「ウイルス性胃腸炎に感染したら何日間休めばいいの?」
「ウイルス性胃腸炎の予防方法を正しく知って感染対策をしたい」
ウイルス性胃腸炎に感染すると、下痢や発熱を引き起こすため、学校や会社を休まなければいけなくなる可能性があります。
また、基礎疾患のある方やご高齢の方がウイルス性胃腸炎に感染した場合、症状が重症化するリスクも潜んでいるため、感染対策の注意も必要です。
ウイルス性胃腸炎に効果的な治療薬はなく、ウイルス性胃腸炎に感染してしまった場合、下痢や嘔吐などの症状が数日続いてしまいます。
感染対策をしっかりと行ってウイルス性胃腸炎から身を守りましょう。
本記事ではウイルス性胃腸炎について、以下の点を詳しく解説します。
- ウイルス性胃腸炎の原因になるウイルス
- ウイルス性胃腸炎は、何日間休むべき?
- 身近な人がウイルス性胃腸炎に感染した場合の対応
ぜひ最後までお読みください。
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ウイルス性胃腸炎について
まず、ウイルス性胃腸炎についてご紹介します。
ウイルス性胃腸炎とは、細菌やウイルスが体内に入り込むことが原因で、下痢や嘔吐などの症状を引き起こす感染症です。
通年感染するリスクのある感染症の1つですが、毎年秋から冬にかけて、ウイルス性胃腸炎の感染者数が増加する傾向があります。
ウイルス性胃腸炎の初期症状は、突然の嘔吐や下痢、発熱などが挙げられます。
もし、これらの症状が現れた際には、ウイルス性胃腸炎に感染している場合があるので、医療機関を受診するようにしましょう。
感染性胃腸炎についてより詳しく解説していますので、こちらの記事も合わせてお読みください。
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ウイルス性胃腸炎の原因になるウイルス
続いて、ウイルス性胃腸炎の原因となるウイルスについて、以下の4つをご紹介します。
- ノロウイルス
- ロタウイルス
- アデノウイルス
- サポウイルス
①ノロウイルス
ウイルス性胃腸炎の原因になるウイルスの1つ目は「ノロウイルス」です。
ノロウイルスは、約2日間の潜伏期間を経て、ウイルス性胃腸炎を引き起こします。
ノロウイルスは、熱や乾燥に強く、長期的に生存できるので、感染力がとても強いウイルスだといわれています。
少量のウイルスが体内に入るだけで、感染症胃腸炎を引き起こす可能性があるので、消毒と手洗いうがいを徹底して感染対策を行いましょう。
②ロタウイルス
2つ目は「ロタウイルス」です。
ロタウイルスは、約4日間の潜伏期間を経て、ウイルス性胃腸炎を引き起こします。
主に、0歳児から6歳までの子どもに感染しやすいウイルスで、一般的に5歳を迎えるまでに、ほぼすべての子どもが一度は感染するウイルスといわれています。
大人がロタウイルスに感染した場合は、症状がでることが稀ですが、6歳までの子どもが感染した場合には、下痢や嘔吐の症状が出ます。
もし、子どもがロタウイルスに感染した場合は、下痢や嘔吐による脱水症状に気を付けながら医療機関を受診しましょう。
③アデノウイルス
3つ目は「アデノウイルス」です。
アデノウイルスは、最大で10日間の潜伏期間を経て、ウイルス性胃腸炎を引き起こします。
感染者数の中でも、6歳未満の子どもに感染する可能性が高く、アデノウイルスは下痢の症状が比較的長く続く症状が出ます。
下痢や嘔吐などの症状が落ち着いても、下痢を通してウイルスが感染する可能性があるので、マスクの着用や消毒をしっかりと行い感染予防を行いましょう。
④サポウイルス
4つ目は「サポウイルス」です。
サポウイルスは、12~48時間の潜伏期間を経て、ウイルス性胃腸炎を引き起こします。
主に感染する理由として挙げられるのが、牡蠣などの貝類を生食で食べたり、加熱が充分にできていない状態で食べ物を口にしたりすることにより、ウイルスが体内に侵入します。
年間を通じてウイルス性胃腸炎を引き起こす可能性があるウイルスなので、牡蠣や生ものを食べる際には、加熱するなどして対策しましょう。
アデノウイルスについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてお読みください。
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ウイルス性胃腸炎の主な症状
