認知症

down compression

介護

down compression

健康

down compression

専門家コラム

down compression

連載マガジン

down compression

おすすめ書籍

down compression
健達ねっと>映画・ドラマ>介護>【これから 海辺の旅人たち】海辺の介護施設で描かれる老いと向き合う人々

【これから 海辺の旅人たち】海辺の介護施設で描かれる老いと向き合う人々

  • 公開/放送日:1993年5月21日

あらすじ

仕事一筋に生きてきた津田武彦(高倉健)は、妻の山口和子(吉行和子)と離婚し、海辺の高齢者介護施設に入居した。

施設には、「人生は闘いだ」と豪語する車椅子の島岡(芦田伸介)や、週末に泊まりに来る娘だけが生きがいの静江(加藤治子)など、ここを終の棲家"とする様々な居住者がいた。

釣りしか道楽のない不器用な津田は、なかなか周囲に溶け込めない。
賄いの浦辺きん子(樹木希林)は、そんな津田を心配しながら見守っていた。

特徴・見どころ

もし、あなたやあなたの大切な人が「老い」や「認知症の最期」という現実に直面したら、どう向き合いますか。

本作『これから 海辺の旅人たち』は、1993年に日本民間放送連盟賞テレビドラマ部門で最優秀賞を受賞した、不朽の名作ドラマです。
主演の高倉健をはじめ、田中裕子、樹木希林ら日本を代表する名優たちが集い、この重くも普遍的なテーマに真っ向から挑みました。

放送から時を経た今でも色褪せることなく、静かに、しかし深く、観る者の心に「人間の尊厳」とは何かを問いかけます。

若年性アルツハイマーと診断された男の「これから」

物語の中心は、高倉健演じる主人公です。
彼は、かつて仕事一筋で活躍したエリートサラリーマンでした。

しかし、若年性アルツハイマー型認知症と診断され、その人生は一変します。
ゆっくりと、しかし確実に進行していく症状。

失われていく記憶と、それでも保とうとする自分らしさの間で、彼は静かに揺れ動きます。

舞台となるのは、海辺に佇む高齢者介護施設(老人保健施設)です。
彼はそこで、様々な事情や過去を抱えた他の入所者たちと共に、新たな日常を過ごすことになります。

本作は、病の進行という「静かな恐怖」と、それに伴う戸惑いや葛藤を、淡々とした、しかし冷徹ではない温かい視線で描き出します。

高倉健が、多くのセリフではなく、その佇まいや眼差し、ふとした仕草で表現する内面の機微は圧巻です。

私たちが抱く「健さん」の強さとは異なる、弱さや戸惑いを抱えた一人の人間としてのリアルな姿が、強く胸を打ちます。

支える家族の葛藤と、名優たちが織りなすリアリティ

主人公を献身的に支えながらも、葛藤に揺れる妻を演じるのは、田中裕子です。

愛する夫が少しずつ変わっていくという耐え難い現実を、どう受け入れていくのか。

その悲しみ、愛情、そして覚悟を見事に体現しています。
さらに、介護施設のベテランスタッフとして登場するのが、樹木希林です。

彼女の存在が、重くなりがちなテーマの中に、確かな人間の温もりと時にユーモアを交えた「現実を生きる強さ」を与えています。
この二人の名女優が、高倉健と対峙し、あるいは寄り添うことで、物語に圧倒的な深みと説得力が生まれています。

在宅介護の限界、施設への入所という家族にとっての重い決断、そしてそこで行われるケアの日常。
これらは、決して他人事ではない、私たち自身の「これから」の物語でもあるのです。

本作で描かれるのは、誰もが直面しうる、以下のような問いかけです。

  • 記憶を失っても、その人らしさや尊厳は失われないのか。
  • 本当の意味で「尊厳」を持って老いを生きるとはどういうことか。
  • 家族として、あるいは一人の人間として、どう支え、どう向き合うべきなのか。

重厚なテーマが問いかける「生きる意味」

このドラマは、単なるお涙頂戴の感動的な物語ではありません。
老いと真正面から向き合う人々の姿を通して、私たち自身の生き方や、家族との絆、そして「人生のしまい方」について深く見つめ直すきっかけを与えてくれます。

「自分だったらどうするだろう」と、視聴者一人ひとりが自問自答させられるはずです。
重厚な人間ドラマでありながら、観終わった後には、困難な状況の中にも確かに存在する希望や、「これから」を生きるための静かな光を感じさせてくれる作品です。

ぜひ、この機会に名優たちの魂の競演をご覧ください。

作品詳細

監督 富永卓二
脚本家 寺内小春
主題歌 佐藤勝
主要キャスト
上映時間 112分
放送局/制作 フジテレビ|リスプラン
日本

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売

スポンサーリンク