【最新】健康診断で肝機能の数値(AST・ALT・γ-GTP)に引っかかったら?原因・基準値・再検査の流れ・改善法を徹底解説

健康診断の結果表で「AST(GOT)」「ALT(GPT)」「γ-GTP」などの数値が高く、「要再検査」「要経過観察」と書かれていて不安になっていませんか?

成人男性の約3人に1人が何らかの肝機能異常を抱えていると言われていますが、肝臓は痛みなどの自覚症状が出にくい「沈黙の臓器」です。症状が現れた時には病気がかなり進行しているケースも少なくありません。

手遅れを防ぎ、健全な身体を維持するためには、健康診断で自身の肝機能を正しく把握し、早期に対策を打つことが不可欠です。

本記事では、40代以上の方が知っておくべき肝機能検査項目の基本と最新の基準値をはじめ、数値が変動する原因、前日・当日の食事の影響、再検査でやるべきこと、さらに数値を改善するための食事・運動・飲酒のルールまで詳しく解説します。

目次

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【まず結論】この記事の重要ポイント

  • 肝機能検査の目的(肝細胞の破壊・炎症時に血液中へ漏れ出る酵素(AST・ALT・γ-GTP等)の量の測定)
  • 数値が高くなる3大要因(①脂肪肝(過剰な脂質・糖質・体重増加) ②アルコール(過度な飲酒) ③ウイルス・薬剤性)
  • 前日・当日の影響(前日のアルコール摂取、高脂質食、激しい運動による一時的な検査値上昇の防止)
  • 要再検査時の対応(放置せず、速やかな「消化器内科」の受診および精密検査(再採血・腹部超音波等)の受診)
  • 改善策(バランスの良い食事、有酸素運動、節度ある適度な飲酒(1日純アルコール20g程度・休肝日の設定)の実践)

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肝臓の役割と「沈黙の臓器」と呼ばれる理由

肝臓は右上腹部に位置し、成人で約1.0〜1.5kgもある体内で最も大きな臓器の一つです。強い再生能力を持ち、臓器の一部を切除しても元の大きさに戻るほどのパワーを持っています。

肝臓には、主に以下の3つの重要な役割があります。

  • 代謝・貯蔵機能(胃や腸で吸収された栄養素を体内で利用しやすい形に化学変化させ、エネルギーとして貯蔵・分配する機能)
  • 解毒・排出機能(アルコール、アンモニア、薬物などの有害物質を分解・無毒化し、体外へ排泄する機能)
  • 胆汁の生成・分泌(脂質の消化・吸収を助ける「胆汁」を生成する機能)

なぜ「沈黙の臓器」と呼ばれるのか?

肝臓の内部には知覚神経(痛みを感じる神経)がありません。そのため、炎症が起きたり細胞が破壊されたりしても、初期段階では痛みやだるさなどの自覚症状がほとんど出ないのです。

黄疸(皮膚や目が黄色くなる)や腹水、強い倦怠感などの症状が出た時には、すでに肝硬変や肝がんなどの深刻な状態まで進行していることが多いため、無症状のうちに健康診断で変化に気づくことが何より重要なのです。

健康診断で調べる主な肝機能検査項目と最新基準値一覧

血液検査で確認する肝機能の主要な項目と、一般的な判定基準値です。

主な肝機能検査項目の基準値一覧

検査項目正式名称 / 概要基準値の目安主な異常時の原因・疾患
AST(GOT)アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
(肝細胞や心筋・骨格筋に存在する酵素)
30 U/L(IU/L)以下脂肪肝、アルコール性肝障害、肝炎、心筋梗塞、激しい運動
ALT(GPT)アラニンアミノトランスフェラーゼ
(主に肝細胞に多く存在する酵素)
30 U/L(IU/L)以下脂肪肝(特に肥満性)、急性・慢性肝炎、薬剤性肝障害
γ-GTP(γ-GT)ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ
(胆管細胞や肝臓に存在する酵素)
男性:50 U/L以下
女性:30 U/L以下
アルコール性肝障害、胆石・胆道閉塞、薬物障害
ALPアルカリフォスファターゼ
(胆汁の通り道や骨・小腸に多く含まれる酵素)
38〜113 U/L
(※IFCC標準化法)
胆石症、胆道疾患、骨疾患、肝がん
総蛋白(TP)血液中のすべてのタンパク質の総量6.5〜7.9 g/dL低値:肝臓合成機能低下、栄養不良
アルブミン(Alb)肝臓でのみ作られる代表的なタンパク質3.9 g/dL以上低値:重度肝障害、栄養不全、ネフローゼ
総ビリルビン(T-Bil)赤血球の破壊で生じる黄色い色素0.2〜1.2 mg/dL高値:黄疸、肝炎、肝硬変、胆石、溶血性貧血

※日本人間ドック・予防医療学会等の最新の判定基準に準拠。自治体や検査機関により多少数値が異なる場合があります。

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肝機能の数値が高い(または低い)原因

健康診断で数値の異常を指摘された場合、以下のような原因が考えられます。

【数値異常の主な背景】

◆ AST・ALTの上昇 ──────> 脂肪肝、ウイルス性肝炎、薬剤性
◆ γ-GTPの上昇 ────────> 過度な飲酒、胆道疾患
◆ 総蛋白・アルブミンの低下 ──> 肝機能の低下(合成能障害)、低栄養

1. 数値が高い(高値)主な原因

① 脂肪肝(MASLD / MASH)

