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トップページ>健康お役立ち記事>パーキンソン病>パーキンソン病の原因とは?予防法まで徹底解説!

パーキンソン病の原因とは?予防法まで徹底解説!

パーキンソン病は50歳以上で発症しやすく、徐々に症状が進行していく病気として知られています。
体の一部がうまく動かせない症状から始まり、症状が進行すると全身が思うように動かせなくなる病気です。

そんなパーキンソン病は、どのような原因によって引き起こされるのでしょうか?

本記事では、パーキンソン病について以下の点を中心に紹介します。 

  • パーキンソン病の原因
  • パーキンソン病の治療法や予防法
  • パーキンソン病の種類

パーキンソン病を事前に予防するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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パーキンソン病とは

パーキンソン

パーキンソン病は脳に異常が発生して、全身の筋肉が正常に動かせなくなり認知機能が低下する病気です。

例えば、手足が震えたり思い通りに動かせなくなったりします。
また、顔や喉の筋肉にも影響が出るため、うまく笑うことができなかったり食べ物を飲み込みづらくなったりすることもパーキンソン病の症状の一つです。

軽度の症状だと体の一部に異常が見られるだけですが、症状が進行すると全身が思うように動かせなくなり最終的には車いすや寝たきりの状態になる可能性があります。

また、症状は肉体的な部分だけとは限りません。
認知症のように物忘れをする頻度が増えたり無気力状態になったりなど、精神的な影響も受けます。

重症化すると人の顔や名前を覚えられなくなることや、鬱状態に陥ることもあるのです。

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パーキンソン病の原因

パーキンソン病の原因は、ドパミンと呼ばれる脳内物質の減少によるものです。
ドパミンを一言で説明すると、「やる気」を促す物質だといわれています。

例えば、休日に友人とバカンスに行く想像をすると、勉強や仕事を頑張ろうと思えるときがありますよね?
これはドパミンが分泌されて、モチベーションの向上を促し運動機能や学習能力に働きかけをしたからです。

そう聞くとドパミンは出せば出すほど良い物質だと思われるかもしれませんが、そうではありません。

ドパミンを過剰に放出しすぎると、ギャンブルやお酒などの依存症を引き起こしてしまいます。
反対に不足しすぎてしまうと無関心になったり、運動機能や学習能力が低下してしまったりしてしまうのでバランスが大事です。

一般的にドパミンの分泌量は、病気でなくとも加齢とともに減少する傾向があります。

しかしパーキンソン病を発症すると、減少する速度が早まってしまいます。
次第に症状の進行も早まり、重症化すると車いすや寝たきりの生活を余儀なくされてしまうのです。

ドーパミンが減少する原因については、明確に解明はできていません。

そしてパーキンソン病は、根本的な治療法が確立されていない難病と認定されています。
しかしパーキンソン病の研究が進み、原因と思われる要素がいくつか発見されるようになりました。

今回は具体的にどのような要素がドパミンの不足を引き起こしてしまうのかについて、詳しく説明していきます。

食べ物

特定の食べ物が、パーキンソン病の原因となる可能性があります。

パーキンソン病の患者数を統計的に調査したいくつかの研究では、以下の食品の大量摂取で発症の可能性が高まることがわかりました。

  • 乳製品、または動物性脂肪や糖分
  • 農薬が残っている食べ物
  • ミネラルウォーターなどの重金属(アルミニウムなど)が入った飲料水

どれも大量摂取することで発症リスクを高めてしまうため、普段から栄養バランスの整った食事を心がけましょう。

一部の胃腸薬や抗精神病薬などの医薬品を服用することで、パーキンソン病の症状が引き起こされる場合があります。
これらの薬を日常的に服用している場合は、少し注意が必要です。

このように医薬品の副作用によってパーキンソン病と同じ症状が発症することを、薬剤パーキンソニズムといいます。

薬を服用した後に手足の動作が遅くなったり、歩くときにふらふらしたり、声が小さくなったりする副作用が稀に起きます。

便秘

便秘によって、パーキンソン病を発症しやすくなる場合もあります。

腸はセロトニンと呼ばれる脳内物質のうち全体の90%以上を作るといわれています。
セロトニンの役割の一つは、ドパミンの分泌量をコントロールして精神を安定させることです。

しかし、便秘によって腸内環境が悪化してしまうと、セロトニンの分泌量が減ります。
そしてセロトニンの減少がドパミン不足につながり、パーキンソン病を発症してしまうのです。

また、便秘の状態でパーキンソン病の治療薬を服用すると、薬の効果が薄れてしまうリスクもあります。

喫煙

喫煙は、パーキンソン病の抑制になるという研究が発表されています。
しかし、近年の研究では喫煙によってパーキンソン病の発症リスクが増加するという正反対の研究結果もあります。

