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健達ねっと>健康・生活>【3/1~3/8 女性の健康週間】20代・30代で急増する「子宮頸がん」。予防できる唯一のがんから、未来の私を守るための全知識

【3/1~3/8 女性の健康週間】20代・30代で急増する「子宮頸がん」。予防できる唯一のがんから、未来の私を守るための全知識

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なぜ今、若い世代に「子宮頸がん」が増えているのか?

子宮のイラストを持つ手

「お母さん世代のがん」ではない。20代からの危機

一般的に「がん」というと、加齢とともにリスクが高まる高齢者の病気というイメージがあるかもしれません。
しかし、子宮頸がんは全く異なります。
子宮頸がんの罹患率は、20代後半から急激に上昇し、30代から40代でピークを迎えます。
まさに、就労や結婚、出産を考える「働き盛り・産み盛り」の世代を直撃するのです。

国立がん研究センターのデータによると、日本では毎日約30人の女性が子宮頸がんと診断され、約8人が命を落としています。
治療で命が助かったとしても、進行していれば子宮を摘出せざるを得ず、妊娠・出産の可能性(妊孕性)を失ってしまうケースも少なくありません。

日本の現状:先進国の中で遅れる予防対策

世界保健機関(WHO)は「子宮頸がんの排除」を掲げ、ワクチン接種と検診を強力に推進しています。
その結果、オーストラリアやイギリスなど一部の国では、近い将来「子宮頸がんは稀な病気になる」と予測されています。
一方、日本はワクチン接種の積極的勧奨が一時差し控えられた影響や、検診受診率の低さ(欧米が70〜80%に対し日本は約40%)から、先進国の中で唯一、子宮頸がんの罹患数・死亡数が増加傾向にあるという深刻な状況にあります。

この「予防できるはずの悲劇」を食い止めるためには、私たち一人ひとりが正しい知識を持ち、行動を起こすことが不可欠です。

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原因は「ありふれたウイルス」。HPVの正体

原因の95%以上は「ヒトパピローマウイルス(HPV)」

子宮頸がんの最大の特徴は、原因がほぼ100%解明されていることです。
それは「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というウイルスの持続感染です。

HPVは、性経験のある女性であれば50%〜80%が生涯に一度は感染すると言われる、ごくありふれたウイルスです。
「遊んでいる人がなる病気」という偏見は完全に誤りです。
たった一人のパートナーしかいなくても、感染する可能性は十分にあります。

感染=がん、ではない

HPVに感染しても、90%以上の人は自身の免疫力でウイルスを排除できます(自然排出)。
しかし、残りの数%の人でウイルスが排除されず、長期間(数年〜十数年)にわたって感染が続くと、子宮頸部の細胞が「異形成(前がん病変)」という状態に変化します。
この異形成の状態を経て、さらに数年かけて「がん」へと進行していくのです。

男性も無関係ではない

HPVは男性にも感染します。
男性の場合は、中咽頭がん、肛門がん、陰茎がんなどの原因になるほか、尖圭コンジローマという性感染症を引き起こします。
そして何より、男性がHPVを持っていることで、パートナーである女性に感染させてしまうリスクがあります。
子宮頸がん予防は、女性だけの問題ではなく、パートナーと共に考えるべき課題なのです。

以下の記事では、性行為以外での感染リスクの可能性や、男性側が知っておくべき知識、ウイルスががんに変わるメカニズムについてさらに深く掘り下げています。

▼詳しくはこちらの記事をチェック
子宮頸がんの原因とは?男性の影響、性行為以外の要因も解説

沈黙の臓器。「初期症状なし」の恐怖

子宮頸がんが恐ろしいのは、初期段階では自覚症状がほとんどないことです。
「生理痛が重い」「おりものが増えた」といった変化があっても、「疲れているだけかな」「いつものことだから」と見過ごされがちです。

進行してから現れるサイン

がんが進行してくると、以下のような症状が現れることがあります。

  • 不正出血: 生理期間以外や、性交時の出血(接触出血)。
  • おりものの異常: 茶褐色や黒っぽいおりもの、膿のようなにおいのするおりもの。
  • 下腹部痛・腰痛: がんが周囲の組織や神経を圧迫することで起こります。
  • 血尿・血便: がんが膀胱や直腸に浸潤した場合に起こります。

これらの症状が出た時には、すでにがんが進行している(ステージが進んでいる)可能性が高いです。
「症状がないから大丈夫」は、子宮頸がんにおいては通用しません。
症状が出る前の「無症状の段階」で発見することが、子宮を残し、命を守るための絶対条件となります。

以下の記事では、絶対に見逃してはいけない初期の微細なサインや、進行度別の症状の変化について詳しく解説しています。
少しでも違和感がある方は、すぐにチェックしてください。

▼詳しくはこちらの記事をチェック
子宮頸がんの症状とは?見逃しやすい初期症状も解説!

