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トップページ>専門家から学ぶ>達人インタビュー>「地球の歩き方」で認知症予防?|脳科学の専門家と地球の歩き方編集室にインタビュー!

「地球の歩き方」で認知症予防?|脳科学の専門家と地球の歩き方編集室にインタビュー!

人気旅行ガイドブックの「地球の歩き方」と、学習院大学で脳科学を研究している高島明彦教授がタッグを組んだ『脳がどんどん強くなる!すごい地球の歩き方』(Gakken)が2022年11月25日に出版されました。

また、地図をなぞることで脳トレができる『地球のなぞり方』のヨーロッパ編、アメリカ大陸編、アジア編、日本編も出版されています。

今回は著者である高島教授と、制作に携わった編集部の由良様、日隈様、清水様からお話を伺いました。

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今回出版したきっかけは?

編集部)認知症の予防のための「地球の歩き方」、また同時期に『地球のなぞり方』を出版したのはどのようなきっかけがあったのでしょうか?

日隈様)コロナ禍になり、日本に住んでいる方が海外旅行に行く機会というのが激減しました。その中で弊社は、国内で旅行を楽しんだり、お家で楽しめるコンテンツを作ってきました。

そういった流れの中で、海外を感じながらお家でできる健康法や美容法などのコンテンツを作れないかということで、私と清水と由良で企画を考えてきました。

同じタイミングで株式会社MIGのCSOである高島教授とお会いさせていただく機会に恵まれたんです。

MIGさんでは、VRゴーグルを使用して空間認知能力を高め、嗅内野の縮小を抑え、認知症を予防するといったサービスを提供しています。嗅内野を鍛えるためには旅がぴったりとお聞きし、「旅」と「認知症の予防」を結び付けられないかと考え、ぜひタッグを組みたいとご相談しました。

株式会社MIG様の提供するBrain 100 studio株式会社MIGの提供するBrain100studio

高島明彦先生の研究内容に関する記事はこちらから

 

編集部)なるほど、高島様とお会いした経緯はどのようなものだったのでしょうか?

日隈様)これはたまたま私がMIG様のサービスの資料を見たことがきっかけでした(笑)

先生は「コロナ禍になり、外出や旅行などで脳を刺激する環境が減ったことで、今後認知症の方は増えるだろう」ということをおっしゃっていまして…

コロナ禍が明けた時に認知症予防にフィーチャーした「地球の歩き方」があれば、認知症を防ぐことにもつながりますし、旅行も楽しんでもらえるのではないかと思い、先生に本の提案をさせていただきました。

高島様)実は元々我々も、「地球の歩き方」様とタッグを組みたいと考えていたんです。

というのも、認知症の進行には脳のナビゲーション機能の低下が関わっているのではないかと我々は考えており、VRゴーグルに街の風景などを映し出すことで、家にいながらもナビゲーション機能を鍛えられるプログラムを作りたいと思っていたためです。

地球の歩き方様であれば、そういった映像素材を持っていると思っていたので、こちらとしてもありがたい提案でした。

日隈様)結局弊社にはそういった素材はなかったんですけどね(笑)

本当にタイミングとしては良かったなと思っています。

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コンテンツ内容について

編集部)どのような内容になっているのでしょうか?

日隈様)第一章では、本著のキーワードである”嗅内野”の解説や、旅が脳に良い影響を及ぼすことについて説明しています。

そもそも旅というのは、嗅内野をはじめとする脳全体を刺激することにおいて、非常に有益です。
旅の準備するときから思い出を整理するときまで、脳を刺激するタイミングに溢れています。

第二章では、旅の準備から帰ってきた後まで、時系列で脳を活性化するトレーニングを50まとめました。

このトレーニングは、海外旅行に限らず国内旅行でもできたり、まだ旅行に行くのは怖いという人に向け家の中や近所のお散歩時にも実践できるような内容になっております。

編集部)このトレーニングは全て編集部の皆様が考えられたんでしょうか?

