あらすじ
100歳の誕生日を迎えた老人ホームの住人アラン・カールソンは、施設の窓から脱出し、偶然手にした大金入りのバッグとともに思いがけない冒険に巻き込まれる。
現在の珍道中と、20世紀の歴史的事件に巻き込まれた彼の波乱万丈な人生が並行して描かれる。
スターリン、フランコ将軍、アメリカ大統領などの歴史上の人物との出会いを通して、一人の老人の壮大な人生が明かされていく。
特徴・見どころ
スウェーデンで国民的大ヒットを記録し、あの『アナと雪の女王』を超える社会現象を巻き起こした痛快コメディ映画が、ついに日本でも注目を集めています。
もし、100歳の誕生日を迎えた老人が、老人ホームの窓からパジャマ姿で逃げ出してしまったら。
そんな奇想天外なオープニングから始まる本作は、ただのドタバタ劇ではありません。
人生を最後まで楽しむためのヒントと、明日を生きる元気が詰まった、珠玉のエンターテインメント作品です。
波乱万丈の人生が生んだ、予測不能な逃走劇
物語の主人公は、100歳を迎えたアラン・カールソン。
彼は老人ホームでの堅苦しい暮らしにうんざりし、誕生パーティーの直前に思いつきで施設を脱走してしまいます。
ひょんなことからギャングの大金が入ったスーツケースを手に入れてしまい、彼の逃走劇は、警察とギャングの両方から追われるハラハラドキドキの展開に。
しかし、アランはただの老人ではありませんでした。
彼の100年の人生は、なんと20世紀の世界史そのものだったのです。
彼の驚くべき過去が、現在の逃走劇と交錯しながら、テンポよく描かれていきます。
- スペイン内戦でフランコ将軍の命を救ったり
- アメリカで原爆開発に協力し、トルーマン大統領と友人になったり
- ソ連ではスターリンを怒らせて強制労働所送りになったり
歴史上の重要人物たちと偶然渡り合い、世界の危機を幾度となく救ってきた(?)というとんでもない経歴の持ち主だったのです。
過去の破天荒な経験で培われた大胆不敵さと機転が、現在の逃走劇でもいかんなく発揮されます。
次から次へと起こるトラブルを、ユニークな仲間たちと共に乗り越えていく姿は、爽快感抜群です。
人生100年時代を、もっと豊かに生きるためのメッセージ
本作が多くの人々の心を掴んだ理由は、単なるコメディとしての面白さだけではありません。
そこには、人生をどう豊かに生きるかという、普遍的で深いテーマが横たわっています。
アランの生き方は、「もう歳だから」という諦めとは無縁です。
常に好奇心を失わず、なるようになるさと物事を楽観的に捉え、目の前の出来事をとことん楽しむ。
その姿は、高齢者の健康と生きがいについて、私たちに多くのヒントを与えてくれます。
年齢を重ねると、認知症発症と年齢の関係や、認知症の進行速度といった健康面の不安がよぎることもあるかもしれません。
しかし、本作の主人公アランは、そんな不安を吹き飛ばすかのように、自由奔放な冒険を通して人生の素晴らしさを体現してくれます。
彼の物語は、年齢という数字に捉われず、自分らしく生きることの尊さを教えてくれるでしょう。
また、本作は第88回アカデミー賞でメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされるなど、技術面でも高く評価されました。
主演俳優が特殊メイクによって青年期から100歳までを見事に演じきっており、その変化にも注目です。
笑いと感動、そして人生を前向きに捉える勇気がもらえる『100歳の華麗なる冒険』を、ぜひこの機会にご覧ください。