いつやるか?「今でしょ!」

大堀 具視
大堀 具視作業療法士 / 株式会社Start movement代表

いつやるか?「今でしょ!」は流行語大賞にもなった林修先生の有名なフレーズです。

予備校の授業中に話した内容だそうですが、きっと誰もが納得する単純明快な勉強への指南、しかし実はなかなかできないところに、このフレーズが多くの人の心に刺さったのではないでしょうか。やるべきことが目の前にあり、「やらなければ」という動機があれば、開始までのタイムラグは少ないに越したことはありません。

受験のように期日がある場合は、当然それまでに行える勉強の量が増えます。また、仕事のように達成すべき目標が決まっているような場合は、開始までのタイムラグは少ないほど目標達成に近づきやすいでしょう。

開始までのタイムラグは少ないほど目標達成に近づくのだから、「今でしょ!」は、介護にこそ当てはまるフレーズです、なぜなら人生の時間は限られているからです。健康に生活していても老化には抗えませんから、今できること、今やりたいことは「今でしょ!」なのです。

例えば、何らかの事情でオムツを使用している方も、便意や尿意を訴えられることがあります。対応する職員は、もちろんトイレにお連れしたいと思うのですが、移動や立ち座りが難しい方だと、安全に介助できるかどうかの不安から、その訴えに即座に応じられない場合があります。

もう少しリハビリが進んでから行きましょう、あるいはトイレにお連れしたものの、その時に尿、便が出なかったことがあるなどの理由でお断りしてしまいます。しかし、勉強も生活動作も、やる必要があるとき、やりたいときが絶好の機会なのです。

きっと多くの方が経験していると思いますが、勉強のやりどきを逃すと、下手をすると次にいつやりたいときが訪れるかわかりません。トイレにしても機会を逃すことをきっかけに尿意、便意の訴えが無くなってしまうことさえあります。

「今でしょ」の大切さを強く教えていただいたエピソードがあります。以前勤務していた病院で、尿意、便意を訴えられる患者さんに対しては3人がかりでもトイレにお連れする看護師さんがいました。その看護師さんは、病気をした後に初めてトイレで排尿、排便ができた患者さんと二人で「良かったね」とよく泣いていました。

そして「今でしょ!」を果たした患者さんたちは、確実にトイレで用を足すのが当たり前になっていくのを目の当たりにしました。

。やりどきを逃さないためにも、介護は本人のチャレンジに対して「今でしょ!」を積み上げていけば良いのです。

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筆者プロフィール

その他
作業療法士 / 株式会社Start movement代表
その他
北海道出身。株式会社Start movement代表、作業療法士。著書に「お互いが歩み寄る介護実践45のヒント」「利用者の"動き出し"を引き出すコミュニケーション」などがある。
WRITTEN BY
大堀 具視
大堀 具視
作業療法士 / 株式会社Start movement代表
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