健康診断で「コレステロールや中性脂肪の数値が高い(脂質異常症)」と指摘された際、日頃の食事内容を見直す方は多いでしょう。
手軽で体に良いイメージのある「ヨーグルト」ですが、「脂質異常症の人が食べても大丈夫なのか」「かえって数値が悪化するのではないか」と不安に感じる声も聞かれます。
結論から言うと、脂質異常症の方でもヨーグルトを食べることは可能です。ただし、ご自身の「脂質異常のタイプ(高LDLか、高中性脂肪か)」に合わせて、無脂肪・低脂肪・無糖などの種類を適切に選ぶ必要があります。
本記事では、脂質異常症の基礎知識や最新の診断基準をはじめ、ヨーグルトが脂質代謝に与える影響、脂質タイプ別の正しいヨーグルトの選び方・食べ方、さらに日常でできる食事改善ポイントまで分かりやすく解説します。
- 脂質異常症でもヨーグルトは食べてOK:乳酸菌による腸内環境改善や脂質代謝サポートが期待できるが、選び方が極めて重要。
- 悪玉(LDL)コレステロールが高い方:飽和脂肪酸を控えるため「無脂肪」または「低脂肪」ヨーグルトを選ぶ。
- 中性脂肪が高い・善玉(HDL)が低い方:余分な糖質を避けるため「無糖(プレーン)」タイプを選ぶ(加糖やドリンクタイプは避ける)。
- 脂質異常症は自覚症状がない:放置すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まる。
- 食事改善の基本:肉より青魚・大豆製品を摂り、水溶性食物繊維(野菜・海藻・キノコ)を意識して摂取する。

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脂質異常症とは?最新の診断基準と主な原因
脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)の濃度が正常範囲から外れている状態を指します。
以前は「高脂血症」と呼ばれていましたが、善玉コレステロール(HDL)のように「数値が低すぎても異常となる」ため、現在は「脂質異常症」という名称に統一されています。
脂質異常症の最新診断基準(空腹時採血)
日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」における診断基準は以下の通りです。
| 検査項目 | 基準値・診断名 | 身体へのリスク |
|---|---|---|
| LDL(悪玉)コレステロール | 140 mg/dL 以上(高LDLコレステロール血症) ※120〜139 mg/dLは境界域 | 血管壁にコレステロールが溜まり、動脈硬化を直接進行させる。 |
| HDL(善玉)コレステロール | 40 mg/dL 未満(低HDLコレステロール血症) | 血管壁の余分なコレステロールを回収できなくなる。 |
| トリグリセライド(中性脂肪) | 150 mg/dL 以上(高トリグリセライド血症) | 増えすぎると悪玉を増やし、善玉を減らす悪循環を生む。 |
| non-HDLコレステロール | 170 mg/dL 以上(高non-HDLコレステロール血症) ※150〜169 mg/dLは境界域 | 総コレステロールからHDLを除いた「すべての悪質な脂質」の指標。 |
脂質異常症が起こる2つの分類・原因
脂質異常症は、原因によって「続発性」と「原発性」の2つに大別されます。
- 続発性(二次性)脂質異常症
日常の生活習慣(運動不足、飽和脂肪酸・トランス脂肪酸・糖質の摂りすぎ、過度な飲酒)や、糖尿病、甲状腺機能低下症、腎臓病、服用薬の副作用などが原因で起こります。多くの場合、生活習慣の改善や原疾患の治療で数値が改善します。 - 原発性(一次性)脂質異常症
遺伝的な体質や染色体の異常が原因で起こります。代表例の「家族性高コレステロール血症」は若い頃から極めて高いLDL数値を示し、若年性心筋梗塞のリスクが高まるため、早期からの薬物療法が必要です。
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ヨーグルトの健康効果と脂質代謝への影響
ヨーグルトは、カルシウム、タンパク質、ビタミンB群などを豊富に含む優れた発酵食品です。
1. 腸内環境を整え、コレステロールの排出をサポート
ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は、腸内環境(フローラ)を改善します。特定の乳酸菌株には、食事由来のコレステロールの吸収を抑えたり、肝臓で作られる「胆汁酸」の排泄を促して血中コレステロール消費を促進したりする働きが報告されています。
2. 中性脂肪の代謝促進
腸内細菌が短鎖脂肪酸を生成することで、脂質や糖質の代謝が活発になり、中性脂肪の蓄積を防ぐ助けとなります。
脂質異常症の人が注意すべきヨーグルトの成分
「健康に良いから」とどんなヨーグルトでも大量に食べていると、かえって数値が悪化することがあります。注意すべき成分は「飽和脂肪酸(脂質)」と「糖質(砂糖・果汁)」の2つです。
1. 飽和脂肪酸(乳脂肪分)
一般的な全脂プレーンヨーグルトには乳脂肪分が含まれており、その主成分は「飽和脂肪酸」です。飽和脂肪酸を摂りすぎると、肝臓でのLDLコレステロールの処理能力が低下し、血中LDLコレステロール値が上昇してしまいます。
