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トップページ>専門家から学ぶ>達人インタビュー>【専門家インタビュー】高齢者福祉に関する研究

【専門家インタビュー】高齢者福祉に関する研究

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研究内容について

編集部:地域でできる介護福祉について先生が研究されている内容、成果についてご教示ください。

宮崎様:地域包括ケアシステムを確立していくためには、地域社会における互助活動を活発化することが求められております。そのために、大学のある周辺地域で、以下のことを学生とともに取り組んでいます。

1つ目は、地域の介護予防リーダーが、サロン活動を実施しています。そのサロン活動に学生が関わることを通じて、世代間交流の場をつくっております。

2つ目は、高齢者クラブは地域で見守り活動という重要な役割を担っているが、その高齢者クラブの会員が減少傾向にあります。高齢者クラブの会員を増やすためには、高齢者クラブの魅力発信が求められ、学生が会員勧誘のためのチラシづくりを担当して取り組んでおります。

3つ目は、「学生出前定期便」という高齢者や障がい者の日常生活における「ちょっとした困りごと」(電球の交換、換気扇の掃除、スマホの操作など)を学生が訪問して手助けをします。

このような取り組みを通じて、少しずつですが、地域包括支援センターの職員には、地域の重要な社会資源の1つとして位置づけられるようになってきました。

編集部:先生が高齢者福祉政策に関する研究を行った経緯を教えてください。

宮崎様:日本社会が高齢化し始めたころに、実習で認知症高齢者(当時は、痴呆性老人と呼んでいた)と関わることがありました。その当時は、まだ認知症高齢者のケアは、手探りでした。認知症の高齢者との関わりを通じて、その人がどんな人生を送ってきたのかを理解していくことが、ケアの要であることを痛感しました。

そのようなことから、高齢になり、認知症になっても、安心して暮らしていくことのできる日本社会にしていきたいと思い、高齢者福祉の研究を取り組みました。

 

編集部:現在の日本での高齢者の福祉における課題とはなんだと思いますか?

宮崎様:ひとり暮らしの高齢者、認知症の高齢者が多くなっている社会にあって、人生の終末期に家族に頼ることなく、高齢、認知症になっても安心して暮らしていけるように、住まい、経済的な課題、諸手続きなどに困らないような体制をつくっていくことと思っております。

 

編集部:宮崎様が考える地域社会のケアシステムの研究意義を教えてください。

宮崎様:住み慣れた地域社会に、高齢になっても、認知症になっても暮らしていくことのできるケアシステムが必要です。その確立のため、自助努力、互助は必要ですが、それにかなり頼ることになるようでは、確立できないと思います。やはり、しかるべき公助があってこそ自助、互助が活発化すると思うので、私ができることは互助と公助をつなげていくことと思い、取り組んでおります。

 

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今後の目標について

編集部:宮崎様の研究における最終的な目標を教えてください。

宮崎様:最期まで、安全・安心して暮らすことができる住まいが、保障されるための方策を考えていきたいと思っております。その理由は、現在の高齢者、特に介護が必要となった場合に、介護サービスの質や量、お金の面も含めて、安心を得る住まい、それどころか居場所さえも、確保することが難しい現状だからです。

 

編集部:今後はどういった研究を進めていく方針なのでしょうか?

 宮崎様:高齢になっても、認知症になっても、住み続けたいと願う地域社会で暮らし続けられるように、居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービスが質・量ともに充実していくようにするとともに、住民たちが世代を超えて交流できるような地域づくりの一助となるような取り組みをしていきたいと思っております。

 

健達ねっとのユーザー様へ一言

 介護従事者の方々も、家族を介護している方々も、リフレッシュすることを忘れずに生活を送ってください。リフレッシュすることで、こころにゆとりが生まれ、人に優しく接することができるようになります。

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薬の使い方

大正大学社会共生学部 社会福祉学科教授

宮崎 牧子みやざき まきこ

日本介護福祉学会編集幹事
日本ソーシャルワーカー協会副会長
全国老人福祉問題研究会事務局長

  • 日本介護福祉学会編集幹事
  • 日本ソーシャルワーカー協会副会長
  • 全国老人福祉問題研究会事務局長

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