認知症予防とは、脳の神経細胞の働きが低下し、認知機能の低下によって社会生活に支障を来さないよう、「認知症になるのを遅らせる」「認知症になっても進行を緩やかにする」という意味で、生活習慣病対策やサプリメントを用いるなどの予防策があります。
認知症で最も多いのはアルツハイマー型認知症で発症リスクには、糖尿病や高血圧などの生活習慣病があるとされています。
そのため、普段から生活習慣病予防を目的とした食生活や運動を心がけることが重要です。
また、食生活や運動などの他にサプリメントを用いた予防法もあります。 特に、近年は脳の神経細胞との関わりから「プラズマローゲン」と呼ばれる成分が注目されています。 そこで今回は、認知症予防とプラズマローゲンについて、
- 認知症とは
- 認知症の症状と種類
- 認知症予防にサプリメントは効果ある?
- プラズマローゲンについて
以上の点を中心に詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
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1.認知症について
はじめに、認知症について解説していきます。 日本では、高齢化社会の進行とともに、認知症になる方も増えてきているといわれています。
2025年(令和7年)には認知症の人の数は700万人になり、65歳以上高齢者におけるその割合は、現状の7人に1人から約5人に1人に上昇し、その後も増加すると考えられています。
ここからは、認知症とはどのような病気なのか、なりやすい年齢や習慣について詳しく解説します。
認知症とは、正常に発達・機能していた脳の神経細胞の働きが、何らかの原因で低下し、記憶力や判断力などの低下にも繋がることで、生活に支障を来した状態を指します。
過去には「痴呆」や「ぼけ」などの名称で呼ばれていたこともあり、言葉の持つイメージから「なると恥ずかしい病気」という誤った認識が広まっていました。
誤った認識により、本人やその家族が症状を隠してしまうこともあるため、早期診断や早期発見を阻害してしまう事例があったことも事実として存在しています。
厚生労働省は平成16年12月から「認知症」という単語を正式に用いて、早期発見や早期治療が受けやすい環境作りに取り組んでいます。
出典:認知症の理解|茨城県庁
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2.認知症になりやすい年齢は?
認知症にはさまざまな種類がありますが、種類を問わず、高齢になるにつれて発症リスクが高まるとされています。
2012年度の調査によると、65歳以上の高齢者の7人に1人が認知症と診断されており、軽度認知障害の方も加えると4人に1人の割合となっています。
また、2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると予測されており、少子高齢化の進行とともに、認知症への予防や治療への更なる取り組みが重要です。
認知症になると、本人が気付かないうちに症状が進行していきます。
日常生活での具体的な変化として、以下の言動・行動が見られることがあります。
- 同じことを何度も言ったり、聞いたりする
- モノの置き忘れやしまい忘れなど「忘れること」が多くなる
- 今までやっていた日課をしなくなる
- 以前は興味があったモノに興味・関心がなくなる
- 時間や場所が分からなくなる
- モノや人の名前が出てこない
- 些細なことで怒ることが増えた
- お金やモノを「盗まれた」ということが増えた
これらの行動や言動が「増えてきた」と感じた場合は、かかりつけ医や認知症の専門医、または市町村の相談窓口などに相談することをおすすめします。
認知症の危険因子として、糖尿病や高血圧、肥満、喫煙などが挙げられます。
どの項目も血管を傷めやすい特徴があり、動脈硬化が進むことで、脳の血管にも影響を及ぼし、認知症のリスクを高めることになります。
BMIや腹囲周囲径、血圧やコレステロールなどの数値を適切に調整しないと、脳の血管に障害を発症しやすくなり、認知症のリスクも高まる傾向があります。
特に、脳の血管に影響しやすいのは、糖尿病・高血圧・喫煙といわれています。
危険性を減らすためにも、生活習慣の乱れを改善し、健康的な生活を送ることが重要です。
次に、認知症を治療するための費用について解説していきます。
認知症になると、認知症の治療費だけでなく、日々の介護費用などがかかります。
そのため、金銭的な負担が大きくなっていき、治療期間が長ければ長いほど合計金額が高額になりやすい傾向があります。
出典:知っておきたい認知症の基本|政府広報オンライン
出典:認知症|知ることからはじめようこころの情報サイト
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3.認知症の治療にかかる費用
ここからは、認知症の治療にかかる費用とその内訳について、詳しく解説していきます。
認知症の治療にかかる費用は、大きく分けて3つに分けられます。 まず、認知症治療にかかる治療費は公的医療保険の対象になるため、1〜3割の負担額になります。
そのため、1回の検査にかかる費用は4,000〜2万円程度、薬物療法や運動療法などの治療には月4万円程度かかるとされています。
その他に、認知症になると介護が必要になる場合があります。
家族が介護する方もいますが、看護師や介護士に介護を依頼したり、施設のサービスを利用したりするため、介護費用も必要になります。 介護費用としては、在宅介護が年間220万円程度、施設介護が年間350万円程度と推計されています。
また、自宅で介護する場合に自宅の設備を改造したり、介護用のベッドなどを購入したりした場合は、50万円程度かかるといわれています。
さらに、認知症の進行に伴い、徘徊や視空間障害の症状が出ると、行方不明になってしまう方も居ます。
行方不明時の捜索や介護サービス施設への送迎、高齢者見守りサービスの料金など、自己負担で全て補わなければいけない状況になることもあります。
そのため、認知症は治療費以外にも費用がかかることが多く、治療期間も長期間にわたり、本人や家族の金銭的な負担になってしまうことが考えられます。
出典:認知症になったらどのくらい費用がかかる? 専門家に聞く介護費用の賄い方|家庭画報.com
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4.認知症予防にサプリメントって効果ある?
