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トップページ>健康お役立ち記事>低体温症>低体温症に伴う頭痛や症状・対策とは?詳しく解説

低体温症に伴う頭痛や症状・対策とは?詳しく解説

低体温症ではさまざまな症状があらわれます。
代表的な症状の1つが頭痛です。

なぜ低体温症になると頭痛が起こるのでしょうか。
本記事では、低体温症の頭痛について以下の点を中心にご紹介します。

  • 低体温症で頭痛が起こる原因
  • 低体温症の頭痛以外の症状
  • 低体温症の治療方法

低体温症の頭痛について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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低体温症って何?

低体温症とは深部体温が危険なほど低下した状態です。
より具体的には、深部体温が35℃以下の場合が低体温症と呼ばれます。

深部体温とは、身体の内部(内臓・脳)の体温のことです。
低体温症のリスクが高いのは、体温調節能力が低い幼児・高齢者などです。
低体温症は屋内で起こることもあるため、部屋で過ごす場合でも油断は禁物です。

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低体温で頭痛がするのは何で?

低体温症ではさまざまな症状があらわれます。
代表的な症状が頭痛です。

なぜ、低体温症で頭痛があらわれるのでしょうか。
答えは、血管が収縮して脳が酸欠を起こすためです。

体温を管理しているのは自律神経という神経系です。
低体温症によって身体が冷えると、自律神経は体温を維持しようとして働きます。

具体的には、自律神経は血管を収縮させます。
血管を収縮させる理由は、血流の表面積を小さくすることで、熱の放散を抑えるためです。

血管が収縮すると、全身の血の巡りは悪くなります。
特に頭部は重力の関係で十分な血液が届きにくくなります。

すると栄養・酸素が行き渡らなくなるため、脳は酸欠・栄養不足に陥ります。
結果として、頭痛という形で脳が悲鳴を上げるというわけです。

冷えによって起こる頭痛は「緊張型頭痛」であることがほとんどです。
緊張型頭痛は、頭痛に加えて吐き気があらわれやすい点が特徴です。

緊張型頭痛は、肩・首周りの凝りで起こることも多いです。
低体温症によって血行が悪化すると、筋肉が硬直しやすくなるため、肩こり・首凝りが起こりやすくなります。

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低体温症でよくある症状

低体温症では頭痛以外にもさまざまな症状があらわれます。
低体温症の頭痛以外の主な症状をご紹介します。

シバリング(ふるえ)

シバリングは骨格筋が震える症状です。
全身がガタガタ震えるような状態を指します。

シバリングが起こる理由は、身体が体温を上げようとするためです。
具体的には、筋肉を細かく震えさせることで熱を生み出そうとしています。

シバリングは低体温症の初期にあらわれやすい症状です。
低体温症が進行すると、シバリングは消えることが一般的です。
シバリングが消える目安は深部体温が31℃です。

嗜眠

嗜眠は眠気のことです。
眠気が生じる原因の1つは、低体温症によって脳に十分な酸素が届かなくなることです。

個人差はありますが、嗜眠症状は低体温症の初期からあらわれることも多いです。
眠気に負けて眠ると、内臓の働きが落ちるため、低体温症がさらに進むおそれがあります。
特に寒冷な状況下で眠りこんだ場合は、低体温症から凍死に進むおそれもあります。

