「体がだるい」「やる気が出ない」「気持ちが沈む」という症状が長く続くと、病気ではないかと心配になりますよね。
似たような症状に「自律神経失調症」と「うつ病」があります。
この2つの病気は、似ているところも多いので、間違いやすいのです。
本記事では自律神経失調症とうつ病の違いについて、以下の点を中心にご紹介します。
- 自律神経失調症の原因や症状
- うつ病の原因や症状
- 自律神経失調症とうつ病の違い
ぜひ最後までご覧いただき、自律神経失調症やうつ病の違い、早期発見、治療にお役立てください。
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自律神経失調症とは

自律神経失調症という言葉をよく聞きますが、実は特定の疾患を表す病名ではありません。
交感神経と副交感神経のバランスが崩れた状態を表す表現なのです。
では一体、自律神経失調症とは、どのような原因で起こり、どういった症状を引き起こすのでしょうか。
原因
自律神経は、私たちが生きていく上で重要な役割を果たす神経です。
私たちの意思とは関係なく24時間働き、呼吸、血液の循環、体温調節など生命維持に欠かせない機能をコントロールしています。
自律神経には2種類の神経があります。
一つは、活発な活動を支える交感神経です。
もう一つは、身体を休めることを促す副交感神経です。
この二つの自律神経がバランスを取りながら身体の調子を整えています。
しかし何らかの原因でバランスが崩れると身体に不調が出てきます。
自律神経失調症の主な原因は、ストレスです。
ストレスにもいろいろありますが、人間関係や仕事上などの精神的なストレスが最も多いとされています。
症状
自律神経失調症の症状は、実に多様です。
なぜなら、自律神経は全身の器官や臓器をコントロールしているからです。
疲れやすい、めまいがする、下痢、冷えやのぼせ、頭痛、肩こりなど、人によって症状は様々です。
さらに、一つだけでなく複数の症状が一度に現れることもあります。
肉体的な症状だけではありません。
精神症状として、イライラする、集中力の低下、根拠のない不安感、不眠などがあり、うつ病の症状に似ている部分があります。
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うつ病とは
うつ病とは、気分障害の一つです。
100人に約6人の割合で発症し、とくに女性は男性に比べて1.6倍も多いという傾向が報告されています。
うつ病とはどのような原因で起こり、どういった症状を引き起こすのでしょうか。
原因
直接の原因はよくわかっていません。
自律神経失調症と同じように、精神的、肉体的ストレスが原因となっている場合もあります。
しかし、辛いこと、悲しいことが引き金になるというわけでもありません。
結婚、出産、就職、マイホームへの引っ越しといった嬉しいはずの出来事に対してもうつ病を発症することがあります。
症状
精神症状としては「気持ちが落ち込む」「何をしても楽しくない」「やる気が出ない」という症状が現れます。
身体症状としては「眠れない」「食欲がない」「疲れやすい」という症状が現れます。
うつの症状でわかりやすいのが「気分の落ち込み」です。
健常者にも気分が落ち込むことはあります。
しかし、その落ち込みには原因や理由があり、取り除かれれば落ち込みから回復します。
うつ病の場合は、これといった原因がなく原因が解決されても気分の落ち込みは続きます。
うつ病では物事をとらえるとき、マイナス思考になります。
自分自身に対しても否定的になるため「死んでしまいたい」と強く思うようになることさえあります。
周囲の人々が、いつもとの違いを察知して、適切な治療を早く受けることが大切です。
自律神経失調症とうつ病の違い

自律神経失調症とうつ病は、上述した通り、症状として非常に似ている部分があります。
では一体、自律神経失調症とうつ病にはどのような違いがあるのでしょうか。
感情面での起伏があるかどうか
うつ病の場合は、エネルギーが枯渇してしまって塞ぎ込みが長く続きます。
そのため、喜怒哀楽といった感情もどこかに忘れてきたかのようになり、表情が能面のようになってしまうことが多くあります。
自分自身に対して否定的な感情が強くなり「この世から自分なんて消えてしまえばいい」と考え、自暴自棄になりやすくなります。
一方、自律神経失調症の場合は、うつ病と同じように「疲れた」「眠れない」という肉体的な症状が出ます。
しかし、やる気や意欲という感情面での変化が大きく、うつ病との違いがあります。
うつ病のようにずっと塞ぎ込んでいるわけではなく、むしろイライラなどの感情の起伏が大きくなる傾向があります。
精神面の症状が強いうつ病との最も大きな違いといえます。
自律神経失調症とうつ病の境界線は難しい
自律神経失調症とうつ病は違いますが、うつ病の初期症状に自律神経失調症の症状が現れることは珍しくありません。
逆に自律神経失調症の症状がうつ病の発症の兆候であるといったこともあります。
それぞれの違いを見分けるのは難しいので、素人判断はせず、医師に診察してもらいましょう。
また精神科や心療内科で検査をしてもらいそれぞれ適切な治療をすることが大切です。
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自律神経失調症やうつ病の治療法

