低血圧の原因と対策|年代・性別別の注意点と日常生活での改善策

低血圧は高血圧と異なり、あまり注目されない症状です。
しかし低血圧は、日常生活に支障をきたしたり、心不全を引き起こしたりする場合があります。
低血圧による障害を避けるには、症状・原因を知って適切に対処することが大切です。

本記事では、低血圧の原因について、以下の点を中心にご紹介します。

  • 低血圧の主な症状
  • 低血圧の代表的な原因
  • 低血圧の治療・改善方法

低血圧の原因について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

目次

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低血圧とは

低血圧は、血圧が低いことでさまざまな不快な症状が出ている状態です。
高血圧と同様、血圧の病気というイメージがあります。

しかし、低血圧は病気とみなされないケースがほとんどです。
実際に日本国内には低血圧の明確な定義が存在しません。

WHOの基準では、最高血圧が100mmHg以下または最低血圧60mmHg以下が低血圧に該当するとされています。

低血圧の原因はさまざまです。
低血圧は、原因に応じて以下の4タイプに分類されています。

  • 本態性低血圧:原因が特定できない
  • 症候性低血圧:全身疾患・ケガなどが原因で起こる
  • 起立性低血圧:突然立ち上がったときなどにめまい・立ちくらみが起こる
  • 食事低血圧:食後に一時的に血圧が下がる

低血圧の症状は人それぞれです。
人によっては、自覚症状があらわれないこともあります。

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低血圧の症状

低血圧であらわれる症状の種類・程度には個人差があります。
代表的な症状をご紹介します。

低血圧の症状|無症状

低血圧は自覚症状があらわれないケースも多くみられます。
特に慢性的に血圧が低い方は症状があらわれにくい傾向があります。

低血圧の程度と症状のあらわれ方には、あまり相関関係はありません。
たとえ重度の低血圧の方でも、無自覚のまま長年過ごしている場合もあります。

無症状の低血圧の場合は、特に治療は必要ないと考えられています。

低血圧の症状|精神神経症状

低血圧では、精神神経症状があらわれることが多いです。
精神神経症状が起こる理由の1つは、脳に十分な血液・酸素がされないことです。

低血圧の方は、心臓が血液を送り出す力が弱まっています。
そのため、全身の隅々にまで血流が十分に行き渡りにくくなっています。

特に血液が届きにくくなるのは、身体の上側です。
血流が重力に負けてしまうためです。

頭部に十分な血液が届かないと、脳が酸欠を起こします。
結果として、さまざまな精神神経症状が出やすくなります。

低血圧による精神神経症状は、ストレス・疲労といった心理的な問題で悪化することもあります。

なぜストレスなどが低血圧症状を悪化させるかというと、自律神経と関係があります。
自律神経は内臓の働きなどを管理する神経系です。

自律神経が乱れると、心身にはさまざまな不調があらわれやすくなります。
自律神経のリズムを乱す代表的な原因が、ストレス・疲労などの心理的な問題です。

低血圧の方は、もともと自律神経のバランスが崩れている可能性が高いです。
ストレスが加わるとさらに自律神経がダメージを受けるため、症状が悪化しやすくなるというわけです。

具体的な症状例

手足の痙攣 不眠症状
立ちくらみやめまい 冷や汗
ふらつき 頭痛
耳鳴り 失神

低血圧の症状|循環器系症状

低血圧では、循環器系に症状が出ることも多いです。

循環器系とは、たとえば心臓が代表的です。
低血圧の方は全身の血液循環が低下しているため、心臓に血液が戻りにくくなっています。

血液供給が十分でない場合は、心臓が酸欠を起こすため、さまざまな症状があらわれます。

循環器系症状は、迷走神経反射によって起こることもあります。
迷走神経反射とは、血圧の急激な低下などによって自律神経の働きが乱れることです。

自律神経は心臓の動きなどを管理しています。
そのため迷走神経反射によって自律神経がリズムを崩すと、心臓にトラブルが起こりやすくなります。

具体的な症状例

動悸 体のむくみ
徐脈または頻脈

消化器系症状

低血圧では消化器系に不快な症状が出ることもあります。
低血圧による消化器系症状の原因として、迷走神経反射による自律神経の乱れが挙げられます。

自律神経は消化管の働きを調整しています。
そのため自律神経のリズムが乱れると、消化器官の働きにも支障が出やすくなります。

具体的な症状例

嘔吐や吐き気 下痢便
腹痛

低血圧の症状|不定愁訴

不定愁訴とは、病気・ケガなどの原因を特定できない体調不良全般を指します。
低血圧の方や自律神経が乱れがちな方は、不定愁訴が起こりやすいと指摘されています。

具体的な症状例

全身倦怠感 朝起きられない
脱力感 肩こり

低血圧が起こる原因

低血圧の原因はさまざまです。
1つの原因ではなく、複数の原因が重なって低血圧になるケースも多くみられます。

本態性低血圧の原因

本態性低血圧は、身体的な器質がないにもかかわらず、血圧が低くなるタイプです。
低血圧の中でももっとも大きな割合を占めます。
本態性低血圧の原因としては、次のようなものがあります。

