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自分でやった感を大切に

ワンポイントケア その20

 

「介助」という行為は、その言葉が示すとおり他者の動作に介入し助けるというイメージで受け止められるものだと思います。

例えばベッドから体を起こす支援やトイレで下衣を上げ下げするために車椅子からの立ち上がり支援などもろもろあります。

つまり動作そのものを助けるというイメージです。

しかし、例えばトレーニングなどで寝た状態から体を起こしてくる腹筋運動がわかりやすいのですが、自分の力だけでは体を起こしてこられない腹筋の弱い人に対しては、体を起こすことを助けるより、むしろ両足をしっかりと地面に固定するように支えてあげると思います。

そうすることで、弱い力でも何とか自分の力で体を起こしてくるよう介助をしているわけです。

しかし体を起こすこと自体は自分で行なっていますからトレーニングとしては意味がありますし、何より自分が頑張って行ったという達成感も得られるはずです。

 

ある動作に対する介助は、動きそのものを助けることもできるし、本人が動きやすくなるために必要なところを支える助けもできるのです。

どちらも他者の手を借りるという意味では変わりありませんが、動きそのものを助けられるより、支えてもらう方が“自分でやった感”はより強いと思います。

介護はあくまで本人の生活に対する、本人にとって価値のある支援であるべきものです。

したがって介助が必要な動作であったとしても、自分でやった感があるのとないのとでは、その後の動作はもちろん、生活全般の活性化にも大きく影響してしまいます。

前回(#149)のコラムで“起こされた人は座らされる人”と表現したように、人を動かすという介助は、次の動かすに連鎖します。

そうして介助される人が作られる危険があります。

 

だからこそ、動かす介助の前に支える介助を意識してみると良いと思います。

方法は簡単です、その動作を行うにあたり支点となっているところをしっかりと支えて差し上げれば良いのです。

支える介助によって少しでも自分で動作を行おうとした人は、そのやった感が次の動作にも連鎖していきます。

まさに“自分で起きようとした人は、自分で座ろうとする人であり、自分から立ち上がろうとする人”へと逆転します。

 

腹筋運動(支えなし)→自分で起きられない/腹筋運動(支えあり)→自分で起きられる(自分でやった感あり!)

 

筆者
大堀 具視(おおほり ともみ)
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