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【特別インタビュー】東日本大震災から15年。あの日を繋いだ、私たちの想い~パート②愛の家グループホーム郡山日和田 筑井さん~

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2026.07.03

東日本大震災の発生から15年。当時、混乱の中にありながら、ご利用者の安全と生活を守ろうと必死になった社員たちがいます。
15年という節目の年を迎え、福島で被災したホーム長とユニットリーダー(当時)2名が、今振り返る「震災当時のリアル」と、未来へつなぐ「介護への想い」を語ります。
第2弾の今回は、愛の家グループホーム郡山日和田 筑井ホーム長のインタビューです。

※被災された皆様ならびに、亡くなられた方々へ謹んでお悔やみ申し上げます。
本インタビュー内では、当時の様子がリアルに語られます。配慮した言葉遣いとはしておりますが、ご不安に思われる可能性がある方は、閲覧をお控えください。


■プロフィール

筑井 章介(ちくい あきよし)
愛の家グループホーム郡山日和田 ホーム長

愛の家グループホーム郡山日和田 ホーム長/2007年入社。
・地元に帰ることをきっかけに、少人数の介護を希望。管理者になることを目指して、「愛の家グループホーム郡山日和田」に入社。その後複数の事業所のホーム長を歴任
・ 趣味はキャンプ、息子さんのソフトボールの試合応援

※部署・役職は掲載時点です

■「泡だらけのまま外へ」激震の瞬間に抱いた、使命感

2011年3月11日、愛の家グループホーム郡山日和田のユニットリーダーだった私は、夜勤の出勤を数時間後に控え、自宅でシャワーを浴びて頭を洗っていました。まさにその時、激しい揺れに襲われたのです。ガスも水道も止まり、頭は泡だらけのまま、外へ飛び出しました。
目の前では車が波打つように動き、隣の家が崩れている……。そんな状況の中でも、真っ先に頭に浮かんだのは「職場に行かなければならない」という強い使命感でした。

幼稚園にいた娘を迎えに行き、家族の安否を確認すると、すぐさま車を走らせました。
電話は一切通じませんでしたが、携帯のTV機能を活用し、ニュースで流れる「津波」の情報から、「これはただ事ではない」と、必死の思いで事業所を目指したのを覚えています。

■半壊した3階建ての事業所、階段で「おみこし」のようにご利用者を救出

18時過ぎ、ようやく辿り着いた「愛の家グループホーム郡山日和田」は、惨櫢(さんたん)たる状況でした。3階建ての建物のうち、3階部分は半壊。お風呂場が崩れ落ち、とても人が住める状態ではありませんでした。
しかし、そこには守らなければならないご利用者がいます。出勤できないスタッフも多い中、その場にいるスタッフたちで、3階にいたご利用者を一人ずつ抱え、階段を使って「おみこし」を担ぐようにして1階まで避難させました。誰にもケガもなく、無事だったことが何よりの幸いでした。

その後は、1階のフロアに畳を敷き詰め、27名全員が集まり、身を寄せ合って何日も過ごしました。電気、ガス、水道のすべてが止まっていました。
会社からの支援物資や援護が届くまでの数日間は、備蓄していた食料を調理し、水が出ないため、お風呂に溜めてあった水でトイレを流して凌ぎました。

■原発事故、風評被害、そして困難の中で試された「いつもの日常」

地震の混乱が続く中、さらなる恐怖が襲いました。原発の水素爆発です。
放射能の影響を避けるため、事業所の換気扇を塞ぎ、目張りをして、外気が入らないようにして籠城(ろうじょう)生活を続けました。

近隣の避難所等への避難も検討したのですが、認知症のあるご利用者ということもあり、見知らぬ人達との接触が認知症状の悪化につながると考え、あえて事業所での避難生活を選択したのです。
当時、福島県内では「原発があるから得体の知れない」という風評被害もあり、県外へ行けば冷たい視線を浴びることもありました。

しかし、事業所の中では、スタッフとご利用者が一体となり、なんとか「いつもの日常」を取り戻そうと、必死に声を掛け合っていました。
ご利用者は、不安を感じている方もいましたが、大騒ぎをすることはありませんでした。
あの日、皆が何かを感じ取り、静かに、しかし力強く身を寄せ合って生きようとする姿は、今でも忘れられません。

■「今日、全力で向き合えたか」を自らに問い続ける

あの経験を経て、私が次の世代に最も伝えたいのは、「日常は簡単に壊れる」ということです。
私たちが今、当たり前に仕事をし、家に帰れる生活は、奇跡のようなものです。介護の現場で接している目の前のご利用者とは、明日も必ず会えるとは限りません。

だからこそ、「今日一日、全力で向き合うことができたか」を常に自分に問い、後悔のないように働いてほしいのです。

介護職は、ただのお世話係ではありません。いかなる状況でもお客様に安心と安全を届ける専門職であり、サービス業です。
そして、地域の皆さまが「愛の家に相談すれば大丈夫だ」と思ってもらえるような、安心の窓口でありたいと考えています。
震災から15年。あの日の決断と経験を誇りに、私たちはこれからも「命を守る」仕事に真摯に向き合っていきます。


▶福島県の愛の家グループホームは こちら
▶「愛の家」サービスサイト こちら
▶パート①は こちら