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トップページ>健康お役立ち記事>廃用症候群の予防方法は?日常生活やリハビリでの予防を解説!

廃用症候群の予防方法は?日常生活やリハビリでの予防を解説!

体を動かすことは健康には欠かせないものです。

日常生活の中で体を適度に動かしていないと廃用症候群になる可能性があります。

そもそも廃用症候群とはどのようなものなのでしょうか。

廃用症候群を予防するために何をすればよいのでしょうか。

本記事では廃用症候群を予防するために必要なことについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 日常生活でできる廃用症候群の予防方法とは
  • 廃用症候群の予防としてリハビリする上で気をつけるべきこととは
  • 廃用症候群を予防したほうがよい理由とは

廃用症候群を予防していくためにもご参考いただけますと幸いです。

ぜひ最後までお読みください。

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廃用症候群とは


廃用症候群とは過度の安静や活動の低下によって生じる心身の障害のことです。

加齢による身体活動の低下や疾患による安静臥床(あんせいがしょう)によって起こることが多いです。
いわゆる、寝たきりに近い状態です。

筋力が低下したり関節の動きが悪くなったりなどの症状があります。

廃用症候群と似た症状としてサルコペニアがあります。
サルコペニアは筋力の低下のみを指しています。

一方、廃用症候群は筋力以外にも内臓、神経、精神機能にも影響が出ることを指します。
廃用症候群になってしまうと回復するまでに、かなりの年月が必要です。
そのため日常生活の中で廃用症候群を予防していくことが重要となります。

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廃用症候群の日常生活での予防方法


日常生活の中で廃用症候群を予防するためにできることはいくつかあります。
難しいことではなく、日々の生活の中で少し意識する程度でできることが多いです。

参考にして実践してみてください。

積極的に身体を動かす

廃用症候群の予防で最も大事なのは体を動かすことです。
可能であれば家から出て公園などを散歩しましょう。

高齢者の方は歩行や起き上がり動作などの活動が低下しやすいです。
下肢を動かす運動を積極的に行うことが廃用症候群を予防するためには有効です。

疾患などにより絶対安静が強いられる場合もあります。
安静による筋力の低下、筋肉の萎縮は年齢に関係なく起こります。
疾患がよくなればできるだけ早期から積極的に体を動かすことが重要です。

ベッドの上でできる運動として

  • 足首を動かす
  • 足をあげる
  • 腕の運動
  • 昼間は体を起こす

など、できる範囲で体を動かすことが重要です。

過度の安静や活動の低下は筋肉が衰え、関節の動きが悪くなります。
体を動かさないことで腰痛の出現、悪化も考えられます。
心臓機能や呼吸機能が低下して息切れや動悸、疲労などの症状も出やすくなります。

