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トップページ>健康お役立ち記事>高齢者の病気>白内障の手術費用はいくらになる?高額療養費制度についても説明

白内障の手術費用はいくらになる?高額療養費制度についても説明

高齢化が進む日本国内では80歳以上のほぼ100%が白内障を発症するともいわれています。
もし発症した場合は最終的には手術し、視力を回復させます。
誰しもがなりえる白内障ですが、手術費用はどれくらいなのかご存知でしょうか?

本記事では白内障の手術費用について以下の点を中心にご紹介します。

  • 白内障の手術費用はどれくらい?
  • 高齢者の場合、手術費用は変わるの?
  • 手術後は入院が必要?

白内障の手術費用について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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白内障とは

白内障とは水晶体が白く濁って視界が見えにくくなる目の病気です。
おもに50代から80代の方の発症が多く見られ、40代で発症するケースもあります。

水晶体は、目の組織の中でカメラのレンズのような役割があります。
外部から入ってきた光を屈折させて集め、ピントを合わせる働きをします。

水晶体はおもにたんぱく質と水でできており、通常は透明の組織です。
しかし、加齢がすすむと水晶体のたんぱく質が変性して白く濁ります。
そのため、集めた光が眼底に届かず見えにくくなる症状を引き起こします。

発症する原因はさまざまですが、その多くは加齢によるものです。
「加齢性白内障」といわれています。
しかし健康な方でも40歳前後から発症し、徐々に進行していく場合があります

白内障は、発症したばかりの時は自覚症状がないことがほとんどです。
水晶体の周りからじわじわと濁り出し、徐々に角膜の中心が白くなっていきます。

80歳以上の方のほぼ100%が白内障を発症するというデータもあります。
老化による「加齢現象」といえるのかもしれません。

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白内障の手術費用

白内障は徐々に症状が進行していきます。
どのタイミングで手術をすべきなのか、その基準は、はっきり決められていません。
しかし以下のような症状が当てはまった場合は、医師に相談することをおすすめします。

  • 細かな字が見えにくく仕事に支障が出ている
  • 視力が0.7以下になり、免許証の更新ができない
  • 外の光がまぶしく視界がかすむ

症状を放置しておくと失明の恐れがあり危険です。
ひと昔前は、症状がある程度進行してから手術をおこなっていました。
しかし近年は早い段階で手術を受ける方も増えつつあります。

白内障の治療には「点眼薬」と「手術」の2つの方法が挙げられます。
点眼薬では症状の進行を遅らせることはできますが、白い濁りを取ることはできません。
最終的に眼内レンズ(人工の水晶体)を入れる手術が一般的な治療法です。

白内障の手術は保険適用内

白内障の手術には大きく分けて2種類あります。
「単焦点レンズを使う」場合と「多焦点レンズを使う」場合です。

一般的な手術は「単焦点レンズ」を使ったものです。
健康保険が適用され手術費用を抑えられます。

白内障の手術は、おもに「超音波水晶体乳化吸引術」といわれる方法が多く用いられます。
点眼麻酔(局所)し角膜に切れ目を入れ、濁った水晶体を超音波で砕いて吸引します。
濁った水晶体を取り除いたところに眼内レンズを挿入します。

痛みのない手術で、年間100万件近くの白内障手術がおこなわれています
手術をおこなうことで日常生活を送るうえで支障のない視力回復が期待できます。

単焦点レンズの治療では遠方にピントが合うため、近い距離を見るとぼやけてしまいます。老眼や乱視などは改善されません。
そのため日常で、もともとメガネを使用していた方は手術後もメガネは必要になります。

費用相場一覧

保険内の手術費用は、治療内容や所得金額に応じて異なります。
では一般的に行われる「白内障の手術費用」の相場を見ていきましょう。

【健康保険が適用される単焦点レンズの手術費用の相場】

年齢自己負担額片目両目
70歳未満3割4万5,000円9万円
70~74歳2割3万円6万円
75歳以上1割1万5,000円3万円

手術の費用は、使用する眼内レンズや手術の方法によって異なります。
一般的な白内障手術には健康保険が適用される「単焦点レンズ」を用います。
両目を手術する場合は、片目の手術1週間後に、反対側の手術をするケースが多いようです。両目の手術では、金額は2倍になります。

