ホーム

認知症を学ぶ

down compression

介護を学ぶ

down compression

専門家から学ぶ

down compression

書籍から学ぶ

down compression

健康を学ぶ

down compression
トップページ>健康お役立ち記事>乳酸>乳酸は悪者?乳酸と筋肉疲労の関係について正しく解説します!

乳酸は悪者?乳酸と筋肉疲労の関係について正しく解説します!

筋肉疲労の原因は運動で乳酸が溜まったからと以前はいわれていました。
現在では乳酸は疲労物質ではないとされています。

乳酸と筋肉疲労の関係はどのようなものでしょうか?
乳酸にはどのような役割や働きがあるのでしょうか?

本記事では乳酸について以下の点を中心にご紹介します。

  • 乳酸の役割や働きについて
  • 乳酸値は低いほうがいいかについて
  • 乳酸に関する重篤な疾患について

乳酸について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

スポンサーリンク

乳酸とは

乳酸は筋肉を動かすエネルギー源を作るため、糖を分解するときにできる生成物です。
体の筋肉を動かすエネルギー源であるアデノシン三リン酸(ATP)の合成に使われます。

乳酸はATPを合成するために筋グリコーゲンが分解される過程で作られる代謝産物です。
乳酸は老廃物ではなく筋肉を動かすエネルギー源として利用される疲労を防ぐ物質です。

スポンサーリンク

乳酸=「筋肉疲労・疲れの原因」って本当?

筋肉疲労のメカニズム

筋肉を収縮させるためのエネルギーにはATPが利用されます。
ATPは3つのリン酸から構成されています。

筋収縮はATPの1つのリン酸が離れてアデノシン2リン酸(ADP)に分解するときに生じるエネルギーを利用しています。
もともと筋内に貯蔵されているATPはごく少量なため運動ですぐに消費してしまいます。

したがって、運動を続けるためには、ATPの再合成が必要になります。
筋肉疲労はATPの再合成や産生の不足などに関連して起こります。

筋肉疲労の原因

今まで長い間、筋肉疲労の原因は老廃物の乳酸の蓄積にあるとされていました。
しかし最近では以下のようなことが原因と考えられています。

  • 乳酸の生成過程で発生する水素イオンの影響で体が少し酸性に傾く
  • エネルギー源である筋グリコーゲンの蓄えの減少
  • リン酸などの物質の貯蓄

筋肉疲労は個人差もあり様々な原因が重なって起こるものといえます。
したがって現在は乳酸が筋肉疲労の直接的な原因ではないと考えられています

筋肉疲労の回復方法

筋肉疲労の効果的な回復方法は、疲労した筋肉の血液循環をよくすることです。
血液循環をよくする方法には以下のようなものがあります。

  • 運動した後のストレッチ(クールダウン)
  • アイシング(熱を持っているときなど温度を下げエネルギーの温存を図る)
  • マッサージ(血行促進や代謝向上)
  • 入浴(筋肉の状態が落ち着いているとき)

ストレッチとアイシングや入浴とマッサージなどを組み合わせて行うとより効果的です。 

乳酸の役割や働きとは?

乳酸は疲労物質ではなく疲労を防ぐ物質です。
筋肉からカリウムが漏れ出すと筋収縮を阻害します。

乳酸はカリウムが漏れ出して起こる筋収縮を阻害するのを防ぐ働きをします。
乳酸はその他にも以下のような役割や働きがあります。

  • ミトコンドリアで使われてエネルギー源として再利用される
  • 運動時の脳のエネルギー源となる(平常時は糖がエネルギー源)
  • 血管新生や傷の修復
  • 遺伝子発現調節
  • 心筋の収縮
AGA

乳酸が溜まるとどうなる?

乳酸が溜まるとどうなるかについて以下の3点をまとめます。

  • 乳酸が溜まる原因・仕組み
  • 乳酸が溜まり過ぎたときの症状
  • 乳酸を溜めない方法

乳酸が溜まる原因・仕組み

乳酸は筋グリコーゲンの分解時に一緒に作られます。
乳酸は短距離走など激しい運動で運動強度が上がるとより多く作られます

乳酸の生産量が消費量を上回ると乳酸は蓄積することになります。
作られた乳酸はミトコンドリアを通してエネルギー源として再利用されます。
したがって運動で上がった乳酸がずっと溜まるわけではありません。

乳酸が溜まりすぎたときの症状

かつては、乳酸は運動で筋肉が疲労すると「乳酸が溜まった」と表現されていました。
しかし現在では乳酸は疲労物質ではなくエネルギー源として認識されています。

運動で乳酸が溜まったとしても、30分も経てば乳酸はもとのレベルに下がります
筋肉疲労などの運動時の疲労は乳酸以外のことが多く関係していると考えられています。

乳酸を溜めない方法

乳酸を溜めない方法として「乳酸性閾値(LT)」の利用があります。
乳酸性閾値(LT)は全身の持久力を示す体力指標や健康づくりとしての運動に利用されます。
血中の乳酸濃度は乳酸の生産量と消費量の差が濃度としてあらわれます。

乳酸の生産が上がっても筋肉の消費も同様に上がれば乳酸の血中濃度は変わりません。
乳酸性閾値(LT)は血中濃度が急増する領域を示し、個々の適切な運動強度がわかります。

健達ねっとECサイト

乳酸値は低い方がいいの?

