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トップページ>健康お役立ち記事>高齢者の病気>サルコペニア予防のための効果的な運動と食事法について徹底解説

サルコペニア予防のための効果的な運動と食事法について徹底解説

サルコペニアとは、筋肉量の減少に伴う身体機能の低下を指す言葉です。
サルコペニアを抱える方々にとって、身体の弱体化は日常生活において深刻な問題となります。
サルコペニアは加齢とともに進行する症状ですが、予防には早期の取り組みが重要です。

では、どのような方法がサルコペニアの予防に効果的なのでしょうか?
そこで本記事では以下の項目を中心に解説します。

  • サルコペニアの特徴
  • サルコペニア予防の方法
  • サルコペニアとフレイルの関係

サルコペニアから身を守るために、ぜひ最後までお読みください。

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サルコペニアとは

サルコペニアは、高齢化に伴う筋肉量の減少と筋力の低下を指す現象であり、日常生活を送る上で必要な力や活動能力を奪い、生活の質を大きく低下させる可能性があります。
この記事では、サルコペニアの定義、特徴、原因、リスク要因について詳しく解説します。

サルコペニアの定義と特徴

サルコペニアは、筋肉の量が減少し、筋力が低下する現象を指します。
この現象は25〜30歳頃から始まり、生涯を通じて進行します

筋線維数と筋横断面積の減少が同時に進行し、特に抗重力筋(広背筋、腹筋、膝伸筋群、臀筋群など)に影響を及ぼします。
これにより、立ち上がりや歩行が困難になり、放置すると歩行困難にもなります。
サルコペニアは、高齢者の活動能力の低下の大きな原因となります。

サルコペニアは、加齢による筋肉量の減少および筋力の低下のことを指します。
2016年10月に国際疾病分類に「サルコペニア」が登録され、現在では疾患として位置づけられています。
サルコペニアになると日常的な動作に影響が生じ、介護が必要になったり、転倒しやすくなったりします。

出典:厚生労働省【サルコペニア

サルコペニアの原因とリスク要因

サルコペニアの主な原因は不活動とされていますが、そのメカニズムはまだ完全には判明していません。
また、サルコペニアは65歳以上の高齢者の15%程度に見られ、加齢に伴ってその割合は増加します。
特に、女性よりも男性でサルコペニアの割合が高くなる傾向があります。

筋肉(筋力)は40歳頃から少しずつ減少し、70歳を超えた頃から自覚症状が現れます。
筋肉は運動と栄養により改善が期待できます。

  1. 最近、手足が細くなった
  2. 重たい荷物が持ちにくくなった
  3. 椅子から立ち上がりにくい

これらの症状がある場合には、かかりつけの医師に相談することが推奨されます。

サルコペニアのリスク要因としては、運動不足栄養不足慢性疾患の存在などが挙げられます。
これらの要因は筋肉の量や筋力を低下させ、サルコペニアの進行を促進します。
したがって、これらのリスク要因を管理し、適切な運動と栄養摂取を心掛けることが、サルコペニアの予防につながります。

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サルコペニア予防の重要性

サルコペニア、つまり筋肉の減少は、加齢や病気によって引き起こされます。
この現象は、健康に対する深刻な影響を及ぼし、特に高齢者にとっては重大な問題となります。
そのため、サルコペニアの予防は非常に重要であり、適度な運動と栄養バランスの取れた食生活が推奨されます。

サルコペニアの健康への影響

サルコペニアは、筋肉量の低下を引き起こす現象であり、これは加齢や病気によって生じます。
筋肉量が減少すると、身体の機能が低下し、日常生活の質が悪化します。

また、筋肉の減少は、骨折などの身体的トラウマのリスクを高め、全体的な健康状態を悪化させます。
さらに、筋肉量の低下は、身体のエネルギー消費を減少させ、肥満や糖尿病などの慢性疾患のリスクを高めます。
したがって、サルコペニアの予防と管理は、健康維持のために非常に重要です。