痛みや疲労などの症状が起こると、さらに体を動かさなくなり悪循環に陥ります。
悪循環に陥らないためにも少しずつ、できる範囲で意識的に体を動かしましょう。

体を動かすことで廃用症候群の予防になります。

自分でできることはする

高齢者の方の中には気づかないうちに廃用症候群を起こしている方もいます。

特に介護が必要な方に多いです。
理由は、介護する側が過度に手伝ってしまうからです。
手伝うことで本人の活動量が減ってしまいます。

介護する時の考え方として

  • 本人自身でできること
  • 少しの介助でできること
  • 全て介助が必要なこと

を区別して介護することが重要です。

例えば着替えなどは時間がかかっても自分でできるのであれば見守ることが重要です。

排泄に関してもできるだけトイレへ誘導しましょう。
トイレに行くという動作を促すことで立ち上がり、歩行するといった動作ができます。

家事についても、依頼できることは依頼することが必要です。

本人の心身の負担にならない程度の依頼として

  • 洗濯物を畳む
  • ご飯を運ぶ
  • 簡単な掃除

などの日常的な動作をしてもらうことが大切です。

安易に手伝って全て準備してしまうことは避けましょう。
自分でできることを促していくことで廃用症候群を予防することにつながります。

介護についても解説していますので、興味のある方はこちらも合わせてお読み下さい。

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コミュニティなどに参加してみる

趣味などを通じて社会のコミュニティに参加することも大切です。

高齢者の方は退職後は社会とのつながりが減ってしまいます。
自分の好きなことを通して活動することで積極的に動く機会が増えます。

高齢者の方の中にはコミュニティを探すこと自体が困難で断念してしまう場合もあります。

周囲の方が紹介してあげるなどサポートすることも大切です。

また、家の中だけで過ごしていては活動する範囲が狭くなります。
デイサービスなどできるだけ家の外に出る機会をつくることが大切です。

デイサービスではリハビリやレクリエーションを通して活動量が増えます。
話し相手もいるので気持ちが前向きになりやすくなります。

精神的ケアをする

高齢者の方は退職することで社会的役割が減ります。
社会的役割が減ると生きる目標が見出せず活動の意欲が低下する可能性があります。

人との関わりも薄れるため精神機能の低下を起こします。
精神機能の低下からうつ症状や認知症などの症状が出る可能性があります。

周囲が言葉をかけたり、話を聞くなどの会話をして精神的なケアをすることが大切です。
またボランティアや町内会の活動などを通じて外出する機会をつくることも大切です。

新たな社会的役割を見つけることで活動的になり、廃用症候群の予防になります。

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廃用症候群をリハビリで予防するポイント


疾患によって長期にわたる安静や活動の低下が起こる場合があります。
疾患がよくなれば早期からリハビリを行い、廃用症候群を予防していくことが重要です。

リハビリを行う上でのポイントを説明していきます。

やる気が出るようにサポートする

リハビリしていくときには本人の気持ちが重要です。
やらされているという感覚では長続きしません。

周囲の方は何のためにリハビリしていくのか、目的や目標を考えていくことが大切です。
高齢者の方が目的がなく座っているだけ、起きているだけでは効果も上がりません。
効果がなければ廃用症候群の予防になりません。

目的はどんな些細なことでも大丈夫です。
本人のモチベーションが上がるように好きなことを目的としましょう。

目標も初めから高い目標を設定する必要はありません。
少し簡単な目標から設定して達成することで次の目標につなげていくことが大切です。

自宅でリハビリ環境の整備

日常的な動作でもリハビリになります。

例えば、

  • 立ち上がる
  • 座る
  • 廊下を歩く

などです。

自宅でリハビリするときには周囲の方が環境を整えることも必要です。
転倒などのリハビリへの不安があると活動への意欲が低下します。

環境を整える具体的な方法として

  • 廊下に手すりをつける
  • ベッドの高さを調整して立ち上がりやすくする

などがあります。

廃用症候群には床ずれなどの皮膚障害や末梢神経の圧迫障害などの症状もあります。
皮膚障害や神経圧迫障害による痛みやしびれなどもリハビリへの意欲低下につながります。

ベッドで休むときの過ごしやすさも考えていく必要があります。
マットレスには床ずれを予防する体圧分散用具もあります。
便利な道具を活用することも考えていきましょう。

1人で動くことが困難な方には家族などによる介助も必要になってきます。
自宅でもできるだけリハビリができるように介助者の調整をしていくことも大切です。

従って介護サービスなどを利用するのも1つの方法です。

リハビリテーション施設を利用する

自宅でリハビリしようと思っていても、なかなか進まないこともあります。
定期的に体を動かそうと思っても、つい理由を考えてできないこともあります。

リハビリが困難な方は有料老人ホームなどの施設への入所も検討するのも1つの方法です。
施設ではリハビリだけでなくレクリエーションなどもあります。
楽しみながら体と一緒に頭も動かせます。

リハビリする目的によってリハビリの内容は変わってきます。
施設でのリハビリを検討する際は目的や目標をしっかり決めておきましょう。
施設でのリハビリは毎日施設に通う通所リハビリ(デイサービス)もあります。

