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トップページ>専門家から学ぶ>達人インタビュー>【専門家インタビュー】脳の老化と神経変性疾患のメカニズムに関する研究

【専門家インタビュー】脳の老化と神経変性疾患のメカニズムに関する研究

東京都立大学理学部 生命科学科教授

安藤 香奈絵

東京都立大学理学部 生命科学科 理学研究科 生命科学専攻では脳の老化と神経変性疾患のメカニズムに関する研究を行っています。今回はその研究内容について准教授 安藤 香奈絵様に詳しくお話をお伺いしました。

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研究内容

編集部:「脳の老化と神経変性疾患のメカニズム:Mechanisms underlying brain aging and neurodegenerative diseases」についての研究内容と研究結果について教えてください。

安藤様:ショウジョウバエなどの比較的シンプルなモデル動物で、遺伝学的な技術を使って、加齢に伴う脳の変化や、認知症の原因となる疾患のメカニズム、そして食餌、栄養代謝がそれらにどのように関わるかを調べています。最近の成果としては、ある遺伝子変異がアルツハイマー病のリスクを増加させるメカニズムや、脳の細胞のエネルギー代謝の改善によって寿命が延伸すること、などを国際学術誌に報告しました。

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研究を始めたきっかけ

編集部:研究を行った経緯を教えてください

安藤様:人が楽しかったことを覚えていたり、新しい概念を創り出したりするのは、脳内の神経細胞ネットワークによって担われています。この脳の神経細胞は、体内の他の細胞と違って、生涯入れ替わりません。加齢によって神経細胞の機能は低下し、またアルツハイマー病など認知症の原因となる疾患のリスクは増加します。これらに関わる分子メカニズムを明らかにすることで、脳の機能を生涯にわたって維持する方法や薬の開発につなげたいと考え、この研究を行っています。

研究の意義

編集部:安藤様が考える貴研究の意義を教えてください

安藤様:老化や加齢依存性疾患には、両親から受け継いだ遺伝子の性質に加え、食事やストレスなどたくさんの環境要因も関わり、それらの因果関係を読み解くのが難しいところです。ショウジョウバエなど比較的シンプルな動物の脳をモデルとして用い、遺伝子組み替え技術を使うことで、遺伝子や環境要因が疾患にどのように関わるのかを、分子レベルで明らかにすることができます。

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今後の目標

編集部:今後はどういった研究を進めていく方針なのでしょうか?

安藤様:食生活や栄養代謝に注目し、食生活や生活習慣に取り入れられる予防的な脳老化戦略につながる研究を進めたいと思っています。

編集部:安藤様が研究しておられる分野の最終的な目標を教えてください。

安藤様:脳の機能維持に必要な分子や化合物を見つけることで、脳という人体の中で最も複雑な器官を理解したいと考えています。

健達ねっとECサイト

健達ねっとをご覧いただいている方へのメッセージ

編集部:健達ねっとのユーザー(認知症に不安を感じている方や、認知症の方の家族)に何かメッセージをお願いいたします。

安藤様:認知症の原因となる疾患の発症や進行のメカニズムについての理解は、世界中の研究者たちの努力によって素晴らしい速度で進んでいます。難しい分野ではありますが、根本的な治療法が将来には必ずできると思っています。

 

薬の使い方

東京都立大学理学部生命科学科准教授

安藤 香奈絵あんどう かなえ

北米神経科学会
日本生化学会
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