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トップページ>健康お役立ち記事>乳酸>乳酸アシドーシスと糖尿病の関係とは?症状と起こしやすい人を説明

乳酸アシドーシスと糖尿病の関係とは?症状と起こしやすい人を説明

乳酸アシドーシスは、疾患や薬剤の副作用によって引き起こされる現象です。
致死率は50%で、特に糖尿病患者の方は起こりやすいと指摘されています。
なぜ、糖尿病患者の方は乳酸アシドーシスになりやすいのでしょうか。

本記事では、乳酸アシドーシスと糖尿病について、以下の点を中心にご紹介します。

  • そもそも乳酸アシドーシスとは
  • 糖尿病の方が乳酸アシドーシスになりやすい理由
  • 糖尿病以外で乳酸アシドーシスのリスクが高いのは

乳酸アシドーシスと糖尿病について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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乳酸アシドーシスとは

乳酸アシドーシスとは、体内に過剰な乳酸が溜まることで起こるアシドーシスです。
アシドーシスは、体内に過剰な酸が発生することで、血液が酸性に傾いた状態を指します。

具体的には、血液の水素イオン濃度が正常域(7.4±0.05)より低くなると、アシドーシスと診断されます。

乳酸アシドーシスの多くは、体内での乳酸の過剰な生産や、乳酸の代謝低下に起因します。
アシドーシスには代謝性と呼吸性の2種類があり、乳酸アシドーシスは代謝性に分類されています。

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乳酸アシドーシスと糖尿病の関係性

糖尿病の方は乳酸アシドーシスになりやすいと指摘されています。
なぜ糖尿病が乳酸アシドーシスを引き起こすのか、原因や仕組みについてご紹介します。

2型糖尿病の治療による副作用

乳酸アシドーシスが起こりやすいのは、糖尿病の中でも2型糖尿病の方です。
2型糖尿病は日本人に多くみられるタイプで、原因として生活習慣病や体質が指摘されています。

2型糖尿病の方が乳酸アシドーシスになりやすい理由は、糖尿病の治療薬にあります。
現在は、2型糖尿病の治療にはビグアナイド薬を用いることが一般的です。

代表的な薬剤はメトホルミンです。
メトホルミンなどのビグアナイド薬が乳酸アシドーシスを引き起こす仕組みについては、次項で解説します。

糖尿病治療で乳酸アシドーシスになる原因

ビグアナイド薬が乳酸アシドーシスを引き起こす理由は、肝臓の糖新生を抑制するためです。

糖新生とは、糖以外の物質からグルコースを生み出す仕組みです。
糖以外の物質とは、たとえば乳酸やピルビン酸が代表的です。

通常であれば、体内の乳酸は肝臓の糖新生によって消費されます。
しかしビグアナイド薬を服用すると、糖新生が抑制されるため、肝臓で乳酸が消費されなくなります。

つまり体内には過剰な乳酸が蓄積されやすくなるため、結果として乳酸アシドーシスが起こりやすくなります。

出典:厚生労働省【乳酸 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
出典:厚生労働省【ブドウ糖 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

乳酸アシドーシスでみられる症状

乳酸アシドーシスの初期では、多くの場合、以下のような症状があらわれます。

  • 悪心
  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 下痢
  • 筋肉痛
  • 倦怠感

症状が進行すると、次のような症状があらわれることもあります。

  • 過呼吸
  • 脱水
  • 低血圧
  • 低体温
  • 昏睡

乳酸アシドーシスが重症化すると、命を落とすこともあります。
実際に乳酸アシドーシスの致死率は50%と指摘されています。

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乳酸アシドーシスへの特効薬はある?

近年の研究により、PHD阻害剤が乳酸アシドーシスの治療に役立つ可能性があることが分かってきました。

PHD阻害剤は、血中の乳酸を筋肉・腎臓へ取り込む作用があります。
簡単にいえば血中の乳酸を減らすことで、乳酸アシドーシスを抑制するというわけです。

マウスを使った実験では、PHD阻害剤の投与によって、乳酸アシドーシスによる死亡率が劇的に下がりました。

PHD阻害薬による人間の乳酸アシドーシスへの有用性はまだ実証されていません。
今後の研究次第では、PHD阻害薬が人間の乳酸アシドーシスの有効な治療薬となる可能性があります。

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糖尿病以外に乳酸アシドーシスを起こしやすい人

乳酸アシドーシスは、糖尿病患者の方にリスクが高いと指摘されています。
しかし実は、糖尿病以外の疾患が乳酸アシドーシスの引き金になることがあります。

乳酸アシドーシスが起こりやすいのは、たとえば以下のような条件に該当する方です。

乳酸アシドーシスの既往

過去に乳酸アシドーシスを起こしたことがある方は、再発しやすいと指摘されています。
そのため乳酸アシドーシスの既往がある方は、メトホルミンなどの服用は慎重に行う必要があります。

腎機能障害(軽度障害を含む)

腎機能障害の方は、ビグアナイド薬によって乳酸アシドーシスになるリスクが高めです。
理由は、ビグアナイド薬のメトホルミンは腎臓で処理された後、体外に排出されるためです。

腎機能が低下している方は、腎臓でのメトホルミンの処理がうまく行われない可能性があります。

つまり体内に過剰なメトホルミンが蓄積されやすくなるため、乳酸アシドーシスのリスクも高くなります。

腎機能障害がある方は、メトホルミン以外で乳酸アシドーシスを起こすこともあります。
代表的な薬剤としては、CT検査などに用いるヨード造影剤が挙げられます。

透析患者(腹膜透析を含む)

