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健達ねっと>特集カレンダー>1月20日は血栓予防の日>冬の「ひどい肩こり」は心筋梗塞のサインかも?血栓が招く命の危険と予防法

冬の「ひどい肩こり」は心筋梗塞のサインかも?血栓が招く命の危険と予防法

  • 12月 25, 2025
  • 12月 25, 2025

1月20日は「血栓予防の日」です。 一年で最も寒さが厳しくなるこの時期は、血管が収縮しやすく、体内で「血栓(血の塊)」ができやすい季節でもあります。

この血栓が心臓の血管に詰まると引き起こされるのが、日本人の死因上位を占める「心筋梗塞」です。 「胸が痛い」だけが心筋梗塞の症状ではありません。実は、冬場に感じやすい「肩こり」も、心臓からのSOSサインである可能性があります。

今回は、血栓予防の日をきっかけに知っておきたい「血栓症」のメカニズムと、冬場に急増する心筋梗塞のリスク、そして見逃してはいけない意外な前兆について、健達ねっとの関連記事と合わせて解説します。

1. なぜ1月20日が「血栓予防の日」なのか?

1月20日は、二十四節気の「大寒(だいかん)」にあたることが多く、一年で最も寒さが厳しくなる時期です。 気温が下がると、私たちの体は体温を逃がさないように血管をギュッと収縮させます。また、冬場は夏に比べて喉の渇きを感じにくいため、知らず知らずのうちに水分不足(かくれ脱水)に陥りやすく、血液がドロドロになりやすい環境が整ってしまいます。

こうした背景から、心筋梗塞や脳梗塞などの「血栓症」への予防意識を高めるために制定されたのが「血栓予防の日」です。

2. そもそも「血栓(けっせん)」とは?

血管を塞ぐ恐ろしい塊

血栓とは、血管の中で血液が固まってできた「血の塊」のことです。 本来、血液が固まる機能は、怪我をした際に出血を止める(止血)ために非常に重要です。しかし、血管の中で不要な血栓ができてしまうと、血液の流れをせき止め、その先の臓器に酸素や栄養が届かなくなってしまいます

血栓症の種類

血栓症は、血栓ができる場所によって大きく2つに分けられます。

  • 動脈血栓症:血流の速い動脈にできる血栓。動脈硬化などが原因で、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。
  • 静脈血栓症:血流の遅い静脈にできる血栓。長時間座り続けることなどで足の静脈に血栓ができ、それが肺に飛ぶと肺塞栓症(エコノミークラス症候群)を引き起こします。

3. 血栓が引き起こす「心筋梗塞」の恐怖

心臓は、全身に血液を送るポンプの役割をしています。この心臓自身に酸素と栄養を送っている血管を「冠動脈(かんどうみゃく)」と言います。 心筋梗塞とは、この冠動脈が血栓によって完全に詰まってしまい、心臓の筋肉(心筋)が壊死してしまう病気です。

発症すると激しい胸の痛みに襲われ、処置が遅れれば死に至る、まさに時間との戦いとなる病気です。

冬に心筋梗塞が増える理由「ヒートショック」

冬場に特に注意したいのが「ヒートショック」です。 暖房の効いた暖かい部屋から、寒い脱衣所やトイレに移動した際、急激な温度変化によって血圧が乱高下します。この血圧の変動が血管にダメージを与え、血栓ができやすい状態や、血管内のプラーク(コブ)が破裂するきっかけを作ってしまうのです。

4. 「胸が痛い」だけじゃない!見逃してはいけない意外な前兆

心筋梗塞といえば「胸をえぐられるような激痛」というイメージがありますが、実はその数日前〜数週間前から「前兆」が現れることがあります。 また、高齢者や糖尿病の方の場合、典型的な胸痛を感じないこともあり、発見が遅れるケースがあるため注意が必要です。

要注意!「放散痛(ほうさんつう)」とは?

心臓の痛みは、神経を通って別の場所に痛みとして伝わることがあります。これを「放散痛(関連痛)」と呼びます。

  • 左肩〜背中の痛み・ひどい肩こり
  • 奥歯や下顎の痛み
  • 左腕のだるさ・しびれ
  • みぞおちの痛み(胃痛と勘違いしやすい)

特に注意したいのが「肩こり」です。 「いつもと違う、冷や汗が出るような肩こり」「マッサージしても治らない、胸の圧迫感を伴う肩の痛み」がある場合は、単なる筋肉疲労ではなく、心臓からのSOSかもしれません。
健達ねっとの以下の記事でも、肩こりに隠れた病気について詳しく解説しています。

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その他の危険なサイン

  • 階段や坂道での息切れ
  • 安静時の胸苦しさ
  • 冷や汗、吐き気

これらの症状が数分〜数十分続き、安静にすると治まる場合は「狭心症(心筋梗塞の一歩手前)」の可能性があります。放置せずに循環器内科を受診しましょう。

5. 今日からできる!冬の血栓・心筋梗塞予防アクション

血栓を作らせず、心臓を守るためには、「血液を固まりにくくする」ことと「血管への負担を減らす」ことが重要です。

① こまめな水分補給

冬は汗をかかないため水分摂取が減りがちですが、乾燥した空気により皮膚や呼気から水分が失われています。「喉が渇いた」と感じる前に、コップ1杯の水を飲む習慣をつけましょう。 特に「寝る前」と「起きた直後」の水分補給は、就寝中のドロドロ血液を防ぐために効果的です。

② ヒートショック対策

  • 脱衣所やトイレの保温(小型ヒーターなどの活用)
  • ぬるめのお風呂設定(38〜40度程度)
  • 入浴前の十分なかけ湯

③ 食事でのケア

  • 減塩(高血圧防止と血管保護)
  • 納豆の摂取(夕食がおすすめ ※ワーファリン服用中は要医師相談)
  • 青魚の摂取(EPA・DHAによる血液サラサラ効果)

④ ストレスと疲労を溜めない

過度なストレスは血管を収縮させ、血圧を上げます。十分な睡眠と休養を心がけましょう。

6. まとめ

1月20日の「血栓予防の日」は、自分の血管と向き合う良い機会です。 心筋梗塞は、ある日突然起こり、本人だけでなく家族の生活も一変させてしまう怖い病気です。
しかし、生活習慣を見直すことで、リスクは確実に下げることができます。

  • 生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症)の管理
  • 禁煙
  • 冬場の水分補給と温度管理

これらを徹底しましょう。 そして、もし「いつもと違う肩こり」や「胸の違和感」を感じたら、決して我慢せずに医療機関を受診してください。その「念のため」の行動が、あなたの大切な命を守ります。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売

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