肩こりは首から肩にかけた筋肉がこわばり、全身のだるさや重さを感じる状態のことです。
放置すると肩こりの状態が慢性化し、最悪の場合は痛みに変わる場合もあります。
そもそも肩こりはどうして起こるのでしょうか?
また、肩こりの対策方法はあるのでしょうか?
今回は肩こりの原因と対策方法について以下の点を中心にご紹介します。
- 主な肩こりの原因とは
- 肩こりを予防・治療するには
- 肩こりの男女比は
肩こりの原因と対策方法について理解するためにもご参考頂けますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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肩こりとは
肩こりとは、首筋から肩・背中の筋肉が固まった状態のことです。
肩こりが原因で全身のだるさ・疲労感を感じ、状態が続くと痛みに変わります。
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主な肩こりの原因
肩こりの原因は、大きく以下の2つに分類されます。
- 長時間同じ姿勢が続くことで起こる血行不良による栄養・酸素不足
- 乳酸などの疲労物質の蓄積
血行不良による栄養・酸素不足の具体的な例は、以下の通りです。
- 長時間のパソコンやスマホ使用
- 運動不足
- 過度な冷やしすぎ
- 普段から肩を圧迫している
乳酸などの疲労物質の蓄積の具体的な例は、以下の通りです。
- 枕の高さがあっていない
- 食生活の乱れ
それぞれの原因について、解説します。
長時間のパソコンやスマホ使用
同じ姿勢が長時間続くことで筋肉が緊張し、固くなることで血行不良の状態になります。
特に、長時間のパソコンやスマホ使用を日常的に行っている方は要注意です。
パソコン・スマホを使用する際は、以下のような姿勢になっていないか気をつけましょう。
- 首を少し前に突き出す姿勢
- 肩を前にすぼめる様な姿勢
さらに、読書も肩こりの原因です。
細かい文字を見続けることで、目や目の周囲の筋肉と肩・首も緊張します。
同じ姿勢が続き、視力が低下することで近づいて見ることが増えるためです。
運動不足
日頃から運動不足な方も、肩こりが起こりやすい傾向があります。
運動不足により、筋力量の低下や筋肉のしなやかさ・柔軟性などが低下します。
そのため、筋肉がすぐに固くなるので肩こりにつながるのです。
また、筋肉は血流を促すためのポンプとしての機能も備わっています。
そのため、運動不足により筋肉の質が低下していると血行不良になります。
結果、肩こりが起こるのです。
過度な冷やしすぎ
夏の暑い時期には、部屋をクーラーで冷やして過ごします。
しかし、過度に体を冷やすと肩こりになる場合があります。
体が過度に冷えると寒さから身を守るため、筋肉が固まりやすくなります。
筋肉のポンプ機能が低下し、血行不良の状態になり、肩こりが起こるのです。
普段から肩を圧迫している
肩を圧迫することも、肩こりにつながります。
肩を圧迫する代表的なものは、ショルダーバックです。
ショルダーバックは肩にかけて運びます。
しかし、肩からバックが落ちないように体の左右でバランスをとろうとします。
バランスをとる際、背骨や肩へ局所的な負担がかかり、肩こりを引き起こすのです。
さらに、寝相が原因で肩こりになる場合があります。
横向き・うつぶせの姿勢で長時間寝ていると、血行不良や筋肉の緊張を引き起こしやすくなります。
ストレス
ストレスも肩こりの原因になる場合があります。
過度なストレスにより、自律神経が乱れることで血行不良になるのです。
無意識に肩や背中などの筋肉が緊張した状態になるため、肩こりにつながります。
枕が合っていない
寝るときに使う枕が原因で、肩こりにつながる場合があります。
枕の高さ・頭を乗せる位置などが体に合わないと、首から肩にかけて負荷がかかるためです。
肩こりが続くことで、以下のようなことも起こります。
- 寝ても疲れが取れない
- 肩こりや痛みがあって眠れない
- 眠れていないのでストレスがたまる
睡眠の質を下げ、日常生活にさまざまな支障をきたす原因にもつながります。
加齢
年齢を重ねると、体の筋肉が少しずつ衰えてきます。
筋肉が衰えることで、血流が悪くなると血行不良になり、肩こりを引き起こします。
さらに加齢によって頸部脊椎症なども発症しやすくなり、姿勢が悪くなることも肩こりの原因です。
食生活の乱れ
食生活の乱れも肩こりの原因です。
不規則な食事・偏った食事が続くと、高血圧や高コレステロールなどの生活習慣病につながります。
高血圧になると血管が収縮し、血行が悪くなります。
さらに、高コレステロール状態でも血液の流れが悪化し、肩こりになるのです。
病気
以下のような病気によって、肩こりが発生する場合があります。
- 頚椎椎間板ヘルニア
- 変形性頚椎症
- 高血圧症
- 低血圧症
- 狭心症
- 心筋梗塞
上記の病気が原因で、筋肉の緊張・神経の圧迫・血行不良につながるのです。
