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トップページ>生活>いびき治療>いびきは治療できるの?治療方法や保険適応についてなどを紹介

いびきは治療できるの?治療方法や保険適応についてなどを紹介

いびきは、治療ができます。
いびきを放置することで、日常生活に支障をきたすような症状がでることがあります。

そもそも、いびきがでるのはなぜでしょうか?
いびきの原因がいくつあるか知っていますか?

本記事ではいびきの原因や治療について以下の点を中心にご紹介します。

  • いびきの治療方法は?
  • いびき治療は何科でできる?
  • いびきを放置するとどうなる?
  • いびきの改善方法

ほかには、いびきに悩む人がどれくらいいるかなども紹介しています。
ぜひ最後までお読みください。

なぜいびきがでるのか

いびきは、睡眠中にさまざまな要因で咽頭(のど)が狭くなり、呼吸をした際に咽頭(のど)が振動して発生します。

咽頭(のど)が狭くなる要因は、以下のものがあります。

  • 肥満
  • 飲酒
  • 咽頭扁桃(アデノイド)の腫れ
  • 口蓋垂(のどちんこ)が大きい
  • 鼻づまりによる口呼吸
  • 舌根が落ち気味
  • 扁桃腺の腫れ

普段はいびきが出ることは少なくても、飲酒後はいびきが出やすくなります。
飲酒後にいびきが出るのは、飲酒により咽頭(のど)が狭くなったことが原因です。

飲酒を治療することはできませんが、日常的に発生するいびきには適切な治療が必要です。

いびきのメカニズム

いびきのメカニズムは、以下の通りです。

  • 咽頭(のど)が狭くなる
  • 呼吸をすることで咽頭(のど)に空気がとおる
  • 咽頭(のど)の狭くなった箇所に、空気がぶつかる
  • 咽頭(のど)から振動音や摩擦音がでる

人は眠ってしまうと咽頭(のど)を支える筋肉がゆるむことで、自然に咽頭(のど)が狭くなります。

いびきが出ていることを、よく眠っていると勘違いする方もいますが、実際は睡眠が浅くなっていて深く眠れていない状態です。

いびきのメカニズムを知ることで、空気の通り道である咽頭(のど)を広げる必要性が分かります。

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群とは、sleep apnea syndrome(SAS)ともいわれ、眠っているときに何度も呼吸が止まってしまう病気です。

睡眠時無呼吸症候群には、呼吸がとまり体が低酸素状態となることで目が覚めて呼吸を再開する特徴があります。
また、酸素濃度が下がることを補うために心臓の働きが強くなり、高血圧になります。

ほかにも酸素濃度の低下が原因で動脈硬化が進んだり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高くなります。

睡眠時無呼吸症候群は、5秒以上呼吸が止まる回数が1時間に20回以上発生することが診断の目安です。
睡眠時無呼吸症候群は、治療可能な病気です。

いびきの治療方法は?

