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トップページ>マガジン>羅針盤>和田行男>好奇心が拓いた介護のリアル

好奇心が拓いた介護のリアル

星を眺めていた少年時代

家出小学生だった僕の友は「☆星」でした。
家を抜け出しては、自分で廃材を利用して組み立てた「基地」に行き、寂しさもあってか、いつも勝手に飼っていた捨て犬を隣に空を眺めていました。

その頃、授業で習ったのが音速と光速ですが、星を眺めていた僕にとっては衝撃的でした。
光に速度があるということは「星の輝きは時間差で見えている」ということになり、そうなると、すでに消滅している星の光も遅れて地球に届き、それを「きれいだなぁ」って眺めているってことですから、ぶったまげました。

それからの僕は、「星に向かっていくとある地点で光が見えなくなるはず。そこから一歩踏み出せば見えない、一歩後退すれば見えるという地点に行ってみたい」と思うようになりました。

この道はどこに繋がるのかを知りたい

小さい頃から「やっちゃいけない」と大人から言われたことはやってみたくなるし、とりあえずはやってみようとするアブナイ・イケナイ子でした。
流れの中で悪事にも手を出し、お巡りさんのお世話になったこともありました。

そんな僕が20代の頃、ふと思い描いたことがあります。
この足元をスコップ片手に掘り進んでいくと、地球の中心を通過して反対側に出るはず。その時は、頭から出るのかな、足から出るのかななんて、重力を無視して、その光景をありありと想像しました。

いまだに、この道を突き進んだらどんな所に出るんだろう、何があるんだろう、そう思う気持ちが僕には強くあります。

車のナビをセッティングしても指示を無視して脇道に入っていくし、あちこち寄り道をしてしまい、しまいにはとんでもない道を走ってしまい、行き止まることも多々あります。

友人と海外に行って、友人がガイドブックを見ながら効率よく動くことに嫌気がさし、未知との遭遇を楽しみに自分勝手にどこかに行ってしまうこともありました。

好奇心こそが僕の武器になる

68歳になった今でも、ご依頼をいただければ誰からのお招きであれ、どこであれ出かけて行くのも、何に出会えるか、どんな方に出会えるか、自分は何を話すのか、それにワクワクしてしまうからです。こんなふうにしてみたらどうなるんだろう。

介護の仕事の中でも、いわばこうした「好奇心」は僕にとって大きな武器になっているように思いますし「好奇心こそが拓く」と思い込んでもいます。

こんな僕ですから、このブログも簡単にお引き受けさせていただくことになりましたが、和田はどんなことをここに記すのか僕自身楽しみです。

こんなヤツですが、お付き合いのほど、よろしくお願いします。

和田 行男 さん

1987年、日本国有鉄道から介護業界へ転身。1999年には、東京都初となる認知症高齢者グループホーム「こもれび」の施設長に就任した。