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あらすじ
15年前、7歳の少女が殺害される事件が起きた。
被害者の兄・深見洋貴は、妹を殺した犯人を憎みながらも、日々を生きていた。
一方、加害者の妹・遠山双葉もまた、兄が犯した罪の重さに苦しみ続けていた。
本来出会ってはいけない2人が偶然出会い、互いの傷と向き合いながら、家族の再生を模索していく。
坂元裕二脚本による完全オリジナルストーリーで、悲劇を背負った男女の魂のふれ合いを軸に、明日への希望を見出そうと懸命に生きる姿を描く。
特徴・見どころ
もし、あなたの大切な家族が、ある日突然、凶悪事件の被害者、あるいは加害者になったとしたら。
想像を絶する悲劇に見舞われた二つの家族が、15年という長い歳月の後に再び出会い、絶望の淵からかすかな光を見出そうとする姿を描いた物語。
それが脚本家・坂元裕二が手掛けた不朽の名作『それでも、生きてゆく』です。
単なる事件ドラマでは終わらない、人間の心の奥深くにまで踏み込み、観る者の感情を根底から揺さぶる本作の魅力をご紹介します。
被害者家族と加害者家族、それぞれの視点から描かれる心の痛み
物語の中心となるのは、瑛太さんが演じる被害者の兄・深見洋貴と、満島ひかりさんが演じる加害者の妹・遠山双葉です。
愛する妹を奪われ、時が止まってしまった家族の中で、ただ一人「普通の家族」を取り戻そうと虚しくあがき続ける洋貴。
一方、兄が犯した罪の重さに耐えながら、世間から身を潜めるようにして生きてきた双葉。
本来であれば決して交わることのなかった二人が偶然出会ってしまったことから、止まっていた歯車が静かに、そして大きく動き始めます。
彼らが背負う十字架の重さ、家族という単位が抱えるもろさと強さ、そして社会からの偏見という見えない圧力。
それぞれの立場から語られる言葉や表情の一つひとつが、胸に鋭く突き刺さります。
悲劇によって壊れてしまった家族の絆とストレスが、これほどまでにリアルに、そして痛切に描かれた作品は他にありません。
脚本家・坂元裕二が紡ぐ、リアルで繊細な言葉の力
本作が多くの人の心に残り続ける最大の理由は、脚本家・坂元裕二さんによって紡ぎ出される、その圧倒的な言葉の力にあります。
登場人物たちが交わす何気ない日常会話の中に、っと息をのむような人間の本質や、心の機微が巧みに織り込まれているのです。
例えば、以下のようなテーマが、重層的に描かれています。
- 許すことの難しさと、それでも求めずにはいられない救い
- 癒えることのない悲しみを抱えながら、未来へ歩もうとする葛藤
- 善と悪、正義と偽善のあいまいな境界線
- 絶望的な状況の中で、人と人が支え合うことの意味
派手な演出や劇的な展開に頼るのではなく、静かな対話の積み重ねによって、登場人物たちの魂の叫びが聞こえてくるような感覚に陥ります。
瑛太さん、満島ひかりさんを始めとする俳優陣の魂を削るような名演も、この脚本の持つ力を最大限に引き出しており、観る者を物語の世界へ深く引き込んでいきます。
重くて、苦しい。それでも観るべき理由がここにある
確かに、この物語が扱うテーマは非常に重く、観ていて苦しくなる瞬間も少なくありません。
しかし、物語は決して絶望だけを描いて終わるわけではないのです。
深い悲しみの底で、もがき苦しみながらも、必死に前を向こうとする人々の姿。
憎しみ合い、すれ違いながらも、どこかで理解し合おうとする心の動き。
その一つひとつが、私たちに「生きる」ということの本当の意味を問いかけてきます。
視聴後には、心にずっしりとした重みを残しながらも、不思議と温かい涙が流れるような、特別な視聴体験が待っています。
人間の弱さと強さ、そして再生への道のりを描いた、心に深く刻まれる傑作ドラマです。










