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トップページ>健康お役立ち記事>睡眠障害>早朝覚醒の原因とは?年代別の予防方法や対策を徹底解説

早朝覚醒の原因とは?年代別の予防方法や対策を徹底解説

「予定よりもずいぶん早く起きてしまった」「もっと眠っていたいのに、眠れない」
そのような日が続くようなら、早朝覚醒という睡眠障害の可能性があります。
本記事では早朝覚醒について以下の点を中心にご紹介します。

  • 早朝覚醒になる原因とは
  • 早朝覚醒対策とは
  • 若くても早朝覚醒は起こるのか

早朝覚醒について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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早朝覚醒とは

早朝覚醒は、睡眠障害の中の不眠症のひとつです。
具体的には、予定していた起床時間よりも2時間以上早く目覚めてしまいます。
再び眠ろうとしても、眼が冴えて眠れなくなってしまうという症状です。

早朝覚醒になる人の特徴

早朝覚醒は、特に高齢者に多く見られる症状です。
加齢によって、体内時計や睡眠パターンが変化したために起こると考えられています。

 また、うつ病の場合にも早朝覚醒は多く見られます。
この場合は「メラトニン」という睡眠を誘導するホルモンの不足が考えられています。

睡眠障害による影響はこちらで解説しています。

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早朝覚醒の原因

早朝覚醒には、以下のようなさまざまな原因があります。

  • 生活習慣の乱れ
  • 心的ストレス
  • うつ病によるもの
  • 加齢によるもの

それぞれ詳しくみていきましょう。

生活習慣の乱れ

早朝覚醒は、生活習慣の乱れが原因となることがよくあります。
たとえば、極端な運動不足は睡眠の質が低下して、早朝覚醒につながります。
過度のアルコール摂取も睡眠の質を悪くします。

寝つきはよくても眠りが浅く、アルコールの作用が切れると目が覚めてしまいます。
夜勤や交代勤務で昼夜逆転の生活をしている場合にも、早朝覚醒は起こります。
生活リズムが安定しないため、体内時計が狂ってしまうことが原因です。

心的ストレス

ストレスが加わると、交感神経が優位に立って興奮状態になります。
興奮状態になると、血圧や心拍数が上がります。
この状態で寝ようとしても、寝つきが悪く、眠りが浅くなるため早朝覚醒が起こります。

うつ病によるもの

うつ病による睡眠障害は多く見られます。
うつ病は、神経伝達物質の分泌異常が原因の1つとされています。
睡眠には、メラトニンというホルモンが重要となります。

メラトニンは、セロトニンから作られます。
しかし、うつ病になるとセロトニンの分泌が減少し、その結果睡眠障害を起こします。

加齢によるもの

早朝覚醒は、高齢者によくみられる症状です。
加齢によって、体内時計が前倒しになることが主な原因とされています。
また高齢になると、睡眠ホルモンといわれるメラトニンの分泌が低下します。

その結果浅い眠りの時間が増え、ちょっとした物音で目が覚めてしまいます。

睡眠障害や不眠症に関しては、こちらの記事をお読みください。

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ケース別の早朝覚醒の対処法

早朝覚醒を予防・改善するためには何をすればいいのでしょう。
それぞれケース別に詳しくみていきましょう。

生活習慣の乱れによる早朝覚醒の場合

早朝覚醒を治すためには、毎日の生活習慣を見直すことから始めましょう。
朝早く起きてしまって疲れが取れないという場合、以下のポイントを意識しましょう。

  • 寝る時間と起きる時間を決める
  • 起きたら、太陽の光を浴びる
  • 適度に運動をする
  • 入浴は寝る90分前までに済ませておく
  • 就寝前にスマホやテレビなどは見ない
  • 就寝前のアルコールは控える
  • 就寝前の飲食は控える

ストレスによる早朝覚醒の場合

普段からストレスをためないようにすることが一番です。
しかし、社会生活を送っていれば、ストレスを避けることはできません。
そこで、自分なりのストレス解消法を身につけておくことが大切です。

ただし、お酒やたばこにストレス解消を求めると逆効果になることがあります。
かえって睡眠の質を落として、早朝覚醒を助長してしまいます。
睡眠前の飲酒やタバコはなるべく避けるようにしましょう。

うつ病を疑う早朝覚醒の場合

うつ病を発症すると、早朝覚醒が起こることが多くあります。
早朝覚醒だけでなく、気分の落ち込みや疲れやすいなどの症状があればうつ病を疑います。
うつ病が疑われるようであれば、迷わず医療機関を受診しましょう。