遺伝的な体質 痩せている
運動不足 栄養不足
睡眠不足 ダイエット
ストレス 脱水

起立性低血圧の原因

起立性低血圧は、立ちあがったときなどに、めまい・たちくらみが起こるタイプです。
起立性低血圧は、原因に応じて突発性起立性低血圧と二次性起立性低血圧に分けられます。

特発性起立性低血圧 原因となる疾患・ケガなどが特定できないタイプ。
一説では、原因として自律神経失調症などの神経障害が指摘されてる。
(例)朝礼時などにめまい・立ちくらみを起こして倒れるなど
二次性起立性低血圧 原因となる病気・ケガなどが特定できるタイプ。
原因疾患として代表的なのは、心臓弁膜症・心筋症などの心疾患のほか、糖尿病など。
(例)持病の治療薬が原因で倒れるなど

食後低血圧の原因

食後低血圧は、食後1~2時間以内に血圧が下がる状態です。
高齢者に多くみられ、反対に若年者ではほとんど起こりません。

食後低血圧の原因の多くは、消化のために胃腸に血液が集中することです。
心臓に戻る血液が少なくなるため、一時的に血圧が下がります。

飲酒 血管を拡張させる作用があるアルコールによって血圧が下がりやすくなる
血圧を下げる食べ物の大量摂取 食べ物に含まれるカリウムによって、体内の塩分が排出され血管が拡張することで、血圧が下がりやすくなる
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二次性低血圧の原因

二次性低血圧は、全身疾患・ケガなどが原因で起こる低血圧です。
症候性低血圧とも呼ばれます。

症候性低血圧の主な原因をご紹介します。

腎臓疾患 糖尿病
肝硬変 肺炎
不整脈 白血病
心不全 敗血症
心筋梗塞 貧血
脳梗塞 がん
脳出血 自律神経失調症
脊髄損傷 パーキンソン病

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低血圧は生活習慣の改善から

低血圧は、生活習慣の乱れが原因で起こることがあります。
低血圧を改善するには、以下のようなポイントで生活習慣を見直すことが大切です。

低血圧の改善策|過労を避ける

過度な疲労は自律神経を乱すため、低血圧を引き起こすことがあります。
低血圧を改善・予防するには、過労を避けましょう。

たとえば仕事で過労気味という場合は、配置転換や仕事量の見直しを行ってください。
家事による疲労の場合は、家族と作業を分担するなどの対策が必要です。

低血圧の改善策|休養をしっかりとる

疲労・ストレスは自律神経の乱れの原因となります。
身体的・精神的な負担がたまっていると感じる場合は、ゆっくり心身を休めてください。

たとえば休業申請を出して、職場から一定期間離れることは大切です。
家事が心身に負担をかけているのなら、家族としっかり話し合って、休養をとれる環境をサポートしてもらいましょう。

低血圧の改善策|中強度の運動をする

適度な運動は低血圧の改善に効果的とされます。
身体を動かすと全身の血行がよくなるため、血圧が改善されやすくなります。

おすすめなのは中強度の運動です。
中強度の運動とは、簡単にいえば、軽い息切れ・うっすら汗ばむ程度の運動を指します。

たとえば早い速度でのウォーキング・水泳・サイクリングなどが代表的です。
もし好きなスポーツがあるなら、ストレス解消を兼ねて取り組むのもおすすめです。

低血圧の改善策|水分を多めにとる

水分を多めにとることを意識しましょう。
水分をとると、血液の量が増えるため、血圧が上がりやすくなります。
水分は水・経口補水液・ノンカフェインのお茶などが適当です。

カフェインは利尿作用を高めるため、コーヒー・紅茶などの大量摂取は避けましょう。
排尿回数が増えると体内の水分量が減るため、かえって血圧が乱れやすくなります。

1日の水分摂取量は2Lが理想的です。
水分は一度に大量に摂取するのではなく、少量をこまめにとるようにしましょう。

低血圧の改善策|バランスのよい食事を心がける

低血圧の改善のためには、栄養バランスのよい食事を心がけてください。
具体的には、炭水化物・たんぱく質・脂質を中心に、ビタミン・ミネラル・食物繊維などを意識して摂取してください。