多焦点レンズやレーザー治療などは自由に選べますが、保険適用外のものがほとんどです。治療費は高額の傾向があります。

多焦点眼内レンズの費用

ひと昔前までは、白内障手術といえば「単焦点レンズ」しか選択肢がありませんでした。
しかし単焦点レンズはひとつの距離にしかピントが合いません。
手術後も老眼鏡などが必要になります。
そこで登場したのが「多焦点レンズ」です。

では「多焦点レンズ」はどのようなものなのでしょうか?
また手術費用はどれくらいなのかも解説いたします。

多焦点眼内レンズとは

多焦点レンズには「2焦点レンズ」と「3焦点レンズ」があります。

2焦点レンズは、遠方と近方(30〜40cm)にピントが合います。
3焦点レンズは、遠方と近方のほかに中間距離も見えやすくなります。

このように、単焦点レンズと比べると、ピントの合う場所が多いということになります。

多焦点レンズは近視・遠視・老眼を一度に治療できるため裸眼で生活したい方には適しています。
手術後はメガネやコンタクトレンズはあまり必要がなくなるメリットがあります。

費用相場一覧

多焦点レンズは種類によって金額が大きく異なります。
日本で許可されている多焦点レンズは「選定療養」という保険適用になるものがあります。

選定療養とは、日本で許可されていますが、保険費用とレンズの差額分の費用が必要です。
自由診療では、未許可のレンズを使用します。

【多焦点レンズの手術費用相場】

手術で使用する方法費用
保険適用の多焦点レンズ健康保険が適用。「単焦点レンズ」とほぼ同じ費用
選定療養の場合片目:20万~25万円程度 (両目の場合は2倍)
自由診療の場合片目:40万~60万円程度 (両目の場合は2倍)

レーザー白内障手術の費用

白内障手術は「精度が高くさらに時間をかけたくない」という特徴がある「レーザー白内障手術」という治療法があります。

レーザー白内障手術とは

レーザー白内障手術は2008年にヨーロッパで初めて行われました。
現在では、世界の50ヵ国以上で導入されている最先端医療です。
ミクロン単位の精度の高い手術が可能で、術後の回復も早いといわれています。
また合併症のリスクも低く、安全性が高く評価されています。

費用相場一覧

レーザー白内障手術は「自由診療」のため保険適用ではありません。

【レーザーを使用した白内障手術費用相場】

使用するレンズ費用
単焦点レンズ33万円~
多焦点レンズ55万円~

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高額療養費制度とは

医療機関で健康保険証を提示することで3割の自己負担(小学生〜70歳未満)となります。
しかしその支払いが、上限金額に達した時にその差額が戻ってくる制度を「高額療養費制度」といいます。

高額療養費制度の仕組み

窓口での医療費の支払いが高額の場合に、生活を圧迫しないよう設けられた制度です。

同一月(同じ月の1日~末日)の医療費の自己負担額が一定額を超えた分を市町村や協会けんぽ、健康保険組合が負担し還付されるという仕組みです。

自己負担限度額は「健康保険」か「国民健康保険」かで異なり、年収も大きく影響します。
70歳未満の方は医療機関で支払った同月の自己負担額2万1000円以上の分を合算できます。

70歳以上の場合は、金額に関係なく自己負担額を合算できます。

ほかに同じ月に一つの医療機関を受診しても「医科」と「歯科」、また「外来」か「入院」かで分けて計算されます。

高額医療制度は、白内障だけでなくすべての医療費を対象としています。
しかし入院した場合の差額ベット代や入院食事代、先進医療の技術料は非対象です。

ここで気を付けたいのが限度額の計算は「同じ月」であるということです。
医療費は1日~末日までを一区切りにして計算します。
そのため、同月内で上限金額に達しなければ還付の対象になりません。
翌月にかからないように同じ月にすることで自己負担額を抑えられます。

高額療養費制度の申請方法

申請は、窓口で医療費を支払ったあとに「高額医療制度の申請書」に記入し提出します。

申請書の入手方法は以下の通りです。

  • 協会けんぽのホームページからダウンロード
  • 申請書をネットプリントから出力(コンビニエンスストアで印刷可能)
  • 協会けんぽに連絡して郵送してもらう など

申請書の記入後、公的医療保険へ提出(郵送)します。
このときに医療費の領収書の添付が必要になることがあります。
還付金の支給は、明細書の審査があるため受診した月から最低3ヵ月以上かかります。

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手術後は入院が必要?