いびきの治療方法は、いびきの原因や症状により異なります。

主な治療方法は、以下の通りです。

  • CPAP療法
  • マウスピース療法
  • 外科手術
  • レーザー治療

日常生活の中でつい口を開けてしまう方がいます。
口を開けてしまう方は、口呼吸をしがちです。

眠るときに口呼吸をしていると、舌の位置が下がり気道をふさぐことにつながります。

いびきの原因が口呼吸の場合は、マウスピースでの治療がおすすめです。
いびきの治療には、いびきの原因別に適した治療方法があるため、治療方法とあわせて紹介します。

CPAP療法

CPAP療法とは、Continuous Positive Airway Pressureの頭文字をとった名称で、経鼻的持続陽圧呼吸療法のことです。

舌や軟口蓋が下がることで咽頭(のど)が狭くなるタイプのいびきの治療に適しています。

治療内容は、睡眠時にCPAP装置の鼻マスクを装着します。
CPAP装置から送られる空気を、鼻マスクを通して気道に送り続けることにより無呼吸状態を解消します。

また、CPAP装置のレンタルは保険適用のいびきの治療方法です。

マウスピース療法

マウスピース療法は、睡眠時にマウスピースを装着します。
マウスピースで下顎を固定することで、気道に十分な広さを確保し、いびきを改善する治療です。

マウスピース療法は、閉塞性睡眠時無呼吸タイプで、中等症までの睡眠時無呼吸症候群の場合に可能な治療法になります。

睡眠時にマウスピースを装着するだけなので旅行先での装着などが可能です。
手軽に治療できる反面、マウスピースを歯で固定するため歯の状況次第では選択できない治療方法になります。

マウスピースは保険適用の有無により、2種類あります。
2種類の特徴は、以下になります。

マウスピースの名称保険適用の有無特徴
スリープスプリント保険適用※上下一体型
ソムノデント保険適用外上顎が総入れ歯でも装着できる

※保険適用になる場合は、医師による病名診断が必要です。

外科手術

外科手術では、気道を塞いでいる原因となる箇所を手術により切除する方法です。
いびき改善の手術について、簡単な特徴を手術の種類別に紹介します。

手術の種類特徴
扁桃腺摘出肥大扁桃腺を切り取る手術
口蓋垂咽頭口蓋形成術口蓋垂(のどちんこ)の一部や軟口蓋、扁桃腺摘出を同時におこなう手術
アデノイド切除アデノイドという扁桃腺に似たリンパ組織を切り取る手術

レーザー治療

レーザー治療は、軟口蓋形成術とよばれる口腔内の治療と、鼻レーザー治療とよばれる鼻腔内の治療があります。
軟口蓋形成術と鼻レーザー治療の特徴を紹介します。

レーザー治療の種類特徴
軟口蓋形成術口蓋垂(のどちんこ)の一部や、周りの軟口蓋をレーザーで切除する治療法
鼻レーザー治療鼻腔粘膜を焼くことで鼻の通りをよくする
いびき以外にも花粉症の治療としても一般的

レーザー治療はメスでの切除とことなり、出血を抑えることができます。

いびき治療は何科でできる?

いびきの治療は、耳鼻咽喉科や呼吸器で治療が可能です。
総合病院や大学病院などの大きい病院では、いびき外来の病院もあります。

しかし、大きい病院では待ち時間が長かったり、初診料や紹介状が必要となるため、できれば通いやすい身近なクリニックを選びたいのが心情です。

ただし、小さいクリニックでは器具や設備の問題で、対応できない治療方法があります。
対応できる治療方法は、クリニックごとに異なるため、事前にホームページなどで確認してから通院することをおすすめします。

いびき治療の料金

いびき治療にかかる料金は、治療方法により異なります。
保険適用の場合は、治療費の3割負担ですむなど、保険適用の有無によっても異なります。

治療方法別に保険適用の有無もあわせて、料金の紹介をします。

ただし正確な料金は、病院や診療回数、検査や入院状況により異なるため、診察の際にはホームページなどでご確認ください。

治療方法保険適用の有無料金
(保険適用時3割負担)
CPAP療法あり約5,000円/月
マウスピース
スリープスプリント
あり約1万円~2万円
マウスピース
ソムノデント
なし約15万円~18万円
軟口蓋形成術あり約3万円~5万円
鼻レーザー治療あり約3万~5万円
扁桃腺摘出あり約10万円~
口蓋垂咽頭口蓋形成術あり約3万円~
アデノイド切除あり約9万円~

表を見るとマウスピースが1番低価格で、手軽な方法に思えます。
いびきの症状は千差万別のため、ご自身の症状にあった治療をお勧めします。

平均費用

いびきの治療にかかる費用は、治療方法により大きく変わるため、平均費用はありません。
ただし、初診の診療費は保険適用の3割負担で4000円ほどです。

呼吸器内科での検査は、心電図検査や胸部レントゲン、血液検査などをおこなうことが一般的です。

耳鼻科では、ほかに内視鏡カメラにて鼻やのどの状況確認をおこないます。

受診科により検査方法や種類に差があるため、かかる費用も変わってきます。

いびき治療は保険適用内?