どちらの説が有力かどうかは現時点では解明されていませんが、喫煙によってアルツハイマー型認知症が併発されるということが近年のメタ解析(複数の論文結果から統計的に分析すること)で判明しました。

また喫煙は、肺がんのリスクを大幅に高めることでも知られています。
喫煙はパーキンソン病だけでなく様々な病気を併発するリスクがあるので、できるだけ避けましょう。

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パーキンソン病の症状と進行度

パーキンソン病は、進行性の神経変性疾患であり、その症状と進行度は患者ごとに異なります。
この疾患は、主に黒質のドパミン神経細胞の変性を主体とし、その結果として様々な運動症状と非運動症状が現れます。
しかし、パーキンソン病の全体像を理解するためには、これらの症状だけでなく、病状の進行度も考慮する必要があります。

パーキンソン病の主な症状

パーキンソン病の主な症状は、安静時の振戦、筋強剛(筋固縮)、無動・寡動、姿勢反射障害などです。
これらの症状は、ドパミン神経細胞の変性により、運動制御がうまくいかなくなることで現れます。

また、これらの運動症状の他にも、意欲の低下、認知機能障害、幻視、幻覚、妄想などの非運動症状もしばしば見られます。
これらの症状は、パーキンソン病が単に運動機能の問題だけでなく、広範な神経機能の問題であることを示しています。

パーキンソン病の進行度

パーキンソン病の進行度を評価するためには、「Hoehn & Yahr(ホーン・ヤール)の重症度分類」と「生活機能障害度分類」が一般的に用いられます。
ホーン・ヤールの重症度分類は、病状の進行に伴う運動機能の低下を5段階で評価します。

一方、生活機能障害度分類は、日常生活における自立性を3段階で評価します。
これらの分類を用いることで、パーキンソン病の進行度を客観的に評価し、適切な治療計画を立てることが可能となります。

パーキンソン病の症状について詳しく解説していますので、こちらの記事も合わせてお読みください。

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パーキンソン病の診断方法

パーキンソン病は、特定の運動症状と非運動症状を持つ神経変性疾患であり、その診断は総合的なアプローチが必要とされています。
現在、パーキンソン病を確実に診断するための検査法は存在しませんが、特徴的な症状を元に診断が行われます。

症状に基づく診断

パーキンソン病の診断は、まず運動症状の有無を確認します。
これには、無動(動作が遅くなる)、筋強剛(手足や体幹がこわばる)、振戦(手足がふるえる)などの特徴的な運動症状が含まれます。

しかし、これらの症状はパーキンソン病以外の病気でも現れることがあります。
そのため、これらの症状だけでパーキンソン病を診断するのは難しいです。

次に、パーキンソン病の裏付けとなる症状と、パーキンソン病以外の病気の裏付けとなる症状を照らし合わせます。
これにより、パーキンソン病かそれ以外の病気であるかを判断(鑑別)します。
このプロセスは、医師の経験と専門知識に大きく依存します。

非運動症状の考慮

パーキンソン病の診断には、非運動症状も重要な役割を果たします。
これらの症状は、運動症状が現れる前や同時に現れ、パーキンソン病の早期診断に役立つことがあります。
非運動症状には、嗅覚障害、便秘、睡眠障害、うつ病などがあります。

パーキンソン病の診断は、これらの症状を全て考慮に入れた上で、医師が総合的な判断を下すことにより行われます。
パーキンソン病の診断は容易ではありませんが、適切な診断と早期治療により、患者の生活の質を維持することが可能となります。

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パーキンソン病の種類

パーキンソン病を発症する原因は様々で、高齢者の発症率が高いです。
しかし稀に原因が特定できたり、若年層で発症したりするケースもあります。

そこで通常のパーキンソン病とは異なる以下二つのパーキンソン病について、確認していきましょう。

家族性パーキンソン病

パーキンソン病の患者のうち、5%~10%は遺伝が原因といわれています。
その場合は、家族性パーキンソン病と呼ばれます。

遺伝による発症はパーキンソン病の原因となる特定の遺伝子を両親から子供に受け継ぐことで起きます。
子供がパーキンソン病を発症する確率は、両親の遺伝子の形質によっても大きく変わるため、遺伝すると確実に発症してしまうわけではありません。

通常のパーキンソン病と異なり家族性パーキンソン病は、原因を遺伝子に絞り込んで治療することができます。
複数の遺伝子や外的要因が影響し合う場合もありますが、原因となる遺伝子が一つの場合だとその遺伝子に合わせた有効な治療を受けられるようになります。