低血圧の改善策|ゆっくり動く

低血圧の方は、立ち上がり時などはゆっくりした動作を心がけてください。

座っている・寝ている状態から立ち上がるときは、まず足首を回してみましょう。
足首を回すと下半身の血行が促進されやすくなるため、立ち上がったときに、上半身に血液が昇りやすくなります。

低血圧の改善策|食後にカフェイン入りの飲み物を飲む

食後低血圧がある方は、食後にカフェインを飲むのもおすすめです。
カフェインは自律神経のうち、交感神経を刺激して血圧をあげる作用があるためです。

低血圧の改善策|温度差がある移動を控える

意外と見落としがちなのが、急激な温度差を避けることです。
急激な温度がある場面とは、たとえば、冬場のお風呂が代表的です。

冬場の脱衣所は冷え切っていることが多く、反対に浴室は湯気で温まっています。
寒いところから暖かい所に急に移動すると、体温調節のために血圧が乱高下します。

結果、心臓や血管に大きな負担がかかり、血圧が急激に低下することがあります。
血圧の変動を防ぐためにも、温度差が激しい場所への出入りはできる限り控えましょう。

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薬による低血圧治療

低血圧の治療には、薬物療法が用いられることが一般的です。
低血圧の治療薬として代表的なのは次の2種類です。

昇圧薬で低下した血圧を上昇させる

昇圧薬とは、血圧を上げるための医薬品です。
たとえば以下のような医薬品が代表的です。

  • メトリジン
  • リズミック

メトリジンには、末梢の静脈を収縮させる効果があります。
すると末端の血管にたまった血液が動脈に押し返されるため、血流が増えて血圧があがりやすくなります。

リズミックには、心拍数を増やす作用があります。
心拍数が増えると血液の循環量が増えるため、血圧の上昇が期待できます。

メトリジンとリズミックは、それぞれ副作用や相性がよい体質が異なります。
どちらが処方されるかは、体質・低血圧の症状や程度に応じて異なります。

抗不安薬で血圧が低くなる要因を取り除く

抗不安薬は、精神的な緊張や不安感を和らげる医薬品です。
抗不安薬は、低血圧の原因を取り除くために用いられることが一般的です。

低血圧は、心理的な問題で起こることも少なくありません。
たとえばストレスは、自律神経を乱して血圧を下げることがあります。

抗不安薬はストレスなどを緩和して、自律神経のリズムを整えるサポートをします。
自律神経が整うと、血圧が正常に維持されやすくなります。

ただし、抗不安薬は副作用として低血圧を引き起こすこともあります。
もし抗不安薬の服用中に低血圧が悪化したと感じる場合は、すぐにかかりつけ医に相談してください。

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年齢・性別ごとにみる低血圧の原因と対策

低血圧は、年齢・性別によって原因・症状などが異なることがあります。
ここからは、年齢・性別ごとの低血圧の原因・特徴・対策などをご紹介します。

新生児に多い低血圧の原因

生まれたばかりの新生児が低血圧に陥ることがあります。
新生児の低血圧の原因の多くは、先天性疾患です。

症候性動脈管開存 動脈と肺動脈をつなぐ動脈管が開いている状態
頭蓋内出血 頭蓋骨の中で出血している状態
壊死性腸炎 腸の表面が損傷して細胞が壊死する状態

上記の治療方法は、新生児の状態等によって異なるため、医師とよく相談してください。

幼児、小学生、中学生、高校生の子どもに多い低血圧の原因

低血圧は、幼児から思春期の子供にもみられます。
代表的な原因として以下の2つが指摘されています。

原因 対策
起立性調節障害 立ち上がったときなどの血流の調節がうまくいかない状態

思春期は心身の変化が大きい時期のため、自律神経も影響を受けて自律神経のバランスを崩しやすくなる

栄養バランスのよい食事・十分な睡眠など、生活習慣の見直し
心理的な負担 友人関係・恋愛・いじめ・進路・勉強などの悩みなどによる精神的なストレスにより起こる自律神経の乱れ カウンセリングなども利用ながら心理的問題を解決する

