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健達ねっと>映画・ドラマ>介護>「別離」ある離婚をめぐる家族の真実

「別離」ある離婚をめぐる家族の真実

  • 公開/放送日:2012年4月7日

あらすじ

テヘランに暮らすナデルとシミン夫婦には11歳の娘テルメーがいる。

妻のシミンは娘の将来を考え海外移住を望むが、夫のナデルはアルツハイマー型認知症を患う父親を残しては行けないと拒否する。
意見の対立から別居したシミンに代わり、ナデルは介護人としてラジエーを雇う。

しかしある日、ラジエーが父親の世話を怠ったことに激怒したナデルは、彼女を突き飛ばしてしまう。

その後、ラジエーが流産し、ナデルは殺人罪で訴えられる。
真実をめぐる裁判が始まり、二つの家族の運命が翻弄されていく。

特徴・見どころ

本作『別離』は、第84回アカデミー賞外国語映画賞をはじめ、ベルリン国際映画祭金熊賞など、世界中の映画賞を総なめにした、イランの名匠アスガー・ファルハディ監督の最高傑作です。

単なる夫婦の離婚騒動を描いた作品ではありません。
アルツハイマー型認知症を患う父親の介護をきっかけに、二つの家族の運命が激しく衝突し、思いもよらない事件へと発展していく様を描いた、極上のサスペンス・ドラマでもあります。

「父の介護」か「娘の未来」か。引き裂かれる家族

物語の発端は、ある夫婦の意見の対立でした。
妻は、娘の将来を案じて、イランを離れて海外へ移住することを望みます。
しかし、夫のナデルは、アルツハイマー型認知症を患い、一人では生活できない父親を置いていくことはできないと、頑なに拒否します。

「介護」をとるか、「子供の未来」をとるか。
この切実なジレンマは、国や文化の違いを超えて、高齢化社会を生きる私たちの心にも深く突き刺さります。
話し合いは平行線をたどり、ついに妻は家を出て行ってしまいます。

介護が生んだ「小さなボタンの掛け違い」が、事件を呼ぶ

妻が不在となったことで、ナデルは貧しい地区に住む女性を、父親の訪問介護ヘルパーとして雇うことになります。
しかし、この選択が、後に取り返しのつかない事態を引き起こします。

介護におけるほんの些細な行き違いや、判断のミス。
そして、介護者と依頼主の間に横たわる「貧富の格差」や「宗教観の違い」。
これらが複雑に絡み合い、ある日、ナデルとヘルパーの間で衝突が起き、それが裁判沙汰となる大事件へと発展してしまうのです。

ここには、介護が抱える問題の深刻さと危うさが、恐ろしいほどのリアリティで描かれています。
介護を他人に委ねることの難しさや、予期せぬトラブルのリスクが、サスペンスフルに展開していきます。

誰が正しいのか? 観る者を試す「正義」の行方

本作の最大の特徴は、登場人物の誰一人として「悪人」がいない、ということです。

  • 父を守ろうとした夫
  • 娘を守ろうとした妻
  • 生活と信仰の間で苦しむヘルパー

それぞれの「正義」と「守りたいもの」がぶつかり合う中で、自己保身のための嘘と、隠された真実が入り混じっていきます。
観客は、次々と明らかになる事実に翻弄され、「自分ならどうしただろうか?」「一体誰が悪いのか?」と、最後まで問い続けずにはいられません。

介護と家族の在り方、そして人間の心の奥底にある弱さを鋭く抉り出した、世界が震えた人間ドラマです。

作品詳細

監督 アスガー・ファルハディ
脚本家 アスガー・ファルハディ
主要キャスト
上映時間 123分
放送局/制作 ソニー・ピクチャーズ クラシックス
イラン

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売

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