ここからは、認知症予防について解説していきます。
現在の認知症治療薬では、進行を遅れさせることは出来ても、完治はできないと言われています。そこで、予防が大切なのです。
認知症の対策方法として、以下の方法が挙げられます。
- 適度な運動
- 栄養バランスの良い食事
- 夜間、質の良い睡眠を取る
- 余暇活動を積極的に実施する
- 生活習慣病の治療
認知症の発症を遅らせたり、進行を緩やかにするためには、中年期以降の運動習慣や他者との関わりが重要といわれています。
中年期から老年期にかけての運動習慣や活動は、アルツハイマー型認知症などの発症率を低下させるという結果も報告されています。
また、聴力のケアや生活習慣病の治療、うつ症状の予防や治療、禁煙・禁酒、社会的孤立を防ぐことなどによって、認知症の発症を予防できる可能性があるといわれています。
そのため、日々の活動を楽しみ、規則正しい生活を送ることが、認知症の対策として重要です。
5.サプリの優位性
認知症の予防にはさまざまな方法がありますが、その中の1つとして「サプリメントの活用」が挙げられます。
サプリメントは病院のほか、ドラッグストアやオンラインストアなどでも購入でき、今日から始められる認知症対策としておすすめしやすい方法です。
認知症の対策方法とサプリメントの効果について、詳しく解説します。
また、サプリメントを利用することは、手軽にできる認知症対策の1つです。
サプリメントは、1日適切な回数飲用するだけなため、今日からすぐに始められる認知症対策となっています。
また、月々数千円程度で購入でき、加齢によって減少しやすい成分を手軽に補えることも、サプリメントの活用がおすすめな理由の1つです。
認知症の発症が気になる方や認知症対策を実施したい方は、1度試してみると良いでしょう。
認知症対策のサプリメントは、さまざまな種類があります。
中には効果が感じられなかったり、科学的根拠がなかったりする場合もあるため、商品を選ぶときには事前に調べておくことが重要です。
6.認知症対策のサプリ?近頃よく耳にするプラズマローゲンとは
近年、認知症対策で「プラズマローゲン」と呼ばれる成分が注目されています。
ここからは、一般的な認知症対策サプリとプラズマローゲンとの違いについて解説していきます。
一般的な認知症対策サプリとして、以下の2つが挙げられます。
- イチョウ葉
- DHA
「イチョウ葉」は、フラボノイド配糖体とテルペンラクトンと呼ばれる成分が主成分となるサプリメントです。
血管を拡張し、血液の流れを改善することで、脳の循環に良い影響を与えるとされています。
しかし、イチョウ葉は血液凝固を防ぐ薬と相互作用を起こす可能性があり、出血リスクを増加させることがあるため、注意が必要です。
また片頭痛を起こすこともあります。
「DHA」は、 オメガ3脂肪酸の一種で、主に魚類や藻類から得られる成分が配合されたサプリメントです。
オメガ3脂肪酸には、抗炎症効果を持ち、関節炎などの炎症性疾患の症状緩和に有用な場合があります。
また、心臓病のリスクを減少させることが示されており、血圧の低下や心臓病の予防に起用する可能性があります。
以上の2種類のサプリのほかに、近年「プラズマローゲン」という成分を原料とするサプリメントが販売されています。
プラズマローゲンとは、脳や心臓など体の全ての組織に含まれる成分であり、1924年に発見されました。
特に脳の海馬や前頭葉に多く存在し、重要な役割を果たしていると考えられています。 プラズマローゲンは40歳をピークに減少しはじめ、70歳前後になると若い方と比べて4割ほど減少するといわれています。
また、アルツハイマー型認知症の方の脳内では、海馬や前頭葉のプラズマローゲンが減少しているという研究報告もあります。
そのため、プラズマローゲンを摂取することで減少したプラズマローゲンを補充し、認知症の予防に繋げられる可能性があるといわれています。
出典:認知症予防サプリについて認知症診療を行う医師がランキング形式で紹介!医学的根拠はすべて医学論文と認知症予防学会です。|しぎょう循環器内科・内科・皮膚科・アレルギー科
