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あらすじ
銀座にある高級高齢者福祉施設「ヴィラ・エ・アロール」。
亡き父の跡を継ぎ院長となった来栖貴文(豊川悦司)は、当初この施設の自由奔放な雰囲気に戸惑っていた。
施設では、入居者たちが次々と恋愛騒動を起こし、来栖は対応に追われる日々。
「エ・アロール(それがどうしたの)」という施設の理念のもと、入居者たちは人生の第二幕を自分らしく謳歌していた。
来栖は彼らと関わる中で、老いても枯れない人間の情熱と、生きることの意味を学んでいく。
特徴・見どころ
渡辺淳一氏の原作を、豊川悦司さん主演で映像化したテレビドラマ「エ・アロール」。
本作は、都心のおしゃれな老人ホーム「ヴィラ・エ・アロール」を舞台に展開されます。
院長として赴任した来栖貴文(豊川悦司)が、自由奔放に「第二の人生」を謳歌する入居者たちに戸惑いながらも、次第に彼らの生き方に影響を受けていく姿を描いています。
これは単なるラブストーリーではなく、「老い」とは何か、「尊厳」とは何かを私たちに鋭く問いかける、感動のヒューマンドラマです。
「それがどうしたの?」老いへの固定観念を覆す物語
本作が放送当時、大きな話題を呼んだ最大の理由。
それは、高齢者の「恋愛」や「性」、そして「生きる意志」といった、これまでタブー視されがちだったテーマに正面から光を当てた点にあります。
タイトルの「エ・アロール」とは、フランス語で「それがどうしたの?」という意味を持ちます。
世間の目や年齢という「枠」にとらわれず、最期まで自分らしく輝き続けたい。
そんな入居者たちのパワフルな姿は、私たちが無意識に抱いている「高齢者」や「老後」に対するイメージを鮮やかに覆してくれるはずです。
渡辺淳一作品ならではの、人間の本質に迫る深い洞察が光ります。
日本を代表する名優たちの「人生の輝き」
物語に圧倒的な説得力と深みを与えているのが、豪華なキャスト陣の競演です。
豊川悦司さんが演じる若き院長の葛藤はもちろん、入居者たちを演じる名優たちの存在感は圧巻の一言。
例えば、以下のような個性豊かなキャラクターたちが登場します。
- プレイボーイとして恋に生きる立木重雄(緒形拳)
- 人生の黄昏時に新たなパートナーシップを見出す野村(津川雅彦)
- 元客室乗務員としての誇りを胸に生きる江波玲香(草笛光子)
- しなやかな感性を持つ杏子(吉行和子)
彼らが織りなす人間模様は、時にコミカルで、時に切なく、観る者の心を強く揺さぶります。
人生100年時代と言われる今だからこそ、彼らの「生き様」から学ぶことは非常に多いでしょう。
介護や老後の「リアル」を考えるきっかけに
このドラマは、エンターテイメントとして非常に面白いだけでなく、「ヴィラ・エ・アロール」という一つの理想的な施設のあり方を通して、現実の介護についても考えさせてくれます。
入居者の自由を最大限に尊重する方針と、それによって生じる様々なトラブル。
それはそのまま、現代の介護施設の選び方や、理想の老人ホームでの生活とは何か、という問いに繋がっています。
自分自身や家族の将来を考える上で、非常に示唆に富んだ作品です。
笑いと涙、そして「老いてもなお、人は輝き続けられる」という希望が詰まった名作ドラマを、この機会にぜひご覧ください。