うつの状態がよくなり、早朝覚醒も改善されるケースが多くあります。

加齢による早朝覚醒の場合

加齢になるにつれて、眠りが浅くなっていくのは自然なことです。
あまり深刻に考えず、老化現象のひとつとして捉えましょう。
早朝覚醒を起こしていても、日中元気に活動できていれば特に問題はありません。

過剰に神経質になって睡眠時間が極端に少なくならないようにしましょう。
もし、早朝覚醒によって日常生活に支障をきたしているのであれば医療機関を受診しましょう。

睡眠障害をチェックするには、こちらの方法があります。

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年齢別の早朝覚醒の対処法

ケース別の早朝覚醒の対処法について上述しました。
以下では年齢別に早朝覚醒の対処法について書いていきます。

50代~60代以上の方の早朝覚醒の場合

50代~60代は子育ても一段落して、退職などで活動量もめっきり減ります。
適度な運動をしながら、体内リズムの前倒しを調整して早朝覚醒を和らげましょう。
また、睡眠が浅くなっているため、早朝に尿意を感じて目が覚めてしまうことがあります。

睡眠前の水分摂取を控えるようにしましょう。

30代~40代の方の早朝覚醒の場合

30代は、仕事や子育てなど、とにかく忙しい世代です。
夜にまとまった睡眠時間を確保できるように、夜更かしは控えるようにしましょう。
40代は、更年期でホルモンバランスが崩れがちとなります。

更年期は、精神的にも肉体的にも不安定になります。
早朝覚醒が続き、疲れてしまったときには、ゆっくりと休養を取ることが大切です。

10代~20代の方の早朝覚醒の場合

スマホやパソコンの画面から発せられるブルーライトは、脳を覚醒させる働きがあります。
寝る間際までスマホを操作していると、脳が刺激されて早朝覚醒が起こります。
就寝前には、スマホやパソコンの画面を見ることを避けるようにしましょう。

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更年期障害による早朝覚醒の対策

更年期障害によっても、早朝覚醒などの睡眠障害が起こります。
更年期障害は女性だけの症状ではありません。
男性にも更年期障害はありますが、女性ほど顕著ではないというだけです。

更年期障害による早朝覚醒などの睡眠障害がひどくなる前に、病院を受診しましょう。
ホルモン補充療法、向精神薬などによって、かなり改善されることがあります。
また、更年期障害はいつかは終わるものなので前向きに考えることも大事です。

薬の使い方

早朝覚醒などの不眠症の治療薬

早朝覚醒などの不眠症には、その症状に合わせた治療薬があります。
それぞれ詳しくみていきましょう。

GABA受容体作動薬

睡眠障害は、脳が興奮してしまうため起こります。
脳の興奮を抑える働きのあるGABAを投与することで、脳を休ませることができます。
多くの種類があり、状態に合わせて選びます。 

GABA受容体作動薬は、早く効果が実感でき、不安症状なども軽減されます。
ただし依存性が出やすく、耐性が出ることもあるため、連続使用には注意が必要です。

メラトニン受容体作動薬

メラトニンは、体内時計を調整し、睡眠・覚醒のリズムを整える働きがあります。
自然な眠りを促し、依存性や耐性も少ないというメリットがあります。
しかし、即効性がなく、効果がでるのに2週間ほどかかることがあります。

また、眠気が残ったり、頭痛がでる可能性があります。

オレキシン受容体作動薬

オレキシンは、覚醒している状態を保つ脳内物質です。
このオレキシンを抑えることで、睡眠を促す薬です。
自然な眠りを促し、ある程度即効性も見込めます。

さらに、心配な耐性や依存性もありません。
しかし、使用者のうち1~5%の方が悪夢を見たという報告があります。
また、眠気が残ったり、頭痛がでる可能性があります。

睡眠障害の場合どこを受診すればいいのかは、こちらの記事をご確認下さい。

早朝覚醒の対策

早朝覚醒の対策としては、生活習慣の見直しやストレス管理が重要となります。
これらは自然療法とも言える手段で、薬物治療に頼らずに早朝覚醒を改善するための方法です。
また、早朝覚醒が続く場合は、専門家に相談することも重要です。

生活習慣の見直し

早朝覚醒を改善するためには、まず生活習慣の見直しが必要です。
具体的には、規則正しい生活リズムを保つこと、適度な運動を行うこと、良好な睡眠環境を整えることが挙げられます。

特に、朝日を浴びることで体内時計を調整し、規則正しい生活リズムを作ることが推奨されます。
また、適度な運動は心地良い眠りにつきやすくなります。
ただし、運動は激しすぎると逆効果になるため、軽い運動を定期的に行うことが重要です。