7.プラズマローゲンとは?サプリについても説明
プラズマローゲンとは、グリセロリン脂質の一種であり、細胞を構成する主要な成分です。
人間の全身のリン脂質の約18%がこのプラズマローゲンであるといわれており、特に脳に多く存在しプラズマローゲンは人間が存在する上でとても重要な成分と考えられています。
しかし、このプラズマローゲンはさまざまな要因で減少しやすい成分でもあります。
酸化ストレスや炎症、神経の変性、感染症や外傷など、さまざまなストレスにさらされることで、プラズマローゲンが減少していきます。
特に、脳の海馬や前頭葉には多くのプラズマローゲンが含まれており、成分の減少と認知症の進行度には関連性があるという報告もあります。
プラズマローゲンは現在、認知症対策のサプリメントとして販売されています。 1995年にアルツハイマー型認知症の患者の、脳のプラズマローゲンが減少していることが確認されました。
その後、2007年にはアルツハイマー型認知症患者の血清でもプラズマローゲンの減少が認められており、プラズマローゲンは認知症と関係があると考えられています。
また、アルツハイマー型認知症の発症には、アミロイドβたんぱくの沈着が関係しているといわれています。
プラズマローゲンは、アミロイドβたんぱくの沈着を抑える効果のほか、脳神経細胞のアポトーシス抑制の効果も見込めるため、プラズマローゲンを摂取することで認知症への対策が期待できます。
出典:認知症との関係|AdvancedMedicalCareInc.
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8.プラズマローゲンの効果とは? ホヤからとれているって本当?
プラズマローゲンは、鶏もも肉やホタテ、ホヤなどに含まれており、そのうち、人の神経組織に多いDHA型プラズマローゲンがホヤには豊富に含まれています。
下記は、DHA型プラズマローゲンの含有量をグラフにしたものです。
ホヤは、鶏もも肉やホタテよりもDHA型プラズマローゲンと呼ばれるDHAを構造の中に持つ型のものが多く含まれています。
また、このDHA型プラズマローゲンには、以下の働きが確認されています。
- ホヤに含まれるDHA 型プラズマローゲンは、アミロイドβの凝集を抑制し分解を促進した
- ホヤプラズマローゲンは神経細胞のアポトーシスを抑制した
- ホヤプラズマローゲンのアルツハイマーモデルラットへの経口投与により認知機能を改善した
これらの働きのほかにもまだ多くの役割があると考えられていますが、まだ全て明らかになっていないのが現状です。
DHA型プラズマローゲンの働きの中にある、アポトーシス(apoptosis)とは、細胞の自然死のことであり、認知症者と健常者の違いも確認されています。
下記は、神経細胞の生存率をグラフにしたものです。
プラズマローゲンには、重篤な副作用は確認されていませんが、動物性食品からの成分を利用しているため、食品アレルギーがある方は注意が必要です。
プラズマローゲンのサプリを摂取する際は、事前に原材料を確認し、体調や体質に合わない場合はすぐに利用を中止して、かかりつけ医などにご相談ください。
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9.認知症対策についてのまとめ
ここまで認知症予防と対策についてお伝えしてきました。
認知症予防と対策の要点をまとめると以下の通りです。
- 認知症とは、何らかの原因で認知機能が低下し、日常生活に支障を来す状態である
- 認知症の症状として、認知機能の低下や記憶障害、徘徊や不安感などがある
- 認知症予防の対策として、生活習慣の改善やサプリの活用がある
- プラズマローゲンは、加齢に伴い減少しやすい成分である
- プラズマローゲンは、いくつかのタイプがあるが、人の脳に多いものはDHA型プラズマローゲンである
- プラズマローゲンの補給は、認知機能の改善や制御効果が期待できる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。