「o157（腸管出血性大腸菌）について詳しく知りたい」
「o157（腸管出血性大腸菌）への感染リスクや対処法などについて把握しておきたい」
o157（腸管出血性大腸菌）に感染してしまった方、あるいは周囲にo157（腸管出血性大腸菌）の感染者がいる方などの中には、このように考えている方も多いのではないでしょうか。
o157（腸管出血性大腸菌）は、食中毒菌の1種で、感染すると下痢や腹痛などの症状が現れます。
本記事では、o157（腸管出血性大腸菌）について以下の点を中心に詳しく解説します。
- o157（腸管出血性大腸菌）の概要
- o157（腸管出血性大腸菌）の原因となるもの
- o157（腸管出血性大腸菌）の具体的な症状
o157（腸管出血性大腸菌）にご興味のある方はご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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o157（腸管出血性大腸菌）とは
まずはじめに、o157（腸管出血性大腸菌）の概要をご紹介します。
o157（腸管出血性大腸菌）とは、食中毒菌の1種で、主に生や加熱が不十分な食肉類を摂取することが原因で感染します。
大腸菌は、大きく分けてＯ抗原（細胞壁由来）とＨ抗原（べん毛由来）に分類され、o157（腸管出血性大腸菌）はＯ抗原の中で157番目に発見されたことを意味しています。
そんなo157（腸管出血性大腸菌）に感染してしまうと、下痢や腹痛などの症状が現れ、場合によっては溶血性尿毒症症候群（HUS）や脳症などの合併症を引き起こすこともあります。
一般的には、安静にしていれば大事に至ることは少ないですが、稀に重症化するケースなどもあるため、感染を未然に防ぐための対策や感染後の対処法などについて詳しく理解しておくことをおすすめします。
食中毒に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
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o157（腸管出血性大腸菌）と他の食中毒菌との違い
次に、o157（腸管出血性大腸菌）と他の食中毒菌との違いについてご紹介します。
前述したように、o157（腸管出血性大腸菌）は食中毒菌の1種ですが、他の食中毒菌と比較するといくつかの違いがあります。
その代表的な特徴の1つが、ベロ毒素（志賀毒素）と呼ばれる毒素が含まれていることです。
一般的な食中毒菌の多くが、主に胃腸炎症状を引き起こすのに対し、o157（腸管出血性大腸菌）の場合は血便や重度の腹痛、さらには合併症を引き起こす可能性があります。
また、感染力という面でも違いがあり、o157（腸管出血性大腸菌）の場合は一般的な食中毒菌よりも少ない菌量で感染してしまいます。
つまり、通常の食中毒菌では腹痛や下痢などを引き起こさないような量でも、o157（腸管出血性大腸菌）の場合は症状が出る可能性があるのです。
食中毒の種類が気になる人は、以下の記事もご覧ください。
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o157（腸管出血性大腸菌）の感染経路
次に、o157（腸管出血性大腸菌）の感染経路について、以下の2つをご紹介します。
- 経口感染
- 接触感染
①経口感染
o157（腸管出血性大腸菌）の感染経路の1つ目は「経口感染」です。
経口感染とは、病原体が口から体内に入ることで引き起こされる感染形態のことであり、主に飲食物を摂取するタイミングで感染するような場合を指します。
o157（腸管出血性大腸菌）への感染のほとんどが経口感染であり、前述したような生や加熱が不十分な食肉類が原因となります。
o157（腸管出血性大腸菌）の具体的な原因については、後ほど改めてご紹介します。
②接触感染
2つ目は「接触感染」です。
接触感染とは、感染者や保菌者との直接的な接触、あるいは汚染された物品を介した間接的な接触によって感染することを指します。
経口感染と比較すると、感染確率は低い傾向にありますが、感染者が持つ菌が何かしらの原因で屋内の壁やテーブル、あるいは物などに付着し、間接的に他の人に感染してしまうような状態です。
