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なぜ今「腎臓」なのか?世界腎臓デーの意義<腎臓病は「万病の元」>

世界腎臓デーがこれほどまでに重要視されている理由は、腎臓の健康が全身の健康、特に心臓や血管の健康と密接に関わっているからです。
腎臓の機能が低下すると、心不全や脳卒中などの心血管疾患のリスクが跳ね上がることがわかっています。
「2025年問題」以降の日本と腎臓病
超高齢社会を迎えた日本において、加齢に伴う腎機能の低下は避けて通れない課題です。
腎不全が進行し、血液透析が必要になると、生活の質(QOL)に大きな影響を及ぼします。
世界腎臓デーは、単に「病気を治す」だけでなく、「健康な腎臓を維持して自分らしい生活を続ける」ためのきっかけとなる日なのです。
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腎臓の驚くべき5つの役割|体内の「スーパーフィルター」
腎臓は、背中側の腰の少し上あたりに左右に一つずつある、ソラマメのような形をした拳ほどの大きさの臓器です。
24時間休むことなく、以下のような重要な働きを担っています。
1. 血液のろ過と老廃物の排出
腎臓の最も重要な役割は、血液をろ過して老廃物や毒素を尿として体外に排出することです。
1日にろ過される血液の量は約150リットル(大型のドラム缶1本分近く)にも及びます。
2. 体液量・イオンバランスの調節
体内の水分量や、ナトリウム(塩分)、カリウム、リンなどのミネラル(電解質)の濃度を一定に保ちます。
3. 血圧のコントロール
血圧を上げるホルモン(レニン)を分泌したり、体内の水分や塩分の量を調整したりすることで、血圧を適切に管理します。
4. 血液を作る指令を出す
骨髄に働きかけて赤血球を作るように促すホルモン(エリスロポエチン)を分泌します。
腎機能が低下すると、このホルモンが不足し「腎性貧血」が起こります。
5. 骨を丈夫にする
ビタミンDを活性化させ、腸からのカルシウム吸収を助けることで、骨を健康に保ちます。
慢性腎臓病(CKD)の恐怖|自覚症状がないまま進行する
腎臓病の恐ろしさは、前述した通り「自覚症状が乏しい」ことにあります。
CKDの定義
以下のいずれか、または両方が3ヶ月以上続いている状態を指します。
- 尿検査で蛋白尿などの異常がある。
- 腎機能の指標であるeGFR(推算糸球体ろ過量)が60未満である。
進行した際のサイン
機能が著しく低下(末期腎不全に近づく)すると、ようやく以下のような症状が現れます。
- 足や顔のむくみ(浮腫)
- 夜間の頻尿
- 体がだるい、疲れやすい
- 息切れ
- 食欲不振、吐き気
- 皮膚のかゆみ
これらの症状を感じた時には、すでに腎機能の多くが失われていることが多いため、症状が出る前の「検査」が重要になります。
腎臓病の早期発見に欠かせない2つの検査

健康診断の結果表にある、以下の2つの項目を必ずチェックしましょう。
1. 尿蛋白(尿検査)
健康な腎臓は、体に必要なタンパク質を血液中にとどめ、尿へ漏らしません。
尿の中にタンパク質が混ざっている(陽性)ということは、腎臓のフィルター(糸球体)がダメージを受けている証拠です。
2. 血清クレアチニン・eGFR(血液検査)
クレアチニンは、筋肉を動かした際に出る老廃物です。
腎機能が落ちると排出されにくくなり、血中濃度が上がります。
この値と年齢・性別から計算されるのが「eGFR」です。
- eGFR 90以上: 正常
- eGFR 60未満: 慢性腎臓病(CKD)の疑い
- eGFR 15未満: 末期腎不全(透析の検討が必要な段階)
腎臓を守るための「食事療法」と注意すべき成分
腎臓病の予防、および進行抑制において「食事」は最も強力な治療・予防手段となります。
1. 「減塩」は最大の守護神