乳酸値(血中乳酸濃度)は低い方がよいというわけではありません
乳酸値について以下に2つご紹介します。

  • 乳酸の基準値・正常値
  • 乳酸値が高くなる原因

乳酸の基準値正常値

血中乳酸濃度は安静時でも4~16mg/dL程度あります。
健康づくりの運動や生活習慣病の予防・改善のための運動強度の指標があります。

運動強度の指標として血中乳酸濃度が急増する領域を「乳酸性閾値(LT)」といいます。
「乳酸性閾値(LT)」は運動強度としてきわめて適したものとして用いられています。

乳酸値が高くなる原因

血中乳酸濃度は乳酸の生産量と消費量の差で変動します。
つまり乳酸の生産量と消費量が同等だと血中乳酸濃度は変動することはありません。
血中乳酸濃度が上昇する原因には以下の2つがあります。

  • 強度の高い運動(LTを超える運動強度)
  • 酸素の供給不全

血中乳酸濃度は以下のような疾患で酸素の供給が需要よりも下回ると上昇します。

  • 敗血性ショック
  • 低酸素血症
  • 貧血

したがって血中乳酸濃度の上昇は治療介入の判断としても使われます。

薬の使い方

乳酸に関する重篤な疾患

乳酸に関する重篤な疾患について以下の4点をご紹介します。

  • 乳酸アシドーシス
  • A型乳酸アシドーシス
  • 乳酸アシドーシスの危険因子
  • 乳酸アシドーシスの治療方法

乳酸アシドーシス

乳酸アシドーシスは血中乳酸濃度が上昇して起こる代謝性アシドーシスです。
乳酸アシドーシスは

  • 乳酸の過剰産生
  • 乳酸の代謝低下

のどちらか又は両方を原因として起こる致死率の高い疾患です。

初期の症状は以下の通りです。

嘔吐腹痛
下痢倦怠感
筋肉痛

さらに進むと以下のような症状になります。

過呼吸脱水
血圧低下低体温
昏睡状態

A型乳酸アシドーシス

A型乳酸アシドーシスは乳酸アシドーシスの中で最も重篤な病態です。
A型乳酸アシドーシスは虚血組織に乳酸が過剰に作られることで生じます。

乳酸は虚血組織の低酸素状態から嫌気性解糖が進行してATPを作るときの副産物です。
乳酸の過剰産生は以下のような種々のショックで起こります。

  • 循環血液量減少性ショック
  • 心原性ショック
  • 敗血症性ショック

乳酸アシドーシスの危険因子

最も注意が必要な乳酸アシドーシスの危険因子は腎機能障害です。
高齢者は潜在的に腎機能が低下していることが多いので十分な状態観察が必要です。

また、乳酸アシドーシスは脱水時にも起こりやすくなっています。
脱水状態につながる胃腸障害やアルコールの利尿作用にも注意が必要です。

乳酸アシドーシスの治療方法

乳酸アシドーシスの治療方法には

  • 血液透析による乳酸とビグアナイド系薬剤の除去
  • 輸液による強制利尿
  • 炭酸水素ナトリウム静注射等によるアシドーシスの補正

などがあります。
一刻も早い処置が重要になります。 

乳酸脱水素酵素(LD)検査

乳酸脱水素酵素((LD)検査について以下の点を説明します。

  • 乳酸脱水素酵素(LD)とは
  • LD値が高いときに考えられる疾患
  • LD値が高いときは医療機関へ
  • 検査を受ける前の注意点

乳酸脱水素酵素(LD)とは

乳酸脱水素酵素(LD)は体の中の以下のような組織に多く存在する酵素(タンパク質)です。

肝臓心臓
腎臓
筋肉赤血球

LDは細胞の中で糖分が分解されてエネルギーを作る段階で働きます

LD値が高いときに考えられる疾患

血液中のLD値が高いときに考えられる疾患があります。
LDを含むどこかの臓器や組織が障害をうけている可能性があります。

例えば以下のような疾患です。

  • 急性心筋梗塞
  • 心筋症
  • 腎梗塞
  • 急性腎不全

またLD値は病気ではなく運動で上昇することも知られています。

LD値が高いときは医療機関へ

健康診断などでLD値が高いといわれたときはそのまま放置するのは危険です。
LD値が高い時はすみやかに医療機関で詳しい検査を受けましょう。

例え自覚症状がないときでも、放置すると危険な病気が隠れている場合があります。
LD値だけで病気はわかりませんがいろいろな検査をすることで特定することができます。
検査には以下のようなものがあります。