手術と聞くと「入院が必要」とイメージされる方も多いと思います。
しかし白内障の手術は局所麻酔で手術自体も約30分程度で終わります。

必ず入院するということではありません

手術は日帰りもできる

手術は短時間で終わりますが、手術後は3〜5時間ほど安静にする必要があります。
他に併発している病気がない場合や、仕事や用事でその日のうちに帰宅したい方は日帰りすることは可能です。

ただし白内障の手術で入院が必要な場合があります。

  • 自宅が遠方で通院が困難な方
  • 白内障のほかに病気がある方
  • 眼帯をして周りが見えにくいと感じる方

帰宅しても送迎など家族の協力を得られない場合や、両目に白内障を発症している場合は、眼帯をすると視界が悪くなり危険であるという観点から、入院が必要になります。

入院費用

民間の医療保険には、入院保障が付いているものが多くあります。
その場合は日帰りではなく入院した方が給付金が下りるという金銭的な利点もあります。

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手術後は経過観察も必要

手術のあとは通院が1ヵ月〜3ヵ月ほど必要になります。
病院によってその期間は異なりますが、手術の翌日に眼帯を外し点眼薬で炎症を抑えます。
眼帯が取れれば、ほとんどの方がすぐ見えるようになります。
疲れない程度に目を使うのは問題ありません。

しかし手術後に気を付けなくてはならないのが「感染症」です。
眼内に細菌などが入らないように洗顔やメイクは5日間程度できなくなります。
目に水が入らないようにする、目をこすらない、目を押さえないなど注意が必要です。
また激しい運動なども1ヵ月ほどは避けるようにします。

仕事は早い段階で復帰でき日常生活に戻れます。
しかし、全身状態や仕事での目の使い方もそれぞれ違うため、医師に相談すると安心です。

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白内障検査の費用

目の状態によって検査内容は異なりますが、白内障の基本的な検査費用は1,000円〜3,000円程度です。

  • 白内障であるか診断するための検査
  • 白内障の手術前におこなう検査
  • 白内障の手術後におこなう検査

白内障を診断するためには、以下のような検査をします。

検査項目検査内容
視力検査裸眼の視力と矯正視力(メガネ着用など)を測定する
目の屈折検査近視や乱視などの屈折異常がないか調べる
角膜形状解析検査挿入する眼内レンズを決めるため角膜の湾曲の度合いを測る
眼底検査視神経や網膜などに異常がないか調べる
眼圧検査眼圧を測り他に目の病気がないか調べる
細隙灯顕微鏡検査水晶体の濁りの度合いを確認する

上記の検査をして、もし異常が見られた場合はさらに詳しい検査をしていきます。

手術をする前には「角膜の丸み」や「角膜から水晶体までの距離」を測定し、眼内レンズを最終的に決定します。

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白内障の年間手術件数

白内障の手術は、高齢化が進む日本では数多くおこなわれています。
1990年代では年間60万件ほどだったのが、ここ数年、手術件数が大きく増加しています。
2017年の年間手術件数をみると、全国の白内障の手術は100万件を超えています。
高齢化、白内障の手術の選択肢増加、若い世代も手術を受けやすくなったということが理由として挙げられるのではないでしょうか。

また2019年の白内障の手術件数を集計したデータでは、目の不調で受診した方のほとんどが白内障の眼内レンズ挿入の手術を受けているという結果があります。

白内障は加齢、糖尿病、アトピー性皮膚炎の合併症、目の薬剤によって発症します。
点眼よりも手術で毎日の生活をより快適なものにしたいと考える方が多いことのあらわれではないでしょうか。

出典:厚生労働省【https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000821383.pdf

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白内障の手術費用まとめ

ここまで白内障の手術費用についてお伝えしてきました。
白内障の手術費用の要点をまとめると以下の通りです。

  • 白内障の手術費用は保険適用で1万5,000円~4万5,000円
  • 高額療養費制度で自己負担額を抑えられる
  • 条件がそろえば日帰り手術も可能

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
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