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トップページ>健康お役立ち記事>うつ>うつ病の症状改善に効果的な食事|食欲がない時の対処法も

うつ病の症状改善に効果的な食事|食欲がない時の対処法も

食事は、うつ病の予防や症状改善において、重要な要素の1つです。
また、うつ病では食欲の低下がみられるため、食べ方の工夫も必要です。

うつ病におすすめの食事とは具体的にどのようなものでしょうか?
また食欲がない場合の食べ方として知っておくべきことは何でしょうか?

本記事では、うつ病におすすめの食事について、以下の点を中心にご紹介します。

  • うつ病の食事で積極的に摂ると良い栄養素は
  • 食欲がないときはどうすれば良いか
  • うつ病の食事で注意することは
  • 食事以外のうつ病対策は

うつ病におすすめの食事について理解するためにも参考にしていただければ幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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うつ病とは

うつ病とは、気分障害の1つです。
具体的には、以下のような精神状態と表現できます。

  • 常に落ち込んでいる
  • 悲観的な状態が続く

私たちは誰もが落ち込んだり悲観的になるなど、憂うつな気分になることがあります。
憂うつな気分からの回復が正常に行われるか否かが、うつ病になるかの分かれ道です。

うつ病では、憂うつな気分を始め、以下のような意欲低下が引き起こされます。

  • 食欲低下
  • 睡眠欲低下
  • 性欲低下

食欲低下により食事の摂取量が減ると、うつ病の症状改善に影響を及ぼすので要注意です。

さらにうつ病は、精神的な症状にとどまらず、身体的な症状も引き起こします。
以下が、うつ病の身体症状の一例です。

疲れやすさだるさ頭痛
めまい肩こり動悸
胃の不快感便秘下痢

精神的・身体的症状があると、思考や運動をすることが難しくなります。
結果、仕事や家事・勉強など、社会的活動に影響が出るのです。

交際や趣味などの社会的活動に支障が出ると、うつ病の症状悪化の懸念が高まります。
負のサイクルに陥らないためにも、食事を始め、できることから改善しましょう。

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うつ病を改善する食事

うつ病を改善する食事を考えるには、栄養素についての知識は重要です。
近年、以下の4つの栄養素がうつ病患者で不足傾向にあることが明らかになりました。

ビタミンビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸
アミノ酸トリプトファン、メチオニン、チロシン
ミネラル鉄、亜鉛
脂肪酸EPA、DHA

うつ病改善のための栄養|ビタミン(葉酸・ビタミンB群)

うつ病を改善する際には、葉酸を含む食べ物を積極的に食べましょう。

葉酸を沢山含むと言われる食材には、以下のものがあります。

  • 枝豆
  • ほうれん草
  • 玄米ごはん
  • 緑茶

なお、葉酸はビタミンB12と一緒に食べると働きがよくなります。
ビタミンB12を含む食材には、レバーや魚などがあります。

ただし、葉酸の長期間の摂取や大量摂取は避け、適度な量を心がけましょう。
理由は、葉酸を過剰摂取すると亜鉛の吸収が阻害されてしまうからです。

通常の食べ物から摂取するのであれば、過剰摂取になる可能性は低いといえます。
サプリメントから葉酸を摂取する場合には、過剰摂取にならないよう注意が必要です。

うつ病改善のための栄養|アミノ酸(トリプトファン・メチオニン)

アミノ酸は体を構成する材料であり、神経伝達物質の材料です。
神経伝達物質も、アミノ酸をもとに体内で作られています。

神経伝達物質「セロトニン」は、睡眠で重要な役割を担う「メラトニン」の材料です。
アミノ酸が不足するとセロトニンが不足し、メラトニンも不足することになります。

メラトニンが不足することで、結果として不眠に繋がる恐れがあります。
メラトニン不足は、うつ病の方が睡眠障害を併発する一因です。

神経伝達物質の材料には、トリプトファンやメチオニンがあります。
トリプトファンやメチオニンは、体内で十分に合成できない必須アミノ酸です。

トリプトファンが豊富な食べ物として、以下が挙げられます。

鶏胸肉牛・豚・鶏のレバー
味噌納豆
乳製品バナナナッツ類

うつ病改善のための栄養|ミネラル(鉄分・亜鉛)

