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あらすじ
琵琶湖のほとりに佇む介護施設で、100歳の寝たきり老人が不可解な死を遂げた。
事件の捜査を担当する西湖署の若手刑事・濱中圭介とベテラン刑事・伊佐美佑は、人工呼吸器の誤作動による事故か、何者かによる殺人かを追及する。
施設で働く介護士・豊田佳代が容疑者として浮上し、過去の薬害事件との関連も明らかになっていく。
若手雑誌記者・池田由季が事件の裏にある薬害事件を追う中で、戦後日本の闇の歴史が浮かび上がる。
事件を巡る人間模様が重層的に描かれ、過去と未来への光の拮抗が深い余韻を残すミステリー。
特徴・見どころ
「湖の女たち」は、ある介護施設で起きた不可解な殺人事件をきっかけに、人間の心の奥底に潜む闇と、社会がひた隠しにしてきたタブーに鋭く切り込む、衝撃のヒューマンミステリーです。
原作は数々の作品が映像化されてきた人気作家・吉田修一。
メガホンを取るのは、人間の複雑な心理描写に定評のある大森立嗣監督です。
主演の福士蒼汰さんと松本まりかさんが、それぞれ事件の真相を追う刑事と、容疑者である介護士という難しい役どころを熱演します。
事件の背景に隠された、日本の「暗部」
物語は、100歳を超える老人が殺害されるという衝撃的な場面から始まります。
しかし、事件を追ううちに、単なる個人の怨恨では片付けられない、根深い問題が浮かび上がってくるのです。
それは、戦後日本が歩んできた歴史の中で闇に葬られてきた、ある薬害事件や非人道的な人体実験の記憶でした。
過去の過ちが、現代の介護現場で起きた事件とどのように結びついていくのか。
観る者は、息をのむような展開の中で、社会の大きなうねりに翻弄される人々の姿を目の当たりにするでしょう。
介護現場のリアルと、揺れ動く人間模様
本作のもう一つの大きな見どころは、事件を通して描かれる介護現場の過酷な現実です。
閉鎖的な環境で起こりうる問題や、高齢者の身体拘束といった倫理的なジレンマにまで深く踏み込んでいます。
特に、福士蒼汰さん演じる刑事・圭介と、松本まりかさん演じる介護士・佳代の関係性から目が離せません。
事件を追う者と追われる者でありながら、互いの孤独に引かれ合い、複雑に絡み合っていく二人の姿は、物語に一層の深みと切なさを与えています。
介護という仕事の尊さと、そこで働く人々の葛藤が、胸に迫るリアリティをもって描かれています。
この映画は、犯人探しのミステリーという枠を超え、私たち一人ひとりに「人間の尊厳とは何か」「正しいこととは何か」を問いかけます。
重厚なテーマでありながらも、一級のエンターテインメントとして昇華された本作は、観る人の心に長く深く、そして重い余韻を残すに違いありません。
ぜひ、この衝撃の物語の結末を見届けてください。


 
  
 
 
  


 
  
 
 
   
   
   
   
  