若年性パーキンソン病

パーキンソン病は、一般的に50歳以上から発症する病気です。

しかし、稀に40歳以下でも発症してしまうケースがあります。(全体の10%ほど)
このケースを、若年性パーキンソン病といいます。

若年性パーキンソン病もドパミンの分泌量が減少することで発症し、症状や進行スピードも通常のパーキンソン病と同じです。

通常のパーキンソン病と異なる点は、ドパミンの分泌量を調整する治療薬の「レボドパ製剤」という薬を服用した際に、体が勝手に動いてしまうなどの合併症が出やすくなる点です。

若い年齢でも発症してしまう原因は、先程説明した遺伝による発症という可能性もありますし、生活習慣やストレスによるものなど様々です。

薬の使い方

パーキンソン病の治療法・予防法

先程パーキンソン病の原因は、ドパミンの減少によるものだと説明しました。
このことから病気の治療法や予防法として、ドパミンの分泌量を増やしたり維持したりすることが効果的です。

ここからはドパミンの分泌量をコントロールする治療法や、進行を遅らせるための予防法について説明します。

あくまで根本的な治療法ではないため、これから紹介する方法で病気が完治したり進行を完全に食い止めたりすることは難しいです。

しかし、病気を予防し進行を遅らせる効果はあります。
普段の生活で取り入れられることばかりなので、一つずつ見ていきましょう。

運動量を増やす

運動は、ドパミンの分泌量の増加につながります。
ジョギングや柔軟体操などでも予防になるため、日々の運動量を増やしましょう。

ストレスを発散する

好きなことや楽しいことをすると、ドパミンの分泌量が増えます。
ドパミンは新しい刺激に反応して分泌されるので、まずは自分が興味を持つ分野に対して行動を起こしてみることをおすすめします。

カフェインを摂る

コーヒーなどのカフェインが含まれる食品を摂取することで、パーキンソン病の原因となるドパミンの減少を防げます。

ポリフェノールを摂る

ある研究でポリフェノールの一種であるフラボノイドと呼ばれる成分を多く摂取した人は、そうでない人よりも40%ほどパーキンソン病になるリスクが減ったという結果が出ました。

フラボノイドは、一部の果物や飲料水に含まれています。
一日に必要なフラボノイドは、小さいリンゴで一個、オレンジで一個、紅茶や赤ワインなら一杯分から摂取できます。

パーキンソン病の生活管理とケア

パーキンソン病の患者さんは、症状の進行とともに日常生活の自立度が低下します。
そのため、生活管理とケアが重要となります。
これには、適切な薬物療法の管理、食事や排泄のサポート、運動療法、心理的サポートなどが含まれます。

薬物療法の管理

パーキンソン病の治療は主に薬物療法が中心となります。
薬物療法の管理は、薬の種類、用量、服用時間、副作用の管理などが重要です。
また、薬の効果と副作用のバランスを取るために、医師との定期的なコミュニケーションが必要です。

食事と排泄のサポート

パーキンソン病の患者さんは、固縮や寡動・無動の影響で食事や排泄に困難を感じることがあります。
食事は栄養バランスを考え、嚥下困難に配慮した食事の提供が必要です。
排泄については、便秘や排尿困難に対するサポートが必要です。

運動療法とリハビリテーション

パーキンソン病の患者さんは、運動療法やリハビリテーションを通じて、運動機能の維持や改善を図ることが重要です。
特に、バランスや歩行能力の維持、筋力の維持や向上、柔軟性の維持などが目指されます。
これらの運動療法は、専門のリハビリテーションスタッフによる指導のもと、患者さんの症状や体力に合わせて行われます。

心理的サポートと生活の質の向上

パーキンソン病の患者さんは、病状の進行や生活の制限により、うつ病や不安症状を発症することがあります。
そのため、心理的サポートが重要となります。
これには、カウンセリングや心理療法、リラクゼーション療法などが含まれます。

また、趣味やレクリエーションを通じて、生活の質の向上を図ることも重要です。

パーキンソン病のリハビリ上の禁忌に興味のある方は、こちらの記事も合わせてお読みください。

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パーキンソン病の原因のまとめ

ここまで、パーキンソン病の原因についての情報を中心にお伝えしました。
要点を以下にまとめます。

  • パーキンソン病は、ドパミンの分泌量が減ると発症しやすい
  • ドパミンが減少する原因は様々だが、食生活や運動を見直すことで予防できる
  • 両親からの遺伝によって発症するケースもあれば、年齢が若くても発症してしまうこともある

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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監修者 メディカル・ケア・サービス

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  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
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