鉄分が不足すると貧血になります。
疲労感や焦燥感、集中力の低下は、うつ病でもみられる症状です。

鉄欠乏性貧血でも、疲労感や焦燥感、集中力の低下などの症状が現れます。
鉄が慢性的に不足すると「うつ症状」が現れるとも表現できるかもしれません。

また亜鉛は、神経伝達物質の1つであるグルタミン酸の働きを支える物質です。
うつ病の食事においても、重要な栄養素の1つとされています。

グルタミン酸には神経を興奮させる効果があり、脳の活性化に関係しています。
また、グルタミン酸は神経の成長および神経のコミュニケーションを促す働きもあります。

亜鉛が欠乏すると味覚障害などの症状がみられます。
濃い味を好むようになってきたら、亜鉛が不足していないか食生活を見直しましょう。

うつ病改善のための栄養|脂肪酸(DHA・EPA)

魚介類に多く含まれる脂肪酸として、DHAやEPAがあります。
DHAやEPAは、サプリメントとしてもドラッグストア等で販売されています。
DHAやEPAの効果としては、動脈硬化予防が有名です。

しかし近年、DHAやEPAには神経保護作用や抗炎症作用もあることが明らかになりました。
そして、神経保護などを通じて、抗うつ作用を発揮する可能性も検討されています。

DHAやEPAを豊富に含む食べ物としては、青背魚(光もの)が代表的です。

  • いわし
  • さば
  • ぶり
  • さんまなど

血液をサラサラにする効果も期待でき、一石二鳥の食べ物です。

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うつ病によって食欲がないときは?

食欲不振は、うつ病の代表的な症状の1つです。
強いストレスを感じると食欲低下、食欲不振に繋がることもあります。
胃や腸といった消化器官は、ストレスの影響を受けやすい臓器です。

食事を通じた栄養摂取は、うつ病の症状改善のためにも重要です。
ここでは、どうしても食欲がないという場合の工夫をご紹介します。

食欲がない時の対策|運動してから食事をする

運動することでお腹を減らし、食欲をわかせるという手法は有効です。
特に有酸素運動では副交感神経が活性化され、自律神経のバランス改善も期待できます。

胃腸や肝臓などの消化器は、自律神経のうち副交感神経によって働いています。
そのため、消化のためには自律神経のバランスが取れていることが重要です。

うつ病においては、自律神経のバランスが乱れている場合があります。
自律神経のバランスが乱れた結果として、消化器の働きが弱くなるためです。
有酸素運動を通じて自律神経のバランスを改善することは特に重要になります。