2. 糖質(加糖・加工フルーツ・飲むヨーグルト)
味付きヨーグルトやドリンクタイプの多くには、飲みやすくするために砂糖や果糖ぶどう糖液糖が加えられています。余分な糖質は体内で速やかに「中性脂肪」に変換されるため、高トリグリセライド血症の方は特に警戒が必要です。
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【脂質タイプ別】正しいヨーグルトの選び方・食べ方
ご自身の健康診断結果に合わせて、最適なヨーグルトを選択しましょう。

ヨーグルト100gあたりの成分比較の目安
| ヨーグルトの種類 | 飽和脂肪酸 | コレステロール | カロリー | こんな方におすすめ |
|---|---|---|---|---|
| 全脂プレーン | 約1.8 g | 約12 mg | 約62 kcal | 脂質数値に異常がない健常な方 |
| 低脂肪タイプ | 約0.6 g | 約5 mg | 約45 kcal | 脂質を少し控えたい方 |
| 無脂肪タイプ | 約0.2 g | 約4 mg | 約42 kcal | LDL(悪玉)が高い方 |
| ドリンク(加糖) | 約0.3 g | 約3 mg | 約65 kcal | 糖質が多いため脂質異常症の方は控えめに |
1. LDL(悪玉)コレステロールが高い方
- 選び方:「無脂肪」または「低脂肪」のプレーンヨーグルトを選びましょう。
- ポイント:乳脂肪分(飽和脂肪酸)をカットすることで、悪玉コレステロールの上昇を抑えつつ、乳酸菌やタンパク質を効率的に摂取できます。
2. 中性脂肪(トリグリセライド)が高い・HDL(善玉)が低い方
- 選び方:「無糖(プレーン)」タイプを一択で選びましょう。
- ポイント:砂糖が入った「加糖タイプ」「フルーツ和えタイプ」「飲むヨーグルト」は糖質が高く、中性脂肪を急増させます。甘みが欲しい場合は、きな粉やきなこ、無塩の素焼きナッツ、少量のはちみつやオリゴ糖を添える工夫がおすすめです。
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脂質異常症を根本から改善するための食事ポイント
ヨーグルトの選び方を工夫すると同時に、日頃の食生活全体を見直すことが数値改善への近道です。
1. 主菜は「肉」から「青魚・大豆製品」へ shift する
- 青魚(サバ、イワシ、アジなど):n-3系高度不飽和脂肪酸(EPA・DHA)が豊富で、血液中の中性脂肪を減らし、血栓を予防します。
- 大豆製品(豆腐、納豆など):植物性タンパク質や大豆イソフラボン、食物繊維が含まれ、コレステロールの吸収を抑えます。
2. 水溶性食物繊維(野菜・海藻・キノコ)を毎食摂る
ゴボウ、コンブ、メカブ、なめこ、キノコ類、緑黄色野菜などに多く含まれる食物繊維は、腸内でコレステロールや余分な脂質を吸着し、便と一緒に体外へ排出してくれます。
3. 「油の質」にこだわる
飽和脂肪酸(ラード、バター、肉の脂身)やトランス脂肪酸(マーガリン、ショートニング)を減らし、オメガ3系・オメガ9系不飽和脂肪酸(オリーブオイル、えごま油、亜麻仁油)を少量使う料理へ切り替えましょう。
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脂質異常症とヨーグルトに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 痩せ型の人でも脂質異常症になりますか?
A. はい、痩せ型の方でも脂質異常症になります。
見た目は痩せていても内臓脂肪が多い「隠れ肥満」の方や、糖質制限の反動で肉やバターなどの動物性脂質を過剰に摂っている方、遺伝的体質(原発性)をお持ちの方は、体型に関係なく数値が高くなるため注意が必要です。
Q2. ヨーグルトは1日にどれくらい食べて良いですか?
A. 1日あたり100g〜200g程度が適量です。
体に良い食品であっても、過剰に食べればカロリーオーバーや栄養偏重につながります。毎日適量を継続して食べることが大切です。
Q3. 脂質異常症は薬を飲めば完治しますか?
A. 一時的な服薬で「完治」するわけではありません。
薬は数値をコントロールするためのものであり、服用を勝手にやめると数値は元に戻ってしまいます。食事療法や運動療法などの生活習慣改善をベースに維持していく必要があります。
まとめ:正しくヨーグルトを選んで健康的な生活習慣を作ろう
脂質異常症とヨーグルトの関係についてまとめます。
- 脂質異常症でもヨーグルトは食べて問題ない(むしろ腸内環境整えに効果的)。
- 悪玉(LDL)が高い人は「無脂肪・低脂肪」を選ぶ。
- 中性脂肪が高い人は「無糖(プレーン)」を選び、加糖タイプやジュース状のものは避ける。
- 食事全体のバランス(青魚・大豆・食物繊維の増量)と併せて改善を目指す。
自覚症状がないからと放置せず、健康診断の数値をきっかけに、毎日の食事選びから見直していきましょう。
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