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トップページ>健康お役立ち記事>睡眠障害>入眠障害(不眠症)とは?原因や予防方法と対策を徹底解説

入眠障害(不眠症)とは?原因や予防方法と対策を徹底解説

夜なかなか寝付けない原因は、入眠障害かもしれません。
眠りたいのに眠れないつらさは、誰でも一度は経験があるのではないでしょうか。
入眠障害とは具体的にどのような症状なのでしょうか?

また、入眠障害を改善するためには何をすればいいのでしょうか?
本記事では、入眠障害について以下の点を中心にご紹介します。

  • 入眠障害になる原因
  • 入眠障害の予防・改善策とは
  • 入眠障害の治療薬とは

入眠障害をはじめとする睡眠障害と、生活習慣病との関係も解説しています。
入眠障害について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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入眠障害とは

入眠障害は、不眠症の症状の1つです。
布団に入っても30分~1時間以上眠れず、日常生活に支障が出る状態のことを指します。
なかなか寝付けない日々が1か月以上続くことで、確定診断となることが一般的です。

睡眠障害のなかでも、1番多い症状が入眠障害だといわれています。

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入眠障害の原因

入眠障害が引き起こされる原因は以下のとおりです。

  • 生活習慣の乱れ
  • 心的ストレス
  • 薬やアルコール
  • からだの病気
  • こころの病気

順番に解説していきます。

生活習慣の乱れ

不規則な生活習慣の乱れは、入眠障害の原因です。
仕事が夜勤シフトなどの生活が長く続くことで体内時計が乱れます。
また、海外出張や旅行などでの時差ボケも、入眠障害の原因の1つです。

心的ストレス

人間関係や仕事の悩み事など、ストレスを感じることにより入眠障害を引き起こします。
ストレスというと、ネガティブなイメージのみを想像してしまいがちです。
しかし、楽しいことや嬉しいことがあった場合も、人は無意識にストレスを感じています。

生活環境の変化や、翌日にイベントが控えている場合に寝つきにくく感じるのもこのためです。

薬やアルコール

抗がん剤やステロイドの影響により、入眠障害になる場合があります。
また、アルコールやカフェイン、タバコに含まれるニコチンなども原因の1つです。
アルコールやカフェインなどの過剰摂取は、睡眠の質を低下させることが分かっています。

からだの病気

糖尿病や高血圧などの生活習慣病などがある場合、入眠障害を併発することがあります。
呼吸器疾患に伴う発熱、湿疹などによるかゆみも寝つきが悪くなる原因です。
また、外傷による痛みなども入眠障害が起きるきっかけとなります。

こころの病気

うつ病や不安障害など、精神疾患を患う方の多くに不眠症状がみられます。
寝付けないことが不安の種となり、
「今日も眠れないかもしれない」

「ずっと眠れなかったらこの先どうなるのか」
などと考え込んでしまうことで更に眠れない状態に陥ります。

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入眠障害の予防・改善方法

睡眠の質を良くし、入眠障害を改善または予防するための方法は以下のとおりです。

  • 規則正しい生活
  • 睡眠時間にこだわらない
  • 寝る前はカフェイン摂取をしない
  • 寝室などの環境づくり
  • 昼寝は午後3時まで

それぞれ解説します。

規則正しい生活

休日、平日問わず、毎日同じ時間に起きることで体内時計の乱れを防ぎます。
少し汗ばむような適度な運動も、入眠障害の予防には効果的です。

睡眠時間にこだわらない

「〇時間は必ず寝なくてはならない」などとこだわらないようにしましょう。
適切な睡眠時間は人それぞれであり、定義があるわけではありません。
大切なのは「何時間眠るのか」ではなく、「質の高い睡眠をとること」です。

寝る前はカフェイン摂取をしない

就寝前のカフェインやニコチン摂取は、身体を興奮状態にさせ眠りを妨げます。
コーヒーを飲む習慣がある方は、夜だけはカフェインレスにするなどの工夫をしましょう。

寝室などの環境づくり

ベッドや枕など、自分に合った寝具を選びましょう。
また、照明も質の良い睡眠をとるためには重要なアイテムです。
就寝前は暗めの照明にするなど、リラックスした状態で眠れるようにしましょう。

昼寝は午後3時まで

昼寝をする場合は、午後3時までに切り上げましょう。
夕方にかけての昼寝は、夜の寝つきを悪くします。
また、昼寝時間は20分ほどに留めましょう。

短めの昼寝は集中力をアップさせ、作業能力の低下を防ぐといわれています。

 

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入眠障害などの不眠症の治療薬

入眠障害をはじめとする不眠症の薬は主に以下の3種類です。

  • GABA受容体作動薬
  • メラトニン受容体作動薬
  • オレキシン受容体拮抗薬

それぞれ解説します。

GABA受容体作動薬

脳の興奮を抑えるGABAガンマアミノ酪酸という神経伝達物質の働きを促す薬です。
脳の活動を休ませることにより、眠りへと導きます。

薬の構造上の違いで、

  • ベンゾジアゼピン系睡眠薬
  • 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

の2種類に分けられています。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、効果が強く即効性のある薬です。
ただ、長期服用すると薬効に慣れ、依存性が高まるというデメリットがあります。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、効果はマイルドですが依存性が少ない薬です。
そのため、強い不眠症状がある方への効果は望めない可能性があります。