日隈様)我々が作成して、随時高島先生にブラッシュアップしていただきました。
中には先生に「このトレーニングは意味ないよ」と指摘されたものもありましたね(笑)

編集部)そうだったんですね(笑)
50のトレーニングということでしたが、さすがに一気に取り組むのは難しいのではないかと思います。

何か初心者におすすめのトレーニングなどはありますか?

高島様)気軽にできるのは散歩をテーマにしているものではないでしょうか?

日隈様)そうですね。例えば、12番に「昼と夜で同じ道を散歩してみる」というトレーニングがあります。

同じ道でも昼と夜とでは全く見え方が異なりますよね?このことが脳に大きな刺激を与えてくれるんです。

昼間歩いた道を改めて夜歩くことで、昼間の景色との違いを認識します。それによって嗅内野を刺激することができるんですよね。

その際、頭の中に地図を描き、自分がどこを歩いているかを把握することも効果的です。

編集部)なるほど、確かにそれはすぐに実践できそうですね。

「第二章 脳を強くする50のトレーニング」より
50のトレーニングを旅の時系列順に紹介している。旅先や在宅時など、あらゆるシチュエーションを想定して組まれたトレーニングになっている。

編集部)第三章にはどのようなコンテンツになっているのでしょうか??

日隈様)第三章は、ドリル形式になっています。ルート文が書かれた文章を読み解いて、地図上にルートを記入してもらいます。

情景を思い浮かべながらルートを辿っていただけるように、ルート上にある観光地や世界遺産などの写真も掲載しています。
行ったことがない人はその地を想像しながら、過去に行ったことがある人は思い出を思い浮かべながら辿っていただけるとより高い効果が得られると思います。

三章のコンテンツをより深く、広げたものが『地球のなぞり方』になっており、後ほどそちらの紹介もさせていただければと思います。

「第三章 空間ナビ機能を鍛える!脳トレ地図なぞり」より
ルート分を読み、情景を想像しながら地図にルートを記入していく。普段地図を読む機会が減った現代人にとって、楽しみつつも非常に頭を使えるコンテンツになっている。

地球のなぞり方について

編集部)同時期に『地球のなぞり方』という本も出版されています。

こちらはどのような内容になっているのでしょうか?

由良様)こちらも同じように、健康のためのコンテンツというのをテーマに制作したものです。
元々我々は「塗り絵」のようなコンテンツで出版しようと考えました。塗り絵も脳を活性化するには良いツールだと言われていたからです。

それを高島先生に相談したところ、「もちろん塗り絵も良いが、頭の中で空間を把握すること、把握しながら実際に体験することの方が嗅内野を刺激するには良い」というお話をいただきました。

そこで塗り絵は世に多く販売されていますし、「地球の歩き方」ならではのものにしたいという思いもありましたので、地図をなぞることで楽しみながら脳を活性化するコンテンツを作ることにしました。

『地球のなぞり方』はエリアごとにさまざまなテーマを取り入れています。

例えばヨーロッパであれば鉄道網が発達しておりますので、鉄道ルートをなぞるコンテンツを入れたり、アメリカであればドライブルート、アジアは島が多いので複数の島を掲載しております。

もちろん脳トレとしてもご活用いただけるのですが、お子様がいらっしゃる方はお子様の地理学習にも活用していただけるのではないかと思います。

編集部)確かに、以前高島様にインタビューをさせていただいた時にも感じましたが、やはり認知症を意識し始める50代や60代の方々以外にも、20代・30代といった若い年代やお子様でも楽しめるといったことが大切ですよね。

由良様)そうですね、認知症という単語を使ってしまうと若い方は敬遠されるかもしれませんが、「楽しみながらなぞっているうちに認知症の予防もできている」ということも訴求していけたらなと思います。

日隈様)高島先生とお会いして、認知症は20年、30年かけて進行していくというお話を聞き、30代、40代から意識して生活することが重要だということを知りました。

ですから、旅ができる現役世代の方にこそ手に取っていただきたいですね。

地球のなぞり方 ヨーロッパ編 より
地球のなぞり方は、「日本編」「アメリカ大陸編」「ヨーロッパ編」「アジア編」の計4種類が発売されている。

川や湖をテーマにしたなぞり地図|地球のなぞり方 アメリカ編より
地域によってさまざまなテーマの地図をなぞることができる。

編集部)高島様の方から何か補足はありますか?