サービスを受けるには介護認定が必要になります。
気になる方はケアマネジャーや地域包括支援センターなどに問い合わせてみてください。

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廃用症候群を食事で予防する方法


廃用症候群を予防するためには体を動かす必要があります。
しかし体を動かすためにはエネルギーが必要になり、筋肉となる栄養素も必要です。

エネルギーや体をつくるための食事も大切な廃用症候群の予防方法の1つです。

バランス良く食事を摂る

廃用症候群を予防するためには栄養バランスの整った食事を食べることが重要です。

実際に高齢者の廃用症候群の約9割の方は低栄養状態です。
廃用症候群は過度の安静だけでなく低栄養も関係している病態です。
高齢になると食欲が減ってしまう傾向があります。

食が細くなることで偏った食事内容になってしまう傾向にあります。
特に筋肉のもとになるタンパク質が不足しがちです。
タンパク質やエネルギーのもととなる栄養素が不足していると疲労や怪我につながります。

バランスの整った食事をしっかりと摂りましょう。
整った食事によって活動への意欲も湧き、廃用症候群を予防できます。

対象者に合わせた食事にする

廃用症候群予防のために食事は大事です。
しかし、無理に食べても負担になるだけで長続きしません。
食欲がない場合は無理に食べてもらう必要はありません。

食欲が出ない原因を考える必要があります。
必要であれば医師の診察を受け、相談してみることも大切です。

食事の形態も問題となる場合があります。
高齢者の方は飲み込む力が低下していることで食欲が出ないこともあります。
入れ歯が合わない、口の中にトラブルがあるといったことでも食欲低下の原因になります。

食事していて飲み込みにくそうな様子はないかなど、よく観察してみてください。
本人にも柔らかくした方が食べやすいのか聞いてみてください。

個人によって食べやすい形態は異なります。
その人にあった食事形態にすることも廃用症候群予防には重要です。

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廃用症候群の予防の重要性

廃用症候群は治療よりも予防することが重要です。
その理由は高齢者の方が廃用症候群になると元の状態に戻すことが難しいからです。

安静による筋力の低下のスピードは早く、1週間の安静で10〜15%の筋力が低下します。
3〜5週間では約50%の筋力が低下します。

筋肉自体も萎縮してしまい約2ヶ月で筋肉量が半分になってしまいます。

低下した筋力を戻すには、ある程度強い負荷が必要です。
戻す期間としても倍以上の時間が必要となります。

高齢者の方は基礎疾患をもっている方も多いです。
そのため筋力を戻すために無理に負荷をかけられないこともあります。

筋力が戻らないとそのまま寝たきりになる可能性も高くなります。
筋力は低下したものをもとに戻すより、維持するほうが難易度は低いです。
病気や怪我で安静が強いられている場合でも、廃用症候群を予防することは重要です。

安静によって血液の循環が悪くなると傷の治癒が遅延します。

さらに廃用症候群は他の病気も引き起こします。
他の病気にかかると安静期間が予定よりも長期になってしまい悪循環となります。

一度、廃用症候群になったとしても回復はできます。
廃用症候群からの回復はリハビリによる身体の機能面だけではありません。
精神面や食事の面からもサポートするのも重要です。

長期にわたったとしてもあきらめずに関わってください。

薬の使い方

廃用症候群は要支援認定の方が多い?


高齢化が進んでいる日本では、要介護認定者のうち要支援の方が増えてきています。

要支援の方は高齢による衰弱や関節疾患を持っている方が多いです。
転倒や骨折が原因で体を動かす機会が減り廃用症候群を起こす方が増えています。
要介護状態になる原因として廃用症候群の割合が多いことが報告されています。

廃用症候群を予防するためにも、まずは要支援にならないように心がけましょう。

廃用症候群の予防のまとめ


ここまで廃用症候群の予防についてお伝えしてきました。

廃用症候群の予防の要点をまとめると以下の通りです。

  • 予防には積極的に体を動かすことが重要である
  • リハビリで気をつけることは意欲的に取り組めるように目的・目標を決める
  • 廃用症候群は寝たきりになる可能性があるため予防した方がよい

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
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