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二人三脚のように

介護は、お互いの体どうし触れ合っている状態で行われる場面が多いと思います。

つまり、二つの体がつながった状態で、かつ一つの目的に向かって進んでいく営みです。これは、普段の生活ではほとんど経験することはありません。

したがって、介護はトレーニングが必要な特別な技術と理解することができます。

二つの体がつながった状態で、かつ一つの目的に向かって進んでいく行為として分かりやすい例えは二人三脚です。

お互いの片方の脚が紐で括られていますから、前に進むためには動き始めのタイミングはもちろん、脚を動かす速さや量を互いに調節し合いながら行わなければ、前に進むどころかあっという間に二人とも転倒してしまいます。

運動会などで、他のチームより速くゴールするためには、もちろんトレーニングが欠かせません。

 

介護と二人三脚のちょっとした違いがあるとすれば、介護は介護技術と称して介護する者だけがトレーニングをします。

一方、運動会の二人三脚はお互いがトレーニングすることで上達しますし、少なくとも運動能力の高い者が、低い者の動きに合わせた方が上手くいきます。

介護が難しいのは、介護者とペアを組む相手は一人ではなく複数いますし、介護が必要な人からしても、ペアを組む職員は一人ではなく複数いますから、特定の相手とだけ上手く行けば良いというわけにはいかないという複雑な事情もあるためです。

しかし、一方だけトレーニングするという事態はどうしても、トレーニングをした者のルールで事を主導してしまいやすくなります。

二人三脚に当てはめて考えると、一方のルールのみで行えば全く前には進まないのは容易に想像できますし、お互い窮屈な思いをするのは間違いありません。

 

もしかすると介護は、知らず知らずのうちにお互いが窮屈な思いで行われてしまっているのかも知れないのです。

だからと言って、介護を必要とする人が何がしかのトレーニングをするというのも現実的ではないでしょう。

できることがあるとすれば、二人三脚のように、若くて体力のある介護をする者が、高齢で体力の少ない要介護者の動きに合わせるトレーニングをすることだと思います。

また介護が必要となった人もただお任せではなく、まずは少しでも自分から動いて自分のルールを介護者に知らせる努力も必要です。

 

二人三脚、一方だけが頑張っても進まない。運動能力の低い人に合わせると上手くいく:介護も同じ

 

筆者
大堀 具視(おおほり ともみ)
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