不自由

不自由とは、身体がうまく動かせない状態です。
たとえば次のような症状が該当します。

  • 歩行障害
  • 指先が震える
  • ものが掴めない

低体温症になると、筋肉が硬直しやすくなります。
そのため、手足の動きが不自由になることがあります。

錯乱

錯乱とは意識障害の1種です。

具体的には次のような症状があてはまります。

  • 幻覚・幻聴
  • 興奮
  • 周囲の呼びかけに答えられない
  • 自分が居る場所が分からない
  • 判断力・思考力の低下

錯乱は、簡単にいえば正常な意識を失った状態です。
寒冷な状況下で周囲が戸惑うような挙動がみられる場合は、低体温症による錯乱が疑われます。

易刺激性

易刺激性とは、簡単にいえばイライラすることです。

たとえば次のような症状が該当します。

  • 意味もなくイライラする
  • 些細なことでひどく怒る
  • 暴言・暴力
  • かんしゃく

低体温症になると、錯乱などの意識障害が起こりやすくなります。
意識障害に伴って、イライラなどの症状がみられる場合もあります。

低体温症の場合、易刺激性とは心臓の状態を指すことも多いです。
具体的には、心臓が刺激に対して非常に弱くなっている状態を指します。

刺激とは、たとえば心臓マッサージなどが代表的です。
血圧を上げる薬剤などが心臓に重大な刺激となることもあります。

易刺激性の状態の心臓に大きな刺激を与えると、不整脈などが起こることがあります。
不整脈の中でも心室細動は命の危機につながることもある症状です。

昏睡

低体温症が進行すると、昏睡に至ることもあります。
昏睡とは意識がなくなる状態です。

人気のない場所で昏睡すると発見が遅れやすいため、凍死のリスクが高くなります。

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低体温症の原因は?

低体温症の基本的な原因は「身体が冷えること」です。
身体が冷える原因は、「環境的な要因」と「環境以外の要因」に分けられます。
それぞれの内容をご紹介します。

環境的な要因

環境的な要因とは、簡単にいえば「寒い場所にいる」ということです。

たとえば次のようなケースがあてはまります。

  • 気温が低い
  • 雨に濡れている
  • 風が強い
  • 水中に長く浸かっている

代表的な例はレジャーです。
たとえば登山に行き、雨に降られたとしましょう。

雨具・着替えがなければ、衣服は濡れた状態になります。
濡れた衣服を着続けることは、想像以上に体温を奪われるものです。

降雨後は気温が下がりやすくなるため、さらに身体が冷えやすくなります。
さまざまな要因で体温が奪われた結果、低体温症に至るというわけです。

低体温症は夏場でも起こり得ます。
たとえばダイビングなどで水に長時間浸かっていると、想像以上に体温が下がることがあります。

環境以外の原因

低体温症は環境以外の要因でも起こり得ます

代表的な要因は次の通りです。

  • 不規則な生活
  • ストレス
  • 疲労
  • 筋肉の減少
  • 持病

不規則な生活・ストレス・疲労は自律神経のバランスを崩す原因です。
自律神経は体温調節機能を担う器官です。
そのため自律神経が乱れると、体温調節がうまくいかなくなり、低体温症が起こりやすくなります。

筋肉の減少も低体温症の要因の1つです。
筋肉には熱を生み出す作用があるためです。

高齢・痩せ型の方は筋肉量が少ない傾向があります。
つまり熱を生み出す能力が低いため、体温も下がりやすくなります。

また、持病も低体温症の要因となりえます。
低体温症の原因となりやすい持病は、たとえば糖尿病や甲状腺の病気などです。

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この頭痛は本当に低体温症?