透析を受けている方は、乳酸アシドーシスのリスクが高くなります。
透析とは、機械を用いて人工的に血中の老廃物を取り除く方法です。

たとえば腎機能が低下している方は、自力で血中の老廃物を処理できません。
そのため、数日おきに透析をうけて、血中の老廃物を取り除く必要があります。

簡単にいえば、透析とは定期的なゴミ捨てです。
次のゴミ捨て日(透析日)までは、体内にはゴミ(老廃物)が溜まったままになります。

つまり次の透析日まで、体内に入ったメトホルミンは腎臓に蓄積されることになります。
結果として血中に乳酸が増えやすくなるため、乳酸アシドーシスが起こる可能性があります。

肝機能障害

乳酸は肝臓で処理され、身体のエネルギーに変換されます。
肝機能が低下している方は、肝臓での乳酸の処理がうまく行われません。

結果として体内に乳酸が増えやすくなるため、血液が酸性に傾きやすくなります。

心血管系、肺機能に障害のある患者

心臓・肺などの循環器系に疾患がある方は、乳酸アシドーシスが起こりやすいと指摘されています。

理由は2つあります。
1つめは、循環器系疾患では嫌気解糖が起こりやすくなるためです。

嫌気解糖とは、酸素を使わずにエネルギーを生み出す仕組みのことです。
たとえば心筋梗塞などの心疾患が起こると、体内には酸素をうまく取り込めなくなります。

身体は酸素を使わない嫌気解糖を行うことで、生命活動に必要なエネルギーを生み出します。

嫌気解糖の際には、大量の乳酸が生成されます。
体内に過剰な乳酸が蓄積されやすくなるため、乳酸アシドーシスのリスクが高まります。

2つめの理由は、循環器系の障害は肝機能の低下につながりやすいためです。
循環器系の疾患があると、酸素をうまく取り込めなくなるため、体内の血液・酸素の循環が滞りやすくなります。

肝臓への血液・酸素供給が低下すると、肝機能の低下につながります。
肝臓は乳酸の処理を行うため、機能が低下すると体内に過剰な乳酸が増えやすくなります。

ちなみに、循環器系トラブルが原因で起こる乳酸アシドーシスは、A型と呼ばれます。
A型乳酸アシドーシスは、乳酸アシドーシスの中でも比較的致死率の高いタイプです。

適度のアルコール摂取患者

飲酒習慣がある方は、ビグアナイド薬などの服用によって、乳酸アシドーシスが起こる可能性があります。

アルコールは肝機能を低下させて、乳酸の処理を妨げる作用があるためです。
さらにアルコールには、肝臓での糖の新生を妨げる作用もあります。

糖の新生とは、乳酸などを原料にエネルギーを生み出す仕組みのことです。
乳酸代謝の低下・糖新生の抑制は、いずれも血中に乳酸が増えやすくなる要因です。

脱水症・胃腸障害

脱水は乳酸アシドーシスのリスクを高めます。
脱水とは、体内の水分が不足した状態です。

水分が不足すると血液量が減るため、全身の血行が停滞します。
すると肝臓をはじめ内臓の働きが低下し、結果として乳酸の処理にも支障が出やすくなります。

脱水が起こりやすいのは、夏場・スポーツ時などの大量発汗が起きやすいタイミングです。
あるいは、胃腸障害も脱水を招くことがあります。

胃腸障害によって下痢・嘔吐が増えると、排泄物と一緒に大量の水分が流出するためです。
そのほか、利尿作用があるアルコール・カフェインの摂りすぎも脱水の一因です。

高齢者・全身疾患がある方は、シックデイの脱水に注意しましょう。
シックデイとは、「病気になったとき」を指します。

病気になると、発熱による脱水や食欲不振による経口摂取不良が起こります。
結果として、乳酸アシドーシスが起こることは少なくありません。

妊婦

妊娠中の方は乳酸アシドーシスが起こりやすいと指摘されています。
原因の1つとして、つわりなどによる経口摂取不良・脱水などが挙げられます。

栄養不良・水分摂取不足は、内臓の働きや血液循環を悪化させるため、乳酸アシドーシスのリスクを高めます。

重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者

重篤な感染症・外傷がある方や手術前後の方は、さまざまな理由から乳酸アシドーシスのリスクが高くなります。

そのため、メトホルミンなどのビグアナイド薬の服用は特に慎重に行う必要があります。

薬の使い方

乳酸アシドーシスを発現する糖尿病患者は稀

乳酸アシドーシスの原因の1つとして、糖尿病治療薬のメトホルミンが指摘されています。
ただし、メトホルミンを服用した方が必ず乳酸アシドーシスになるわけではありません。

厚生労働省のデータを参照します。
2型糖尿病患者28万3,491例のうち、乳酸アシドーシスが認められたのは30例でした。

10万人あたりで大まかに換算すると、乳酸アシドーシスの発生率は1年間で5.95人となります。

厚生労働省は、メトホルミンによる乳酸アシドーシスの発生率はさほど高くないとしています。
出典:厚生労働省【医薬品等の安全に係わる調査結果報告書

乳酸アシドーシスと糖尿病のまとめ

ここまで、乳酸アシドーシスと糖尿病についてお伝えしてきました。
乳酸アシドーシスと糖尿病の要点を以下にまとめます。

  • そもそも乳酸アシドーシスとは、体内に乳酸が過剰に蓄積することで、血液が酸性に傾く状態
  • 糖尿病の方が乳酸アシドーシスになりやすい理由は、治療薬であるメトホルミンが関係している
  • 糖尿病以外で乳酸アシドーシスのリスクが高いのは、腎臓障害・肝障害・循環器系疾患がある方や脱水症状がある方など

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
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