また、o157（腸管出血性大腸菌）の場合、菌の潜伏期間があることから、無症状でも感染している場合があるため、感染者との接触に気付かずに感染してしまうケースもあります。
o157（腸管出血性大腸菌）の原因となるもの
ここでは、o157（腸管出血性大腸菌）の原因となるものについて、以下の3つをご紹介します。
- 食肉類
- 野菜
- 不衛生な水
①食肉類
o157（腸管出血性大腸菌）の原因となるものの1つ目は「食肉類」です。
一般的な食中毒の原因となる食品と同様に、o157（腸管出血性大腸菌）の原因となる食品には以下のような食肉類の食べ物が挙げられます。
- 牛肉
- 牛レバー刺し
- ハンバーグ
- 牛角切りステーキ
- 牛タタキ
- ローストビーフ
これらの食品は、加熱することが推奨されていながらも、実際には十分に火を通さずに食べてしまう危険性があるため、十分に注意する必要があります。
②野菜
2つ目は「野菜」です。
食肉類のほかにも、野菜に菌が付着している可能性もあります。
これは、牛の排泄物や牛糞で作られた堆肥が農地や農業用水に混入することなどが原因です。
食肉類に付着したo157（腸管出血性大腸菌）であれば、加熱することで菌を死滅させられますが、野菜などの場合は生で口に入れることが多いため、注意が必要です。
③不衛生な水
3つ目は「不衛生な水」です。
水は日常生活に欠かせないものですが、適切に管理されていない水源や浄化処理が不十分な水は、o157（腸管出血性大腸菌）感染の原因となる可能性があります。
不衛生な水の例としては、以下のような水の状態が挙げられます。
- 汚染された井戸水や湧き水
- 不適切に処理された水道水
- レクリエーション用の水
- 農業用水
- 災害時の水
水は加熱することもできますが、普段から使用している水はそのまま摂取することが多いので、摂取する水自体の質を考えて注意する必要があります。
安全性が確認された水源からの飲料水や未開封のボトル入り飲料水を摂取することを心がけ、疑わしい水の場合は必ず煮沸してから使用することが重要です。
o157（腸管出血性大腸菌）の主な症状
次に、o157（腸管出血性大腸菌）の主な症状について、以下の4つに厳選してご紹介します。
- 下痢
- 激しい腹痛
- 発熱
- 嘔吐
①下痢
o157（腸管出血性大腸菌）の主な症状の1つ目は「下痢」です。
o157（腸管出血性大腸菌）による下痢の症状は、初期段階から現れることが多く、症状が重い場合は1日に数回から十数回と頻繁に起こります。
これは、o157（腸管出血性大腸菌）が産生する志賀毒素が腸管細胞を傷害し、水分の吸収障害を引き起こすためです。
②激しい腹痛
2つ目は「激しい腹痛」です。
初期段階で現れる下痢の症状と並行して、激しい腹痛に見舞われることもあります。
これは、ベロ毒素が腸管に及ぼす影響によって引き起こされるとされており、場合によっては痙攣のような、あるいは刺すような激しい痛みを伴うことがあります。
また、激しい腹痛や下痢の症状とともに、血便となることもあります。
③発熱
3つ目は「発熱」です。
o157（腸管出血性大腸菌）では、軽度から中程度の発熱が見られることがあります。
熱の症状自体は、そこまで高熱になることは稀ですが、下痢や腹痛などの症状と並行して37度程度の微熱が出ることがあります。
発熱は体の免疫反応の1種であり、体が菌と戦っている証拠です。
ただし、高熱が続く場合や、他の症状と合わせて全身の状態が悪化する場合は、合併症の可能性もあるため、医療機関での診断が必要といえるでしょう。
④嘔吐
4つ目は「嘔吐」です。
o157（腸管出血性大腸菌）では、これまでご紹介した症状に加えて、嘔吐や吐き気のような症状が出ることがあります。
嘔吐や吐き気のような症状は人それぞれですが、一般的には感染後24〜48時間以内に治ることが多いとされています。
嘔吐の主な原因は、o157（腸管出血性大腸菌）が持つベロ毒素による胃腸管への刺激と、それに伴う全身性の炎症反応です。
嘔吐や下痢は、体の脱水症状を引き起こす可能性もあるため、普段よりも適度に水分補給を行うことが重要です。
o157（腸管出血性大腸菌）の感染状況と流行する時期