妊娠中(妊娠初期から臨月)と産後に多い低血圧の原因

妊娠中・妊娠直後の女性は、低血圧になりやすい状態です。
妊娠に伴う低血圧の原因と対策をご紹介します。

原因 対策
ホルモンバランスの乱れ 女性ホルモンのバランスの関係で血管が拡張しやすくなっているため血圧が下がりやすい
子宮の成長に伴い、血管が圧迫されて血流が悪化する
深刻な症状がなければ特別な治療も必要が、もし低血圧によるめまいなどがひどい場合は、かかりつけ医に相談する
起立性低血圧 女性ホルモンの変動の影響を受けて、自律神経が乱れやすくなることによって起こる 栄養バランスのよい食事
起床・就寝時刻を一定にする
適度に運動して筋肉を強化する
ストレスをためない
身体を温めて血行を促進する

高齢者に多い低血圧の原因

一般的に、低血圧は若い女性や子供に多いイメージがあります。
しかし、低血圧は高齢者にもよくみられます

高齢者の低血圧の主な原因をご紹介します。

原因 対策
長期間の寝たきり 脳や心身への刺激が少なくなり、自律神経の働きが低下しやすくなる 無理のない範囲で、立ち上がったり、散歩したりして、心身に刺激を与える
手や足の指をグー・パーと開くような運動を行う
他の疾患との合併 糖尿病・心疾患・がんなどの疾患により低血圧を引き起こす 原因疾患の治療を行うことが大切

周術期に多い低血圧の原因

周術期とは、手術の前後の期間です。
具体的には、手術が決定した日から、実際に手術を行い、退院する日までを指します。

周術期は、手術の影響で低血圧が起こりやすくなります。
術後の低血圧の治療・改善方法は、個人の状態によって異なるため、詳しくは医師などに相談してください。

麻酔の影響 侵襲が大きい
出血が多い 一時的な高血圧から低血圧になる

女性に多い低血圧の原因

低血圧は男性より女性に目立ちます
女性の低血圧の原因はさまざまですが、多いのは自律神経の乱れです。

そのため女性の低血圧を改善するには、まず自律神経を整えることが大切です。
生理前後の低血圧を改善するには、自律神経を整えることが大切です。
具体的には、ストレスの解消・リラックス・十分な休養などを心がけてください。

栄養バランスのよい食事・適度な運動も自律神経を整えるのに有効とされます。

痩せている影響で低血圧になる 更年期でホルモンバランスが乱れる
生理の影響で低血圧になる 妊娠出産でホルモンバランスが乱れる

男性に多い低血圧の原因

低血圧は女性に目立つ症状ですが、男性の低血圧もゼロではありません
男性の低血圧の原因としては、次の2つが代表的です。

身長が高くて痩せている 生活習慣が乱れている

低血圧の原因に関するよくある質問|Q&A 

低血圧は具体的にどのような状態を指しますか?

低血圧は、血圧が通常よりも低い状態を指します。
一般的に、成人の正常な血圧は、収縮期(心臓が血液を体中に送り出すとき)の120mmHgと、拡張期(心臓が血液を取り込むとき)の80mmHgです。
低血圧はこれよりも低い値を示すことが一般的で、90mmHg/60mmHg以下が一つの目安とされています。

低血圧の主な原因は何ですか?

低血圧はさまざまな要因によって引き起こされます。
これには、脱水状態、長時間の安静、一部の医療疾患、あるいは一部の薬物の副作用が含まれます。

低血圧は危険な状態と言えますか?

低血圧自体が直接的な危険を引き起こすわけではありません。
しかし、適切な血流が体中に届かない場合、各臓器への酸素供給が不足し、疲労感、めまい、あるいは失神などの症状を引き起こすことがあります。

また、血圧が急激に下がる場合、生命に影響を及ぼす可能性もあります。

低血圧は遺伝的な傾向がありますか?

一部の人々は家族に低血圧の人がいるという事例もあり、遺伝的な傾向があると考えられています。
しかし、その他のライフスタイルの要素や個々の健康状態なども重要な要因となります。

低血圧の治療法は何ですか?

低血圧の治療は、その原因と症状によります。
原因が特定の病気や薬の副作用である場合、その問題を対処することで血圧は改善することがあります。

また、症状がひどい場合は、食塩の摂取を増やす、十分な水分を摂取する、ゆっくりと立ち上がるといった生活習慣の変更や、必要に応じて薬物療法が推奨されます。

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低血圧の原因まとめ

ここまで、低血圧の原因についてお伝えしてきました。

低血圧の原因の要点を以下にまとめます。

  • 低血圧の主な症状は、めまい・立ちくらみのほか、頭痛・動機・息切れなどがある
  • 低血圧の代表的な原因は、体質・全身疾患・自律神経の乱れなど
  • 低血圧を治療・改善するには生活習慣を見直して自律神経を整えるなど

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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