続いて、ウイルス性胃腸炎の主な症状について、以下の4つをご紹介します。
- 下痢や嘔吐
- 発熱
- 倦怠感
- 腹痛
①下痢と嘔吐
ウイルス性胃腸炎の主な症状の1つ目は「下痢や嘔吐」です。
下痢を引き起こす主な理由は、消化器にウイルスが入り込むことにより、消化器の機能が低下し、腸内の栄養や水分が吸収される力が弱まるためです。
そうして腸内に残った水分が排出されるため、下痢を引き起こします。
突然の嘔吐や下痢の症状が見られる場合は、ウイルス性胃腸炎に感染している可能性が高いので、脱水症状に注意しながら医療機関を受診しましょう。
②発熱
2つ目は「発熱」です。
ウイルス性胃腸炎に感染して発熱する理由は、体内に入り込むウイルスに免疫が反応するため発熱を引き起こします。
37度から39度程度の熱が数日間続くため、多くのエネルギーを消費して身体は疲れやすい状態が続きます。
平熱に落ち着くまでは、身体をしっかりと休めましょう。
③倦怠感
3つ目は「倦怠感」です。
ウイルス性胃腸炎に感染すると、発熱や胃の不快感を伴うため、倦怠感を感じやすい状態になります。
倦怠感を引き起こすと、集中力の低下や身体の重さを感じるなど、日常生活に支障をきたす可能性があるので、回復するまでは車の運転などを控えるようにしましょう。
④腹痛
4つ目は「腹痛」です。
ウイルス性胃腸炎に感染すると、腹痛を引き起こす可能性があります。
下痢や嘔吐と異なる点は、すべての人が腹痛を引き起こすわけではなく、一部の感染者の方にみられる症状の1つです。
腹痛は比較的早く症状が回復するため、腹痛がひどい場合には、他の感染症を引き起こしている可能性もあります。
ご自身の症状をよく確かめて、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
ウイルス性胃腸炎は、何日間休むべき?
続いて、ウイルス性胃腸炎は、何日間休むべきかについてご紹介します。
ウイルス性胃腸炎に感染した場合、症状が落ち着いてから約3日間は、会社や学校を休むことが望ましいです。
ウイルス性胃腸炎は感染力が非常に強いため、症状が少し和らいだ程度で復帰してしまうと、周囲の人にウイルス性胃腸炎を感染させてしまうリスクがあります。
万が一、ご高齢の方や基礎疾患を持っている方に感染させてしまった場合、ウイルス性胃腸炎が重症化して、感染した方に大きな身体的負担をかけてしまう場合があります。
症状が治まるまでは、安静に過ごすことを心がけ、職場や学校を復帰する場合には、必ず医療機関や上司などに相談をした上で、復帰するタイミングを調整しましょう。
どうしても休めない場合はどうすればいい?
続いて、ウイルス性胃腸炎に感染しても、どうしても休めない場合の対応について、以下の3つをご紹介します。
- 職場や学校と相談する
- リモートワークで対応する
- 治癒するまでは無理をしない
①職場や学校と相談する
ウイルス性胃腸炎に感染しても、どうしても休めない場合の対応の1つ目は「職場や学校と相談すること」です。
大事な仕事の予定があって、どうしても休めない場合は、上司やチームに相談した上で、仕事の引き継ぎや、仕事の対応方針を決めましょう。
ウイルス性胃腸炎は、非常に感染力が強いため、ご自身の判断で学校や会社に向かうと、周囲の人に感染させてしまうリスクを伴います。
なるべく周囲の人に感染を広げて、仕事や学校活動に影響が広がらないように調整することを心がけましょう。
②リモートワークで対応する
2つ目は「リモートワークで対応すること」です。
ウイルス性胃腸炎の症状には個人差があり、感染しても発熱を引き起こさないケースがあります。
症状がそこまで重くならず、どうしても仕事が休めない場合は、ご自身の体調をよく見定めながらリモートワークで仕事に取り組み、感染拡大しないように心がけましょう。
リモートで対応することによって、仕事を休むという精神的な不安や負担が軽減されて、ゆっくりと身体を休めることもできます。
まずは、上長や会社にリモートワークで対応できるかを相談してみましょう。
③治癒するまでは無理をしない
3つ目は「治癒するまでは無理をしないこと」です。
ウイルス性胃腸炎の症状は、比較的軽度な症状で治まる方から、下痢や嘔吐が長期的に続いてしまう方がいるなど、症状には個人差があります。
どうしても仕事や学校を休めない場合、まずは完全に身体が治癒するまでは安静に過ごすことが大切です。