ASTやALTが上昇する最大の原因が「脂肪肝」です。原因不明の肝機能障害の約7〜8割が脂肪肝によるものという研究報告もあります。

近年では、お酒を飲まない方の脂肪肝を「MASLD(代謝異常関連脂肪性肝疾患)」、それが進行して炎症を起こした状態を「MASH(代謝異常関連脂肪肝炎)」と呼び、放置すると肝硬変へ進行するため、40代以降の肥満や高血圧・糖尿病に伴う脂肪肝への注意が呼びかけられています。

② アルコール性肝障害

日常的な過度な飲酒により、肝細胞に負担がかかりγ-GTPやASTが顕著に上昇します。

③ ウイルス性肝炎(B型・C型など)

肝炎ウイルス感染により持続的な炎症が起きている状態です。

④ 薬剤性肝障害

普段飲んでいる処方薬、市販の風邪薬、サプリメント、漢方薬などの影響で一時的に肝酵素が跳ね上がることがあります。

2. 数値が低すぎる(低値)主な原因

アルブミンや総蛋白が低値を示す場合、肝臓のタンパク質を「作り出す力」自体が低下している(重度肝障害)か、極端なダイエットや高齢に伴う「低栄養(タンパク質不足)」が疑われます。

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肝機能の数値は「前日・当日の食事」で変わる?正しい受け方

肝機能検査の数値は、直前の生活習慣(食事・お酒・運動)の影響を強く受けます。正確なデータを測定するためにも、健診前後のルールを守りましょう。

前日・当日に控えるべきこと

  • 前日・当日のアルコール摂取(禁酒)(アルコールによるγ-GTPや中性脂肪の急激な上昇の回避)
  • 脂っこい食事・ドカ食い(高脂質・高カロリー食に伴う一時的な血中脂質の上昇防止、前日20時〜21時までの夕食完了と和食中心の徹底)
  • 前日の激しい運動(筋トレ・マラソンなど)(筋肉細胞の損傷による筋肉由来AST(GOT)の流出および「肝機能異常」との誤判定の防止)

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「要再検査」になった場合にするべきこと・何科へ行く?

健康診断で「要再検査」「要精密検査」の判定が出た場合は、放置せず早めに医療機関を受診してください。

1. おすすめの診療科は「消化器内科」

再検査を受ける際は、一般内科よりも肝臓や腹部臓器の専門である「消化器内科」または「肝臓内科」を受診するのが最もスムーズです。

2. 再検査で行われる主な検査内容

再検査の項目検査で分かること
血液精密検査AST/ALTの再確認、肝炎ウイルス検査(HBs抗体・HCV抗体)、血小板数(線維化の度合い)。
腹部超音波(エコー)検査肝臓への脂肪の溜まり具合(脂肪肝)、肝硬変の有無、腫瘍(肝がん)や胆石の有無を画像で直接確認。
問診飲酒歴、普段の食事内容、服薬中の薬やサプリメントの確認。

生活習慣(脂肪肝やアルコール)が要因と判定された場合、まずは食事改善や節酒・運動を行い、3〜6ヶ月後に再び数値を追跡評価するのが一般的です。

肝機能の数値を改善する3つのアプローチ(食事・運動・節酒)

生活習慣の見直しによって、上がってしまった肝機能の数値は十分に改善させることができます。

1. 食事の改善ポイント

  • 高タンパク・低脂質な食事(肝細胞の修復に必要な良質なタンパク質(大豆製品、豆腐、鶏むね肉、白身魚、卵)の摂取)
  • 加工食品・甘いものの制限(肝臓の脂肪へ変換される清涼飲料水、果糖、洋菓子などの糖質過多の抑制)
  • ビタミン・ミネラルの補給(野菜、きのこ、海藻のバランス良い導入)

2. 運動習慣の取り入れ

脂肪肝の改善には、筋肉でのエネルギー消費を高める「有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど)」が最も効果的です。1日20〜30分、週3〜5日を目安にうっすら汗ばむ程度の運動を続けましょう。

3. 適度な飲酒量と「休肝日」のルール

厚生労働省が示す節度ある適度な飲酒量は、1日平均で純アルコール量「約20g程度」です。

【純アルコール20gに相当するお酒の量の目安】
  • ビール中瓶:1本(500ml)
  • 缶チューハイ(7%):1缶(350ml)
  • 日本酒:1合(180ml)
  • ウイスキーダブル:1杯(60ml)

※女性は体内の水分割合が低くアルコール代謝能が低いため、男性の1/2〜2/3程度(純アルコール10g前後)が推奨されます。

また、空腹時のお酒は肝臓への負担が大きいため避けること、週に少なくとも2日はお酒を飲まない「休肝日」を設けて肝臓を休ませることが重要です。

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まとめ:肝機能の数値を定期チェックして早期対策を

健康診断の肝機能についてまとめます。

  • 肝臓は自覚症状が出にくい「沈黙の臓器」であり、健診の血液検査が早期発見の鍵であること
  • AST・ALT・γ-GTPの異常は、主に脂肪肝や過度な飲酒が原因であること
  • 前日のアルコールや脂っこい食事、激しい運動は検査数値に影響するため注意すること
  • 「要再検査」の通知が届いたら、速やかに消化器内科を受診すること
  • バランスの良い食事、有酸素運動、1日純アルコール20g以下の節酒と休肝日で改善を目指すこと

肝機能の数値が悪化しても、早い段階で適切な生活改善に取り組めば、肝臓は元の元気な状態を取り戻すことができます。健診結果を放置せず、今日から肝臓に優しい習慣を始めていきましょう。

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