塩分(ナトリウム)の摂りすぎは血圧を上げ、腎臓の細い血管に強い圧力をかけてダメージを与えます。
- 目標: 1日6g未満(日本人の平均摂取量は約10gと多めです)
- コツ: 出汁を利かせる、酸味(レモン・酢)やスパイスを活用する、麺類の汁を飲まない。
2. タンパク質の適正摂取
タンパク質を分解した際に出る窒素化合物は、腎臓にとって「ゴミ」となります。
摂りすぎは腎臓を疲れさせますが、極端な制限は筋肉量の低下を招くため、専門医や管理栄養士の指導が不可欠です。
3. カリウム摂取の重要性と注意点
カリウムは、余分な塩分を体外へ出す働きがあるため、健康な人や初期の腎臓病の方には積極的に摂ってほしい栄養素です。
しかし、腎機能が高度に低下した方(eGFR 30未満など)は、カリウムをうまく排出できず「高カリウム血症」を引き起こすリスクがあります。
高カリウム血症は、不整脈や心停止を招く恐れがあるため非常に危険です。
ご自身のステージに合わせて、カリウムを「摂るべきか、控えるべきか」を知っておくことが大切です。
▼カリウムと腎臓の関係について詳しく知りたい方はこちら
カリウムと腎臓病の関係とは?カリウム摂取に気を付けて健康を保とう!
サプリメントと腎臓|オルニチンの効果と注意点
健康意識の高まりからサプリメントを愛用する方も増えていますが、腎機能が低下している場合は注意が必要です。
オルニチンの腎臓・肝臓への働き
アミノ酸の一種である「オルニチン」は、肝臓での解毒作用(しじみに多く含まれることで有名)を助けることで知られています。
アンモニアの代謝をスムーズにすることで、間接的に腎臓への負担を和らげる効果も期待されています。
しかし、サプリメントとして濃縮された成分を過剰に摂取すると、副作用が出たり、すでに弱っている腎臓に予期せぬ負担をかけたりする可能性も否定できません。
▼オルニチンの具体的な効果や、腎臓への影響・副作用についてはこちら
オルニチンの副作用とは?腎臓・肝臓への効果を徹底解説
今日からできる!腎臓をいたわる生活習慣
食事以外にも、腎臓の老化を遅らせるためにできることはたくさんあります。
1. 血圧管理の徹底
「腎臓は血管の塊」です。
高血圧は腎臓の最大の敵です。
家庭血圧を毎日測り、 130/80mmHg未満 (腎臓病がある場合はさらに低め)を目指しましょう。
2. 血糖値を上げすぎない
糖尿病は、透析導入原因の第1位です。
高血糖が続くと、腎臓の細かいフィルターが砂糖漬けのようにボロボロになってしまいます。
3. 適度な運動(腎リハビリテーション)
かつては「腎臓病の人は安静に」と言われていましたが、現在は「適度な運動(ウォーキングなど)」が腎機能を保護することがわかっています(腎リハビリテーション)。
4. 禁煙
タバコは血管を収縮させ、腎臓の血流を悪化させます。
腎機能低下を加速させる大きな要因です。
5. 水分の適切な摂取
脱水は急激な腎機能悪化(急性腎障害)を招きます。
心不全などで制限がない限り、こまめに水分を摂りましょう。
6. 薬の飲み合わせに注意
市販の痛み止め(解熱鎮痛薬・NSAIDs)を常用すると、腎臓の血流が低下し、悪影響を及ぼすことがあります。
病院を受診する際は、必ず「腎機能が少し心配です」と伝えましょう。
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まとめ:世界腎臓デーを「自分事」に
腎臓は、一度失われると再生することが非常に難しい臓器です。
しかし、早期に発見し、適切な食事と生活習慣を心がければ、透析を回避し、一生その機能を使い続けることが可能です。
3月12日の世界腎臓デーをきっかけに、まずは昨年の健康診断の結果を引っ張り出してみる、あるいは今日のご飯の醤油を少し減らしてみる。
そんな小さな一歩から、あなたの腎臓の未来を守りましょう。