睡眠時無呼吸症候群の治療の場合は、診察、検査、治療のすべてが保険適用になります。
ただし、保険適用となるには医師による診断が必要となります。

また、ソムノデント(マウスピース)など、1部保険適用外になる治療方法もあります。

保険適用内での治療を希望する場合は、初診の際に医師に保険適用内での治療を希望することを伝えると良いでしょう。

いびきを放置するとどうなる?

いびきを放置した場合、慢性的な睡眠不足になります。
慢性的な睡眠不足は、日中の眠気の発生や集中力の低下を引き起こし、仕事のミスや交通事故を引き起こす危険が発生します。

ほかにも、睡眠時無呼吸症候群という病気を見落とすことになります。

睡眠時無呼吸症候群は、眠っているときに一時的に呼吸が止まることを繰り返す病気です。
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、高血圧や脳梗塞、心筋梗塞などの重篤な病気の発生リスクが高まります。

睡眠不足による日中の眠気

睡眠不足により日中の眠気が高くなります。

自動車を運転中に強い眠気が襲ってきたら、かなり危険なことが分かります。
自動車の運転を仕事にしている方だけではなく、日常生活で運転をおこなう方も危険です。

眠気が原因になるリスクは、自動車の運転だけではありません。
例えば、工場で機械の操作をおこなうような仕事の方は、機械の操作を間違えるかもしれません。
データ入力を仕事とする方は、入力内容を間違えるかもしれません。

