認知症対応型共同生活介護「愛の家グループホーム」を運営する当社は、全国的にも特に気温が高いことで知られる埼玉県熊谷市に所在する2つのグループホームにおいて、認知症の特性を深く理解した上で、ご利用者を熱中症から守る独自の取り組みを強化していることをお知らせします。
近年、日本の夏は命の危険を伴う猛暑が常態化しています。特に高齢者は熱中症のリスクが高いとされますが、ご自身の体調の変化や喉の渇きをうまく言葉で伝えられないことがある認知症のある方にとって、その危険性はさらに深刻です。
市を挙げて暑さ対策に取り組む熊谷市に位置する「愛の家グループホーム熊谷石原」および「愛の家グループホーム熊谷広瀬」では、画一的な対策だけでなく、認知症のある方一人ひとりの心と身体に働きかける独自の熱中症対策を日々のケアに組み込んでいます。
高齢者は一般的に、体内の水分量が少なく、暑さやのどの渇きを感じにくい特性があります。それに加え認知症のある方は、
・ 喉の渇きや体調不良を自覚しにくい、または適切に表現できない
・ 「水分を摂る」「衣服を調整する」といった自己管理が難しい場合がある
・ 周囲の環境(室温の上昇など)への認識が難しく、危険を認識しにくい
といった特性が見られることがあります。
そのため、ご本人の感覚や訴えだけに頼らず、介護の専門職が様子を注意深く観察し、計画的かつ多角的なアプローチで働きかけることが、命を守る上で極めて重要になります。
① 選ぶ楽しみで水分補給
定期的に移動販売を招き、ご利用者自身に好きな飲み物を選んでいただきます。認知症のある方が自らの意思で「選ぶ」行為は、水分補給への意欲を自然に引き出します。
② 発声で渇きを促す
室内運動の際に回数を声に出して数えることで、口やのどの渇きを物理的に促します。「のどが渇いた」という感覚そのものを身体で感じてもらうための工夫です
③ 水分摂取の「見える化」
水分摂取量の一覧表を目につく場所に掲示。言葉での説明が難しい方でも視覚的に理解しやすく、スタッフ間で情報共有を徹底する狙いもあります。
④ “暑さ”を体感
快適な室内から短時間だけ外に出て、あえて暑さを肌で感じていただきます。身体的な感覚に直接訴えかけることで、その後の「冷たいものを飲みませんか」という声かけがスムーズに受け入れられます。
HP:https://mcs-ainoie.com/search/saitama/kumagayashi/gh303/
① 夏仕様の食事メニューとケアに組み込む水分摂取
水分やミネラル豊富な夏野菜を多用します。毎日の美味しい食事を通して、無理なく自然に水分補給ができるように工夫しています。また、食事時とおやつ時に加え、+100ccの水分※を提供。ご本人の訴えに頼らず、ケアのスケジュールとして水分補給を組み込むことで、摂取不足を防ぎます。
※心不全・腎臓病・糖尿病等、医療からの制限がある方を除く(状況に応じて医師に都度相談)
② 全スタッフによる見守り体制
バイタル測定のほか、スタッフがご利用者との挨拶時に許可を得て肌に触れるなど、体調確認を徹底します。言葉にならない「いつもと違う」サイン(肌の熱っぽさ、元気のなさ等)を多くの目で捉え、初期症状での対応を可能にします。
③ 地域名物で”涼”を楽しむ
熊谷名物のかき氷「雪くま」などで、楽しい時間を提供します。「水分を摂る」という目的を意識させず、楽しいイベントとして提供することで、ご本人も喜んで涼をとれる工夫をしています。
HP:https://mcs-ainoie.com/search/saitama/kumagayashi/gh253/
当社は今後も専門的な知見と温かいケアの両面から、ご利用者の皆さまの安全と健康、そしてその方らしい豊かな暮らしをサポートしてまいります。