頭痛はさまざまな病気であらわれる症状です。
そのため、頭痛だけでは低体温症かどうかの判断は難しいところです。

ここからは、頭痛が起きやすい病気をご紹介します。
頭痛にお悩みの方は、心当たりがないかぜひチェックしてみてください。

自律神経失調

自律神経失調症は自律神経のバランスが崩れた状態です。
自律神経は体温調節をはじめ、内臓の働き・ホルモン分泌・血圧調節などの役割を担っています。

自律神経のバランスが崩れると心身にはさまざまな症状があらわれやすくなります。
自律神経失調症の頭痛以外の主な症状は次の通りです。

身体的症状動悸・息切れ・ほてり・発汗・腹痛・下痢・便秘・吐き気・筋肉痛・食欲不振・倦怠感・微熱・不眠
精神的症状イライラ・不安・憂鬱・意欲の低下・悲観的・焦燥感

自律神経失調症の原因はハッキリ分かっていません。
一説では、ストレス・疲労・不規則な生活が原因と指摘されています。

低血圧症

低血圧とは、血圧が慢性的に低い状態です。
原因は特定されていませんが、一説では体質・ストレス・生活習慣などが指摘されています。

低血圧とは、簡単にいえば心臓が血液を送り出す力が弱まっている状態です。
心臓のポンプ力が弱くなると、全身の血行が滞りがちになります。

特に脳の血行が悪くなると、さまざまな症状があらわれやすくなります。
理由は血行不良によって脳が酸欠を起こすためです。

低血圧症の頭痛以外の主な症状は次の通りです。

  • めまい・立ちくらみ
  • 肩こり
  • 耳鳴り
  • 不眠
  • 疲れやすい

低血圧症であらわれる症状の種類・程度は個人によって大きく異なります。

かぜ症候群

かぜ症候群はいわゆる「風邪」のことです。
原因の多くはウイルス感染です。

風邪で頭痛が起こるメカニズムはハッキリ分かっていません。
一説では、原因として発熱・血管の収縮などが指摘されています。
風邪による頭痛は、さまざまな要因が複合的に絡み合って起きるとも考えられています。

風邪では頭痛をはじめ、さまざまな症状があらわれます。
頭痛以外の代表的な症状は次の通りです。

  • 発熱
  • のどの痛み
  • 悪寒
  • 鼻づまり

インフルエンザ

インフルエンザは、インフルエンザウイルスが原因の感染症です。

頭痛以外の代表的な症状は次の通りです。

  • 38℃以上の発熱
  • 関節痛
  • 倦怠感
  • のどの痛み

出典:厚生労働省【インフルエンザQ&A|厚生労働省

インフルエンザは、風邪に比べると急激な症状があらわれやすいのが特徴です。
インフルエンザの頭痛の原因としては、発熱・血管の収縮が指摘されています。

頭痛は、インフルエンザの初期症状としてあらわれるケースが多くみられます。
あるいは、発熱などが治まったあとも、頭痛だけが後遺症のように長引くケースもあります。

更年期障害

更年期障害は、閉経の前後に起こる心身の不調の総称です。
女性に多くみられますが、男性でも起こり得ます。

頭痛を始めとする更年期障害の原因は女性ホルモンの減少です。
女性ホルモンの減少と頭痛のメカニズムは、ハッキリ解明されていません。

更年期障害による頭痛は偏頭痛であることが多いです。
偏頭痛は、片方または両方のこめかみが脈打つように痛む点が特徴的です。

場合によっては、頭痛の前触れとして閃輝暗点があらわれることもあります。
閃輝暗点とは、視界にキラキラ・ギザギザの光が浮かぶことです。

更年期障害の頭痛以外の主な症状としては、次が代表的です。

身体的症状のぼせ・ほてり・大量発汗・動悸・息切れ・肩こり・腰痛・便秘・倦怠感・微熱・不眠
精神的症状イライラ・不安・憂鬱・意欲の低下・悲観的・焦燥感

 

薬の使い方

低体温症の治療方法は?

低体温症の治療方法をご紹介します。
低体温症は、症状のレベルに応じて治療方法が異なります

対応を誤ると命の危機につながることもあります。
低体温症から命を守るためにも、段階別の治療方法を把握しておくことが大切です。

軽度

軽度の低体温症では身体を温めることが大切です。
たとえば次のような方法があります。

  • 濡れた衣服を脱ぐ
  • 水気を拭き取る
  • 毛布・ヒータを使う
  • 温かい飲み物を飲む

軽度の低体温症を見分けるには、シバリング(全身の震え)の有無を確認してください。
全身がガタガタ震えている場合は、軽度と判断できます。

深部体温が31℃以下になると、シバリングは消失することが一般的です。

中等度

中等度の低体温症の治療法は、基本的に身体を温めることです。
ただし、治療は軽度の場合よりも慎重に行う必要があります。

具体的には、胸部を中心に身体を温めることが大切です。
身体を温める際は毛布・ヒーターなどを利用してください。

四肢を温めるのは、胸部が十分に温まってからにしましょう。
四肢を先に温めると、末端の冷たい血液が心臓に流れ込むことがあるためです。
場合によっては、心臓がショック(心室細動)を起こすことがあります。