肩こりの症状がひどい場合は、受診することをおすすめします。
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肩こりは男性より女性の方が多い
厚生労働省の調査では、肩こりは女性の自覚している症状の1位となっています。
男性でも肩こりを自覚している方は多く、腰痛に次いで2番目の多さになっています。
しかし、女性の発症率は男性の2倍以上です。
女性の方が肩こりが多い理由は、以下の5つが挙げられます。
- 筋肉量が少ない
- 代謝が低く、体が冷えやすい
- デスクワークによる長時間の同じ姿勢
- 子供の抱っこや買い物の重い荷物による筋肉への負担
- ホルモンバランスの影響
女性は体質や状況によって、男性より肩こりになる可能性が高いことが分かります。
出典:厚生労働省【平成28年 国民生活基礎調査の概況(P18図19)】
肩こりを予防・治療するには
肩こりを予防・治療するには、以下の方法が効果的です。
- 運動・ストレッチをする
- 入浴する
- マッサージ
それぞれ解説します。
運動・ストレッチをする
運動・ストレッチをすることで、肩こりを解消できます。
固まった筋肉がほぐれ、肩関節の可動域を広げるためです。
また、血行を促すポンプ機能も高められます。
さらに、体を動かすことはストレス発散につながり、精神的にもリフレッシュできます。
今すぐできる肩こりに効果のあるストレッチの方法は以下の通りです。
- 首を後ろにゆっくり倒す
- 肩甲骨を回す
- 首を左右・前にゆっくりと倒す
入浴をする
入浴は血行促進につながるため、肩こり解消に効果的です。
また、副交感神経を刺激し、筋肉の緊張を和らげる効果やストレス解消の効果があります。
他にも、蒸しタオルを使って肩や背中を温めるという方法も効果があります。
マッサージ
マッサージは揉むことで血行を促すため、肩こり解消に効果的です。
マッサージには、筋肉の疲労・緊張を和らげる効果があります。
特に、肩・背中・首を中心に定期的にマッサージすることで、より効果を得られます。
肩こりに悩む方の割合
肩こりには、多くの老若男女が悩んでいます。
全国10万人を対象とした健康調査では、肩こりを感じている方は全体の72.5%という結果が出ています。
男女の割合をみると、女性が多い傾向となっています。
また、世代別では以下の割合の方が肩こりを感じているという結果も出ています。
- 30代:75.3%
- 40代:75.3%
- 20代:73.5%
多くの方が肩こりを感じていますが、原因として以下のことが考えられます。
- 7時間以上のデスクワーク
- 1時間以上のスマホの使用
- 30分以上のゲームプレイなどパソコン・スマホを多く活用している
対して、肩こりに悩んでいない方は、日頃から運動や趣味をしていることが分かりました。
具体的には、以下の通りです。
- スポーツや運動で汗を流す
- 家庭菜園
- 囲碁・将棋
- ガーデニング
- 日曜大工
肩こりの原因は肩甲骨にある?
肩こりになりやすい筋肉は、肩甲骨の周りについている筋肉です。
肩甲骨周りの筋肉が固まると、血行不良や乳酸が溜まり、肩こりになります。
そのため、肩甲骨周りの筋肉へのケアが必要となります。
手軽にできるケアの方法として、肩甲骨を動かしてストレッチすることがおすすめです。
固まった筋肉をほぐし、血行を促せるので効率的な肩こりの改善につながります。
肩こりと五十肩の違いは?
肩こりは、肩甲骨周りや首・肩などの筋肉が緊張し、血行不良になることで発症します。
しかし、多少の肩こりであれば日常生活に支障がない程度に動かすことが可能です。
対して、五十肩の場合は筋肉ではなく、肩関節周囲炎が原因とされています。
肩関節周囲炎は、経年負担などが原因で関節周囲の筋肉や健が炎症を起こすことで発生する疾患です。
肩関節周囲炎を発症すると、肩関節の痛みで腕・肩が上がりにくい状態が続きます。
そのため、関節の可動域が制限され、日常生活にさまざまな支障をきたすのです。
しかし、通常の肩こりと五十肩は一般的には似たような症状と捉えられがちです。
痛みを伴う肩こりや長期間肩こりに悩んでいる方は、五十肩の可能性も考えられます。
そのため、医療機関に相談することをおすすめします。
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肩こりの原因まとめ
ここまで肩こりの原因と対策方法についてお伝えしてきました。
肩こりの原因と対策方法の要点をまとめると以下の通りです。
- 肩こりは、長時間同じ姿勢が続くことで血行不良や筋肉疲労により起こる
- 肩こりを予防・治療するには、運動・入浴・マッサージが効果的
- 女性は筋肉量が少ない・ホルモンの影響などの女性特有の体質や同じ姿勢が続くことなどにより肩こりの男女比は、男性より女性の方が多い
これらの情報が皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。