン血症
  • シュニッツラー症候群
  • 本態性M蛋白血症

などが考えられます。

低値

免疫グロブリンIgMが低値の場合は、

  • ウィスコット・オルドリッチ症候群
  • 原発性免疫不全症
  • 選択的IgM欠損症
  • 蛋白漏出性胃腸症
  • 無γグロブリン血症

などが考えられます。

IgDの基準値

免疫グロブリンIgDの基準値は、13.0mg/dl以下です。

高値

免疫グロブリンIgDが高値の場合は、

  • IgD型骨髄腫
  • 形質細胞性白血病

などが考えられます。

低値

免疫グロブリンIgDが低値の場合は、無γグロブリン血症が考えられます。

IgEの基準値

免疫グロブリンIgEの基準値は、358IU/ml以下です。

高値

免疫グロブリンIgEが高値の場合は、

  • アレルギー性疾患
  • アナフィラキシーショック
  • 気管支喘息
  • 寄生虫感染
  • 食物アレルギー
  • 蕁麻疹

などが考えられます。

低値

免疫グロブリンIgEが低値の場合は、

  • IgE型以外の骨髄腫
  • サルコイドーシス
  • 慢性リンパ性白血病
  • 無γグロブリン血症

などが考えられます。

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免疫グロブリン製剤を用いるタイミング

免疫グロブリン製剤が用いられるタイミングは、

  • アレルギー疾患などの治療でステロイドを用いても症状が軽快しないとき
  • ステロイドを減量すると症状が再燃してしまうとき
  • ステロイドが使用ができないとき
  • 感染の可能性があるとき
  • 川崎病の場合
  • ギラン・バレー症候群の場合
  • 血小板減少症の場合
  • 重症感染症の場合

などになります。

また、免疫グロブリン製剤の使用間隔は、4週間以上あけることになっています。

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免疫グロブリン製剤の安全性

免疫グロブリン製剤は、日本国内の健康な方が献血した血液から製造されています。
そのため、ウイルスなどに感染する可能性はゼロではありません

免疫グロブリン製剤は製造する過程で、

  • ウイルスの働きを失わせる液状化熱処理
  • ウイルスの働きを失わせる酸性処理
  • ウイルスを除去する処理

などが行われています。

免疫グロブリン製剤は、安全対策を十分に行って製造されています。
現在までに、薬が原因と判断されたウイルス感染の報告はされていません。

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免疫グロブリン製剤による副作用

免疫グロブリン製剤の使用により、以下のような副作用がみられる場合があります。

ショック アナフィラキシー 肝機能障害 腎臓障害
血小板減少 肺水腫 血栓塞栓症 心不全

以下のような症状がみられた場合は、副作用の可能性があるため、早めに医師に報告しましょう。
免疫グロブリン製剤の使用前にどのような副作用があるか把握しておくことで早期発見につながります。

発熱 体のむくみ だるさ 発疹
かゆみ めまい 頭痛 意識障害
動悸 頻脈 呼吸困難 胸痛
吐き気 食欲不振 手足の麻痺 尿量の減少

免疫グロブリンの需要と供給

ある研究結果によると、免疫グロブリン製剤の国内における需要は増加傾向にあることが明らかになっています。
免疫グロブリン製剤の供給量は、この10年で1.5倍程度まで増加しています。
その要因としては、医療需要に伴う複数の効能が追加されたことがあげられています。

一方で、献血推進調査会の報告によると、献血者数は全国的にも年々減少傾向にあることが明らかになっています。
免疫グロブリン製剤は、国内の健康な方が献血した血液から製造されています。

免疫グロブリン製剤の需要は、増加傾向にあります。
しかし、献血者数の減少により、今後は供給が追いつかなくなる可能性が考えられます。

出典:厚生労働省【令和3年1月28日献血推進調査会報告

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免疫グロブリンのまとめ

ここまで、免疫グロブリンについてや免疫グロブリンの種類と働き、免疫グロブリンの副作用などを中心にお伝えしてきました。

  • 免疫グロブリンとは、抗体としての機能を持ったタンパク質のことをいう
  • 免疫グロブリンの種類は、IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5種類である
  • 免疫グロブリンの副作用には、ショック、アナフィラキシー、肝機能障害などがある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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