「o157の致死率は?」「o157の感染を防ぐにはどうしたら良い?」
o157の致死率について知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、o157の致死率について以下の点を中心に詳しく解説します。
- o157の致死率
- o157の感染を防ぐためのポイント
- o157に感染した場合にすべきこと
o157の致死率について知りたい方はご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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o157について
まず、o157について解説します。
o157は別名「腸管出血性大腸菌」と呼ばれており、重篤な食中毒を引き起こす菌として知られています。
o157は、微量でも感染するリスクがあり、流行しやすい初夏から秋にかけては、とくに注意が必要です。
肉や野菜などを介してo157に感染するケースが多いため、食品は衛生的に調理したり管理したりする必要があります。
過去には、死亡者が出る集団感染も起きているため、流行期間中はとくに気をつけましょう。
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o157の致死率は?
次に、o157の致死率について解説します。
o157に感染しただけで致命的なケースは稀ですが、合併症のリスクには十分注意が必要です。
o157の合併症のひとつである溶血性尿毒症症候群(HUS)の致死率は、1〜5%とされています。
o157の感染者のうち6〜7%の人が、溶血性尿毒症症候群や脳症などの重い合併症を発症します。
また、溶血性尿毒症症候群を発症した場合、死亡にはいたらなくても、20〜40%の人は慢性腎臓病の後遺症が残る可能性があり危険です。
とくに、免疫力の低い子どもや高齢者は注意しましょう。
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o157について知っておくべきこと
次に、o157について知っておくべきその他の内容を以下の4つの項目に分けて解説します。
- 主な症状
- 感染経路
- 原因となる食品
- 潜伏期間
①主な症状
o157について知っておくべきことの1つ目は「主な症状」です。
o157に感染すると、主に以下のような症状が見られます。
- 腹痛
- 水様性下痢
- 血便
- 嘔吐
- 発熱
o157に感染した場合、激しい腹痛や水様性下痢が見られるケースが多いですが、血便や発熱、嘔吐などの症状が出ることもあるでしょう。
ただし、健康な成人がo157に感染した場合、無症状であったり、軽い腹痛や下痢で治ったりするケースもあります。
前述した通り、免疫力の低い人がo157に感染すると、危険な合併症を起こす恐れがあるため、注意が必要です。
②感染経路
2つ目は「感染経路」です。
o157の感染経路には、経口感染と接触感染の2種類があります。
感染経路としてもっとも多いのは経口感染で、o157に汚染された水や食品を摂取することで感染します。
接触感染の場合、感染者本人に触れたり、せきやくしゃみを吸い込んだりして感染することはありません。
接触感染では、感染者の糞便などに含まれる細菌が、直接もしくは間接的に口に入ると感染するため、o157の拡散を防ぐことが大切です。
③原因となる食品
3つ目は「原因となる食品」です。
o157の原因となる食品には以下のものがあげられます。
- 肉
- 乳製品
- 野菜
- 果物
食品の加熱が不十分であったり、不衛生な環境で調理したりすると、o157に感染する恐れがあります。
また、過去には、白菜漬けやきゅうりの和え物で集団感染が起きた事例もあるため、野菜にも注意が必要です。
「加工されていれば大丈夫」というわけではない点に注意しましょう。
さらに、不衛生な環境で管理されている恐れのある井戸水や湧水なども、o157の原因になります。
実際に、井戸水を使用していた幼稚園でo157が発生し、園児が死亡する事故が起きています。
④潜伏期間
4つ目は「潜伏期間」です。
o157の潜伏期間は、人によりさまざまですが、3〜8日が一般的です。
とはいえ最短で1日、最長で10日程のケースもあるため、感染が疑われる場合は10日以上過ぎるまでは油断できません。
潜伏期間中は症状がなく、o157への感染に無自覚なこともあるのが厄介なポイントです。
o157は微量でも感染するほど強力な細菌であるため、身近に感染者がいる場合は、無症状でも潜伏期間の可能性があると意識しておきましょう。