自律神経失調症もうつ病も、大きな原因はストレスです。
ストレスをできるだけ少なくする方法や、症状・タイプによってさまざまな治療法があります。
自律神経失調症の治療法
自律神経失調症を治す根本的な治療薬はありません。
従って根本的なストレスなどの原因を取り除くことや、非薬物療法による治療が中心となります。
認知行動療法
認知行動療法とは、ものごとの「とらえ方」を修正する治療方法のことです。
ネガティブなとらえ方ではなく、違った角度からとらえる訓練により、精神的ストレスを少なくしていきます。
生活習慣の改善
生活習慣の悪化は精神面や肉体面に様々な悪影響を与えます。
まずは、決まった時間に寝起きすることや、食生活など、正しい生活習慣にすることが大切です。
カウンセリング
医師とのカウンセリングや相談も重要です。
今後のリハビリや治療についての方向性を決めたり、精神面でのサポートなどが期待できます。
音楽療法
音楽は、自律神経に影響を与えるといわれています。
例えば、アルファ波はリラックスをつかさどる副交感神経に働きかけるといわれています。
自律神経を整えるために音楽を取り入れるのも効果が期待できます。
自律神経失調症の症状を緩和する薬についても解説しているので、興味のある方はこちらもご覧ください。

うつ病の治療法
うつ病の治療法は十分な休養と薬物治療の2本立てで行われます。
さらに根本的な考え方を見直す精神療法を組み合わせることで、より効果的な治療が行われます。
薬物療法
うつ病の治療には、薬物療法を用います。
たとえば、眠れないといった不眠の症状がある場合には、睡眠薬が処方されます。
また不安で心がザワザワする場合には、抗うつ剤が処方されます。
運動療法
うつ病の症状で顕著なのが「睡眠障害」と「食欲不振」です。
この二つの症状の改善に運動療法は適しています。
運動をすることで、食欲の増進、睡眠の改善効果が期待できます。
ランニングやウォーキングなどを生活習慣として日常的に取り入れることでうつ病の改善が見込めます。
環境調整
うつ病の治療には、心身の休養を取るための環境調整が必要です。
職場や学校などが原因の場合には、離れた環境に身を委ねることが大切になります。
精神的・肉体的ストレスから離れた環境で過ごすことで、心身を徐々に回復していきます。
休息
職場であれば、残業をなくして定時に帰るようにする、配置転換によって人間関係のトラブルを回避するといった方法が有効です。
家庭でも、家事の負担を減らすといった協力が必要になります。
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仮面うつ病とうつ病の違いとは?

仮面うつ病という言葉を聞いたことはありませんか?
最近、仮面うつ病に悩んでいる方が増えています。
うつ病とはどのような点で違うのでしょうか。
まず仮面うつ病の症状としては「疲労感がある」「頭痛や肩こりに悩まされている」といった症状が強く出ます。
しかし、これらは健常者にもある症状ですから、まさかうつ病だとは思わないかもしれません。
仮面うつ病の特徴としては、精神的な症状が出るうつ病とは違い、身体的な症状で現れることが多いとされています。
そのまま仮面うつ病が進行すると、精神的な塞ぎ込み、やる気の低下といった精神的な症状が悪化してうつ病になります。
そのため仮面うつ病は、うつ病の初期段階と判断されることがあります。
仮面うつ病は、単なる疲労だとスルーしてしまう危険性があります。
うつ病と仮面うつ病の違いを理解することが大切です。
また休日に十分休んでいるにもかかわらず、しつこい疲労感に悩まされるという方は、仮面うつ病を疑ってみてもいいかもしれません。
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自律神経失調症とうつ病の違いまとめ
今回は、自律神経失調症とうつ病の違いについてご紹介してきました。
要点を以下にまとめます。
- 自律神経失調症は、ストレスや不規則な生活習慣により、さまざまな症状が現れる
- うつ病は、ストレスだけでなく環境の変化、病気により精神的に「塞ぎ込む」という症状が現れる
- 自律神経失調症とうつ病との大きな違いは、精神的な塞ぎ込みが続くかどうか
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