次に、o157（腸管出血性大腸菌）の感染状況について、東京都の状況を例にご紹介します。
結論から述べると、東京都内で報告されているo157（腸管出血性大腸菌）の感染者数は過去10年程度ほぼ横ばいとなっており、少ない年で320人程度、多い年で470人程度となっています。
感染者を年齢別に見ると20代の方が最も多く、続いて30代、10代の感染が多くなっています。
また、流行する時期としては初夏から秋ごろにかけてが最も多く、これにはo157（腸管出血性大腸菌）をはじめとした食中毒菌が増殖しやすいことが関係しています。
とはいえ、初夏から秋頃以外の気温が低い時期でも発生が見られることから、一年を通して注意する必要があるといえるでしょう。
o157（腸管出血性大腸菌）への感染を防ぐための対策
最後に、o157（腸管出血性大腸菌）への感染を防ぐための対策について、以下の4つをご紹介します。
- 食材を十分に加熱すること
- 調理器具を適切に使い分けること
- 手洗いや消毒をすること
- 感染者との接触を回避すること
①食材を十分に加熱すること
o157（腸管出血性大腸菌）への感染を防ぐための対策の1つ目は「食材の十分な加熱」です。
前述したように、o157（腸管出血性大腸菌）の感染理由として最も多いのは経口感染であり、経口感染は主に食肉類などの食品から感染することが多いといえます。
o157（腸管出血性大腸菌）を防ぐためには、普段から摂取する食品をしっかりと加熱し、中まで深く火が通っていることを確認した上で、口に入れるようにすることが重要です。
また、生野菜などについても、可能な限りしっかりと洗い、o157（腸管出血性大腸菌）をはじめとした付着した菌をしっかりと取り除くことを意識しましょう。
②調理器具を適切に使い分けること
2つ目は「調理器具を適切に使い分けること」です。
まず、生肉用と調理済み食品用のまな板やナイフをしっかりと区別することが重要です。
前述したように、o157（腸管出血性大腸菌）の感染力は高く、僅かな量の菌でも食中毒や体調不良などの症状を引き起こします。
使用後の調理器具は必ず洗浄し、可能であれば熱湯消毒や漂白剤による消毒を行うことをおすすめします。
また、焼肉やバーベキューなど、箸などを使用して生肉に触れる際にも、加熱したものと生肉を触る箸などの道具を分けることが重要です。
③手洗いや消毒をすること
3つ目は「手洗いや消毒をすること」です。
o157（腸管出血性大腸菌）をはじめ、一般的な風邪やウイルスを防ぐためにも、手洗いや消毒、うがいなどは日常的に意識するようにしましょう。
特に手などは、普段から顔周りを触ることも多いため、付着した菌などが体内に入りやすくなってしまいます。
手洗いをする際は、指の間や爪の周り、手首までしっかりと洗い、洗い終えたあとはしっかりと乾燥させることが重要です。
また、手洗いができないような状況では、アルコール系の手指消毒剤を使用することも効果的とされています。
④感染者との接触を回避すること
4つ目は「感染者との接触を回避すること」です。
当然のことですが、感染を防ぐ上で最も重要なのは感染者との接触を回避することです。
直接的な接触や会話などを避けることはもちろん、使用する家具や道具なども極力分けることが重要です。
また、感染者が近くにいる場合は、手洗いや消毒をより徹底し、入念な感染対策を意識する必要があります。
食中毒の対処法に関しては、次の記事で詳しく解説しています。
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o157に関するまとめ
ここまでo157についてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。
- o157（腸管出血性大腸菌）とは、食中毒菌の1種で、主に生や加熱が不十分な食肉類を摂取することが原因で感染する
- o157（腸管出血性大腸菌）の原因となるものとしては、生の肉食類や野菜などが挙げられる
- o157（腸管出血性大腸菌）の具体的な症状には、発熱や吐き気、腹痛などが挙げられる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