なお、潜伏期間中に以下の症状が見られる場合は、o157に感染している恐れがあります。
- お腹に違和感がある
- 軽い腹痛や下痢がある
気になる症状があれば、すぐに病院に行きましょう。
o157の初期症状についてより詳しく解説していますので、こちらの記事も合わせてお読みください。
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o157の感染を防ぐためにできること
次に、o157の感染を防ぐためにできることを6つ解説します。
- 手を洗う
- 消毒をする
- 食品をしっかりと洗う
- 食品を適切に管理する
- 食品を十分に加熱する
- 調理器具を清潔に保つ
①手を洗う
o157の感染を防ぐためにできることの1つ目は「手を洗うこと」です。
手洗いは、o157をはじめとする感染症対策で、もっとも基本的かつ効果的とされる対策です。
食品を扱う前やトイレの後などは、必ず石鹸を使ってしっかりと手を洗いましょう。
また、肉を調理した手で野菜や調理済みの食品に触れることのないように、調理の途中でも手洗いは欠かせません。
さらに、調理中にペットを触ったり、おむつ交換をしたりした場合にも、忘れずに手を洗い、清潔に保つことが大切です。
万が一、o157に汚染された食品を扱ったままの手で飲食物を摂取すると、経口感染する恐れがあります。
日頃から衛生的な環境で調理や食事をするように心がけましょう。
②消毒をする
2つ目は「消毒をすること」です。
手を洗った後は、消毒用アルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどを使い、消毒をすることが大切です。
また、調理する場合は、自分の手だけでなく、調理器具なども清潔に保つ必要があります。
とくに、さまざまな食品を扱うキッチンやカウンターなどは細菌が繁殖しやすいため、念入りに消毒をすることが大切です。
万が一、感染者が出た場合は、不特定多数の人が触れる可能性のある、ドアノブやトイレなども消毒をしましょう。
③食品をしっかりと洗う
3つ目は「食品をしっかりと洗うこと」です。
野菜や果物を調理したり食べたりする際は、表面についた汚れや細菌をしっかりと洗い流しましょう。
トマトなどの表面がつるつるした食品は洗いやすいですが、きゅうりのように凸凹したものは洗いづらいため、注意が必要です。
また、レタスや白菜などの葉物野菜は、葉と葉の間に汚れや細菌が溜まっている可能性があるため、一枚一枚丁寧に洗うことが大切です。
調理前に、それぞれの食品の特徴をふまえて、しっかりと洗いましょう。
④食品を適切に管理する
4つ目は「食品を適切に管理すること」です。
スーパーや八百屋などで食品を購入した際は、帰宅後すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れて、適切に管理しましょう。
また、肉や魚は汁が出る可能性があるため、ほかの食品にかからないように、ビニール袋に入れて持ち帰ることが大切です。
とくに、肉や魚などの生鮮食品を常温で放置すると、o157をはじめとする細菌が増殖し食中毒を起こす恐れがあります
そのため、食品は、適切に温度管理がされている冷蔵庫や冷凍庫などに保管しましょう。
また、食べ残しがある場合は、細菌の増殖を防ぐためにも常温で放置せず、清潔な容器に移して冷蔵庫で保存することが大切です。
なお、冷蔵庫や冷凍庫に食品を詰め過ぎると機能が低下するため、7割程度を目安にしましょう。
⑤食品を十分に加熱する
5つ目は「食品を十分に加熱すること」です。
o157は熱に弱く、加熱すれば死滅するため、食品に十分に火を通してから食べると感染を防ぐことが期待できます。
75℃で1分間以上の加熱をして、食品の内部にまでしっかりと火を通しましょう。
とくに、o157の感染のリスクが高いステーキやハンバーグなどの肉料理に注意が必要です。
また、加熱ムラが起きやすい電子レンジで調理する際は、途中でかき混ぜたり、位置を変えたりするなどの工夫をしましょう。
なお、食べ残しを食べる際は、再度加熱し、スープや味噌汁などは沸騰するまで温めることが大切です。
ただし、食品に違和感があったり異変があったりする場合は、食べずに破棄しましょう。
⑥調理器具を清潔に保つ
6つ目は「調理器具を清潔に保つこと」です。
o157を防ぐためには、食品を扱う調理器具の定期的な洗浄と消毒が欠かせません。
包丁やまな板はもちろん、ふきんやたわしなども清潔に保つ必要があります。
調理器具の洗浄後は、次亜塩素酸ナトリウム製剤(台所用漂白剤)や亜塩素酸水で消毒をしたり、煮沸したりすると良いでしょう。