  • LDアイソザイム測定
  • 血液生化学検査
  • 画像診断や内視鏡

検査を受ける前の注意点

検査を受ける前は運動は控える必要があります。
LD値は運動でも上昇することがあるからです。

LD値が下がるまでに数日かかるので、1週間くらい前から運動を控えましょう。
なお食事によるLD値の上昇はありません。

スポンサーリンク

乳酸で美肌に!?|乳酸ピーリングとは

乳酸ピーリングについて以下の2点を説明します。

  • 乳酸ピーリングの肌への効果
  • 乳酸ピーリングの作用範囲

乳酸ピーリングの肌への効果

乳酸には肌に対し以下のような効果があります。

  • 肌表面の角質をやわらかくする
  • 角質層の保湿因子(セラミド)を増やし肌のうるおいやふっくら感のある肌を作る
  • 肌のバリア機能の向上

乳酸の肌への効果を使ったピーリングでは

  • ターンオーバーの正常化でくすみを改善
  • 角質軟化でつるつるなめらか肌
  • ph値を調整し肌荒れ修復
  • メラニンを抑制しシミや色素沈着対策

などの効果が期待できます。

乳酸ピーリングの作用範囲

乳酸ピーリングは以下のような特徴を活かした使われ方をします。

  • 分子が大きいため皮膚の表面で作用する
  • 刺激が少ないピーリング法
  • 色素沈着効果が高い
  • 肌のターンオーバーを正常に戻し角質をやわらかくしてはがし落とす
  • 保湿効果

スポンサーリンク

乳酸菌と乳酸発酵について

乳酸菌と乳酸発酵について以下にそれぞれ説明します。

乳酸菌

乳酸菌とは糖を発酵させて乳酸を作る微生物の総称です。
乳酸菌は人体に有益な善玉菌と呼ばれ以下のような働きをします。

  • 腸内で大腸菌などの悪玉菌の繁殖を抑える
  • 腸内細菌のバランスをとって腸内環境を整える

乳酸発酵

発酵とは微生物が酸素を使わずに有機物を分解してエネルギーを作ることをいいます。
乳酸発酵は乳酸菌が糖分のグルコースを分解して行われる発酵です。
乳酸発酵はチーズやバターを作るときに行われます。

スポンサーリンク

乳酸と関係あるの?食品添加物に関する注意

乳酸と関係のある以下の食品添加物についてご紹介します。

  • 乳酸カルシウム
  • 乳酸ナトリウム
  • 乳酸カリウム

乳酸カルシウム

乳酸カルシウムは、カルシウムの乳酸塩です。
乳酸カルシウムはチーズを熟成するときに細菌の活動で結晶化します。

工業的には乳酸と炭酸カルシウムから作られ味はほとんどありません
以下のような用途があります。

  • 医療用:制酸薬、カルシウム剤など
  • 食品様や食品添加物:ベーキングパウダー原料、シュガーレス食品の添加物、スポーツドリンクなど

乳酸ナトリウム

乳酸ナトリウムはナトリウムの乳酸塩です。
乳酸ナトリウムは糖の発酵でできる乳酸を中和して得られます。

乳酸ナトリウムには非常に高い保湿性があり、食品の日持ち向上の効果があります。
以下のような用途で使われます。

  • 酸味や酸度を調整する酸味料
  • 食品のph 調整剤

乳酸カリウム

乳酸カリウムはカリウムの乳酸塩です。
厚生労働省は乳酸塩類の食品化合物の使用に関する注意喚起の通知を出しています。
注意喚起の対象は乳酸カリウム、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウムなどの食品添加物です。

通知では乳幼児期の添加物の使用について代謝性アシドーシスをもたらす懸念をしめしています。
理由は以下のようなものです。

  • 乳幼児期は乳酸の代謝能が低いこと
  • 乳酸の過剰摂取(食事が多様性に欠けることによる)

通知では、関係業者に対して乳児向け食品に対する懸念の周知を促しています。
出典:厚生労働省【・乳酸塩類等の食品添加物の使用について(◆平成25年05月15日食安基発第515003号)

乳酸のまとめ

ここまで乳酸についてお伝えしてきました。
乳酸についての要点を以下にまとめます。

  • 乳酸には運動時のエネルギー源としてや血管新生・傷の修復、遺伝子発現調節、心筋の収縮などの働きがある
  • 乳酸値には安静時の基準値(4~16mg/dL)や健康づくり運動などに使われる乳酸性閾値(LT)がある
  • 乳酸に関する最も重篤な病型は虚血組織に乳酸が過剰に作られることで起こるA型乳酸アシドーシスである

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

スポンサーリンク