ストレス管理

ストレスは早朝覚醒の大きな原因となるため、適切なストレス管理が必要です。
ストレスを感じたときには、リラクゼーションや深呼吸などのリラクゼーションテクニックを用いると良いでしょう。

また、趣味を持つ、友人と話す、散歩をするなど、ストレスを発散する方法は人それぞれです。
自分に合ったストレス発散法を見つけ、定期的に行うことが推奨されます。

専門家への相談

早朝覚醒が続く場合や、自己対策で改善しない場合は、専門家に相談することをおすすめします。
医師や心理カウンセラーなどの専門家は、早朝覚醒の原因を特定し、適切な対策を提案してくれます。また、必要に応じて薬物療法を行うこともあります。

薬物療法は、医師の指導のもと、正しく行われることで早期改善の助けになります。

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早朝覚醒以外の不眠症の種類

不眠症には、早朝覚醒以外にもいくつか症状があります。
以下でそれぞれについて説明します。

入眠障害

入眠障害とは、いわゆる「寝つきが悪い」という症状です。
何時間も、場合によっては朝まで眠れないといった極端な症状が特徴です。
不眠症の中でも最も多く、不安、緊張が強いときに起こります。

中途覚醒

夜中に何度も目が覚めて、その後なかなか眠ることができなくなる症状です。
とくに中高年になると多く見られます。

熟眠障害

睡眠時間は十分なのに、熟睡した感じがしない、疲れが取れないといった症状です。
眠りが浅く、睡眠中に何度も目が覚めてしまいます。
睡眠時無呼吸症候群や周期性四肢運動障害などの病気が隠れている可能性もあります。

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若い世代も早朝覚醒を感じている?

早朝覚醒は、高齢者特有の睡眠障害だと思われがちです。
しかし、最近では20代の若者にも多く早朝覚醒症状が確認されています
大学生を対象に不眠症のアンケート調査を行いました。

その結果、約4割の大学生が睡眠に不安を感じています。
そして、約2割が早朝覚醒を自覚しているといいます。
その原因はネットやスマホで夜更かしが多くなり、生活のリズムが崩れたことにあります。

また、夜間のアルバイトなどによる慢性的な睡眠不足が影響しています。
慢性的な睡眠不足を解消しようと、休日に長時間寝ることで、さらにリズムが崩れます。
このような悪循環によって、早朝覚醒をはじめとする睡眠障害が増えてきているのです。

出典:広島大学総合保健センター【大学生を対象とした睡眠調査について】

生活習慣病と睡眠の関係については、こちらの記事も併せてお読みください。

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早朝覚醒に関するよくある質問Q&A

早朝覚醒とは何ですか?

早朝覚醒は睡眠障害の一つで、一度眠った後に早い時間に目が覚めてしまい、再び眠ることが困難な状態を指します。

早朝覚醒の一般的な原因は何ですか?

早朝覚醒の原因は様々で、ストレス、不安、うつ病、アルコールやカフェインの摂取、薬物の副作用、特定の医療状態などが考えられます。
また、年齢とともに生じる自然な睡眠パターンの変化も早朝覚醒を引き起こす可能性があります。

早朝覚醒の主な症状は何ですか?

早朝覚醒の主な症状は、何度も早い時間に目が覚めることで、通常よりも長い時間眠れないことです。
これは一日中疲れを感じることや集中力の低下につながる可能性があります。

早朝覚醒はどのように診断されますか?

早朝覚醒は通常、患者の症状の説明と医療の歴史に基づいて診断されます。
場合によっては、睡眠ログの維持、睡眠研究(ポリソムノグラフィー)、または心理的評価が推奨されることもあります。

早朝覚醒のための治療法はありますか?

はい、早朝覚醒の治療はその原因によります。

ストレスや不安が原因であれば、リラクゼーションテクニックや心理療法が助けになることがあります。
うつ病が関係している場合、抗うつ薬が有効な治療法となることもあります。
また、定期的な睡眠スケジュールの維持、カフェインやアルコールの摂取の制限、適度な運動なども有効です。

早朝覚醒のまとめ

ここまで、早朝覚醒について紹介してきました。
その要点を以下にまとめます。

  • 早朝覚醒になる原因は「生活習慣」「ストレス」「加齢」「うつ病」など
  • 早朝覚醒対策は、生活のリズムを整え、うつ病や更年期障害の場合は病院を受診すること
  • 若くても早朝覚醒は十分起こる可能性があり、規則正しい生活が求められる

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
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