高齢者におけるサルコペニアの重要性

高齢者にとって、サルコペニアは特に重要な問題です。
なぜなら、筋肉量の低下は、日常生活の自立性を脅かし、生活の質を大幅に低下させるからです。

文献によると、80歳以上の高齢者の約半数がサルコペニアに罹患しているとされています。
また、ベッド上の安静や無重量が引き起こす廃用性症候群による筋委縮も、二次的なサルコペニアの原因となります。

これらの状況は、高齢者の骨折やADL(日常生活動作)の低下の原因となり、サルコペニアの合併症のリスクを高めます。
したがって、高齢者にとって、自身の下肢筋肉量などを知り、早期に予防することが重要となります。
これにより、高齢者は自立した生活を維持し、生活の質を向上させることが可能となります。

サルコペニア予防におすすめの運動方法

サルコペニアは筋肉量の減少と筋力の低下を引き起こす病状で、特に高齢者に多く見られます。
この病状は日常生活の質を大きく低下させ、転倒や怪我のリスクを高めます。
しかし、適切な運動によって予防や進行の遅延が可能です。
この記事では、サルコペニア予防に効果的な運動方法を3つの観点から詳しく解説します。

筋力トレーニングの効果と具体的な方法

筋力トレーニングはサルコペニア予防に非常に有効な手段です。
特にレジスタンス運動(いわゆる筋トレ)は筋肉の力、機能、量の改善効果が示されています。
また、日常生活での基本的な動作能力を改善させることや、転倒を予防する効果もあります。

具体的な方法としては、抗重力筋と呼ばれる筋肉を強化することが重要です。
これには体幹や脚の大きな筋肉が含まれ、特に太ももの前面の筋肉(大腿四頭筋)やお尻の筋肉(大殿筋)を鍛えることが推奨されます

方法として、以下のような運動が効果的です。

  • 椅子に座った状態で両脚を前に投げ出し、この状態のまま片脚ずつゆっくりと持ち上げる運動
  • 椅子から立ち上がろうとして、お尻が座面から浮いた位置で静止する運動

出典:【サルコペニアに対する運動

適度な有酸素運動の重要性と種類

有酸素運動もサルコペニア予防に重要です。

有酸素運動は心肺機能を向上させ、全身の血流を良くすることで筋肉への酸素供給を改善します。これにより筋肉の健康を保ち、筋力低下を防止できます。

有酸素運動の具体的な種類としては、ウォーキング、ジョギング、自転車乗りなどがあります。
これらの運動は全身を使うため、全体的な筋肉量の維持に寄与します。
また、運動強度は中程度が理想的で、息が苦しくならない程度に心拍数を上げることが重要です

バランス運動や柔軟性トレーニングの意義

バランス運動や柔軟性トレーニングもサルコペニア予防に大切な要素です。
これらの運動は筋肉の柔軟性と関節の可動域を保つことで、筋肉の健康を維持し、転倒リスクを低減します。

バランス運動の一例としては、一脚立ちやヨガのポーズなどがあります。
これらの運動は体の安定性を高め、転倒リスクを低減します。
柔軟性トレーニングとしては、ストレッチングが有効です。
特に、筋肉が硬くなりがちな腰や脚のストレッチは、筋肉の柔軟性を保ち、関節の可動域を広げることで、日常生活の動作をスムーズにします。

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サルコペニア予防のための食事ポイント

サルコペニアとは、年齢とともに筋力や筋肉量が低下する疾患で、適切な食事が予防に重要な役割を果たします。
この記事では、サルコペニア予防に必要な食事のポイントを詳しく解説します。

タンパク質の摂取量と適切な食材

筋肉を作るためにはタンパク質が必要不可欠で、特に分岐鎖アミノ酸(BCAA)は筋肉のエネルギー代謝や合成に重要な役割を果たします。
BCAAは体内で生成できないため、食事から摂取する必要があります
特にロイシンは筋肉量を増加させ、筋肉の委縮を改善する効果があります。

タンパク質は肉類、魚類、卵、乳製品、大豆などに含まれており、体重1kgあたり1.2〜1.5gの摂取が推奨されています。
また、朝・昼・夜の3食で均等に摂取することが重要です。