睡眠不足はぼんやりする時間が増えるなど、仕事でのミスを引き起こすだけではなく日常生活の低下に繋がります。

生活習慣病のリスク

睡眠時無呼吸症候群は、生活習慣病である高血圧のリスクを高めます。

睡眠時無呼吸症候群で発生する高血圧は、治療抵抗性高血圧が多いです。
治療抵抗性高血圧は、薬物療法での血圧コントロールが難しく、日常生活の見直しが必要になります。

日常生活の見直しでは、

  • 糖質制限
  • 塩分制限
  • アルコール摂取量の管理
  • 禁煙
  • 体重管理
  • 適切な運動

などが必要になります。

高血圧治療は、高血圧が治ったから終了してよいものではなく、継続が必要です。

風邪をひきやすくなる

いびきをかくことで、風邪をひきやすくなります。
いびきが出ているとき口呼吸になるため、のどが乾燥しやすくなります。

のどには、口から侵入してきたウイルスや菌をのどの外に排出する機能があります。

のどの乾燥によりウイルスや菌が排出できず、のどの炎症が発生します。
のどの炎症は、風邪のときに感じるのどのイガイガや不快感です。

いびきの改善方法

いびきの改善には、治療のほかに生活習慣の見直しや市販のいびき対策グッズなどを利用する方法があります。

睡眠時無呼吸症候群ではないいびきや、治療までの期間などに自分でできる対策を紹介します。

いびき対策グッズを使う

軽度ないびきの対策には、いびき対策グッズを使うことがおすすめです。

口呼吸防止には口に貼るだけで対策ができるマウステープ、鼻づまりには鼻腔を広げるノーズテープがあります。

ほかには、口が開かないように顎を固定するマスクタイプのものがあります。

寝具・睡眠姿勢の見直し

枕や寝具の見直しでいびきが改善することがあります。

使用中の枕が高すぎていませんか?
いびき以外に肩こりがひどい場合は、枕が高い可能性があります。

理想の寝姿勢は、まっすぐ前を見て立っている状態で仰向けになった姿勢です。

立っているときよりも顎が上がっている姿勢で眠っていると、首がまがり咽頭(のど)が狭くなり、いびきが発生します。

また、布団やベッドマットが柔らかい場合も首が曲がりやすいため、注意が必要です。

生活習慣の改善

生活習慣を改善することが、いびきの解消につながります。

ストレスや疲労の蓄積は体の筋肉を緊張させるため、体は筋肉を緩め緊張を解消しようとします。
咽頭(のど)の筋肉もほかの筋肉同様に緩み、いびきの原因になります。

入浴で筋肉の緊張をほぐしたり、ストレス発散をおこない心身を回復することで、いびきの改善につながります。

飲酒を控える

アルコールを控えることで、いびきの改善ができます。

アルコールの飲酒は筋肉を緩めるため、眠ったとき舌が下がり咽頭(のど)を狭くします。
また、アルコールを分解するためには酸素を多くつかうため、口呼吸になりがちです。

少しの飲酒ではいびきをかかない方も、深酒をするといびきがうるさかったりします。

いびきの改善には、飲酒量を減らしたり休肝日を作ることが必要です。

禁煙をする

喫煙者は、禁煙をするといびきの改善につながります。

たばこは、鼻やのどの粘膜に慢性的な炎症や腫れを発生させるといわれています。

炎症の原因になる煙は、鼻からのどを通って肺まで届きます。
呼吸での空気の通り道と同じ箇所が炎症を起こすことで、いびきの原因になります。

禁煙することで空気の通り道を健全にし、いびきの改善につなげましょう。

ダイエットをする

ダイエットで痩せることにより、いびきが改善する場合があります。

体が太っていると、首にも脂肪がつき咽頭(のど)が狭くなります。
ダイエットでは、低カロリー高たんぱくの食品を多く摂取し、運動をすることがすすめられています。

運動や食生活の改善により、適切な体形を手に入れ、いびきの改善ができます。

舌下トレーニングをする

眠るときに舌が下がり、咽頭(のど)を狭くすることを防ぎ、いびきを改善することができます。

舌のトレーニング方法を紹介します。

  • まっすぐ前をみた状態から、斜め45度上を向く。
  • 口を閉じたまま、唇と歯の間に舌を入れ歯茎にそって舌を右回りに10回まわす。
  • 右回り同様に、左回りに10回まわす。
  • 1〜3を1セットとし、1日に3セットほどおこなう。

最初はきつい動きですが、普段使っていない筋肉を使っている証拠です。
舌を鍛えることが、いびきの改善につながります。

いびきに悩む人はどれくらいいるの?

いびきに悩んでいる人について、フランスベッドホールディングスが2017年〜2022年に、20代〜60代1000人を対象におこなったアンケートがあります。

アンケートの結果では、約5割の方がいびきに悩んだ経験があると回答しています。
出典:フランスベッド2022年いびきに関する実態調査

女性のいびきには、更年期障害による女性ホルモンの減少が関連しているといわれています。

1割ほどですが、男性にくらべ女性の割合が低い理由は、女性の年齢的なものも関連してると考えられます。

いびきの悩みは自分で気が付くことはまれで、家族や友人、恋人からの指摘で気が付く方が多いでしょう。

身近な人からの指摘とはいえ、恥ずかしさを感じた方もいると思います。
更年期障害のように、本人の意思ではどうにもならないこともあります。

しかし、いびきは改善のために自分で対策をおこなったり、病院での治療をおこなうことで解消できる悩みです。

いびきの治療まとめ

ここまでいびきの治療についてお伝えしてきました。
いびきの治療の要点をまとめると以下の通りです。

  • いびきの治療方法は、CPAP療法、レーザー手術、マウスピースなど
  • いびき治療のできる科は、耳鼻咽頭科や呼吸器科
  • いびきを放置すると脳卒中や脳梗塞、不整脈や心不全などのリスクが高くなる
  • いびきの改善方法は、減量、飲酒量の削減、禁煙、横向きに寝る、口呼吸防止のマウステープの使用など

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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