【一次予防】HPVワクチンの重要性と「キャッチアップ接種」

HPVワクチンを持つ医師

子宮頸がん予防の第一の砦は、原因となるHPVへの感染を防ぐ「HPVワクチン」です。

ワクチンの効果と安全性

現在、日本で公費(無料)で受けられるワクチンには、2価(サーバリックス)、4価(ガーダシル)、そして9価(シルガード9)があります。
特に2023年4月から定期接種化された9価ワクチンは、子宮頸がんの原因となるハイリスク型HPVの80〜90%をカバーできるとされ、高い予防効果が期待されています。

かつて、接種後の「多様な症状(痛みや運動障害など)」が報道され、積極的勧奨が差し控えられた時期がありました。
しかし、その後の国内外の膨大な調査研究により、「ワクチンの有効性が副反応のリスクを明らかに上回る」ことが確認され、2022年から積極的勧奨が再開されました。
WHOもその安全性を保証しています。

今だけ! 無料で打てる「キャッチアップ接種」

積極的勧奨が差し控えられていた期間に接種機会を逃した世代(1997年度~2007年度生まれの女性)を対象に、公費で接種できる「キャッチアップ接種」制度が設けられています。

【重要】この制度は2025年(令和7年)3月末で終了します
HPVワクチンは通常、半年かけて3回接種します。
全額公費(無料)で完了するためには、遅くとも2024年9月末までに1回目の接種を終える必要があります。
(※自治体によっては短縮スケジュールでの対応が可能な場合もありますので、期限が迫っていても諦めずに相談してください)

自費で接種する場合、9価ワクチンは3回で約8〜10万円かかる高額なワクチンです。
この権利を行使することは、将来の自分への大きなプレゼントになります。

「今から打っても意味があるの?」「副反応がやっぱり怖い」と迷っている方は、以下の記事でワクチンのメリット・デメリット、最新の科学的根拠に基づいたQ&Aを必ず確認してください。

▼詳しくはこちらの記事をチェック
子宮頸がんワクチンの疑問点を徹底解説!打つべきか、打たないべきか

【二次予防】20歳を過ぎたら「子宮頸がん検診」

ワクチンは感染を防ぐ強力な手段ですが、すべてのHPV型をカバーできるわけではありません。
また、すでに感染しているウイルスを排除する効果はありません。
そこで重要になるのが、がんになる前の「異形成」の段階で見つけるための「子宮頸がん検診」です。

検診の内容と頻度

厚生労働省は、20歳以上の女性に対し、2年に1回の子宮頸がん検診(細胞診)を推奨しています。
検診は、子宮の入り口(頸部)を柔らかいブラシなどでこすり、細胞を採取して顕微鏡で調べる簡単な検査です。
痛みはほとんどなく、数分で終わります。

「HPV検査」の併用

近年は、細胞診に加えて、子宮頸部の細胞にHPVがいるかどうかを調べる「HPV検査」の併用も推奨されています。

  • 細胞診: 形が変わってしまった細胞(異形成やがん細胞)を見つける。
  • HPV検査: 病気の原因(ウイルス)そのものを見つける。

両方受けることで、見逃しを減らし、より正確にリスクを判定することができます。
一部の自治体や人間ドックでは導入が進んでいます。

「異常あり(要精密検査)」と言われたら?

検診で「要精密検査」となっても、即「がん」というわけではありません。
多くは「異形成(前がん病変)」の段階です。
異形成には軽度・中等度・高度の段階があり、軽度であれば自然治癒することも多いため、経過観察となることが一般的です。
高度異形成の場合は、がんへと進行するリスクが高いため、子宮の入り口を円錐状に切り取る手術(円錐切除術)などを行い、がん化を未然に防ぎます。
この段階で対処できれば、子宮全体を残すことができ、将来の妊娠も可能です。

がんと診断されたら。治療と人生の選択

万が一、子宮頸がんと診断された場合、治療法は進行度(ステージ)や、妊娠の希望(妊孕性温存)の有無によって決定されます。

初期(ステージI期など)

がんが子宮頸部にとどまっている場合、手術療法が基本となります。

  • 円錐切除術: ごく初期であれば、子宮を残すこの手術で完治が見込めます。
  • 広汎子宮全摘出術: 子宮と卵巣、周辺のリンパ節などを広範囲に切除します。妊孕性は失われますが、根治を目指す標準的な手術です。
  • 広汎子宮頸部摘出術(トラケレクトミー): 子宮体部(赤ちゃんが育つ部分)を残し、頸部だけを切除する高度な手術です。条件を満たせば、将来の妊娠の可能性を残せます。

進行がん(ステージII期以降など)

がんが子宮の外へ広がっている場合、放射線療法と抗がん剤(化学療法)を組み合わせた「同時化学放射線療法(CCRT)」が標準治療となります。
手術と同等の治療効果が期待でき、体への負担(メスを入れる侵襲)を抑えることができます。

薬物療法(化学療法・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬)

再発や転移がある場合や、手術前のがん縮小を目的として、抗がん剤や最新の薬物療法が行われます。
近年、免疫の力を利用してがんを攻撃する「免疫チェックポイント阻害薬」も子宮頸がん治療に承認され、選択肢が広がっています。

女性の健康週間だからこそ、アクションを。

子宮頸がんは、ワクチンと検診という2つの強力な武器によって、ほぼ確実に防ぐことができる病気です。
それにも関わらず、日本で多くの女性が苦しんでいるのは、「知らなかった」「後回しにしていた」という理由が大きいです。

3月1日から8日の「女性の健康週間」を、あなたの人生を守るための行動期間にしてみませんか?

今すぐできる3つのアクション

  • 母子手帳を確認する(または親に聞く): 自分がHPVワクチンを接種しているか確認しましょう。もし接種していなければ、キャッチアップ接種の対象かどうか、あるいは自費接種を検討しましょう。
  • 検診の予約を入れる: 「2年以上検診を受けていない」「一度も受けたことがない」という方は、今すぐスマホで自治体の検診情報や近くの婦人科を検索し、予約を入れましょう。生理日を避ければいつでも受診可能です。
  • 大切な人に伝える: 友人、姉妹、娘、そしてパートナーに、子宮頸がんの予防について話してみましょう。あなたの言葉が、誰かの命を救うきっかけになるかもしれません。

自分の体を守れるのは、自分自身だけです。
「忙しい」を言い訳にせず、自分の体の声に耳を傾けること。
それが、輝く未来への一番の近道です。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売

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