栄養バランスの整った食事の重要性

サルコペニア予防には、タンパク質だけでなく、炭水化物や脂質などの栄養素もバランス良く摂ることが重要です。
バランスの良い食事とは、エネルギー源となる炭水化物、身体を作るタンパク質や脂質、体調を整えるビタミンやミネラルを適切な量で摂取する食事のことを指します。
緑黄色野菜、芋類、海藻類、果物などからも多様な栄養素を摂取しましょう。

ビタミンやミネラルの摂取について

ビタミンやミネラルは、筋肉量や機能を維持するための栄養素を含んでいます。
これらの栄養素はタンパク質を豊富に含む食品ではないかもしれませんが、サルコペニア予防には欠かせない要素です。

ビタミンやミネラルは、肉類や魚類だけでなく、緑黄色野菜や果物、海藻などからも摂取できます。
これらの食品を日々の食事に取り入れることで、サルコペニア予防に効果的な栄養バランスをキープできます。
また、ビタミンやミネラルの摂取は、免疫力の向上や骨密度の維持など、全体的な健康維持にも寄与します。

健達ねっとECサイト

サルコペニア予防のための継続的な体操や日常生活への取り組み

サルコペニアは、加齢による筋肉量の減少と筋力の低下を指す病態で、これにより日常生活に支障をきたす可能性があります。
しかし、適切な生活習慣の改善や体操により、予防や進行の遅延が可能です。
この記事では、日常生活や体操を取り入れることでサルコペニアを予防する方法について解説します。

日常生活での意識的な動き方や姿勢改善のポイント

サルコペニアの予防には、日常生活の中での意識的な動き方や姿勢の改善が重要です。
例えば、立ち上がるときや歩くときには、筋肉をしっかりと使うことが求められます。
また、長時間の座りっぱなしや寝たきりを避け、定期的に身体を動かすことも大切です。
さらに、食事においては、筋肉の健康を維持するために必要なタンパク質を十分に摂取することが推奨されます。
これらの生活習慣の改善を通じて、サルコペニアの予防と改善が期待できます。

サルコペニア予防のための体操プログラム紹介

サルコペニアの予防には、筋力を維持し、筋肉量を増やすための体操が有効です。
例えば、国立長寿医療研究センターが推奨する「いきいき100歳体操」は、全身の筋肉を使うことで、筋力の維持と向上を目指すものです。
また、自宅で簡単にできるストレッチングやレジスタンス運動も、筋力の維持に役立ちます。
これらの体操を日常生活に取り入れることで、サルコペニアの予防につながります。

出典:国立長寿医療研究センター【健康長寿教室テキスト

薬の使い方

サルコペニア予防のための継続的な取り組みの重要性

サルコペニア、つまり筋肉量の減少と筋力の衰えは、高齢者のQOL(生活の質)を著しく低下させる要因となります。
この現象は、加齢とともに自然に起こるものですが、適切な予防策を継続的に行うことで、その進行を遅らせることが可能です。
この記事では、サルコペニア予防のための継続的な取り組みがなぜ重要なのか、そしてその具体的な方法について解説します。

サルコペニア予防の効果的な習慣化方法

サルコペニアの予防には、運動と栄養が重要な要素となります。
しかし、これらの取り組みは一時的なものではなく、生活の一部として継続することが求められます。
そのため、自身にとって取り組みやすい内容から始め、徐々に習慣化させることが推奨されます。

運動については、レジスタンス運動が筋肉の力や量、機能を改善する効果に優れています。
しかし、運動習慣がない方にとっては難易度が高いかもしれません。
そのような方は、ウォーキングやラジオ体操など、無理なく始められる軽い運動から開始することが良いでしょう。

また、食事に関しても同様に、自身が摂りやすいものからタンパク質を摂るように工夫することが重要です。
例えば、プリンやソフトクリーム、どら焼きなどには、タンパク質を豊富に含む卵、牛乳、大豆などの食材が使用されています。
これらを利用することも一つの方法と言えます。