メラトニン受容体作動薬

体内時計を調節する働きがあるホルモンとして知られているのがメラトニンです。
メラトニン受容体作動薬は、メラトニンと同じ働きをします。
昼夜逆転現象などを改善し、睡眠リズムを整える薬です。

依存性は極めて少ないといわれていますが、副作用として眠気の残存や頭痛があります。

オレキシン受容体拮抗薬

起きている状態を維持する脳内物質である、オレキシンの働きを抑える効果があります。
脳の覚醒システムを抑制することで、脳を覚醒状態から睡眠状態へと移行させる薬です。
脳を鎮静状態にするGABA受容体に作用するものとは異なり、自然に近い睡眠となります。

市販薬と処方薬の違い

入眠障害の薬は、市販薬と処方薬によって違いがあります。
それぞれの違いを表にしました。

項目\薬の種類睡眠改善薬睡眠薬・睡眠導入剤
入手方法薬局・ドラッグストア病院(医師の処方が必要)
対象寝つきが悪い・眠りが浅いといった一時的な不眠症状不眠症

症状に合わせて、適切な薬を服用しましょう。

 

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入眠障害など不眠におすすめの漢方

睡眠薬などの西洋薬に対し、不眠に効く漢方薬も存在します。

  • 加味帰脾湯(カミキヒトウ)
  • 桂枝加竜骨牡蠣湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)
  • 酸棗仁湯(サンソウニントウ)
  • 加味逍遙散(カミショウヨウサン)

1つずつ解説します。

加味帰脾湯

精神的な不安感や不眠症状を改善する漢方薬です。
気持ちを落ち着かせて精神を安定させる効果があるため、眠りが浅い方に向いています。

桂枝加竜骨牡蠣湯

なかなか寝つけない方におすすめの漢方薬です。
神経の高ぶりを鎮め、不安定な精神を落ち着かせる効果があります。

酸棗仁湯

入眠がスムーズにできない方に効果がある漢方薬です。
不眠症に用いる代表的な薬であり、神経を鎮めて寝つきを良くします。

加味逍遙散

更年期によるのぼせなど、女性特有の症状に効果がある漢方薬です。
自律神経を調整し、イライラを抑えながら血行を促進させます。

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入眠障害以外の不眠症

不眠症には、入眠障害以外に以下の3つの症状があります。

  • 中途覚醒
  • 早朝覚醒
  • 熟眠障害

それぞれ解説します。

中途覚醒

いったん眠りに入っても、翌朝がくるまでに何度も目が覚める状態です。
中途覚醒は、加齢によって眠りが浅くなる中高年や高齢者の方に多くみられます。

早朝覚醒

自分が起きたい時間の2時間前には目が覚めて、その後寝付けない状態です。
高齢者の方によくみられる症状であり、うつ病の方にも多い不眠症状といわれています。

熟眠障害

睡眠時間は十分に確保しているものの、ぐっすり眠った感じがしない状態です。
睡眠時無呼吸症候群など、睡眠中にあらわれる病気が関係していることもあります。
自分ではなかなか気づきにくい症状のため、注意が必要です。

睡眠障害も生活習慣病の一つ?

入眠障害などの睡眠障害は近年、生活習慣病の1つだと考えられています。
健康的な日常生活を送る上で、非常に大切な要素となるのが睡眠です。
長期にわたって睡眠障害を放置することは、私たちの健康を脅かす原因になります。

日本人は睡眠が少ない

厚生労働省が、就労者の睡眠時間の国際比較をしたデータがあります。
データによると、日本人の就労者の睡眠時間は

  • 男性…7.52時間
  • 女性…7.33時間

となっており、11か国中、睡眠時間がもっとも短いことが分かりました。
特に女性では、睡眠時間最長のフランスとの差は1時間以上です。
日本人男性と比較しても、20分ほどの差があります。

日本の女性の家事・育児の負担が大きいことが数字にも表れている結果となりました。
出典:厚生労働省【睡眠と生活習慣病との深い関係

睡眠と生活習慣病との関係

睡眠と生活習慣病は、とても深い関係にあるということが分かっています。
睡眠時無呼吸症候群や不眠症の併発が多いことも、生活習慣病患者の方の特徴です。
多くの研究により、睡眠障害が生活習慣病の罹患リスクを高めることも示唆されています。

睡眠障害は生活習慣病

不規則な食事や運動不足は、睡眠の質を著しく低下させます。
ただ、生活習慣を改善することができれば、良質な睡眠を保つこともできます。
規則正しい生活・適度な運動・正しい睡眠習慣のすべてが繋がっているのです。

睡眠障害も生活習慣病の1つだと考え、できることから改善していきましょう。

 

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入眠障害のまとめ

ここまで、入眠障害について解説してきました。
入眠障害についての要点は以下のとおりです。

  • 入眠障害になる原因は、生活習慣の乱れやストレス、環境の変化など
  • 入眠障害の予防策は、規則正しい生活をして、睡眠時間にこだわらないことなど
  • 入眠障害の改善策は、睡眠に適した環境づくりや、昼寝の時間帯に注意すること
  • 入眠障害の治療薬は、睡眠をサポートする睡眠薬や、体質改善を行う漢方薬がある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
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