食欲がない時の対策|リラックスしてから食事をする

うつ病の食事では、リラックスしてから食事をするということも大切です。
リラックスすることで自律神経が改善され、うつ状態が軽減するためです。

リラックスし、副交感神経が優位な状態になることで消化器の働きが活発になります。
つまり、リラックスしている状態は食事をする準備が整った状態です。

リラックスには、以下の方法が効果的です。

  • 入浴やサウナなどで汗を流す
  • 軽いストレッチ
  • 瞑想
  • 深呼吸

自分なりのリラックス方法をみつけて、食事をより楽しくしましょう。

食欲がない時の対策|食べ方を工夫する

食欲がないときには、食べ方を工夫することも検討してみましょう。
ポイントは、楽しいと思える状態で食事するということです。

公園などでピクニックのように食べてみるなど様々な方法が考えられます。
他にも、好きな音楽を聴きながら食べる、多人数で食事するなどもあります。

またうつ病の方に限りませんが、「ながら食べ」は避けた方が良いと考えられます。
ながら食べとは、スマホやパソコンを操作しながら食べるというものです。

スマホやパソコンを操作するときは、交感神経が刺激されます。
そのため、消化器の働きが弱まり、十分な消化吸収が行われない原因になります。

食欲がない時の対策|少量ずつ食べる

食欲がないときには、無理に1度に沢山食べるのをやめてみましょう。
1回あたりの食事の量を減らして、小分けにして食べるというものです。

そもそも食事の目的は、「必要な栄養を、必要な量、体に摂り入れる」ことです。
1日当たりの摂取量を、4回や5回の食事に分けるのも有用でしょう。

また、1回の食事の中でも重要なことがあります。
沢山の量を1度にではなく、少量ずつ口に含み、よく噛んで食べる」ということです。

よく噛むことで消化器への負担も減らせ、食べ物の味も良くわかります。
うつ病で味覚障害があらわれることもあるため、良く噛み味わうことが重要になります。

食欲がない時の対策|薬や漢方を試す

様々な工夫をしても食欲がわかない場合は、薬や漢方を試すことも検討しましょう。
食欲を増す薬や、抗うつ薬を服用してから食事をすることも効果的です。

抗うつ薬の服用によりうつ症状が改善され、食欲が回復することが期待できます。
なお、抗うつ薬による治療をするためには、基本的には医師の診断や処方が必要です。

また、漢方薬の「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」も、食欲不振に有効です。
補中益気湯は、胃腸の消化・吸収機能を整えて疲れを改善し、食欲を回復させます。

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うつ病の食事で注意することは?

うつ病の食事では、以下の3つに注意しましょう。

  • 消化しにくいものは避ける
  • 糖分をしっかり摂る
  • 冷たい食事は避ける

それぞれ解説します。

うつ病の食事の注意点|消化しにくいものは避ける

うつ病の食事では、消化しにくいものは可能な限り摂取しないようにしましょう。
消化しにくいものは、消化するためにエネルギーが余計に必要になるためです。
特に、揚げ物や脂肪分の多いお肉などは、避けた方が良いものとして考えられます。

うつ病の食事の注意点|糖分をしっかり摂る

うつ病の食事では、適度な量の糖分をしっかり摂取することも重要です。
糖分は脳が働くために必要であり、低血糖になると意欲低下などを引き起こすためです。

しかし、糖分の過剰摂取は健康にマイナスの影響を及ぼすこともあります。
そのため、適度な量の糖分を摂ることを意識しましょう。

うつ病の食事の注意点|冷たい食事は避ける

うつ病の食事では、冷たい食事も避けましょう。
体の冷えは自律神経を乱し、血行が低下して栄養が運ばれにくくなるためです。

冷たい食事は、体を内側から冷やすことに繋がります。
血行低下の結果として、脳や様々な臓器の機能が低下する恐れがあります。

冷たい食事により懸念される症状は以下の通りです。

頭痛肩こり疲れ易い肌荒れ血色不良
腹痛便秘下痢生理不順足のむくみ

うつ病の食事に関しては、温かい食事がおすすめです。
冷たい食事は暑い夏場に限るなど、ほどほどにしておくのが良いでしょう。

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食事に気を付ければうつ病は防げる?

バランスの良い食事はうつ病だけでなく、様々な病気の予防や症状改善に繋がります。
しかし、食事だけで全てが解決するわけではありません。

適切な食生活がうつ病に影響を与えるかについて、欧米を中心に研究が進んでいます。
2017年に報告された研究結果があります。

研究報告では、適切な食生活がうつ症状を抑えることがわかりました。
一方で、適切な食生活とうつ病診断の関連については、明らかになりませんでした。

国が推奨するバランスの良い食事を守っていても、うつ病の発症率は変わらないということです。
そのため、ストレスの原因を改善するなど、別のアプローチも必要になります。

出典:国立がん研究センター【食事バランスガイド遵守とうつ病との関連について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究