健康的な老後を送るための予防の継続性と意義

サルコペニア予防の継続的な取り組みは、健康的な老後を送るための重要なステップです。
筋肉が衰えることにより、骨粗しょう症や糖尿病をはじめとする生活習慣病のリスクが高まります
これらの病気は、高齢者のQOLを大きく低下させ、要介護状態に至る可能性があります。

そのため、サルコペニア予防の取り組みを継続することは、健康的な老後を送るための重要な意義を持ちます。
適切な運動と栄養摂取を日々の生活に取り入れることで、筋肉量の減少と筋力の衰えを遅らせ、生活習慣病のリスクを低減することが可能です。

また、サルコペニアの予防策を継続することは、自己管理能力の向上や生活リズムの整備にもつながります。
これらは、高齢期の生活全般において、健康維持のための重要な要素となります。

厚生労働省のサルコペニア予防ガイドライン

厚生労働省のサルコペニア予防ガイドラインは、高齢者の健康寿命の延伸介護予防を目指しています。
ガイドラインでは、栄養管理と適切な運動がサルコペニア予防の鍵とされています。
適度な運動、特にレジスタンス運動とアミノ酸の供給を同時期(運動後1時間程度後)に実施することが筋肉のタンパク質合成に最も有効とされています。
また、食事摂取により骨格筋のタンパク質合成が増加し、一方でタンパク質異化は減少することが指摘されています。

出典:厚生労働省【高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン

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サルコペニア予防とフレイルの関係について

サルコペニアとフレイルは、高齢者の健康に深く関わる2つの概念です。
サルコペニアは筋肉量の減少と筋力の低下を指し、フレイルは心身の虚弱状態を示します。
これらは互いに影響を及ぼし合い、高齢者の生活の質や自立性に大きな影響を及ぼします。
この記事では、これらの関係性と予防方法について詳しく解説します。

フレイルとサルコペニアの違いと共通点

フレイルとサルコペニアは、高齢者の健康問題として注目されていますが、それぞれ異なる特性と問題を抱えています。
フレイルは心身の虚弱状態を指し、体力や活動量の低下、栄養状態の悪化などが特徴です
一方、サルコペニアは筋肉量の減少と筋力の低下を特徴とし、これにより日常生活動作の困難や転倒リスクの増加などが生じます。

しかし、これらは全く別々の問題ではなく、相互に深い関連性があります。
サルコペニアはフレイルの一因となり、フレイルはサルコペニアの進行を促進する可能性があります。
両者は高齢者の健康と生活の質に大きな影響を及ぼし、予防や早期発見が重要となります。

フレイル予防とサルコペニア予防の相互関係

フレイルとサルコペニアの予防は、相互に関連しています。
フレイルの予防には、適度な運動や栄養バランスの良い食事、社会参加などが有効とされています。
これらはサルコペニアの予防にも効果的で、筋肉量を維持し筋力を強化することが可能です。

特に運動は、筋肉量を増やし筋力を強化することで、フレイルとサルコペニアの両方を予防する効果があります。
運動というと激しいスポーツを思い浮かべるかもしれませんが、家でできる簡単な運動も効果的です。
例えば、片足立ちやゆっくりスクワットなどは、筋力を鍛え、バランス能力を向上できます。

また、食事もフレイルとサルコペニアの予防に重要です。
特に、筋肉の合成に必要なタンパク質やカルシウムを含む食事を心がけることが推奨されています。
さらに、社会参加を通じて心の健康を保つことも、フレイルの予防に有効です。

フレイルとサルコペニアの予防は、高齢者の健康と生活の質を維持するために重要です。
適度な運動、バランスの良い食事、社会参加を通じて、これらの問題を予防しましょう。

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サルコペニアの予防まとめ

ここまでサルコペニアの予防についてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。

  • サルコペニアの特徴は筋肉の量が減少し、筋力が低下する生涯進行する点
  • サルコペニア予防の方法には筋トレやタンパク質を摂取する等の方法がある
  • サルコペニアとフレイルの関係は相互的であり、片方の悪化がもう一方の悪化を招く

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
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  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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