無理に症状が緩和したタイミングで、仕事や学校に行った場合、逆に症状が長期的に続いてしまうケースもあります。
そのため、完全治癒するまでは無理をしないことを心がけましょう。
ウイルス性胃腸炎が重症化しやすい方の特徴
続いて、ウイルス性胃腸炎が重症化しやすいケースについて、以下の3つをご紹介します。
- 基礎疾患のある方
- 高齢者
- 幼児
①基礎疾患のある方
ウイルス性胃腸炎が重症化しやすい方の特徴の1つ目は「基礎疾患のある方」です。
基礎疾患を持っている方の中には、免疫力が低下していたり、脱水症状が悪化しやすい状態にある方もいるので、症状が長引いたり、症状が重くなってしまう場合があります。
基礎疾患をお持ちの方の中で、ウイルス性胃腸炎に感染した場合には、主治医や医療機関に早めに相談をした上で、基礎疾患の抑制や脱水予防に努めましょう。
②高齢者
2つ目は「高齢者の方」です。
高齢者の方は下痢による脱水症状に加え、嘔吐する際に気管に嘔吐物が入り込んでしまうことで、誤嚥性肺炎を引き起こしてしまう場合があります。
高齢者の方が肺炎を引き起こすと、命の危険を及ぼす可能性があります。
万が一ウイルス性胃腸炎に感染した場合は、嘔吐物がスムーズに出せるようなサポートや寝たまま嘔吐物が出ていないか注意しましょう。
③幼児
3つ目は「幼児」です。
6歳未満の子どもが感染しやすいロタウイルスなどを引き起こした場合、下痢や嘔吐が続くことで脱水症状になりやすい傾向があります。
皮膚や唇が乾燥していたり、おしっこの数が減ったりしている場合は、脱水症状を引き起こしている可能性があるので、早めに医療機関を受診しましょう。
脱水症状を引き起こさないために、こまめに子どもの様子を確認し、水分補給をしてあげることで脱水症状を防ぐことが期待できます。
ウイルス性胃腸炎の感染経路
続いて、ウイルス性胃腸炎の感染経路について、以下の3つをご紹介します。
- 接触感染
- 飛沫感染
- 経口感染
①接触感染
ウイルス性胃腸炎の感染経路の1つ目は「接触感染」です。
ウイルス性胃腸炎を発症している方が触れた嘔吐や便に触れることでウイルスが付着し、その手を介してモノを受け渡しする際などに接触感染を引き起こします。
万が一、発症者の嘔吐などに触れてしまった場合には、必ず消毒を行いましょう。
②飛沫感染
2つ目は「飛沫感染」です。
ウイルス性胃腸炎を発症している人の便や嘔吐物が散ることによって、口にウイルスが侵入し、感染する場合があります。
発症者を看病している方などは、感染するリスクが非常に高い場所にいるので、手袋やマスクの着用を徹底しましょう。
③経口感染
3つ目は「経口感染」です。
貝類などから感染を引き起こすサポウイルスなどは、十分な食材の加熱ができていないために、ウイルスが体内に侵入するケースがあります。
生ものを食べる際には、しっかりと水で洗ったり、十分に加熱をした状態で食事を摂ったりすることで、食材からの感染を防げます。
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身近な人が感染した場合の対応
最後に、身近な人がウイルス性胃腸炎に感染した場合の対応についてご紹介します。
身近な人がウイルス性胃腸炎に感染した場合、手洗いうがいと消毒の徹底を行い、感染が広がらない行動をすることを心がけましょう。
たとえば学校でウイルス性胃腸炎が流行した場合、子どもが家庭内にウイルスを持ち込んでしまい、家族全員が感染してしまう場合があります。
万が一、発症者が家族の共有スペースなどで嘔吐をしてしまった場合、嘔吐物からウイルスが体内に侵入して感染する可能性があります。
そのため、マスクや手袋を必ず着用して、直接手で嘔吐物を触らないようにしましょう。
こうした対策をすることで、少しでも感染リスクを軽減させることが可能になります。
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ウイルス性胃腸炎を予防して健康的な生活を送ろう
ここまでウイルス性胃腸炎について紹介してきました。
- ウイルス性胃腸炎の原因となるウイルスは合計4つある
- ウイルス性胃腸炎に感染した場合は、症状が緩和してから3日程度休む必要がある
- 身近な人がウイルス性胃腸炎に感染した場合は、マスクや手袋を着用して直接嘔吐物に触れないことを心がける。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。