中等度の低体温症を見分けるには、シバリングのチェックをしてください。
全身の震えが止まっている場合は、軽度から中等度に移行している可能性があります。
錯乱などの意識障害も中等度の低体温症の目安です。

重度

重度の低体温症では昏睡・意識の低下などがみられます。
重度の低体温症が疑われる場合は、まず速やかに救急車を呼びましょう
救急車が到着するまでは、細心の注意を払って治療を行ってください。

理由は、些細な刺激で体調が急変するおそれがあるためです。
たとえば身体を少し揺らしただけでも、心臓がショック状態に陥ることがあります。

重度の低体温症の方の治療は、できれば、その場で行うことが望ましいです。
窒息などの危険がない限りは、体位変換などもできる限り控えましょう。

身体を温めるときは、毛布などを使って胸部を中心に加熱してください。
ヒーターの使用はできれば控えるのが無難です。

理由は、急激に体温が上がりやすいためです。
急激に体温が上がると、血流が再開して冷たい血液が一気に心臓に戻る可能性があります。

救急車の到着後は、救急隊員などの指示に従ってください。
病院へ搬送後は、温めた輸液の点滴などが行われることが一般的です。

低体温にならないための予防方法

低体温症を予防するには、生活習慣を見直すことも大切です。
具体的な予防のポイントをご紹介します。

入浴

入浴を見直すと、低体温症を予防しやすくなります。
入浴の際はシャワーだけで済ませるのではなく、湯船に浸かる習慣をつけましょう。

湯船に浸かると、血行が促進されて基礎体温が上がりやすくなるためです。
具体的には、ぬるめのお湯に15~20分程度浸かりましょう。
脱水症状を防ぐために、入浴の前後は水分補給することも大切です。

運動

低体温症を予防するには、適度な運動の習慣をつけましょう。
なぜ運動が大切かというと、筋肉と関係があります。

筋肉には熱を生み出す作用があります。
筋肉量が少ない方は、熱の産生量も少ないため、体温が下がりやすくなります。

特に高齢者の方は加齢によって筋肉量が減少しやすい傾向があります。
そのため、高齢の方は若年者に比べると身体も冷えやすくなります。

効率よく熱を生み出すためにも、適度な運動に取り組んで筋肉をつけましょう。

食生活

食生活も低体温症予防に重要なポイントです。
特に意識して摂取したいのがたんぱく質です。

たんぱく質は筋肉・血液などの原料になります。
筋肉・血液が増えると体温が上がりやすくなるため、低体温症の予防につながります。

たんぱく質が豊富な食材は以下の通りです。

  • 魚類
  • 肉類
  • 卵類
  • 大豆・大豆製品
  • 乳製品

あわせて、身体を温める作用のある食物を摂ることも大切です。
たとえばショウガ・根菜などは身体を温める作用が期待できます。

衣服など

寒いと感じるときは、季節・温度に関係なく重ね着や厚着をしましょう。
効率的に体温を上げるには、「首」を温めるのがおすすめです。

「首」とは、首・手首・足首などです。
脇の下・足の付け根・へそ回りなども温めるのに最適なポイントです。

「首」や脇の下などは血管が集中している部位です。
加熱すると温まった血液が全身を巡るため、効率よく体温が上がりやすくなります。

室温調整

低体温症は屋内で起こるケースも少なくありません。
屋内の低体温症を防ぐためには、室温を適切に保つことが大切です。

具体的な室温の目安は20℃以上です。
特に冬場の洗面所・トイレ・脱衣所などは室温が低くなりがちです。
暖かい部屋から寒い部屋に移動すると、低体温症だけでなくヒートショックのおそれもあります。

屋内での事故を防ぐためにも、室温は適切に管理しましょう。

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低体温症の頭痛などの症状についてまとめ

ここまで低体温症の頭痛についてお伝えしてきました。
低体温症の頭痛の要点を以下にまとめます。

  • 低体温症で頭痛が起こる原因は、血管が収縮して脳が酸欠を起こすため
  • 低体温症の頭痛以外の症状は、震え・眠気・意識障害など
  • 低体温症の治療方法はレベル別に異なるが、基本的に身体を温めることが大切

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
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