薬の使い方

食事以外のうつ病対策

食事だけに気を付ければ、うつ病を防げるわけではありません。
食事以外のうつ病対策としては、以下のものがあります。

  • 運動
  • 生活習慣
  • 入浴

それぞれ解説します。

うつ病対策|運動をする

有酸素運動は、食事以外のうつ病対策として有用とされます。
有酸素運動は自律神経のバランスを改善し、うつ病の改善に役立つためです。

運動種目としては、水泳・ヨガ・ジョギング・ランニングで気分改善が報告されています。
生活環境や好み、利便性を踏まえ、自分に合った運動を生活に組み込むと良いでしょう。

うつ病対策|生活習慣を見直す

うつ病対策において、生活習慣を見直すことも重要です。

まずは以下の内容を見直しましょう。

  • 夜更かしはしない
  • 決まった時間に起きる
  • 生活リズムを正す
  • 十分に睡眠を取る

夜更かしは、睡眠と体内時計のミスマッチを引き起こし、脳や体に負荷がかかります。
体内時計は、太陽などの周囲の光と同調する形で調整されます。
睡眠のタイミングは自分で選べますが、体内時計は自己都合で変更することが困難です。

体温や血圧、ホルモン分泌、代謝、免疫などは、体内時計のリズムに沿って動きます。
睡眠時間帯と体内時計のリズムが合わないと、生活に支障を来す恐れがあり要注意です。

夜型生活を送る方は、うつ傾向がみられる方の割合が多いことが知られています。
反対に、太陽の動きと同じ生活リズムが、うつ病の予防や症状改善にも有効です。

うつ病対策|入浴をする

入浴で体を温めることも、うつ病の予防や症状改善のために有効です。
体を温めることは、自律神経の改善に役立ちます。

自宅でゆっくりと入浴するのでも十分ですが、山奥の温泉も良いでしょう。
静かな中で体を温めることで、副交感神経が優位になることが期待できるためです。

うつ病の症状が重くなると、外出はもちろん入浴も億劫になる場合があります。
症状が重くならないうちに、入浴や温泉で症状改善をはかりましょう。

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うつ病の方におすすめの食事は何ですか?

うつ病の方には、オメガ-3脂肪酸が豊富な魚や、ビタミンB群が多く含まれる全粒穀物、緑黄色野菜、また抗酸化作用のあるブルーベリーやナッツなどの食品がおすすめです。
これらの食材は脳の機能をサポートし、気分を安定させる効果が期待されます。

うつ病の時に食欲がなくなるのはなぜですか?

うつ病の症状として、セロトニンという神経伝達物質のバランスが乱れることが考えられます。
セロトニンは食欲や気分に関与しており、そのバランスが乱れることで食欲の低下が引き起こされることがあります。

うつ病の時に食べると良くない食品はありますか?

カフェインやアルコール、砂糖の摂取過多は、うつ病の症状を悪化させる可能性があります。
特に加工食品やファーストフードには、体に良くない添加物や砂糖が多く含まれているため、摂取を控えることが推奨されます。

うつ病の治療と食事の関係は?

食事はうつ病の治療に直接的な影響を与えるわけではありませんが、栄養バランスの良い食事は体全体の健康をサポートし、薬の効果を最大限に引き出すための基盤となります。
また、特定の栄養素が脳の機能や気分に良い影響を与えることが研究で示されています。

うつ病の時に食事で気をつけることは?

うつ病の時には、定期的にバランスの良い食事を摂ることが大切です。
食事を抜くと血糖値が不安定になり、気分の変動を引き起こすことがあります。
また、アルコールやカフェインの摂取は控えめにし、ビタミンやミネラルを豊富に含む食品を積極的に取り入れることをおすすめします。

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うつ病の食事まとめ

ここまで、うつ病におすすめの食事についてお伝えしてきました。
うつ病におすすめの食事の要点をまとめると以下の通りです。

  • 積極的に摂ると良い栄養素は、ビタミン、アミノ酸、ミネラル、脂肪酸など
  • 食欲がないときは、運動や食べ方の工夫、リラックスすると良い
  • うつ病の食事は、消化しにくいものや冷たいものは避け、糖分をしっかり摂る
  • 食事以外の対策は、生活習慣の見直しや運動、入浴がおすすめ

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
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