また、肉を調理した包丁やまな板を使って、野菜や調理済みの食品を加工することがないように注意する必要があります。
可能であれば、肉用と野菜用で調理器具を使い分けると衛生的でリスクを減らせます。
o157に感染した場合にすべきこと
最後に、o157に感染した場合にすべきことを5つ解説します。
- 病院に行く
- 入浴を避ける
- 家族とものを共有しない
- 衣類や寝具の扱いに注意をする
- 安静にする
①病院に行く
o157に感染した場合にすべきことの1つ目は「病院に行くこと」です。
o157に感染した場合にもっとも大切なのは、医師に診察してもらい、適切な治療を受けることです。
前述した通り、o157は重症化したり合併症を起こしたりするリスクがあり、場合によっては命に関わります。
そのため、o157の感染が疑われる場合は、すぐに病院に行きましょう。
とくに、重症化しやすい子どもや高齢者は、早期に適切な治療を受けることが大切です。
医師の診察を受けると、薬が処方されることもあるため、指示に従って服用しましょう。
なお、家族が感染した場合などは、症状がなくても検査を求められることがあるため、医師や保健所の指示に従って対応することが重要です。
②入浴を避ける
2つ目は「入浴を避けること」です。
o157の感染者が入浴すると、バスルーム全体に細菌が拡散され、家族を感染させてしまう恐れがあります。
とくに、感染者に下痢の症状が見られる場合は、排泄物にo157が含まれているリスクがあり、バスルームを介して感染が拡大すると考えられます。
そのため、感染者は入浴を避けたほうが良いですが、難しい場合は湯船には浸からず、シャワーのみで済ませましょう。
また、バスルームを使う際は、入浴順にも注意が必要です。
感染者は、最後に一人でバスルームを使い、使用後は忘れずに消毒をしましょう。
家族と一緒に入ったり、子どもや高齢者より先に使ったりすることのないように気をつける必要があります。
③家族とものを共有しない
3つ目は「家族とものを共有しないこと」です。
前述した通り、o157が付着したものに触れた手で飲食物を摂取すると感染する恐れがあります。
そのため、家庭内にo157の感染者がいる場合は、タオルや食器などを家族と共有しないことが重要です。
家族全員分のタオルやハンカチ、食器などを用意し、それぞれが自分のものを使うようにしましょう。
なお、共有が避けられないリモコンや手すりなどに感染していない人が触れた際は、石鹸で手を洗ったり、定期的に消毒をしたりするなどの心がけが大切です。
④衣類や寝具の扱いに注意をする
4つ目は「衣類や寝具の扱いに注意をすること」です。
衣類や寝具には、感染者の便や体液が付着している可能性があり、感染の原因になる恐れがあります。
そのため、感染者の衣類や寝具などの扱いには、注意が必要です。
汚れた下着は薬品で消毒したり、煮沸したりして、家族のものとは別に洗濯をすると良いでしょう。
また、感染者のおむつ交換や着替えのサポートなどをする際は、マスクや手袋などを活用し、感染対策をすることが重要です。
作業後は、すぐに手を洗ったりマスクや手袋などを処分したりして、o157を拡散させないようにしましょう。
⑤安静にする
5つ目は「安静にすること」です。
o157に感染した場合、安静にしてしっかりと体を休め、体力を回復させることが大切です。
また、薬を処方された場合は、指示された量とタイミングを守り、適切に服用しましょう。
o157だけでなく、一般的に下痢の症状がある場合に気をつけるべきことは以下の2つです。
- 水分を補給する
- 消化しやすい食事を摂取する
下痢の症状があると脱水症状になりやすいため、経口補水液やスポーツドリンクなどで水分を補給することが大切です。
ただし、逆効果になるため、冷たい飲み物は避けましょう。
食中毒が治るまでの期間について詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてお読みください。
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o157の致死率についてのまとめ
ここまでo157の致死率についてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。
- o157の合併症のひとつである溶血性尿毒症症候群の致死率は、1〜5%である
- o157を防ぐには、食品を十分に加熱したり、調理器具を清潔に保ったりする必要がある
- o157に感染した場合は、すぐに病院に行き、医師による適切な治療を受ける
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。