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ノーリフティング介助

ワンポイントケア その19

 

ノーリフティング介助という考え方と介助の方法があります。

力まかせの介助行為を避け、専用の福祉用具を用いて移乗や立ち上がりの介助を行うことを基本とするものです。つまり抱え上げない介助ということです。

介助者の足腰の負担を軽減するとともに、介助を必要とする人の安心感も高まることが期待されています。

ノーリフティング介助(抱え上げない)という用語については、いささか混乱してしまいます。

それは介護用リフトという福祉用具を用いて、介助を必要とする人を吊り上げて車椅子などに移乗していただくわけです。つまり、福祉用具でリフトしているのです。

 

一方でノーリフティング介助には、介助を必要とする人の力を最大限に発揮してもらうことによって、介助者が抱え上げるのではなく本人の残存機能を活かした介助を行うという意味も含まれています。

北欧など福祉の先進国では、本来こちらの意味で介助技術が発展した経緯があり、多くの素晴らしい著書も翻訳され、手にとることができます。

ノーリフティングは、本人の能力を衰えさせてはいけないという考えが根底にあります。

また、本人の能力を活かすとは、誰かに抱え上げられる恐怖感や緊張を軽減するという意味を忘れてはいけません。

まずもって、本人の能力を活かす介助をするのは言うまでもないのですが、時間がないなどの制約によって、本人のわずかな動きは介助行為の中に埋もれてしまいやすいのです。

改めて介助行為の中に埋もれてしまっている本人の能力を見る、知るという姿勢が必要です。

 

そして、誰かに抱え上げられる恐怖感についても、その誰かがヒトから機械(福祉用具)に変わったから解決するものではないということです。

リフトに吊られてみるとわかりますが、もちろん頑丈な素材とはいえ、布のようなものに包まれ宙に浮く感じはなかなかの緊張と恐ろしさを感じます。

何より吊られて移動している間は、身じろぎせずにじっとしていますから本人の能力を使う場面はありません。

福祉用具によるノーリフティング介助は、それを用いる対象者と導入の時期を慎重に検討しなければなりません。

介助者の負担が減りました、本人も安心して移乗することが可能になりました、しかし、足腰が全く立たなくなりましたでは本末転倒ですから。

 

ノーリフティング介助を導入されたけれど、機械でリフト?→足腰が弱まる結果に…

 

筆者
大堀 具視(おおほり ともみ)
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