高島様)やはり「旅で脳を活性化」というのがキーワードです。

若い人でも旅を楽しんでいる間に、裏では認知予備脳というのが強化されていますので、歳をとった時に認知症になりにくくなります。ですから是非この本を若い人にも手に取っていただきたいですね。

日隈様)高島先生の人生の目標が「アルツハイマー病を0にする」であることを、健達ねっとのインタビュー記事や高島先生とお話しする中で知り感銘を受けました。今回もそういった思いで協力していただきました。

脳トレは結構辛いものというイメージがありますが、この本は楽しく続けられるものだと思います。

また、今まで旅と健康を紐づけた本はあまりなかったと思うので、新しい切り口の本になっていると思います。健達ねっとをご覧の皆様にも是非お読みいただけると嬉しいです。

編集部)ありがとうございます。

ヨーロッパやアジアに比べると日本はかなり狭いと思いますが、同量のコンテンツがあるのでしょうか?

清水様)日本編は若干異なっていて、テーマごとになぞり地図を掲載しております。

例えばシンメトリーな造形というテーマで五稜郭の地図を載せていたり、一度は行きたい島などのテーマで日本のさまざまな島を掲載していたり、少し毛色を変えています。

高島様)Googleのストリートビューと併せて読むと、実際に行った感じになって非常に面白いですよ。

行ったことのある土地をストリートビューで見ながら、さまざまな思い出を思い出しながらなぞっていくと脳の活性化にもつながりますしね。

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地球の歩き方「旅と健康シリーズ」

  • 『脳がどんどん強くなる!すごい地球の歩き方』(2022年11月25日発売)
  • 定価:1,650円(税込)
  • 発行年月: 2022年11月
  • 判型/造本:A5
  • 頁数:208
  • ISBN:978-4-05-801821-7

書籍のオンライン購入はこちらから
https://www.arukikata.co.jp/guidebook/series/books/books8018217

  • 『地球のなぞり方 旅地図 ヨーロッパ編』(2022年10月14日発売)
  • 定価:1,430円(税込)
  • 発行年月: 2022年10月
  • 判型/造本:AB
  • 頁数:80
  • ISBN:978-4-05-801855-2

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https://www.arukikata.co.jp/guidebook/series/books/books8018552

  • 『地球のなぞり方 旅地図 アメリカ大陸編』(2022年10月14日発売)
  • 定価:1,430円(税込)
  • 発行年月: 2022年10月
  • 判型/造本:AB
  • 頁数:80
  • ISBN:978-4-05-801858-3

書籍のオンライン購入はこちらから
https://www.arukikata.co.jp/guidebook/series/books/books8018583

  • 『地球のなぞり方 旅地図 アジア編』(2022年11月25日発売)
  • 定価:1,430円(税込)
  • 発行年月: 2022年11月
  • 判型/造本:AB
  • 頁数:80
  • ISBN:978-4-05-801924-5

書籍のオンライン購入はこちらから
https://www.arukikata.co.jp/guidebook/series/books/books8019245

  • 『地球のなぞり方 旅地図 日本編』(2022年11月25日発売)
  • 定価:1,430円(税込)
  • 発行年月: 2022年11月
  • 判型/造本:AB
  • 頁数:80
  • ISBN:978-4-05-801923-8

書籍のオンライン購入はこちらから
https://www.arukikata.co.jp/guidebook/series/books/books8019238

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